なんだ、そういうことか。過去というものは全て未来に繋がっていて、私が経験してきたことも考えてきたことも感じ取ってきたことも全て、今に繋がっているのか。そして過去という奴は、私が生まれたてから全てのことというわけではなくて、私が生まれる前から脈々と続く血とかいう奴も含めたもののことで、私は結局今のところはその血とかいう奴に縛られているわけだ。道理で。全ては、成るようにしか成らないわけだ。
兄貴様は信じられないことにまた療養期間に戻りそうだ。嗚呼、何ということ。私の"自由"はたった一ヶ月で幕を閉じた。ふざけてる。五ヶ月の療養の後の一ヶ月の社会復帰? 次は一体どれほどの療養期間だというのかしら。私には全く関係ないことであるというのに、全く関係無いことである筈なのに、私は現実から逃げられない。畢竟、本当に壊れたのは兄貴様ではなくて私というわけか。嗚呼、本当に。私はもう逃げられそうにない。逃げることも出来ないのに、耐えることも出来そうに無い。絶えることを勇気と言うならば、私には其の勇気も無いのだけれど。誰かに守ってもらう"弱さ"を身に付けるくらいなら、自分で自分の身を守れたり大切なものを守り抜く"強さ"を願った私だから、私はまだ四半世紀に満たない人生の中で幾度も行ってきたように自分を殺して生き永らえるだろう。嗚呼、でも、其れは本当に生きていると言えるか? 私は自問する。答が何処にも無いことを知りつつ、果てし無く自問し続けるだろう。
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