Wakako's Diary 道すがら記

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2002年夏←→1995年夏 - 2002年07月23日(火)

少し前向きな事を。
カルテの翻訳。

前を向いて歩いていれば、きっと、良いことも運も集まってくるさ。

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6年前、と思いきや、数えてみればもう7年前の事になる。

夏。毎日大量の文献を積み上げて図書館で過ごしていた。
しかしひたすら眠るばかり。

ひたすら素振りをせねばならぬと思想を吸収しようとし、
活動せねばならぬと動き、
結局なにも・・研究という意味で・・形になっていなかった。

茫漠としたようにみえる研究に取っ掛かりがつかめず、
かといって研究への熱意もなく、ただ焦りだけがあった。

もう、どうしたら良いのか分からなくなって、
そして余りにも自分が情けなくて、
つるんでいたひとを前に、わんわん泣いた。
彼は、呆然としながら吐き出す言葉もなくおろおろとしていた。

この人を前に泣いても意味がない、と思いながら、
涙が止まらなかった。

いや、その人を前にして泣いても意味はなかったが、
その人と会う口実がなければ、それこそ引きこもっていたのではなかったか。

あれは陽光の差すカフェテリアの南側だった。

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それから10日ほどあとのことだったと思う。
姉妹三人で富山の祖母の家に行った(わたしは乗り合わせるはずの特急列車に乗りそこなったので、駅で落ち合った)。

岐阜の温泉に泊まりに行ったり、宇奈月に寄ったり、楽しかった。
車中で聞いた我が祖先の系譜は面白かった。

そして、富山在住の友人二人と別々に会った。二人とも、共通して、友達がいないとぼやいていたような記憶がある(この閉塞感がなかなかたえがたいのだ)。

恐らく別々の話をしたと思うのだが、それぞれに私は「結婚したい」といった。
別に何のあてもなかったし、(今だって相当の未熟さ加減に辟易しているが)
その時だって十分に大人だったわけでもなかった。ただ、もがいていた。

一人の友人とはお店であったので、さすがにおとなしくしていた(と思う)けど、
もう一人の友人は、友人宅にお邪魔していたので、心置きなく、泣いた。
泣いてどうなるものでもない。しかし、泣いた。泣き続けた。何に対して泣いていたのだろうか。心の安らぎを得たいのに何もない、そういう自分野不安定さに泣いたのだろうか。
そして、涙をぬぐい、洟をかんだ。ティッシュペーパーの箱を空にしてしまうまで。

それから私は教員免許を取り、文学部を出て、教職につき、
フリースクールで非常勤講師をしながら受験勉強をし、医学部に再入学した。

しかし、あれから何が変わったのだろう。

当時、先が見えておらず、ただ不安だった、孤独だった、それが耐えがたく、
またそんな状況にうまく対処できておらず、研究は手につかず・・そんな日々がその後さらに続く事になる。

今も・・耐えがたい孤独とまでは言わないかもしれないが、一人でいるのが(弱虫と罵られてもいい。7年前、母も父も、あんたは学生でしょ、つべこべ言わず、ちゃんと学業に励め、といった。私がさびしいというのは・・自分で何とかすべきだったのだろうが、あんたは学生のひとことで無視された。あのとき、「そうね、さびしいわね。つらいわね」と私は言ってほしかったのかもしれない。・・今朝、母は「いままでどれだけキョロキョロしてきたのよ、自分の選んだ道でしょ、心のよりどころをどこに置くか考えなさいよ」といった。おっしゃるとおりです。おっしゃるとおりです。そして、寂しがり屋なところもある私はもっと早くから手を打っておくべきだったのかもしれない、7年前もそうだったじゃないか、と自分を責める。私が悪い、私が悪い、なにもしなかった私が、そして人間的に欠落していた私が、というようには今は考えなくなったし、いまさら過去を問うても仕方ないのは百も承知だ、けれども、ふと思い出すとやはり私が悪いと自分を責めるのだ。私が悪い私が悪い。私が悪い。手を打たなかった私が悪い私が悪い。勉強もがんばりませんでした。かといって進路も迷いに迷いました。責めるのは生産的ではないのは分かっている、そして、誰も、なにも、悪くないのかもしれない、しれない。

7年前と同様、何かから逃げているだけなのかもしれない。
いや、逃げてる、と思わなくてもいいのかもしれない。わからない。

ただ、どちらにせよ、困る、という事はなにかしら変化が(内面的な事にしろ、外的な事にしろ)必要なわけで、活路を、ということか。

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7年前の夏、あれから何が変わったのだろう。私は前に進んだのだろうか。

私はハイデガーのナチス問題の短い論文をいくつか読み、そして
映画の「シンドラーのリスト」や「ショアー」が話題になった夏だった。







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