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「シュレッダー」PV - 2007年08月18日(土) 「シュレッダー」PVを見た。 何度も何度も繰り返して観た。 こんな世界を作れるのは、吉井和哉しかいない! 実をいうと、先週モバイル公式で「シュレッダー」PV撮影中だという 目の周りを緑に塗りたくった長髪吉井和哉を見た時には、 こんな暑苦しげないでたちで大丈夫なのかと、危ぶんでいた。 けれど、昨日の朝、一部分の視聴が始まって、 そんな心配など吹き飛んでしまった。 コンクリート打ちの荒れ果てた部屋と吉井和哉、 画面に映し出されるのは、ただそれだけなのに、 この妖しさ、怪しさ、悲しさ、切なさ・・・ 感情が込み上げて来てどうしようもなくなる。 磔にされたキリストのようにソファに靠れる白シャツの吉井、 大きな長い袖で覆った顔から眼だけを覗かせる黒服の まるで死神のような吉井・・・あの緑のアイシャドウが こんなにも映えているとは、思わなかった。 何度もアップになる白く美しい手は、一つの人格を持つ生き物の ように妖しく蠢いて目が離せない。 この人の表現力って本当に凄いよなあ。 猫を撫でようとする指が虚空を彷徨うシーンが印象的だった。 ハサミで切り裂くシーン、緑色の物体を嘔吐するシーン、 猫のしっぽetc、時々ゾクッとなる場面が挿入されていて 最近のこの猛暑には、非常にタイムリーなPVだとも思った。 最後の手品をやってくれちゃう吉井和哉が好きだ! ROCKIN'ON JAPAN9月号吉井和哉表紙巻頭 ネタばれしていますので、覚悟必要です! 告知ページで既に知っていた表紙写真よりも、 44Pあご鬚の吉井和哉の目にヤられた。 屋内で白シャツ、インディアンの羽髪飾りをつけポーズを決める姿も、 屋外でドラゴンのタトゥーとターコイズの腕輪を嵌めた腕で 煙草をくゆらす、今まで見たこともないようなあご鬚の濃さに ゾクゾク来る程の男らしさを感じた。 男の自信を確立した力強さ、フェロモンの濃さを感じた。 山崎洋一郎氏のインタヴューに答える吉井和哉の言葉にも淀みがない。 『THE YELLOW MONKEYを解散して、 肉体そのものが1回破壊され・・・、 そこから3枚掛けてこの数年かけて、 完全に自分を取り戻した、かつ、新たに創り上げた』と 山崎氏が仰っているけれど、その通りだと思う。 各曲について語られる吉井和哉の言葉がとても 興味深くて、特に「バッカ」と「雨雲」が楽しみでならない。 アルバム最後の曲「雨雲」の一番最後の言葉が ≪I LOVE YOU≫だそうだけれど、 『それはたぶん、それがその時に言いたいこと。 一番言いたいこと。だから今回は≪I LOVE YOU≫です』と 語った箇所が強く心に残った。 『私は宗教には入っていません! 自分の中にあります、宗教は』と言い切ったのは、凄いと思った。 でも正直私もそう思ってるんだよね。 聖なるもの崇高なるものは、 人の心に抱く良心や慈愛なのじゃないかって。 「今後の予定」を訊かれて『ツアーが9月末から始まり・・・ 来年の春ぐらいまでは、ちょっといろいろやろうかなと』だそうだ。 CDでーたでも語っていた『このツアーはあくまでも前半戦』 という発言と照らし合わせれば、11.12月から年をまたいで 何かありそうだよね。 来年6月前後にまたアメリカレコーディングを行い、 夏フェスに参加し、新アルバムを出す。 吉井の中では、もうビジョンが出来ているらしい。 本当に頼もしい事だ。 そして、最後の最後にツアーメンバーについて話している。 ジュリアン・コリエルが来るそうだ。 ドラマーもまた違う人(日本人)になるのだと。 そう、『今回のツアーはエマさんがちょっと欠席』なのだそうだ。 『欠席ですよ。その辺はもう大人の付き合いで』 ≪大人の付き合い≫って何ですか? 私、歳はとっててもお子様なので分かりません! 「シュレッダー」を聴いて、PVを見て、このインタヴューを わくわくドキドキしながら読んで来た高揚感が一気に 瞬間冷凍された。 もうずっと長い間不安を抱えて来たから、 覚悟はしていた筈なのだけれど、それでも少しでも希望があるうちはと、 己を鼓舞して来たようなものから、いざ現実を突き付けられると、 想像以上に応えた。 けれど、私には、希望がある。 いつか時が満ちれば、きっと花咲く日も来るだろう。 吉井和哉が望むような若くて純粋なファンではないだろうけれど、 それでも、吉井和哉が今この時代、この時に、 生きて、音楽を生み出し、歌い続けている事が、 そしてLIVEという空間でその音に触れる事が何より幸せだと思っている。 吉井和哉の進む道を邪魔したくないと、その事を強く思う。 『健やかでいて!』そう祈りたい。
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