ロマンティスト・テイスト...jovanna

 

 

Interview File 「CAST」 - 2005年03月28日(月)

新潟のインタヴュー雑誌「CAST」が届いた。
630頁近くもある分厚い雑誌でYOSHII LOVINSONの記事が20頁も載っている。
フォトは白黒だけれどキルビル教会でのあのテンガロンハットYOSHIIが
とても味わい深い。
インタヴュー中とても心に残ったのは、YOSHIIが語っている
『「常に己を殺せ」・・・「道で神に会えば、神を殺せ」』という箇所だ。
これは、禅でいうところの
『無一物=「仏に逢えば仏を殺せ、祖に逢えば祖を殺せ」
何事にも捕らわれず縛られず ただあるがままの己を生きよ』という教えだろう。
多分元々の意味は、修行の道で仏への信仰や仏道の師匠への尊敬も、
そういう大きな固定観念や価値観に囚われる事勿れ。そのような一切を捨て
去った時に見出すのが「いのちの真実」なのだという事なのだろう。
YOSHIIはこの言葉を、京都の若い禅僧達が集まる講演会で語ったという
岡本太郎氏の著作を読んだのだとインタヴューで話しているのだけれど、
岡本太郎氏は『道に立っていたら、己にいつか会う。己にあったら、
己を殺せ。で、己を殺したときに、その己が目指す世界の神に会える。』と
語ったそうだ。真理だと思った。
迷いの中の自分とは一体何者なのか?
何の為に生きているのか?
自分をとことん見つめて、我執を捨てた時、自由な大きな力が沸いてくる筈だ。
エキサイティングな生への活力が生まれるのだ。
YOSHIIは、この本に出会って『「CALL ME」で歌いたかったことはこれだ!』と
『芸術は爆発だ!』と共感を覚えたそうだけれど、
このYOSHIIのインタヴューを読んだ私にもこのエピソードは衝撃だった。
私個人の思い煩う事などほんのちっぽけな問題だとは思うけれど、
色んな事に捉われて窮屈な思いをする事も多い。
けれど、今を生きる自分にとって何が一番自然で真っ直ぐな事かと考えれば、
おのずと答えは見えてくるように思う。
己を偽らず飾らず背伸びせず、あるがままに。

インタヴュー後半で出てきた能の太鼓の修行についての
『音は現象だから・・・その思いは、音という現象となって相手に伝わるんだ』と
いう言葉もとても深い意味を持つものだった。
『生き様を一瞬でフレーズにする音楽』・・・この能のTV番組を
ここまで深く掴んだYOSHIIという人自身も滅茶苦茶ストイックな人だよなあ。
それにしても凄く濃いインタヴューだった。
通信販売で手に入れた甲斐があった。





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