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叶わぬ恋だからこそ - 2003年06月15日(日) 11日にDVDとCDを手にしてから私は、レッド・ツェッぺリンの虜になって仕舞った。 最初の何日かは、未知のライブ映像の素晴らしさに狂喜し、CDのライブ音源に浸り、 この上ない喜びを感じていた。 けれど、中古で「狂熱のライブ」を手に入れ、何年ぶりかでこの映像を観て、 切なさが止まらなくなった。この気持ちには覚えがある。 私は、THE YELLOW MONKEY曲の殆どを作り、歌う吉井和哉に恋している。 ヴォーカルでありコンポーザーであり表現者である吉井和哉という一人の人間に 対してだ。しかし、今回は違う。 ギリシャ彫刻を思わせる黄金の獅子プラントでも、ギターの魔術師ジミー・ペイジ でもない。天才ドラマー、ジョン・ボーナム、ベースとキーボードを自在に操る 職人技のジョン・ポール・ジョーンズの4人が作り上げたミラクル・バンド= レッド・ツェッぺリンというロック・バンドそのものに対しての恋なのだ。 ボンゾの死により解散を余儀なくされた、既に伝説と為って仕舞ったバンドである。 熱病に冒されたように彼らの軌跡を辿り、彼らの残した音を探し求め、 残像に手を伸ばそうとしてみても満たされる事はない。 切なさばかりが募る。何て不毛な恋だろう。 何でよりによって、もうこの世で出会う事はないバンドなんだろう。 既に存在しない、手が届かない境地に去って仕舞ったゆえに、 彼らは輪を架けて神秘的で美しい。 当分、この恋に焦がれて試行錯誤の日々を送る事だろう。 “バラ色の日々”だ。 それも良い。
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