徒然なる日々。
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2002年06月06日(木) 本とファンタジー。

私は本が好きです。もー活字大好き。活字の羅列見てるだけでかなりうっとり。別に読まなくても見てるだけでも全然好き。漢字とかフェチ。難しいのとか書けないけどね。薔薇とか憂鬱とか跳梁跋扈とか悪阻とかあとパソコン様でも一発変換で出てきてくんないようなビロードとかぬらりひょんとかセキセイインコとかいろいろ読めるは読める。

ただ、私の読む本のジャンルってかなり限られてます。大抵推理小説。フツーにエッセイとか読んでても(で、いつ人が死ぬのさ)と思ってしまう。エッセイって駄目なんですよ。さくらももこは友達にかりて多少読んだことあるけど、ああいう楽しい体験なんかを面白おかしく書いてあるものはともかく、大変な人生を歩んできた人の人生論だの人間観だのは読んでられない。その人の考えがすごい!なるほど!もっともだ!と思えるものならまだしも、大抵はそう思えないから。いや、素晴らしいとは思うけどだからって私の考えが変るほどの何かを得られたことは残念ながら今のところない。っつってもたいして読んだことないから当たり前なんですけどね。

私が推理小説好きなのには海よりも深いようで水溜りよりも浅い訳があります。両親の本の嗜好がそっちだから。父親の愛読書が十津川警部と浅見光彦で、母親が好きなのが宮部みゆきで乃波アサで江戸川乱歩なのですよ。我が家は屋根裏部屋に置きすぎて私の部屋のドアが開かなくなるほど本があります。その殆どが殺人事件の起こる話ばっかりなんですから私の読書傾向がそっちに傾いても仕方ないといえば仕方ないでしょう。小学校のころとか図書室通っては明智探偵と小林少年の話読んでみたり、アルセーヌルパンに心ときめかせてたんですからそりゃもうね。

そして私の読まないジャンルナンバー2くらいに言えるのがファンタジーです。漫画は好きだけど文章でファンタジーって好きじゃないんですよ。漫画って読み流しするけど、私は本は本気で読みたい人なので、「まほー」とか「ようせいー」とかで悩み一発解決!な話は読んでると哀しくなってしまうのです。その昔確かに私はナルニア国物語全巻読破しました。ゲド戦記はちょっと読みかけて止めましたけど。ナルニアは確か4人兄弟がファンタジー世界に行っちゃって帰るために冒険する話だったかと…(ウロ覚え)でもアレ聖書なんですね。それがわかってごっつい萎え。
なんと言うか…魔法とかそういう不思議な力とか、そういうもので問題を解決するっていう姿勢が嫌いだったんです。ご都合だなーと。だからハリポタも、ロードオブザリングも見なかったんですけどね。でも私十二国記読んだじゃないですか。十二国記はバリッバリのファンタジーです。半獣という人間と獣の合いの子はいるし、人間でない生き物はじゃかすか出てくるし、人間も植物も動物も生まれてくるのは母親の腹からではなくて木の実からだし…これをファンタジーとよばずして何をファンタジーと呼びましょうかというほど。それでも十二国記読んで、食わず嫌いしてたとちょっと後悔。決してご都合な世界のものばかりじゃないんだなーと思って考えたんですよ。

だってもしそういうファンタジーな世界があるとして…人が魔法を日常的に使い、魔物が闊歩して、冒険者が獣を駆って生活する世界。そういう世界があるとして、そっから見れば私たちの世界だって、充分ファンタジーだろうなあと。鉄の塊であるところの車は変な燃料で走るわ、1トン以上ある飛行機は飛ぶわ、小さな箱で遠くにいる人と当たり前のように話するわ、文章は一瞬で送るわ、マニファクチュアしか存在しない世界から見れば、この機械化された世界は絶対にファンタジー。そう考えれば自分のいるこの世界もなかなかいいもんだなあとか。ファンタジー世界に憧れるのは機械世界の住人だからなんだろうな。むこうの世界の住人なら、機械化された世界に住みたいと思うのかもしれない。

おお、意外と私もファンタジーを理解できる心があるのかもしれない、と思ったので早速本を探してみたんです。しかし…ファンタジーってどうしてこうもハードカバー多いんでしょう。たっけえ!一冊1,500円以上する本を買うのは私には勇気が必要です。普段6千円くらいするゲームばかすか買うくせに(笑)で、文庫本探して児童書のあたりうろうろして、独り言で「変身!」「カードベット!」「ファイナルベット!」とか言ってみたり、ハム太郎の風船に飛びついてる子供をかわして(爆笑)探して探して探して…人間て普段見慣れたもの探すのは早いくせに見慣れないもの探すとなるとすごい苦労します。「〜殺人事件」「〜事件簿」「〜の謎」はやったら目に付くのにぃ…。探すこと15分。ようやく見つけたファンタジーそうな(変な日本語)文庫本。…なんてシリーズものの多いことでしょう。一冊でスパっと終わる話はないのか!…ない。ので、仕方なく適当に面白そうなシリーズの1、2巻と、チャイニーズファンタジーっぽい本。あわせて3冊買ってみました。

まだ読んでないんですけどね。これからいろんな本を読みたいんですよ。それこそファンタジーでも童話でも推理小説でもエッセイでも哲学書でもなんでも。本を読むことって、経験できないことを気持ちだけ疑似体験させてくれることだから。

…しかし…ファンタジーに手を出す気になったよってことを言うためだけになんだこの長文は。


マサキ