コトバアソビ。
無断引用お断り。

2004年04月10日(土) 微熱遊戯。


眩しい。

逆光で顔の造作ははっきりしない。

前に進むことが出来ない。

オレをおいて行こうとする。

やめろ。

行くな。

そっちは危険だ。

嫌な感じがする。

咄嗟に掴んだ腕。

捥げる。


「ぅわっ!!」


流血はない。

ただ、マネキンのように転がる。

柔らかい、腐った肉の感触。

どんどん進んでいくオマエ。

行くな。


『オレをおいて行くな』


届かない声。

離れていく距離。

オレのことが嫌いになったから?

零れ落ちる水滴。

ごめん。

謝ってすむなら何度でも。

ごめんごめんごめんごめんごめん。

だから、オレをおいて。


「ドコニモイカナイ、ココニイルヨ。」


振り返って言うオマエの顔が、

全てを許しているように見えた。



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本田りんご

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