眩しい。
逆光で顔の造作ははっきりしない。
前に進むことが出来ない。
オレをおいて行こうとする。
やめろ。
行くな。
そっちは危険だ。
嫌な感じがする。
咄嗟に掴んだ腕。
捥げる。
「ぅわっ!!」
流血はない。
ただ、マネキンのように転がる。
柔らかい、腐った肉の感触。
どんどん進んでいくオマエ。
行くな。
『オレをおいて行くな』
届かない声。
離れていく距離。
オレのことが嫌いになったから?
零れ落ちる水滴。
ごめん。
謝ってすむなら何度でも。
ごめんごめんごめんごめんごめん。
だから、オレをおいて。
「ドコニモイカナイ、ココニイルヨ。」
振り返って言うオマエの顔が、
全てを許しているように見えた。
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