ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年09月28日(木) レディ・イン・ザ・ウォーター

監督:M.ナイト・シャマラン
出演:ポール・ジアマッティ
    ブライス・ダラス・ハワード
    ボブ・バラバン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
フィラデルフィア郊外のアパート「コープ荘」の住込み管理人クリーブランドは、日々アパート内の雑事に追われ、世間から身を隠すようにひっそりと暮らしていた。ある晩アパートのプールで謎の女性「ストーリー」に出会う。アパート住人の韓国人母子から東洋に伝わる「水の精」の伝説を聞いたクリーブランドは、ストーリーが正にその伝説の水の精「ナーフ」に合致すると確信した。ストーリーは自分の世界に帰らなければいけないのだが、謎の怪物に命を狙われていたのだ。


【感想】
毎回毎回期待させては腰が砕ける(←この書き方はマズいか・・・苦笑)シャマラン監督最新作。
なんでも本作のネタ元は、シャマラン監督が我が子を寝かしつける為に即興で作ったベットタイム・ストーリーだそうだ。

前々から書いてるけど、シャマラン監督の新作映画の予告編で「シックス・センス」という冠を使うのは、もういい加減にやめてあげた方がいいと思うんですよね。
彼の作品って、決して「どんでん返し」「意表をついたあっと驚くオチ」が売りじゃないですよ。たまたまシックス・センスがそういう展開の映画で、しかも売れに売れちゃったからって、いつまでも「シャマラン監督=どんでん返し王」みたいな煽り宣伝するのって、本当に映画会社の宣伝部の低脳を晒してるとしか思えませんって。

そんな訳で本作は「ベッドタイム・ストーリーが元ネタ」だと言っているだけあって、実にシンプルな御伽噺です。
設定が現代のアメリカのフツーの田舎のあるアパートが舞台なのが御伽噺っぽくないのですが、話のネタと展開は思いっきり御伽噺の王道を突っ走っています。
だからはっきり言いますが「シャマラン監督のあっと驚くどんでんオチ」を期待している方は見ない方がいい。

どうして現代の普通のアパートに「水の精」が現れるのか、そしてクリーブランドもアパートの住人もどうしてアッサリと彼女が水の精だと認めて守ろうとするのか・・・等という疑問を持つのはお門違いです。
何故ならこれは「おとぎばなし」だからです。誰も市原悦子サンが語る「日本昔ばなし」のキテレツな設定に疑問を投げ掛ける人はいませんよね?当たり前です。それは「おとぎばなし」だからです(笑)

さあ、こーやってシャマラン監督作品への過剰な期待と誤解から解き放たれて鑑賞してみると、コレはコレでなかなか味わいのあるファンタジーになっているんじゃないかと思います。

ブライス・ダラス・ハワード演じる「ストーリー」は正しく子供達が「水の精」だと思えるような透明感のある無垢な少女に見えますし、悪者として登場する荒唐無稽なクリーチャーの様子も御伽噺らしい滑稽さが微笑ましい。
アパートの住人達がそれぞれストーリーを手助けする為の駒になっていて、誰がどの役割を演じなければいけないのかを探し出すという展開は、かなり強引ではあるものの子供がハラハラドキドキするような演出になっていると思います。

クリーブランドの過去のトラウマ、他の住人達のキャラの掘り下げがもっと丁寧に描かれていれば、ストーリーを水の精としてすんなりと受け入れるに到った心情や「何故今ここに水の精がやって来たのか」という根本的な部分にも整合性が出たかもしれない・・・と思うと勿体無い気がしますが、子供達が楽しむ分には余りキャラクターの掘り下げに時間を使ってしまうとファンタジー部分が弱くなってしまうという配慮なのでしょうか?

要するに・・・子供が見る分には単純に楽しめるだろうけど、大人が見るにはちょっとな、程度の作りだと(笑)

彼の作品の絵作り、カット割り、音楽はかなり好きなんですが、本作も絵はとてもキレイだったと思います。
それからシャマラン作品は「ご本人のカメオ出演」が毎回お約束になっていますが、前作「ヴィレッジ」辺りから露出がグンと増えたなぁ〜と思っていたら、本作に到っては露出がグンと増えるどころかかなり重要な役どころを演じる「役者」としてバッチリ出ずっぱりでした。
もしかしたら「インドが生み出したウディ・アレン」よろしく、ご本人が主人公を演じる日も近いかもしれません(笑)

ま、そんなこんなで「シャマラン監督作品だから」という気負いを取っ払って見れば、充分B級ファンタジーとして微笑ましく楽しめる一本になっていたと思いますよ。過剰な期待を寄せるのは皆さんもうやめましょうネ♪(^-^;







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