ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年05月23日(火) バルトの楽園(がくえん)

監督:出目昌伸
出演:松平健
    ブルーノ・ガンツ
    阿部寛、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
1914年、第一次世界大戦の中国・青島。ドイツの極東根拠地は日本軍による攻撃で陥落し、4700人の捕虜が日本に送還されて各地の捕虜収容所に振り分けられた。その中の1つ、徳島県鳴門市にある「板東俘虜収容所」は人徳者の松江所長の指揮下で、地元民との交流やパン作り、新聞発行から娯楽等の寛容な待遇を許され、頑ななドイツ人捕虜達も次第に心を開いて行くようになった。異国の地で捕虜になった彼らにとって、正にここは「楽園」だったのだ。


【感想】
今では年末の恒例行事になった「第九演奏会」が、日本で初めて行われたきっかけを描く作品。
事実を元に作られていて、主要な登場人物の人名や地名、出来事等はほぼ事実に即しているようです。

会津藩出身で不遇の子供時代を過ごした「松江豊寿(まつえとよひさ)」氏の偉業と、彼の寛容な処遇によって充実した捕虜生活を過ごす事の出来たドイツ人捕虜達が、第一次世界大戦集結によって本国に帰る事になった際、今までの処遇に対するお礼の意味で、日本で初めて「第九」を演奏するまでを丁寧に描いています。

予告編を見た時には「第九を初めて演奏する事になったドイツ人捕虜達の苦労話なんだろーな」と当たりをつけていたのですが、そういう作りではなくて「まったりとこの時代の歴史と板東俘虜収容所の様子を見せる」という、事実+多少の脚色を交えた静かな歴史ドラマになっていました。
「第九演奏」は、この物語の最後の総仕上げとして登場するだけで、話の始めから第九を匂わす訳ではありません。

まあ・・・いい話ですが「ゆるい」です。
色んなエピソードを見せてくれるんですが(一生懸命脚色して話を盛り上げようという努力は見える)、目を見張る程ドラマティックでもないし、感動に打ち震えて涙でスクリーンが霞む・・・という程のモノもありません。

ですが、戦争絡みで日本軍が捕虜や侵略した国々の人達にした話と言うと「略奪・陵辱・暴行」の三点セットがお約束みたいに語られている中、この映画のような心温まる話が実際にあって、そして当時の日本軍の中にも「敵国人にも平等に敬意を払える」素晴らしい人徳者がいたんだ、という事を知る事が出来るというのは嬉しい事です。
どこかの半島や大陸の皆さんに、是非ご覧になって頂きたい一作だと思いますね(コラコラ)

ブルーノ・ガンツ氏が出演しているというのがこの作品の「ウリ」みたいなんですが、思った程は出番がないです。
それよりも大後寿々花ちゃん(←映画「SAYURI」でサユリの幼少時代を演じた美少女子役)が、本作でまたしても目にカラーコンタクトを入れて登場してましたよ!コッチの方がよっぽど「宣伝ポイント」になると思うんだけどなぁ〜(苦笑)
ちなみに本作、マツケンがかなり頑張ってドイツ語を話しているんですが・・・多分本国の方がお聞きになっても全く何を言ってるのか意味不明な発音なんだろうな(笑)

クライマックスの「第九」以下、映画中で演奏される音楽は丸っきり吹替えなのがバリバリに判る陳腐な作りですが、それでも吹替えだと百も承知の「第九」を聞いて、なんだか心が騒ぐってのは・・・どういう心理なんでしょうねぇ?
ちなみに映画が終わった瞬間、会場で自然に拍手が起こりましたよ。拍手したい気持ち、判らなくもなかったですね。
映画が素晴らしかったから、と言うよりも・・・「第九」の演奏が聴けた事に拍手したくなりましたよ(をい)

いいお話ですから、「戦時下の日本軍はロクデナシの巣窟だった」と洗脳されている方々、是非見てやって下さい。
戦争を知っている世代の方には、きっと相当ウケが良さそうな予感です・・・いや、若者にも見て欲しいですヨ!






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