ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年03月23日(木) サウンド・オブ・サンダー

監督:ピーター・ハイアムズ
出演:エドワード・バーンズ
    キャサリン・マコーマック
    ベン・キングズレー、他
オススメ度:☆+


【あらすじ】
2055年、遂に人類はタイム・トラベルを楽しむ時代がやって来た。シカゴの「タイム・サファリ社」は高額所得者を対象に、白亜紀恐竜ハンティングツアーを売り出した。タイムマシン開発者ソニア・ランド博士はタイム・トラベルの危険性を声高に叫び、ツアーの引率者ライヤー博士はその危険性をランド博士から聞いていたものの、ツアーは順調に催行されて行った。ところがある日のツアーでランド博士の危惧が現実のものとなるのだった・・・


【感想】
SF小説の巨匠レイ・ブラッドベリ著「いかずちの音」の映画化。
ちなみにこの原作は1952年に発表され、原作では100年後という設定になっているそーだが、本作では50年後。要するにほとんど原作と同じ時代設定で製作されたという事ですね。
50年以上前に発表された「近未来SF小説」を、何故今になって映画化するんだかよく判りませんよ・・・既に映画界では使い尽くされたネタだと誰もが思うでしょ?ぴよも予告編見てそう思いましたヨ。

でも50年以上も前に発表されたSF小説を、今敢えて映画化する利点というのもある。
何と言っても50年前の映像技術では決してリアルに作れなかった近未来映像や白亜紀の映像。それから過去を変えた事によって変化した近未来を、今の時代の先端技術なら充分迫力あるモノに作る事が出来るという点でしょう!!


なんぢゃ、こりゃ〜!?

まー。何でしょうねぇ。
原作に忠実な余り、映像技術まで50年前に遡っちゃったんでしょうか?(^-^;
映画の内容がタイム・トラベルしてもらう分には何も問題ありませんが、技術までタイム・トラベルしてもらっちゃねぇ。
ってか、50年前ならCGじゃなくて特撮ですか・・・ぶっちゃけこの作品の余りにお安いCG映像なら、特撮の方がナンボか迫力が出たんじゃないか?とすら思わされますよ。えぇ(涙)

本当に「今更こんな安っぽいSF作って、一体誰をターゲットにしてるんでしょう?」と言いたい。
全世界の「ウルトラB級SFマニア」を相手にするには余りにマーケットが小さ過ぎるし、目の肥えたSFファンを相手にするには余りにもバカにし過ぎている。

過去に対する扱いに関しては、なかなか面白いし納得出来る設定なんですよ。
「タイム・トラベル」と言っても客が希望した場所・時間に行く訳じゃなく、白亜紀のある日・ある時間に数分間数メートルの安全地帯を歩くだけと限定されていて、「恐竜ハンティング」と言っても本来数分後に死ぬ運命と判ってるある1頭の恐竜をガイドが撃ち殺して帰って来るだけ、という内容になっている。
「過去を変えない・過去に現代の物を残さない・過去の物を持ち帰らない」というタイム・トラベルの原則にちゃんと則って設定されていて、これはなかなかウマイなぁ〜と思ったんですわ。

でもハラハラさせてくれるのは序盤だけで、その後お約束通り客の1人がある物を現代に持ち帰ってしまった事で起こる恐怖の変化が始まりだすと、途端に話も映像も「なんぢゃよ、こりゃ〜」になっちゃう。
いくら何でも水に浸かった上に巨大植物に侵食されまくった精密機器が普通に稼動するのはいかんでしょ。それにあの凄まじい状況下でも自分達の都合のいい場所では必ずちゃんと通電しちゃう。あり得ないでしょー!

50年前に発表になった小説の執筆時には想像の枠を出なかった事柄も、現代では常識になってしまったモノが沢山あるというのは(コンピューター関連なんてその最たるものでしょう)映画を作ってる方だって折込済みのハズ。
せめて小説発表時と現代で解釈の変わった事柄に関しては、もう少し現代に合わせて整合性を付けてもらわないと、観客にツッコミ入れられまくっても文句は言えないでしょ?

まさか・・・この作品をタイム・トラベルして50年前の観客に見せるつもりでもあるまいに(苦笑)

そんな訳で、一体何を見せたかったのか?誰をターゲットにしたのかさっぱり理解不能な作品なのですが、話の筋自体は決してミソクソ言う程悪いもんでもない。←今更フォローしても手遅れですが(笑)
「低予算・超B級SF好き」という少数派のみなさん、勇気と金が余りまくってたら見に行ってみて下さい。(^-^;







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【追記】

識者の方から
「原作は客がルールを犯した事で、ガイドに殺害されるという短編だった記憶です」というご指摘を頂きました。
なるほど・・・要するにぴよが指摘した「水に浸かって巨大植物に侵食された精密機器」のくだりは、全て今作品のオリジナル脚本だったという訳ですね。
ってか、「なんぢゃよ、こりゃ〜」と思い始めた辺りから以降は全てオリジナルだったという事ですか。

ほー。ほー。
こりゃーいけませんなぁ(苦笑)

(2006.3.24 加筆)




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