ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2005年06月16日(木) スカーレットレター

監督:ピョン・ヒョク
出演:ハン・ソッキュ
    イ・ウンジュ
    ソン・ヒョンア、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
刑事課長のギフンは、愛妻スヒョンが初めての子を妊娠し仕事は順風満帆、更には美しい愛人カヒとの情事を楽しむ日々を送っていた。ある日写真館の主が撲殺される事件が発生。被害者の妻で第一発見者のギヒョンを容疑者として取り調べるものの、ギヒョンの怪しい魅力に惹かれるギフン。捜査が難航する中、カヒから妊娠したと告げられて動揺するギフン。ところがその後ギフンの想像も付かない驚くべき真実が明かされるのだった。


【感想】
2月22日に24歳という短い生涯を終えたイ・ウンジュの遺作となってしまった作品。
巷では本作の脚本や彼女の肌の露出が原因で自殺した、なんていう噂もささやかれていますが、少なくとも映画配給側は彼女の自殺を最大限利用して宣伝してますよね。何ともやるせない気分・・・と言いながらも、結局宣伝に踊らされて見に行ってるぴよってば。本当にどーしよーもないです(薄涙)

「エロティック・サスペンス」と銘打ってるだけあって、確かにしつこいくらい濡れ場シーンを挿入しています。
しかしながら肝心な部分は絶対に見えないよーに撮ってますので、乳の出ないエッチシーンなんて何度も何度も執拗に見せられたからと言ってそそられるモノはありゃーしません(コラ)
結果的にイ・ウンジュ嬢の遺作になってしまったので書きにくいですが、もしこの作品が彼女の遺作でなかったら、そこまでして乳出すのがイヤだったらこの仕事最初から引き受けるなヨ!とツッコミ入れたくなるトコロですよ(^-^;

話は写真館主人の殺害事件から始まり、殺人事件の犯人探しというサスペンスと、それに並行して事件を捜査するギフン刑事の三角関係を見せていく形を取っていますが、話の主軸は殺人事件ではなくて三角関係の方。
予告編等の作りだと、殺人事件の容疑者(被害者の妻)とギフンも何やら事を起こしそうな雰囲気を漂わせるものの、ムダにエロいシーンを挿入したい為だけに用意したエピソードをキャラを散りばめているだけで、映画冒頭でインパクトを与えた割りにこの殺人事件はまるで生かされていません。

話の核になる「ギフンとスヒョンとカヒの三角関係」ネタですが、この部分に関しては「スヒョンが過去に中絶していた」というネタ振りが後のオチに上手に繋げてあるなぁ、とは思いましたね。
ただ、中絶した理由があのオチに繋がるとすると、どうして今回は産む気になったのか謎なんですが(苦笑)
ここはエロシーンをもう少し省いてでも、スヒョンとカヒの過去に対する伏線を丁寧に見せて欲しかった気がするな。

それにしても・・・結局この作品の一番見せたかったモノがさっぱり判らなかったんですが(^-^;
ギフン、スヒョン、カヒ、この3人の誰に一番力点を置いていたんだろう?やっぱり本作が遺作になってしまったイ・ウンジュ嬢演じるカヒに肩入れする方が多いと思いますが、展開を考えるとギフンの心の動きが主軸だろう。
そう思うと、この「ギフン」という主人公のキャラクターが余りに中途半端です。

やたら血生臭い描写にこだわってるし、車内で恐慌を来たすシーン等は圧巻ですが、何だか煮え切らないっつーか納得行かないっつーか・・・ギフンの本心がどこにあるのか判らんっつーか。

もしかしたら「イ・ウンジュの遺作だから!」というのが頭にあって、それでこの映画を「カヒ」の視点ばかりで追ってしまっていたのが原因かもしれません。
彼女の事なしで先入観なく見ていれば、もう少し違った見方も出来たかもしれないけど、「遺作」「遺作」と先に騒がれてしまったせいで、肝心の主人公に目が向かなかったというきらいはある。

どっちにしろ、この作品がイ・ウンジュ嬢の遺作になってしまったのは返す返すも残念ですね。
もっともっと素晴らしい作品に出れる可能性が沢山あったと思うのに・・・







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