ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2005年02月09日(水) ビヨンド the シー 〜夢見るように歌えば〜

監督:ケヴィン・スペイシー
出演:ケヴィン・スペイシー
    ケイト・ボスワース
    ジョン・グッドマン、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
リウマチ熱による心臓病で15歳まで生きられないと宣告された7歳のボビー。彼は音楽と出会いその才能を開花、青年に成長したボビーはNYで歌手としてデビューしてたちまちスターダムにのし上がった。映画に出演したボビーは共演した16歳の女優サンドラ・ディーと恋に落ち、1960年に結婚。その後遂に憧れのコパカバーナへの出演も果たし、正に頂点に立ったかに見えたのだが・・・


【感想】
37歳の若さでこの世を去った伝説のエンターティナー、ボビー・ダーリンの生涯を描く伝記映画。
製作・脚本・監督・主演、更には劇中の歌と踊りも全てケヴィン・スペイシー自身がこなすという、正にケヴィン渾身の一作というトコロでしょうか。
ところで最近「伝記モノ」がすっごく多くないですか?「レイ」もそーだし「アビエイター」「五線譜のラブレター」それからこの映画見に行ったら「ライフ・イズ・コメディ」という、ピーター・セラーズの伝記映画の予告編までやってたぞよ(^-^;

と、いきなり話が脱線したトコロで。

さてボビー・ダーリン氏、「目指せ!シナトラ」「追い越せ!シナトラ」をスローガンにその短い生涯を駆け抜けた人だったよーですが、やっぱり早死にしちゃうと損ですネ。
そもそもぴよはこの方の名前を知りませんでしたもの。だけど映画が始まって彼のナンバーが流れるや、どれもこれも聞いた事のある曲ばかり・・・こりゃーぴよんちの実家にレコードが何枚もあったぞ!(笑)
曲は誰もが1度は聞いた事のあるモノばかり。特にタイトルにもなっている「Beyond the Sea」を知らないという人は、少なくともぴよの世代以上の人にはいないでしょう。

映画はボビーが自分の伝記映画を作るというシーンから始まる。
これが、たぶん死後の自分(もしくは死に行く自分)が最期に見る夢・・・「人生が走馬灯のように」ってヤツを、自分の伝記映画を作るという事柄になぞらえて表現しているんだろうと思われ。
先日鑑賞した「五線譜のラブレター(2005.1.27鑑賞)」と非常に被った構成になっていますが、「五線譜〜」は様々なスターに楽曲を歌って頂いてググッとミュージカル仕立てになっていますが、コチラは歌と踊りはあくまでも彼の舞台でのシーンとして再現されていて、ミュージカルという訳ではないです。

この歌と踊りのシーンがスゴイ!
「歌手の伝記」の場合、当然だけど本来歌ってる方の声に馴染みがあるから、パフォーマンスだけ演じて声はご本人様の歌を後から当てるのが当然だと思うんだけど、ケヴィン氏は敢えて歌まで自分の生声で挑戦してる。
これが・・・めっちゃくちゃ上手いんだ!上手いだけじゃなくてボビー・ダーリンの声音にとても雰囲気が似てるし、歌い方もすっごく似てる。最初に聞いた時てっきりボビー本人の声が当ててあるんだとばっかり思っちゃったくらい!
ま、これはボビーの熱烈ファンから言わせれば似てないのかもしんないけどネ(苦笑)

更に、事実に反する・・・とまでは言わないけれど、事実にあった事を敢えて描いていない部分もある。
例えば1番判り易い部分だと、映画ではボビーの死の床まで妻のサンドラ・ディーが寄り添っているけど、事実は67年に彼女とは離婚しているという点。

コパカバーナのステージに立つという夢を実現した後、時代はコンサートの大ホールが主流になり、彼のような上質なライブ感覚というのはウケなくなる。政治に手を出してベトナム戦争に対する反戦歌を歌っては観客を白けさせたボビー。
それでも本来の彼の才能が枯れる事はなく不死鳥のように蘇り、そして愛に溢れたままこの世を去る。
去っても尚、彼の華々しく輝くステージと彼の魂は衰える事なく、燦然と光を放ち続けて行くのよ・・・

事実はこうじゃなかったかもしれない。
一生を添い遂げると決めた妻とは離婚していたし、失意も充分に味わっていただろう。でも、誰だって自分の人生の終末に思い描く「自分の人生の走馬灯」は美しく輝いていたい。
ましてや伝説のエンターティナー「ボビー・ダーリン」が一人寂しくこの世を去るなんて許せない。ボビーは生きて輝き、そして死しても尚輝き続ける永遠の天才エンターティナーでなければ・・・!

そういう、作り手の「愛」がスクリーンから溢れ出ていました。
「作り手」と言うか、ケヴィン・スペイシーの放つボビーに対する愛で満ち溢れていました。
ボビー・ダーリンという偉大なる人物をどれほど愛しているか、どれほどみんなに知って欲しいかという熱意が痛いほど伝わる、とっても愛の溢れた作品になっていました。

ケヴィンが25歳ソコソコの若者を演じるには余りにムリがあるだろーよ!というツッコミはほぼ100%あるでしょう。
当然だけどぴよだって見始めた時は「おまへ、それはムリがあるさ(ふっ)」と思いましたもの(^-^;
でもね、映画を見終わる頃には全く気にならなかった。どうしてもケヴィンがボビー役をやりたかったんだ!という熱意と愛がひしひしと伝わってきて、そして本当に素晴らしい演技だったからね。

万人ウケする作品じゃないし、ぴよがケヴィン好きだからという贔屓目が入ってるのも百も承知。
でも、この映画は本当にステキでした。作り手の愛を感じる作品って見てて気持ちがいいんだよネ♪








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