ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年05月17日(月) シルミド

監督:カン・ウソク
出演:ソル・ギョング
    アン・ソンギ
    チョン・ジェヨン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1968年4月、北朝鮮の特殊部隊によるソウル大統領府襲撃事件が起こった事をきっかけに、韓国側も報復措置として極秘の特殊部隊「684部隊」を結成する事となった。「シルミド」と呼ばれる無人島に集められ、3年もの長きに渡り過酷な訓練を受けたた彼らに課せられた任務はただ1つ「キム・イルソンを暗殺する事」
いよいよ北朝鮮に向かおうとする684部隊だったが、直前で南北対立緩和により暗殺計画は頓挫、それによって国が下した判断は「機密事項を知る684部隊を抹殺する事」だったのだ・・・


【感想】
朝鮮戦争後、南北に分断された大韓民国と北朝鮮間の軋轢は今もまだ続いていると言っていいでしょう。
その「南北朝鮮」の歴史の中で、30数年に渡り闇に葬り去られていた「684部隊」の悲劇を描いた実話に基づく問題作。
この映画を製作するに当たり、関係者は勿論の事、政府や様々な機関からの迫害を受けながらも完成にこじつけ、公開されるや否や韓国では異例の観客数を動員し、1200万人もの人がこの作品を見て涙したという超大作!!

まずこの作品がかなりの部分が史実に則っているという事が、本当に本当に恐ろしいと思わざるを得ないです。
特殊部隊の存在自体にはそれ程驚かされる事はないんです。こういう緊張状態の国家間で、しかも北朝鮮側からのアプローチがあった後ですから、報復措置として暗殺計画が持ち上がってもおかしくはないとは思いますわ。

でも、結成した特殊部隊を必要なくなったから抹殺するというのは余りにヒド過ぎやしないだろうか?
映画中で「こういう特殊部隊が存在している事を知られたら、世界的に野蛮な国民だと思われてしまうから」というくだりがあるのですが、だったら最初から暗殺計画なんか企てるなよ!と誰もが言いたくなっちゃうんですよ。
・・・ま、観客にそう思ってもらったら製作者側の思うツボなんでしょうけどね(苦笑)

映画の展開だけを取り上げて言うと、エピソードが冗長でぬるい部分があるのは否めませんでしたね。
「684部隊」のミッションが直前で中止されてから抹殺指令が出るまでのエピソードは、もうちょっと端折ってもよかったんじゃないかと思うのよ。
特に脱走兵が他島に渡って女を強姦するくだり・・・このシーンはたぶん主人公格の2人が心を通わす決定的事件として取り上げたかったんだろうというのは痛いほど判るんですが、それにしてもこの作品の色からは浮き過ぎていたという印象がぴよはしたんですよね。

それと・・・このツッコミはしちゃいけないのかもしれないけど
何故自分達の抹殺計画を知った684部隊は、ソウルの大統領府に向かったんでしょうか?
大統領に会って自分達の窮状を訴えるよりも、本来のミッション「キム・イルソン暗殺」を成し遂げてしまった方がよっぽど世間に自分達の存在価値と正当性をアピールする事が出来たと思うんですよ。

勿論韓国政府側としては684部隊にキム・イルソンを暗殺されては困る状況だったでしょう。
でも彼らが生き延び、自分達が政府の名の元に遂行したミッションだったのだとアピールしようと思ったら、それは本来の暗殺計画を遂行するより他はなかったんじゃないだろうかと思うのです。

今となっては彼らの真意はわかりません。
もっと言えば、ぴよが日本人だから判らないのかもしれません。

でも、かつて大韓民国という国に「684部隊」という葬り去られた特殊部隊に所属していた人達がいたという事を、彼らが人間の出来得る限界まで肉体を酷使して、南北統一の為に尽力しようとしていたという事実を・・・

この映画を見て、涙しながら知って欲しいです。
映画の作りのぬるさを(をい)差し置いても余りある、骨太な素晴らしい作品だと太鼓判を押しちゃいますね。






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