| 2003年05月02日(金) |
裸足の1500マイル |
監督:フィリップ・ノイス 出演:エヴァーリン・サンピ ローラ・モナガン ディアナ・サンズベリー、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 1931年、オーストラリアの先住民「アボリジニ」達は、白人とアボリジニの混血児を隔離・教育する事で白人と同化させようという政策の元、次々と混血児達が白人の手によって母親の手から奪い取られていた。モリー、デイジー、グレイシーの3人の少女も母親から引き離され、故郷のジガロングから1900�劼睥イ譴拭屮燹璽▲螢弌室�容所」に隔離されてしまった。 どうしても母親の元に戻りたい3人は密かに収容所を脱走したものの、「追跡人」は執拗に彼女達を追う・・
【感想】 1930年代〜1970年代までオーストラリアでは、白人達によって先住民の「アボリジニ」に文化的生活と教育を施して白人と同化させようという政策が取られ、数多くのアボリジニと白人の混血児が監禁・隔離された歴史がある。この頃の時代を生きた人の事をアボリジニ人達は『盗まれた世代』と呼ぶそうだ。
盗まれた世代・・・何とも悲しい響きだよなぁ。
話は非常にシンプルな「母をたずねて三千里」系ドキュメンタリータッチな映画。そこには撮影者側の一切の個人的感情や思想等を差し挟まないで、白人側・アボリジニ側双方の様子を淡々と描き、3人の少女達にもそういった「お涙頂戴」な演出は施していない。これがすごく好感が持てた。 擦り切れたスニーカーにボロボロの服をまとった少女達が、ただひたすら追手から逃げ、知恵を絞って赤茶けた広大な大地を故郷に向けて前へ前へと進む・・・絵の撮り方も非常にシンプルだし、観客の喜びそうな臭いエピソードも何もないのに、いつの間にかオーストラリアの大地と少女達の姿にクギ付けになってる自分がいる。
アボリジニ側から描いた作品なので、当然だけど悪者は「白人」という事になるんだけど、この映画中では白人側の事も特に悪者扱いはしていないように思った。民族隔離同化政策を推し進める「ネビル」という男が、政策支援の為に白人婦人達に自分達の活動を説明しているくだりがあるんだけど、彼は自分のしている事が本当にアボリジニ達にとっていい事なんだと思っているし、それが正義なんだと信じて疑っていない。
ネビルは言う。 「野蛮なアボリジニ達に近代的な文化や教育を施して、まっとうな生活をさせてあげましょう」と。
自分達がアボリジニよりも優れた民族だという「選民意識」が、結果としてアボリジニ達を迫害して彼らの素晴らしい文化・風俗を脅かしている事に、彼らは気付いていない。そしてこの手の「有難迷惑な善意」は歴史的にあちこちで行われ、今も尚この間違いに気付かずに失敗を繰り返している・・
主役の3人の少女は全てオーディション等で決まったシロウトさん達だそうですが、彼女達が実に瑞々しくて体当たりの演技をしていて素晴らしい!!彼女達の無垢な目を見るだけでもこの映画を見る価値はあります! ・・・もちろん、映画の話自体が素晴らしかったのは言うまでもありませんが♪
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