オモフトコロアリ。
past / will
2004年10月21日(木) 遺伝子のなせる業。 

母は実に忘れっぽい人である。
どこか記憶力に欠陥があるに違いないと思える人だ。
20年以上も同じ電話番号を使っているというのに、
自宅の電話番号を忘れて友人に聞くような人である。
コレに壮大な天然ボケが加わっているから、
将来老人ボケになっても気付かないのではなかろうか。と、今から心配している。
そんな母から、電話があった。

「ねぇ、この間一緒に出かけたときに持ってた身分証知らない?」
知らない。財布の中は?一緒に持ってた保険証に挟んだりしてない?
「どこ探しても見つからないのよ〜」
そりゃ、しまった所を探さなきゃ出てこないのよ。母さん。
「あんた持ってない?」
手も触れてません。従って持ってません。

そう、母は大切なものは「ここならなくさない」というところにしまって、
それがどこだか忘れるタイプ。昔から始終何かを探していた記憶がある。
相変わらずなんだから。困ったもんだ。
なんてことを考えていたら、ふと思い出した。

…今日、誕生日ぢゃん。母さんの。

あゝ、薄情娘。いや、コレも母からの遺伝さ。仕方がないのさ。
最近まとめてしまってあるはずの診察券が見つからないのも、
仕事をしていた間は始終電卓を見失っていたのも、
出かけようとすると必ず家の鍵が行方不明になるのも、
全て母から遺伝したのさ。

…人のこといえねぇ。

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