明後日の風
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2014年01月19日(日) メタルな朝



早朝の広島便。
小さい飛行機は、軽快に羽田空港から離陸した。こういうスピード感に僕はわくわくするのだ。

シートベルトサインが解除になったころ、
「左手に富士山がよく見えます」
とキャビンアテンダントからアナウンスが入る。

どういうわけか乗客の少ない今日の機内。僕は縦横無尽に機内を走りながら、シャッターチャンスを狙う。
「う〜ん、翼が邪魔だな」
と思いながらもファインダーを覗き、パチリ。

メタルの翼に触発されたのか、今日は富士もメタルカラーである。


2011年07月17日(日) 夏本番

 夏本番。

 700m弱の標高差なのだが、これほどの日差しとなると、やはり体力を消耗する。筋肉が疲れるというよりも、正にオーバーヒートという感じ。
「いや、暑い」、「本当に暑い」
と言葉が発せられる都度、体から「これでもか」と汗が出る。

 悪戦苦闘で2時間弱。山頂まであと20分。
 20年ぶりに訪れた谷川岳は、やはり急峻という形容が相応しい。



 山頂直下の「肩の小屋」で買った冷たい烏龍茶で体が再生したのをいいことに、高山植物の咲き乱れる最後の尾根を、ホイホイと登っていく。クールダウンの効果は計り知れないというところだろうか。ハクサンフウロや、ニッコウキスゲ、これほど花が咲き乱れる山とは知らなかった。尾根の下には、湯檜曽川が造った断崖が広がっている。

「う〜ん、次はあの尾根を歩きたい」


 20年前、この笹原の山並みに触手を動かされたその上信越国境の尾根筋は、同じように続いている。


2011年07月10日(日) そして森林限界を超えた。

 小屋の外に出ると、真っ青な空が広がっている。
 昨晩、消灯前に空を眺めた時、雲が少しずつ切れて行く様子に、翌朝の快晴を期待したのだが、正にその通りとなった。

 こういう朝、小屋の前庭やその前に広がるテント場の雰囲気は、とても明るい。「早く山頂を目指そう」という活気に、「朝のすがすがしさを堪能したい」という気分が、不思議に入り混じっているからだ。我々は、小屋脇に溢れている冷たい湧き水をペットボトルに詰め、急登を登っていく。

 そして森林限界を超えた。



 初秋とは違う、初夏の山が、そこに広がっていた。
 雲海に富士が浮かぶ。そして、鳳凰三山の最高峰、観音岳への緩やかなカーブが続いている。


 言葉は要らない。
 


さわ