サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2005年02月06日(日) エディ藩とオリエント・エクスプレス

 『ワンステップ・フェスティバル』には、デイブ平尾&ゴールデン・カップス(ルイズルイス加部、柳ジョージ参加)、ミッキー吉野グループ(アイ高野参加)、エディ藩とオリエント・エクプレス(ジョン山崎参加)というカップス関係者が勢揃いしている。
 この中で特によかったのはオリエント・エクスプレスで、ホーン隊を入れた8人編成のブラス・ロック。ちょうどコロムビアから唯一のアルバムが出た直後の演奏だ。『ワンステップ』のCDには、8分にもおよぶ「9オクロック」(日本語バージョン)が収録されており、この曲のエディ藩の歌声はなんともいえない艶と味わいに溢れている。ちなみにシングルにもなった曲である。
 ゴールデン・カップスと「横浜ホンキートンク」のヒットの間に位置する「エディ藩とオリエント・エクスプレス」。極めて横浜的なファンキーサウンド、高く評価されてしかるべきグループだと思う。



2005年02月05日(土) ワンステップ・フェスティバル4枚組CD

 でるぞでるぞと言われて久しかったCDが遂にリリースされた。
 74年の8月、福島県郡山市で行われた日本のウッドストックとでも言うべき『ワンステップ・フェスティバル』。やっぱりキャロルは収録されなかったし。トリを飾ったオノヨーコも断られてしまったのだろう未収である。シュガーベイブはまともな録音が残っておらず未収。陳信輝、めんたんぴんもなぜか未収である。しかしそれでもすごいボリュームである。ブックレットの内田裕也のインタビューも最高にロッキンロールだ。
 売れる前のダウンタウンブギウギバンド、大スター絶頂期の沢田研二&井上尭之バンド、竹田和夫が歌うクリエイション、かまやつひろし&オレンジなどは、個人的にかなりグッときた。小学生だった当時リアルタイムで、TVやラジオ、レコードで聴いていた人たちだからね。
 もしも自分があと5〜6年早く生まれていたら、74年の夏は、まちがいなく上野から常磐線に乗って郡山に行っていただろう。



2005年02月02日(水) 伝説のギタリストからの電話

 日本のロックの歴史を語る時、必ず名前が出てくるバンドがあって、そのバンドの主要メンバーだったギタリスト氏。いまだにその人をカリスマのようにリスペクトしている人は日本全国にたくさんいる。
 で、そのギタリスト氏から深夜0時頃に突然電話がかかってきた。「近所のパチンコ屋で全財産使い果たしたので、電車賃として500円貸してくれないか」とのこと。運良く?自宅にいたので、自転車をとばし近所のパチンコ屋まで電車賃を届けに行った俺。快く貸した500円は、数日後ちゃんと帰ってきた。
 
 偉大なミュージシャンには国から補助金を出すとか、政治家同様に交通機関はタダにするとか、日本はもっと文化や芸術に貢献してる人間を大切にするべきなんじゃねーの?
 



2005年02月01日(火) パッチギ!

 書き忘れてましたが、1月の試写会で観ました『パッチギ!』。
 感動的な映画だった。井筒映画だけあって、恋愛や喧嘩のエンターテイメントとしてまとめられながら、政治的なメッセージ性、音楽の魅力などがバランス良く込められている。
 冒頭のサイクロンズのメンバーを含むオックスの演奏シーンには笑ってしまうのであるが、終盤の主人公が「イムジン河」を歌うシーンには泣かずにいられないのである。
 曲の背景や成り立ちを抜きにしても「イムジン河」は本当にいい曲だなってつくづく想う。
 



2005年01月26日(水) フェスティバル・エクスプレス

 1970年の幻のロックドキュメント映画を観た。カナダのいくつかの土地でフェスをおこなうために、出演者、スタッフ、機材などがひとつの貸しきり列車に乗ってカナダを横断するという『FESTIVAL EXPRESS』である。
 ジャニス・ジョプリン、ザ・バンド、グレイトフル・デッド、バディ・ガイ、フライング・ブリトー・ブラザース、シャナナ、マッシュマカーン、イアン&シルビアなどの豪華メンバーを乗せた列車。移動中、寝る間も惜しんで、キメキメの乱痴気騒ぎのジャムセッションが繰り広げられているシーンが最高にイイ!
 もちろん本番のステージの映像は熱い。扱いとしてはデッドとジャニスがメインだが、ザ・バンドのノリノリのロックンロール、あいかわらずのシャナナ、「カミンホームベイビー」をやってるマッシュマカーンに感動。そして唯一の黒人出演者バディ・ガイのキチガイギターには80年代に観た来日公演の記憶が鮮明に蘇った。
 最初から最後まで一瞬たりとも見逃したくないと思うほどこの映画には圧倒された。熱の高さ、自由な空気は、今となっては夢のようなこの時代ならでは、なのだ。これを観た自分が今できることはなんだろう、とおもわず自問してしまうのである。



2005年01月24日(月) CKBファンから勝新ファンまで必聴

 クールスのオリジナルメンバーだった水口晴幸=ピッピさんがTOKYO BIG BEATJUNKY名義で一昨年にリリースしたCDが最高に良かったのだが、この作品はあまり知られていないようでもある。しかし、本当に勝新太郎がロックやってるようなかんじというか、特にライブでは勝新が乗移っているような迫力があるのだ。
 実際、勝新とは深い付き合いだったそうで、ピッピさんは『警視K』にも出演している。
 ちょっと今後のピッピさんの活動は要注目で、以下のイベントには、光栄なことに俺も参加させていただきます。
対バンには、元ファントムギフトのチャーリ−率いるホットホイールズと、バーレスクエンジンというナイスな組み合わせ。気合い入れていこうぜ!というわけで、宣伝になっちゃいますがヨロシク!


『異種楽闘技戦〜下北沢死闘編』

出演:Japanese Academic Punks with TOKYO BIGBEAT JUNKY
    バーレスクエンジン
     チャーリ−&ザ・ホットホイールズ
 
DJ: サミー前田

会場:下北沢 CLUB Que

日程:2005年3月12日(土)

時間:開場18:00/開演18:30



2005年01月15日(土) さよなら小島君

 また知人が亡くなってしまった。
 昔ポテトチップスやセイリンシューズ、最近ではペリカンオーバードライブやワタナベマモル&ザ・デイビスでギターを弾いていた小島史郎君が肺がんのためお亡くなりになった。今日はお通夜だった。
 ポテトチップス時代は同じ事務所だったので、よく一緒にいたものだった。ポテチは、活動時期が80年代後半から90年代前半というバブルなバンドブーム時代だからか、未だに評価されていないバンドではあるが、60年代ブリティッシュ・ロック/ポップス的なサウンドは、現代のリスナーにこそ評価されてしかるべき。特にセカンドアルバム『すごくいい』は名盤だと思ってる。この後期のポテチはドラムがチャーリー森田だった。
 小島君はデビュー当時からずっと王道ロックンロール・ギタリストだったと思うが、年をとればとるほど味が出てくるタイプであり、誠に残念というしかない・・・。
 



2005年01月08日(土) ドントルックバック

2004年のライブで強烈な印象を残しながらも、ここに書けなかった日、ベスト5(古い順)です。

*4月16日ザ・サイクロンズ@神戸バックビート
 実はこの日が出会いというか、はじめて観たライブ。打ち上げで話が進んで現在に至る。

*5月17日クレイジーケンバンド@クラブチッタ川崎
 結局去年はこの日だけしかCKBを観れなかった。ライブはあいかわらず最高だね。

*6月27日曽我部恵一@タワーレコード新宿
 偶然行ったらインストアやってて、歌声だけで店内の空気を染めあげるオーラに感激。思わず控え室に顔を出した。

*11月13日突然段ボール@秋葉原グッドマン
 兄・栄一さんが亡くなってからのライブは初めてだが、弟・俊二さんのロックギタリストとしてのカッコ良さが全開でびっくり。

*11月21日水口晴幸@恵比寿ギルティ
 元クールスのボーカル、ピッピさんが3つもバンドをやっていて、ファンとともに集結したスペシャルライブ。奇しくもCKBにも共通する諄い歌謡&ロッケンロールなライブであった。




2005年01月07日(金) 04年をふりかえって

 おもえば昨年は人が死んだ年だった。
 事故で亡くなった友人知人、自分がファンだった人だったり、お亡くなりになって少なからずショックを受けたことがたびたびあった。
 
 中でも古い友人である歌手「酒井麻友子」の急死には本当にまいってしまった。9月11日のことだった。彼女とは一緒に音楽を作っていた事もあったし、ディープな飲み友達だった。かつてはガールポップな感じでメジャーデビューしたこともあり、本来はロック/ソウル系のブルージーな味を持ったシンガーとして知る人ぞ知る存在。近年は日本各地でいろんなミュージシャンとセッションしたり、叔父の経営する店でジャズを唄ったりもしていた。俺とは数年間交流が途絶えていた時期もあったが、昨年から連絡をとりあうようになり、再び何か一緒にやろうというような会話をしていた矢先の急死であった。
 未知の可能性を期待されていたにもかかわらず酒井麻友子の早過ぎる死。それは彼女の無邪気な笑顔に魅せられていた者たちに虚しさと悲しさを残しただけであった。

 10年ほど前に作った少数プレスの自主制作盤『酒井麻友子』がある。オリジナル以外にも、独自のアレンジを施したはっぴいえんど「風をあつめて」、吉田美奈子「チョッカイ」、フールズ「フリーダム」の秀逸なカバーが収められている。
 これを作った少し後に、某女性シンガーが似たようなアレンジで「風をあつめて」をエピックからリリースして小ヒットさせていた。「同じ様なことを考えるやつもいるんだな」とおもってそのCDをレコード店で見たら、なんとジャケットも似た様なデザインだった。確実にパクられていたのだ。その女性シンガーは今でもたまに名前を見る・・・。もうどうでもいいことだけどね。



2005年01月06日(木) 謹賀新年

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


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