また葛西くん

葛西くんの先行研究まとめは終わり。
会った人に葛西くんのことを尋ねてみても
誰一人知らないという現実が示すように
彼は非常に人気がない。
だから、最近の論文もそんなにない。
私は何を言えばいいのやら。
資料をまとめて先行研究で気になったのは
葛西くんによる現実の歪曲。
彼の現実の捻じ曲げは面白いと思ったけれど、
作家論から抜け切れていないので
この方向だけで終わらせることはできず。
虚構性を示すのには役立つか。
「私小説=現実」という考え方は
古ぼけて色あせているにも関わらず
いまだに人々の頭にこびりついている。
私小説こそ現実に寄り添いながら
(寄り添ったふりをしながら)
うそを吐き続ける虚構の塊だと思うんだけどな。
葛西くん、厄介。

コンタクトレンズを買いに行った。
瞳が大きいそうで本日現品受け取れず。
在庫がなく特注になったからだ。
しかし、水曜のデートに間に合わない…。
2007年08月13日(月)

葛西くん

恒例の一人期間に突入。
父と母は実家、姉は別宅にいる。
私は葛西くんにかかりきり。
2007年08月12日(日)

ピクトくん

ピクトくんが好きだ。
彼(彼女)のいない標識も好きだ。
どうして看板に惹かれるのかわからない。
ただ、ずっと前から興味がある。
青信号と赤信号も気になる。
たぶん、これはシニフィエ・シニフィアンの問題が
無性に気になってしまうことと
標識自体のデザインが好きなことによる。
教習所の標識の時間は愉快であった。
標識の本はないものか。
ピクトくんの本ならば見つけたのに。

葛西くんに関する本を読んでいる。
ある人は「天才!」みたいなことを言い
ある人は「ろくでもない!」みたいなことを言う。
読み手によって意見が異なるのは当たり前。
でも、葛西くんの時代の文壇はどんなだったのだろう。
同時代評と関係論文には印をつけた。
明日は打ち込み。
考察をどうしようか。
2007年08月11日(土)

しやくしょ

市役所に行ってきた。
耐震構造に不安がある市庁舎は
どんなに広い心で見てもおんぼろで
冷房もほとんど効いていない。
ただ扇風機が四台カラカラと回っている。
役所も大変だ。
対応してくだすったおじさんは
とても丁寧な仕事で好感がもてた。
基本的に銀行と役所はひどい所だからな(苦笑)

炎天下の昼下がり、
三十分ほど歩いたら、ふと目の前がかすんできた。
たぶん限界だったのだ。
猛暑日にてけてけと歩くとどうなるか。

倒れる。
2007年08月10日(金)

イモリ

イモリだかヤモリだかが
いつからか窓にへばりついていて
動くたびにかさかさと音がする。
腹を眺めるのは飽きたし、正直気味悪い。

それで思い出すのは中学校の同級生だ。
中学三年生の時に転入してきた彼女は
誰とも仲良くなろうとはしなかった。
かといって、嫌われているわけでもなく
人が嫌いなわけでなく、一人が良いというような
単にそういう人だったのだ。
みんなはどうしてよいのやらという態度だったが
私はほのかに面白い匂いを感じ、ひそかに注目していた。
ある日の英語の時間。
どうしてそんな話になったのかわからないが
英語で自分の家のペットを紹介することになった。
その時彼女は外国人教師に小さな声で尋ねた。
(彼女はいつも小さな声で話していた)

「イモリは(英語で)なんていうんですか?」

隣に座っていた私はこの耳で聞いた。
彼女はイモリを飼っている!
ほのかな面白さは確信に変わった。
「なんて名前なの?」
彼女に私は尋ねた。

「フランソワーズ」

イモリの名前がフランソワーズ…。
凄いセンスだ。
ちなみにあと二匹もそんな名前だった。
それまで自分は変わり者と思って生きていたが
この世にはまだまだいろんな人がいることを
思い知った十四歳の出来事だ。
他の誰も彼女の面白さを知らぬまま卒業を迎えた。
私だけが垣間見た。

だから、イモリを邪険にはできない。
2007年08月09日(木)

そらいろのねこ / コギト