昨日はいいカーディガンを着た仔馬の写真を発作的に貼ってしまい、失礼しました。目下押し倒したくなる生き物ナンバー・ワンです。白い方がいいかな。 2月に出発する前にやることがたくさんあります。まずは確定申告(受付日には渡英してるので提出は税理士に頼んでいく)。ところで、同人誌の収益まで申告している人はどれだけいるんでしょうか。もちろん、ガッポリ稼いでいる作家さんは申告する必要があると思いますが、私などは、東京のイベントに空路で行って友人たちに会い飲み食いして一泊すれば、売り上げなど飛んでしまう程度なのに、面倒です。これからは作成に関わった経費もどんどん計上していこうと思っています。 今日はトム・ハーディのWarriorの話。昨夜Twitterでもつぶやいた内容への補足ですが、ハーディファンならきっとこの映画は特別なんじゃないかな? 小さな傑作。満点じゃない。でも個人的に親近感を抱くポイントが多く、このブルーレイは買ってよかった。この惨めっぽさ、品のなさ、反骨精神、10代の頃から私を虜にしてやまないアメリカ映画の底力を感じました。ジェームズ・エルロイ、F・X・トゥール(『ミリオン・ダラー・ベイビー』の原作者)の系譜に連なる渋〜い社会派の総合格闘技映画。以下、ネタバレがあります。 ↑最初、ジョニー・キャッシュだと思ったんだけど違いました。 主人公は兄弟。(おそらく)サブプライム・ローンの債務者の兄貴&イラク戦争の帰還兵の弟。兄貴は娘が心臓病なのですが、米国は国民皆保険制度がなく保険料は庶民には高額なので彼も未加入。そのため妻と3つの仕事を掛け持ちして、娘の医療費と住宅ローンを払っている。つまり悪名高き医療保険制度の犠牲者でもある。 ハーディはイラク帰還兵の弟を演じています。海兵隊員でしたが、戦場で心に傷を負ったPTSD患者で、過去は決して語らない……ジェリーに引き続き、また盛大にかぶっちゃいました@ギロチンシティ。 この二人は、いわば過去十年でアメリカが生んだ最大の負け犬。で、その父親は元ボクサー、アル中で息子(兄貴)に暴力を振るい、そのせいで兄貴は当時付き合っていたガールフレンド(現在の妻)と、ハーディは母親とそれぞれ家を出て、家族は崩壊。この二人の兄弟がアメリカが生んだ二大負け犬で、現代のアメリカを象徴しているなら、昔は羽振りがよかったけど、アル中になって暴力を振るう父親のメタファーは、なんだかアメリカ政府のような気がしてきます。だってイラク戦争はデタラメだったし、銀行の信用創造も幻想だったわけですから。 この映画が感動的で、悲しいのは、親父(政府)に虐待された負け犬二人が、(大富豪の)ファイトマネーを奪い合うから。本来は同じ存在に痛めつけられ傷ついている兄弟であるはずの二人が、お互いを殴り合うわけです。 信じるものを失い、やり場のない怒りを抱えるハーディ演じるトミーが、最後には同胞である海兵隊員たちの期待にこたえるために戦う。片や兄貴のブランドンは、低賃金の公立高校のしがない教師としてリングに立ち、踏みつけられた人々の象徴となって戦う。 二人には個人的な因縁もある。弟は、母親が苦しんで病死した時、あんたはどこにいたのかと、兄貴を罵る(母親も米国の医療保険制度の犠牲者)。弟は家族なんて信用していない。 でも社会に傷つけられ行き場のない二人が結局行き着くところは、家族。現在のアメリカは金融危機以降、家族の絆という原点回帰に向かっていると言われていますが、まさにそういうテーマのドラマでした。 ラストで、ぼろぼろになっても戦い続ける頑なな弟の心が、ついに折れる瞬間のカタルシスがたまりません。 ニック・ノルティとトム・ハーディの演技にはhats off! 台詞も音楽も抜群にいいし、日本人の撮影監督? 迫力&リアリズム溢れる格闘シーンはもちろん、生々しい人の表情も、哀愁を感じさせる詩的な街並みのシーンもメリハリがきいていて素晴らしかったです。 舞台として登場したフィリー、カムデン、アトランティック・シティの、古臭くて馬鹿でかいキャデラック車が通りに停まっていそうないかにも情緒溢れる街並みを見ると、なぜか懐かしいような、アメリカの原風景を見るような気持ちになります。『ロッキー』の舞台はフィリーですが、数年前に二週間ほどフィリーに滞在した時も、80年代に迷い込んだような錯覚に陥りました。うまくいえないのですが、Warriorにはそういう哀愁が漂ってるんです。 もうひとつ、ここは読み流していいんですが、この映画を見るまで、私はサブプライム・ローンの犠牲者に対し、どちらかというと、いい加減な人たちというイメージを持っていました。このサブプライム・ローンというのは、「通常の住宅ローンの審査には通らないような信用度の低い人向けのローン」です。つまり、返済能力に?がつく層に銀行が貸しつけたローン。この返済が滞ったために、リーマン・ブラザーズの倒産などに象徴される07年の金融危機が起こったと言われています。自分で返済もできないローンを組んで、支払いができなくなったら自己破産してwalk awayする……という人が当時の米国にはゴマンといました。 で、この映画には、兄貴が銀行でリファイナンスの相談をする場面がある。つまり、返済額を見直してもらう相談ですね。事情を説明しても銀行員は困った顔をするばかり。最終的には自己破産を勧められる(=もちろん買った家を失い、クレジットスコアは最低になる)。この時、兄貴は「それはおれのやり方じゃない」と突っぱねる。このくだりを見た時に、彼らのような市民を「いい加減な人たち」と決め付けるのは実態をよく見ていないことなのかもしれない、と感じました。 ついでに書くと、これはとっても萌える映画。兄弟の関係も良いですが、2、3見逃しがたいブロマンスがちりばめられています。兄貴とトレーナーの関係がやらしい。妻には電話に代わってもらう時「はい、あなたのボーイフレンドから」なんて言われてます笑 トミーの海兵隊時代の親友との関係もいい。 で、トム・ハーディですよ。こんなに素晴らしい役者だとは知りませんでした。一気に大ファンです まかぼいと並んで、今いっとう好き。トミーの歩き方とか、無教養まるだしの喋り方とか、海兵隊仕込の打撃系の戦い方とか(兄貴は関節技)、本当に魅力的に演じてました。あと彼、声(発声法)がとてもいいですよね。ところで、この映画が日本で未公開&ソフトにもなっていないと聞いてえらいぶっ飛びました。2011年公開だから、今後まだソフトになる可能性があるかな? 米国では大ヒットだったとのこと。米国の事情を如実に反映している分、日本人にはぴんとこないと判断されたのでしょうか。総合格闘技での優勝を賭けた戦いとなると、世界一強くなりたいとかいうマッチョ志向に(特に女性は)ついていけない人も多いかと思いますが(私もその一人。それでチャンピオンになったからって、何?)、この映画は目的が違うだけに、�牴礎佑里△訐錣き瓩箸靴導気庸柴世任�ます。 ニック・ノルティの助演男優賞のオスカーノミネート以外は主要な賞は獲得できなかったようですが、オバマが猛烈なロビイ活動にめげずに医療保険制度を改革しようとしてた事情や、イラク帰還兵&金融危機の余波などを扱っていることを勘案すると、ネームバリューのある賞を受賞するのは政治的にみてやはり難しかったでしょうか。
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ギロチン・シティ29&30 わりとへとへと(´-`) なんか、うまく書けてない気がするなあ、ヘムトム。もうちょい精進してまいります。そして結局彼のオメガはウィショーになりました。 ではまたのちほど。
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