- Daily *萌* -
DiaryINDEX|past|will


2012年03月16日(金) 英国旅行(1/4)

やはり日記というのは疲れていてもその日のうちに書かないと臨場感が出ませんね。とりあえず3/3から。

3/3 羽田→ロンドン
今回は高齢の母が一緒ということでビジネスクラスでしたが、機内食より何よりも、私の胸を熱くしたのはこの萌えるムービーリスト。

《機内で見れた映画一覧》※slasherに人気のある作品だけチョイス


ね? 申し分ないでしょ?


他にも、football the greatest managerというプログラムでモウリーニョの特集や定番作品『ハリーポッター』などもありましたが、それは割愛しておきます笑 TVシリーズではデンマーク版のThe KillingのS2が見れたのもよかったです。

とはいえ私が結局見たのはTTSSと50/50を半分だけ(すまん、あんま面白くなかった…)でしたが、priestはポール・ベタニーのみならずカール・アーバンも出演してたのかっ。母が隣でDangerous methodを見ていたので、ちらちらヴィゴのヒゲ面を拝むことはできました。兄はスタトレを見ていたので、私の周辺は萌香が漂っていました。萌香って、ふつうに女の子の名前としてありそうですね。

最近slasherに人気の作品に登場する役者がこぞって登場するTinker Tailor Soldier Spyは、作品としては面白かったです。ただ萌えるかというと私的には掘り下げるほどではない気がしましたが、原作や役者ファンのご意見を窺ってみたいところです。若くてキラキラしてる若者たちの話よりは枯れた男たちの色気の方が好みに合ってるとはいえ、若干枯れ過ぎです笑 萌香が沁み込んだポプリって感じです。 でも私は原作を読んでいないのでわかりません。映画では女子が萌える要素が削ぎ落されていたのかもしれませんね。

「……そんで? 英国旅行どこいったの?」



3/4 ロンドン
メッシにつっこまれたので、先へ進みましょう。宿泊ホテルは、Plaza on the riverというわりと知られたテムズ川沿いのアパートメントホテル。キッチン&リビング&ベッドルームで、私と母はキングサイズベッドをシェアし、兄はソファベッド。実はここには過去に泊まったことあり。その時、バーにリオ・ファーディナンドが出没することがある、と聞いていたのですが、ちょうどこの日はマンUがスパーズと対戦するためにロンドンに滞在していたはずなので、「もしや…?」と淡い期待を抱きましたが、やっぱりそう運良く遭遇はできませんでした まあ、チーム行動だからよほどのことがないと、別行動に監督の許可は下りませんね。

でもこのホテルは失敗。3人でバスルーム一つを共有は危険とは思っていたのですが、こんなに面倒だとは。それに部屋が寒かった(`曲´;) ロンドン自体が寒くて、到着後数日は軽く熱出してたと思います。ちなみに、札幌に戻った日の気温は-4℃で雪がちらついてましたが、ロンドンは気温15℃だったのに雨が降っており風が強かったために、体感温度はロンドンの方が断然寒かったです。

チェックイン後、それほど時間がなかったのですが、すぐに夜のスパーズ対マンU戦を見にスパーズのホームであるホワイト・ハート・レーンへ行きました。あまり治安が良くないノースロンドンということで、新調したばかりのデジ一(EOS 60D)をカツアゲに遭って盗られたら哀しみのあまりテムズ河に身投げするしかない、と思い、持っていかなかったので写真はビデオカメラのカメラモードで撮った数枚しかありません(動画はある)

ホワイト・ハート・レーン周辺の屋台






なんと、マンチェスターU戦ということもあり、ゲストでガリー・ネヴィルが来ていた!


こんなところでガリー兄さんと会えるとは、試合はスパーズのぼろ負けで兄にとってはガッカリでしたが、私は満足でした笑



ともかくWHLは野郎率がすごかったですw 私たちは、スパーズのメンバーカードを借りての観戦となりましたが(代理店経由・2&3位決戦ということもありばかげた金額)、借りたメンバーカードの所有者の実体はともかく、兄はディラン、私はカールになりすましました。やっぱり英国まで来たなら一度くらいスパイごっこやらなくちゃね。

なりすまし作戦は大成功で、無事スタジアムで試合を観戦できました。狭いシートに体を押し込み、初めて見るプレミアの試合の寒いのなんの迫力あるのなんのって。中央寄りバックスタンドの3列目で、モドリッチやルーニーの筋肉の躍動が目の前で感じられました。残念だったのは、パーカー、ファン・デル・ファールト、ベイルというスター級が怪我やサスペンションで出場しなかったこと。特にこの試合でパーカーがいなかったことは、大敗の一因になっていた気がします。

まあ、フットボールの詳しい話はやめておきましょう。この2チームに関しては私は門外漢です。といっても、この数日後に見たビルバオ戦といい、私はどういうわけかマンU戦をこれまでに5回スタジアムで見ているのでした。そのうち、マンUが負けるのを見たのは、今回のビルバオ戦だけでした。


3/5 オックスフォード&ブレナム宮殿
第二日目は、母のたっての希望で、オックスフォードへ。事前に行き方を調べておきましたが、けっこう苦労しました。ここで得た教訓。同伴者が何を口にしようとそれが生半可な知識に基づいている場合は、自分の計画をブレずに実行すべし。母の迷言に惑わされ大変でした。ガイドブックにはこう書いてる……というので駅前から10分歩いてバスターミナルへ向かったら、結局乗ったバスが駅経由でした笑 

ともかく、オックスフォード経由でブレナム宮殿へ。正門の横に門番の詰め所というより昔は門番が住んでいたんだろう小さな石造りの家があり、そこから宮殿のもうひとつの門まで真っ直ぐの見通しの良い道を徒歩15分。そこでチケットを購入し、宮殿までまた徒歩5分。到着する頃にはくたびれてました。
ブレナム宮殿はウィンストン・チャーチルが生まれた場所で、彼が眠っているのもブレナムの敷地内だか外だかにあるチャペルです。彼の先祖、マールバラ公ジョン・チャーチルが、スペイン継承戦争中のブレンハイム(ブレナム)の戦いで立てた戦功によって当時のアン女王から贈られた大邸宅(by wiki)で、宮殿で説明を聞いたところ、この先祖は戦術の立案段階で大きな貢献をしたようです。チャーチルはこの先祖のことを、とても誇りに思っていたとか。チャーチルといえば一般的な知識しか持ち合わせていませんが、母は昔、回顧録だか自伝だかを読んだそうです。

残念ながら、この宮殿の内部も写真撮影ができませんでしたが、私が萌えたポイントは、広間にアレクサンドロス大王、ハドリアヌス帝、バッカスなどの胸像が飾られていたことでしょうか。ハドリアヌスもアレクサンドロスも一人の男を愛し、その愛人が死んだ時には彼らを神格化するに至り、彼らの石像を帝国中に作らせたり、ピラミッドよりも巨大な墓碑を作らせたりした、変態チックな大天才というか天才的なド変態です。この二人の胸像が、対になるポジションでチャーチル家の広間に飾られていたものだから、チャーチルやべっと私が思ってしまったのも無理はありません。とはいえ、欧米でアレクサンドロス、カエサル、そして英国人でハドリアヌスを尊敬していない為政者などいるはずもありません。チャーチルは、「カエサル軍がブリテン島に上陸した時、英国の歴史は始まった」と発言したとさえ言われていますから、けっこうギリシア&ローマ通だったんじゃないでしょうか(いや、彼クラスになると帝王学を詰め込まれた際にきっちり学んでますね)。ハドリアヌスも英国には視察旅行で上陸しています。

ところでこのチャーチル、壮齢に差し掛かってから絵画を始めたのだそうですが、この絵がいいんだ。私もいずれ、彼について書かれた本を読んでみたいです。

ブレナム宮殿のガイドブックを買ってきたので、また後ほど面白い&萌える情報があれば書きます。


さて、ブレナム宮殿を後にしてオックスフォードへ戻った私が、最初にしたことは、『指輪物語』と『ナルニア物語』のファンなら見過ごせない、Child and Eagleに行くことでした。


実は↑これ、私が撮った写真ではありません。母に撮影を頼んだのですが、自分を入れずにパブの外観だけ撮ってくるのを忘れてしまいました 

このパブは17世紀からセント・ジャイルズ校の所有となっており、昔から作家集団の溜まり場だったようです。そこにメンバーとして名を連ねていたのが、トールキンとC.S.ルイスでした。彼らは1933年に出会い、自分たちの作品を批評し合っていましたが、そのうちこのパブのプライベート・ラウンジ、Rabbit Roomでランチタイムに会うようになったそうです(と、今wikiで知りました)。この場所でエルフとかホビットとかケンタウロスとか真剣に話し合って周囲の人に奇異な目で見られていたんだろうな〜と感慨深くなりました。

これは、パブの近くの通り



それから私と母は、もともとこれといって目的はなかったのですが、とりあえずクライスト・チャーチだという安易な考えでそっちの方へ向かいました。CCは、ハリーポッターの食堂の場面を撮った場所としてファンの間では有名だそうですが、実はCCと聞いてもそのくらいしか知らない私たち。もともと私は、母のお伴という意識が強くてノープランだったのです。

これがクライスト・チャーチ。時間がないため中に入らず。




その周辺






地味にChrist church (こういうところでスペルミスするんだよね…)



オックスフォードまで行って、こんな萌えポイントを見落としてきたなんてもったいない! と英国好きの方に怒られそうですが、もともとホントに、英国そのものがピンと来ない私です。オックスフォードといえばディケンズになら興味があったんですが、きっと母は興味がなかったと思います。

でも、アリス・ショップには行きました。お客さんは日本人ばかり


しかし…! そんな私にもオックスフォードで見つけた楽しみがあったのです!!

それは
オックスフォード男観察!

さすがに正面からは撮れなかったので、ほとんどの良い男は指を咥えて眺めるだけでしたが、
トラッドスタイルの育ちのよさそうな端麗な顔立ちの男たちをたくさん見ました……。


こんなに可愛い子たちも


うほっ


おおう


きゃっ


もっ萌えるっ



盗撮失礼しました……。まだ数枚あったはずなので、写真整理したら上げます。自転車に乗るヘンリー王子どこいったかなあ。タイミングが合わず撮れませんでしたが、貴族みたいなハンサムな二人組なんかもいましたよ。ロンドンでも見かけないクオリティの高さでした。
おまいらオックスフォードまで列車で行って何してんだ、と言われそうですが、帰国した母に「英国旅行で何がよかったか」とたずねると、「1位はハワース、2位はオックスフォード」とのことでした。何もしなかったオックスフォードの一体何がそんなに良かったのかとたずねると「若い人たちの美しさ」だそうな。まあ、確かに、本を小脇に抱えた黒ぶち眼鏡のブロンディ in ブレザーなんて、日本じゃ見かけられないからな。

どーしょもない英国旅行記になってますが、次回はロンドン3日目から。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)



2012年03月13日(火) 英国旅行から戻りました

みなさんお久しぶりです、帰国しましたヽ(`Д´)ノ ……と、その前に、英国へ行くと一言断っておくべきでした twitterではちょろちょろ書いてましたが、10日ほど兄母を連れて英国旅行へ行ってきました。いやーとにかく疲れた。楽しかったものの満足度は6割。やっぱり一人旅の方が気侭です。家族旅行なので諦めたこともいろいろありましたが、それはまたいずれリベンジということで。

地下鉄、鉄道、バス、レンタカーを乗り継いで、ロンドン→オックスフォード→ロンドン→リヴァプール→マンチェスター→間違いで湖水地方→カーライル周辺→ハワース→リーズ→ロンドンという旅程でした。お分かりの通り、ハードでした(;´Д`)

その間、フットボールの試合観戦&スタジアムツアー参加、ミュージカル観劇、トレッキング、クルーズ、遺跡巡りなどなど盛りだくさんでした。一番の失敗は、マンチェスターから乗り継ぎなしでカーライルへ行く予定だったのに、湖水地方の奥地へ迷い込んでしまい、アイリッシュ海沿いをたった一両の列車でてくてくカーライルを目指すことになったこと。予定到着時刻を4時間も押したためにローマの遺跡をじっくり堪能できなかったのです。

旅の話は少しずつしていきます。写真は山ほど撮ったわりに使えるのは10%にも満たない、というのはいつものことですが、そのうちの数枚を。


旅はロンドンからスタート


全然そうは見えませんが、トラファルガー広場


ヴィクトリア駅周辺のパブで撮ったもの


これも同じパブにて


やっぱり行ってしまったBaker.st 221b


そしてオックスフォードにも。クライスト・チャーチもちら見


もちろんフットボールを忘れるわけにはいきません。王者ユナイテッドをも打ち負かした、世界最高のサポーター集団ビルバオ。上に押し込まれ窮屈そう


ユナイテッドはとりあえず忘れて、マンチェスターといえばシティ……ゲイ・ストリート!


でも今回のメイン? は『嵐が丘』の舞台として有名なハワース


強風吹き抜ける荒野(ムーア)をトレッキング


古代ファンとしては欠かせない、ハドリアヌスの城壁にも行きました…と言いたいところだけど、実はこの写真もハワース


ハワースでは英国の田舎の雰囲気を堪能できました


リーズへ行く途中で立ち寄った世界遺産の町、ソルティアにて。街はそうでもなかったけど、今回の旅のベストショット




フットボール、ベイカー街、荒野など写真だけは撮りまくってきました。気に入ったものだけ加工して上げます。とりあえず、兄は英国が気に入ったらしい


ところで、しばらく日記を書く暇がありませんでしたが、前回のMadmenの話は好評でよかったです メッセージをくださった方、ウェブ拍手ボタンを押してくださった方、どうもありがとうございました。Romeレビューもとまってるのですが、今回ブリテン島のローマ遺跡などを散策し、現地で買った本を読みだしたらこれがまた痒いところに手が届きまくる本で……またRomeについても書こうと思います。

ではではやることがいろいろ溜まってますが、ひとまずこのへんで。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)



2012年02月23日(木) Mad menの魅力(またまた)

これぼーたんにそっくり:'-O



最近画像が少ないので今日は↑コレで始めました。
昨日、Mad men S4を見終わりましたが、このドラマは「一番好き」とは言えませんが、これまでちゃんと見た作品の中で、もっともドラマツルギー(ドラマの制作手法)が優れた作品かもしれないと思いました。私は生意気にも、物書きのはしくれとして映画やTVシリーズは作り手の眼でしか見なくなって久しいです(だからなのか「素晴らしい」とか「秀逸だ」という感想ばかりいつも書いていて、それでよく自分のレビューや感想が�犇�回り�瓩靴討襪福△抜兇犬泙后法�こうと書くと「楽しんでるの?」と言われるかもしれませんが、ちゃんと面白がったり感動したりもしています。

という前置きをした後で、相変わらず「ホントに楽しめてるの?」と言われても仕方がないMad men感想です。

大人のドラマだなあ。…という基準でいけばシャビ・アロンソやマタは大人です この作品においては、今時映像作品では珍しい喫煙シーンが5分に一度くらいの割合で登場するし、女性や有色人種、ゲイといった当時はまだ�爛泪ぅ離螢謄��瓩世辰真諭垢琉靴い呂劼匹い掘�何と言っても善人、悪人と白黒つけられるキャラクターは一人も出てこない。つまり「人間なんて、人生なんて、こんなもんですよ」と言える資質が、見る側にも求められるようなドラマです。その点は、Romeも同じですよね。
とりわけ、このドラマが丹念に描いているのは男女関係です。恋愛ドラマという意味合いだけではなく、社会における男と女、という意味での男女関係です

先述した通り、舞台である60年代初期は、公民権運動が活発化し始めているとはいえ社内ではセクハラ三昧。まず第一話で主人公のドンが「女なんかに指図されてたまるか」と堂々発言。またその状況を逆手に取り、男たちを色仕掛けで味方につけて社内で出世していく女たちも。男たちは新しい女秘書が入社すると、こぞって容姿を品定めに行く。
当時に限った話ではなく現代においても……人類の歴史全般を通してそうでしたが、男たちにとって、所詮女たちは客体であるという事実は変わりません。男にとって女は自己と同一視するものではなく、あくまで�狡�めるもの�瓩覆里任后8渋紊箸舛腓辰醗磴�事情があるとすれば、60年代はまだ、男たちがそのように女たちを見ていることを、誰もが遠慮なく表明できた時代でした。Mad Menはそうした風景を赤裸々に描いています。

でも社会において�狠写鬮甅爐�飾り�瓩任靴�ない女たちが見せる笑顔を額面通り受け取っていいかといえば、もちろんそうではない。人は誰しも自分の人生においては自分が主役なのであり、女たちにとって、彼女たち自身は常に主役。Mad menの優れたところは、当時の社会風景を赤裸々に描く一方で、女たちの内面を彼女たちの視点でつまびらかにしていく、そのドラマツルギーの巧みさです。

一体どれほど才能溢れるクリエイターが、何度会議を重ねればこのような深みのあるキャラクターたちを生み出せるのでしょうか? Mad menに対しては�犖沈�溢れる�瓩覆鵑動造辰櫃ど集修六箸┐泙擦鵝8充造法△海ΔいΔ笋弔い襪覆辰討いΕ織ぅ廚个�りで、そのうちのほとんどとは別に友達になりたくもない笑 でも彼らが織りなす群像劇が素晴らしい。特にドンとペギー、ドンとピートの関係には、しびれますね。

秘書として入社した頃は世間知らずの田舎娘だったのに、コピーライターとしての女性ならではの感性をドンに見抜かれ出世していくペギー。広告業界を出入りする華やかな女性たちと、ぽっちゃり体型の自分を比べて溜息をつきつつ、彼女は男社会で受けるセクハラやからかいにもめげずしだいにドンの信頼を得ていくのですが、女はとっかえひっかえのモテ男ドンが、ペギーを異性としては意識せず、困難を分かち合える理解者として認めていく過程が、実にいい感じです。端的に言うと、彼女が担っているのは�犲匆饋塀个靴討い�女性像�瓩箸いΔ海箸砲覆蠅泙垢�、その描き方がウソっぽくない。女性の解放は米国において実現しましたが、「人は皆平等であるべき! 女たちよ立ち上がれ、社会に出てバリバリ働くぞ!」などという思想の下、社会に乗り込んでいって自分の地位を確立していった女性なんて、ほとんどいなかったに違いないのです。でもペギーのような女性の試行錯誤、苦労と挫折があったからこそ、私たちはslashなんてもんにうつつを抜かしていられるし、最近じゃBLなんて言葉が世間で認知されるようにもなったわけですね笑

ピートの容姿がもうちょっとアレだったら(ハンサムだとは思うんですが…)、ドン/ピートにはもっと萌えていたと思います。いいですねえ、人としては嫌い/苦手だけど、お互いが必要な二人。snobbishなヤッピーの代名詞みたいなピートは、最初は不愉快な存在でしたが、今ではMad menにはピートがいなくっちゃ、という気がします。映画『TIME』のトレイラーに彼(役者)が出てきた時は、ニヤリとしてしまいました。ペギーもピートも、しょっちゅうドンに突き放されて逆ギレしかかってますが、ふとした瞬間にドンが彼らを高く買っていることを示す場面に出くわすと、「あ〜もうMad men最高」としみじみ思います

Mad menのシナリオやセリフの素晴らしさは説明しがたいものですが、個人的に気づきがあったので、その場面について書きます。
ドンがかつて付き合っていたアーティストの女性(S1に登場)と再会するシーンがあるのですが、彼女に誘われて家へ行ってみると、家には彼女の夫がいて、彼女が都合をつけてちょっと席を立った隙に、その夫が彼女の絵を見せて「きみが買ってくれたら妻は喜ぶんだけど…」と言います。
まず家に行くなり、画面からは生活に困っているような雰囲気が伝わってくる。夫に妻のろくでもない抽象画を買ってくれるよう頼まれた時、ドンは自分が昔の女にいっぱい食わされたことに気づく。夫は「絵を買ってくれたら助かるし、彼女は好きなことをさせてくれる」とまで言う。そこへ女が戻ってきて、夫は料理を振る舞いたいから買い物に行くけど、金がない、と言う。ドンが10ドルかそのくらいを手渡すと、夫は「こんなに?」と喜び出ていく。
二人きりになると彼女はドンにヘロインをやっていてやめられない、という話をする。ドンと出会った頃はヒッピー崩れだった彼女が担っている役割は、時代背景の描写です。
ドンはその場で300ドルの小切手を渡す。この場面を見た時、私は次にどんなセリフが来るだろうと考え、おそらく感謝の言葉だろう、と思いました。ところが、女が悲痛な表情で口にしたのは、「私に小切手が換金できると思うの?」ドンは小切手を破り捨て、ポケットの有り金を渡す。そして立ち去り際、「タクシーに乗る金もない」とつぶやく。そこでまた私は、彼女がタクシー代だけ返すと思ったのですが、彼女は「通りを真っ直ぐ行けばバスが出てるから」というような事を返したのです。ドンが絵を抱えると、彼女は「その絵、どう思った?」とたずねる。ドンは「どうでもいい」と返す。

私はセリフというものを、話を進行させる道具に使ってしまうことが多いのですが、この場面でいえば「タクシーに乗る金もない」のくだりは進行上いらないセリフです。ではこの会話は何を意味してるかというと、女が置かれた立場の悲惨さ、切羽詰まった女のがめつさ・こずるさ、二人の冷え切った元には戻れない関係。でもそうしたこと以上に、このセリフが、そしてこの場面全体が伝えようとしているのは、それでも女を助けずにはいられないドンの人間性です。
何とも表現しがたい抽象画を自宅に持ち帰り、その前に座って眺めるドンの横顔のカッコよさ。ひどい女たらしで、同時進行で複数の女と付き合うような男なのに、彼に夢中になる女たちの気持ちが理解できるのは、こうした演出の積み重ねなんですよね。

もうひとついえば、夫がドンから数ドルを受け取って「こんなに?」と喜ぶシーンは、当時の物価をそれとなく視聴者に示しておいて、そのあとでドンが彼女に渡した300ドルがいかに大金かを伝えるための小憎い演出です。また、この夫の言う事なす事があまりにもヒドイ笑 でも夫は終始、丁寧な口調だし、見た目もさほど悪くない、なのにその残念な感じがこれでもかというくらい伝わってくるのも、すごいなあと思うわけです。

これは特に優れた場面というわけではありませんが、女がタクシー代さえも返さなかったことに驚いたので書いてみました。Mad menはこういう小さな演出を楽しむドラマなので、漫画文化の影響でなんでもものすごく大袈裟な演出に慣れている日本人には向いていないドラマという気もします。


ちなみに、微妙なさじ加減で人間を描いている作品を楽しみたいという方には、OZ、Breaking Bad、シックス・フィート・アンダーなどをおすすめします。逆にこんなのもあるよ、という良作がありましたら、ぜひ教えてください。少し違うけど、80年代に制作されたヘレン・ミレンの『第一容疑者』もドラマツルギーはホント、素晴らしいです。どうしても忘れられない場面があって、そのこともいつか書きたいな(…と書いて更新した5分後、Twitterでこの場面に登場する役者ジェイムズ・フレインのファンの方が、この場面について語っているところに遭遇し、えらいびっくりした!)。

OZやホミサイドの制作者が手掛けた『The Wire』はTVドラマ史上の最高傑作とまで言う人がいますが、DVD楽しみです


うーんでもこんな細かいセリフの話なんて読んでも面白くないですよね。なんかもっと面白い話できないかといつも思ってるんですけど笑

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




WEB拍手のレスはこちらから DiaryINDEX|back|new

RPSのきわどいのはマイピクに上げてます。気軽に申請してください。

変態の本性を晒しているアカ。slash ficレビューなども。Follow me now!

Not His Day (footballのID&PW制同人サイト)
RPS小説のページ。ID&パスがわからなくなったらこちらから再入室をどうぞ
ジン |MAIL |HomePage