今日は五回目の観賞でした。これが最後だと気合を入れて 見てきました。昨日は観客の笑いに傷つけられる、と書きました が、ゼウスが味方してくれたのでしょうか、今日はたった一度も、 アレ&ヘパシーンで笑いが起こりませんでした。それどころか、 ヘパが死ぬシーンではすすり泣きさえ聞こえました。これには感動しました。 不思議なことに、アレクサンダーは見れば見るほど味わいが増し、 五回目の今回が一番感動しました。エンディングロールでは大泣きした まま座っていて、この映画で泣いてるところを見られたら恥ずかしいので(笑)、 しばらく劇場を出なかったほど。アレ&ヘパのみならず、他の将校や ロクサネ、バゴアス、オリュンピアス、フィリッポスの立場や考えなども 映画を受けて大筋見えてきて、路線が決定してくるとなんだか知らないが 泣けて泣けて仕方ないです。サントラは、1−4までのトラック、 ロクサネのテーマのトラック9、ヒンドゥークシュの13、 そして「永遠のアレクサンダー」の17は、聞くだけで涙がとまらず、 どうもこの映画に完全にノックアウトされてしまったらしいです。 今回はなんと、老いたプトレミーの最初のナレーションですでに泣いて ました。「独裁者と? 独裁者であれば我々にあれほど多くのものを残し はしなかったろう」でもうダメ! まさかあのうざったい老プトレミー にまで泣かされる日が来ようとはなあ。 それでもって、この映画は実はすごくいい映画なのではないか、と思い はじめた私の目は、曇りすぎでしょうか。日本にも悲惨な出来だという 噂が伝わり始めてるようですが、大丈夫ですよ。日本人はこの映画、たぶん 好きです。たぶんこのアレクサンダー像を、日本人は受け入れることが できると思います。もちろん、ギャルたちには無理ですが。 ヘパイスティオンの死はどうしたって泣くんですが、それ以外で私が 一番泣けるのは、やはり大王が「故郷へ帰ろう」と宣言するシーンだと わかりました。もうあのシーンは本当にだめだわ。嗚咽を堪えることも 出来ません。 この映画、ポジティブなレビューで書かれてましたが、すごく見る側の 想像力を必要とします。そして登場人物の行動からその心理が読み取れた 時に襲ってくる感動は凄いものがあります。 でも、大王フリークじゃない人が見ると、やっぱり面白くないのかなあ。 たとえば、ヒンドゥークシュの果て無き山並を前にし、空を見上げて 「鷲はどこへ去ってしまったのか……」と大王が呟くシーンすら、涙が。 何度も書いているように、鷲はゼウスの化身(使い)です。西パキスタン の付近まで遠征してきた大王の頭上には、もう鷲は姿を見せない。 彼は彼を愛するギリシアの神々の手の届かぬところまで、ついに来てしまった。 あ、また涙が……(死)。 このシーンで、プトレマイオスが、大王に「お前は家を見つけたか」と 尋ねられ、何気なくではありますが(エジプトの)アレクサンドリアが 気に入っていることを漏らすのも胸が詰まる。プトレマイオスが大王死後 の権力争いを経て、統治した国こそがエジプトであり、彼がこの映画を 回想しているのもアレクサンドリアだからです。 ギリシア神話は随所に映画に登場しますので、日本で公開される前に、 映画に登場するギリシア神話のことに触れたいと思います。この ギリシア神話に関連付ける手法も見事です。もっと多くの人がこの ことに気づいていれば、あんなに酷評されずに済んでいるはずです。 たとえば、オリュンピアスは酒の神デュオニソスを信奉しています。 死ぬ直前、大王は今まさに飲もうとしている杯に満たされたワインの 表面に、強張った母の顔を見ます。酒の神デュオニソスのいたずらなのか。 後になってわかったのですが、これは死期が近い大王への、オリュンピアス の警告になっています。実にうまい! また、オリュンピアスが息子の死(凶報)を知る予言的なシーンは、 イリアスにおけるヘクトルの死の予告と同じです。 ちなみに、映画にはアキレスに馬車で引きずられているヘクトルの 絵が登場して、ちょと笑えます。エリック似だともっと笑えたのに(それは 映画に集中できないから)。 オリュンピアスと自分を重ね合わせる「メデイア」などもいいのですが、 なんと言っても私が好きなのは、人間に火をもたらしたことで、ゼウスの 逆鱗に触れたプロメテウスについてフィリッポスが説明し、少年アレクサンダー が「なぜ?」と尋ねると、「なぜかなど誰も知らん」とフィリッポスが こたえるシーン。 神の領域に踏み込み、人間に叡智をもたらしたことの代償に、プロメテウス は毎日少しずつ、ゼウスの使いである鳥に貪り食われます。 自分を神の子と信じ、人間の領域を超えようとしたアレクサンダーの 結末を暗示する見事なシーンです。 ガウガメラの合戦後、夥しい人間の屍骸の海でめそめそと泣くアレクサンダーは、 鳥が人間の死肉を食らっている姿を見ます。その時、子どもの頃に父と共に 見たプロメテウスの壁画がフラッシュバックします。 ああなんて素晴らしいシンボリズム! 他の誰にこんな素晴らしい脚本が 書けるというのか。 ヘパイスティオンに「アキレスやヘラクレスを越えたい」と漏らす アレクサンダー。バビロンへの入城時に、檻の中のライオン――ヘラクレス の象徴を見ます。彼はあの時、ヘラクレスを越えたと感じたのかも。 こうしたギリシア神話に結びつくちょっとした会話やシーンが、大多数の 人に理解されないのは当然のことですが、こういうシーンが「いらない」 とか「意味不明」と言われているレビューを読むと、全然違う意味で 泣きたくなりますぜ。 だいたい「映画なんだ、ドキュメンタリーじゃない」としつこく言われて いるようですが、映画が映画らしくなきゃならないなんて、誰が 決めたんだ。ドキュメンタリーのような映画があっても別にいいじゃないか。 この映画には、ギリシア人の猿との遭遇や、レモンとの出会いも盛り込まれ ています。猿とヘパイスティオンがまたいいんだ〜。 (ちなみに、猿のシーンでロクサネがアレ&ヘパの関係に気づくというのは まっかなうそでしたv) ヒンデュークシュ山脈の向こうに、世界の果てが見えると思っていた アレクサンダーに、プトレマイオスが「……この世界は、我々が思って いたよりずっと大きいのかもしれない」と言うと、アレクサンダーは 落胆を隠しません。 多分、この映画を嫌いだと言う人はこんなシーンはクソ食らえだ、どうでも いい、と言うでしょうが、どこか胸を打たれると思いませんか。 これは無鉄砲なアレクサンダーという男の無謀な計画に基づいた民族の移動であり、 文明と文明の出会い(そして破壊と虐殺)の話です。もちろん萌え話なんですがv 映画鑑賞中、アレクサンダーが「まだ東へ行きたい」と駄々をこねる シーンでは、「what do you want!(何がしたいんだ!)」と野次が 飛びました。私はかなり苛ついたんですが、今思えば、この言葉は かつて大王と目的もわからないまま西インドまで遠征し、「もう帰りたい」 と文句を言い始めたマケドニアの兵士たちの気持ちそのものです。 さてアレ&ヘパですが、海外の観賞済みのスラッシャーは、 ジャレッドに魅力にやられてるみたいです。もとは、ヘパイスティオンを マッチョででかい男、で想像していたので気に入らなかったそうですが、 ジャレッドはあんまりプリティすぎてオッケーと言うしかないらしい(笑)。 マッチョなでかい男、というイメージはメアリー・ルノーの小説から きてるみたいです。というか、スラッシャーはルノーの小説にちょっと 影響を受けすぎてる傾向があります。映画のアレクサンダーがめそめそ した厄介な男だったことにショックを受けて、「皆、もっとロマンチック なことを考えてたよね」という話もちらほら。私は映画のアレクサンダーは カッコよすぎると思ったくらいで、想像ではもっと厄介な男でした。 ルノーの小説の中では、アレクサンダーとヘパイスティオンは ファラミアとベレゴンドみたいだそうです(笑)。まあ実は アレクサンダーってファラミアをキチガ○にした感じかも。 父親との確執もテーマですしね。それでもって、 ヘパは誇り高い優秀な軍人らしいんですが、これは現実的ではありません。 前にも書いたように、ヘパは軍人としては決して優秀ではありませんでした。 軒並み、皆さん大王受っぽいんですが、私は自分の中でほとんど完全に カプ形態が出来上がっているので、もう流されたりしません。 わけのわからない自信が、狩公、ベレファラのごとく再び℃マイナー路線 に走る自分を叱咤激励しています。日本でも間違いなくアレクサンダー は腐女子の間で大ブレークします。メインストリームがアレ&ヘパかどうか は別としても、あんだけセクシーな男たちが登場して、あんだけ男同士で 愛憎劇を展開してブレークしないはずがない。すでに、アレクサンダーは "the gayest film never seen"などというそれでいいのかな 呼び名をいただいています(そんなことはないと思うけど)。 私のアレヘパアレは完全にリバです。 クレイトス、ヘパ×アレクサンダー×ロクサネ、スタテイラ、バゴアス、 カサンドロス、ヘパ という感じ。前者が攻。基本的には男女以外はリバなんですが、 クレイトスはどちらかというと「アレクサンダーに突っ込みたい」側、 カサンドロスはどちらかというと「アレクサンダーにつっこんで欲しい側」 って感じでしょうか。 アレヘパアレは場合と状況によって変わる。しかも、 クレイトス×ヘパイスティオンも、フィリッポス×クレイトスもあり。 クレイトスはヘパイスティオンを憎みながら、彼の美しさには欲望を 抱いている。彼は映画でも女にも男にも好きなだけ手を出してるから、 きれいなものは欲しいに違いない。でも、アレクサンダーへの思いは もっとピュアで、自分がどうしてもかなわない男として、ずっと年下 だけど潔く服従してもいるのがアニキキャラらしい。 ペルディッカスはあくまで距離をおいた付き合いを心がけてるけど、 出来ることならアレクサンダーを抱いてみたいと思っている(笑)。 一方プトレミーは、本当はヘパイスティオンが好きだ。でも絶対に 寝ることはない(アレクサンダーに殺されると知っているから)。 基本的に優しい男なので、ヘパが皆に嫌われていることを不憫に思ってもいる。 レオンナトスはどう考えても受(笑)。ペルディッカスと話してるシーン がけっこう多いから、ペルディッカスと案外セックスフレンドかも。 フィロタスの青二才は案外クラテロスと……! クラテロスは若くてきれいな男が好きっぽいなあ。自分を父かアニキだと 思ってくれる若い恋人を夢見てそうです。 自分の想像力にむなしさを感じつつも感動しています(死)。 そして明日には日本に帰り、あと三ヶ月くらいはこの映画を見れない のかと思うと、とても暗い気持ちに……。 将校とアレクサンダーが一堂に会してるシーンは、あーどれをとっても 赤面しちゃうくらいすき……。 最後の宴で、アレクサンダーの狂乱振りにつき合わされている生き残り メンバーの表情のひとつひとつを思い出しても、ハートブレイキング。 この映画がちゃんとブレイクしてたら、素晴らしいとしか言いようのない 一人一人の役者たちを見る機会も増えたのに。スペシャルなDVDが 作られていよう。そしてファンサイトもばかばか増えたはずなのに。 決して酷い映画ではないのに、本当に残念。老プトレミーさえあんなに 喋らなければ……。 飛行機の中で、映画の詳細なシーンを書くつもりです。ネタバレ版と、 ネタバレなし版に分けます。 それではでは。帰ったらすぐメールや板のお返事しますね〜。 アナログで繋いでて、日記くらいしか更新できませんでした。
どうやら大王映画に徹底的にアディクトしてしまったらしく、 今日は堪えきれず、二度も見てしまった……。朝と深夜に! そして二度とも泣いてしまいましたが、深夜はヘパイスティオンが 死んだシーンで笑いが起こったので、かなり傷つきました。 ハワイという、以前から嫌いなこの土地柄もあるんですが、 今回ばかりはまいったわ! アメリカ人に! 私はこの国の多様性 が大好きだし、多くの点で(政治や経済だけでなく、文化面でも) 世界をリードしていることに敬意を抱いてきましたが、今回のことで、 「この人たちは、一度自分たちで破壊したものを再建して、まるで 世界を変えたか新しいものを生み出したかのように振舞っている」 という気持ちがいっそう強まりました。 突き詰めていえば、これは彼らに歴史観が欠如しているせいでしょう。 ヨーロッパやアジアのように長い歴史のうえに成り立っている 国々は、混沌を受け入れることに慣れているのかもしれません。 アレクサンダーとヘパイスティオンのシーンでは必ずヒソヒソ話や 笑い声が聞こえます。映画を見たのでわかりますが、これはヨーロッパ や日本ではありえないことです。彼らは何も笑われるような会話 や行動をとっていません。ましてや、ヘパイスティオンが死ぬシーン はとても感動的です。でも彼らの一部は頭から受け付けないわけです。 ホモだ、つまりそれは俺たちとは関係のない連中のことだ、感情移入 できない類のことだ、と直ちに心を閉ざしてしまうことが出来るのです。 あるいは、ファンフォーラムにはこの映画をこき下ろす醜い書き込みが 横行しています。彼らの多くは、勇敢で強くてカッコいいアレクサンダー 像を、ホモまみれの泣き虫として映画にされたことに激怒しています。 彼らにとっては、小アジアの人々など顔がなくていいのです。あるいは 最悪の場合、フセインの顔をしていると一層ありがたい、といった 調子です。ようは自分たちのヒーローが世界を征服した、という事実 に酔いしれたいのです。もちろん、こうした人々は大王のファンでなんでも ありません。彼がいつどんな環境で育ったかなど、どうでもいいのです。 だから、偉大なガウガメラの合戦の映像を見ても、英雄アレクサンダー が馬に跨り二百人を殺し、敵の大将の首を討ち取るような偉業を成し遂げ なかったこと、そもそも砂嵐のために阿鼻叫喚の混沌しか伝わらないこと にいたく腹を立てているというわけです。 映画の出来よりも百倍、そのことに失望しました。 私はひそかに信じていました。たとえホモだろうと宗教や人種が違おうと、 本当にすてきな関係というのは、そんな枠を越えて人を感動させずには おれないはずだ、と。けれど現実は違ったのです。現実には、彼らは やっぱり、ホモだというだけで受け入れられず、あざ笑ったというわけ。 あるいは、映画の中でアレクサンダーは征服した土地の民と団結し、 彼らを自分たちギリシア人と同等だ、と言いますが、それに対して 部下たちは「同等だと? 俺たちが征服したこいつらが? 馬鹿を言うな、ギリシア人こそが一番優れているんだぞ!」と激怒します。 これには、オリバーの痛烈な皮肉が込められています。 この映画を「白人のヒーローがアジア人を征服しまくるゾクゾク感一杯の アクションムービー」と期待していた人々は、自分たちの軽薄さを垣間見る ことになります。 「オリバー・ストーンの政治的な思想が気に食わない」という理由で 批判している人がいるのは、このためかもしれません。 もちろん、こんな人たちは全員ではありません。 かつてホミサイドのペンブルトンが似たようなことを言ってましたが、 私は自分は白人ではないから、男ではないから、ゲイではないから、 古代の人間ではないから、という理由で相手に共感することが不可能 だなどとは思いません。それどころか、殺人犯の心理、子どもにいたずら する快感だって、絶対に理解できない自分とはかけ離れた世界のこと、 などとは決して思いません。また、そんな自分の弱さや暗い部分を受け入れ なければ、私たちと彼らの間の溝はどんどん深まり、まったく相容れない 存在同士となることを思うと、そっちの方がずっと怖いと思います。 だから確かに辛いけれども、そうした自分と向き合っていきたいと 思います。自分にすら正直になれない人生なんざまっぴらです。 でもそれが出来ない人間は、この映画を嫌うはずです。 アレクサンダーという二千年を経てなお英雄視される男の暗く冷たく 弱い部分、そして彼の行いは虐殺であり目的などたいしてありは しないという事実を受け入れられないなら、この映画は見に行くべきでは ありません。 ところで、今日はいくつも訂正があるのです! あー私は何を見ていたんだか! その時はわかってても、あとでこの 日記に書く時点で忘れ去ったりもしていました。 まず、「今夜は傍にいてくれ」はちゃんと劇中にありました。 あんなにハッキリ、振り向いてまで言ってるのに、聞き逃してたというより 聞き流してました。 それと、ヘパがロクサネと大王の婚礼の夜に行うことですが、その時の 台詞は昨日書いたものとはずいぶん違いました。昨日書いたことは、 それより前の、バビロンでの会話部分でした(笑)。このバビロンの シーンは本当に好き……。「今夜は傍に」もこのシーンです。 二人の会話がどんなに素敵か。 「私はどっちだ、ヘパイスティオン。弱いのか、神聖なのか」と言った 後で、アレクサンダーはヘパイスティオンの頬にそっと片手を添え、 「いいんだ、ひとつ確かなことは、私が信頼しているのはこの世でお前 だけだ。お前が必要だ。私が愛しているのは、お前だ。他の誰でもない」 これは、その直前にスタテイラを王妃に受け入れることを宣言した ことを受けています。 スタテイラが、すごくいいんです〜。ちゃんと、ヘパをアレクサンダー と間違えて、大王に「心配するな、彼もまたアレクサンダーだから」の 台詞を言わせてます。 では婚礼の晩、ヘパが何を話してたかというと、実ははっきり聞こえ ませんでした。ジャレの美貌としどろもどろの言葉に気を取られて、 どうしても聞けない。ひとつ確かなことは、大王がロクサネを妻に 迎えたのは、王として子どもを授かる必要があった、というのがはっきり 言わないまでも伝わってくるんですが、ヘパは眼にうっすら涙を溜めて、 i wish you a sonと言います。「息子が生まれるといいな」が無難な訳 だと思いますが、ヘパ受寄りの身としては、「お前の子どもが欲しかった 」 くらいやっちゃいたいところ。自分が男で、どんなに愛し合っていても 子どもだけは作れないことを嘆いているともとれる! この後で、どちらかがyou are great man..と言うんですが、 アレクサンダーでしょうか。寛大なヘパの気持ちに対しての発言か。 それともヘパの「お前は偉大な男だから」という発言なのか。 どちらもいいけど、前者を希望。 今こうしてタイプしてるだけで、涙が出てくるほどですよー。この映画、 私は好きだ。だってすべてのシーンが好きだもの〜。いや、老いた プトレミーは除く。何度見ても、老いたプトレミーが若いプトレミーの 延長で描かれていたらと思えて悔しくて悔しくて。もし老プトレミー があんなにベチャクチャ喋らなければ、私は自信を持ってこの映画を 名作と呼ぶのに。 今日は、頭の中でそろそろシーンの整理がついてきて、ふとした瞬間に 気がつくこともあり(たとえば檻の中のライオンはヘラクレスの象徴で、 大王がヘラクレスの偉業を越えたことを象徴していた)、意外なシーンで 感極まって泣きました。たぶん泣いてるの私だけだったろうな〜。 まずヘパとアレをずーっと見た後で、ロクサネとアレクサンダーの 初夜のシーンを見ると、ロクサネにうっとり感情移入しすぎてしまい、 そうなると悲しくて悲しくて。今はサントラのロクサネのテーマだけで 間違いなく泣けます。 海を越えてやってきた完全無欠の王、アレクサンダー。でも実際は 弱さも優しさも持っている男であり、ヘパイスティオンという部下以外 は眼に入らない男。自分に「子どもが欲しい」という男。最初は屈辱が 彼女を突き動かし、それが蔑みに変わり、最後に感情がたどり着いたのは、 私には憐れみに思えました。ロクサネはアレクサンダーの実態を知り、 力の均衡は崩れ、この男を憐れみながら、結局は愛を見出したのかも しれない。肉体だけではなく、心も完全に組み敷かれたのかもしれない。 永遠にこの男は手に入らない、と知りながら。 それは、出番がほとんどないバゴアスやスタテイラにも共通しています。 映画でバゴアスは、クレイトス殺害後、腑抜けとなった大王の世話を 焼いてますが、彼の前でヘパイスティオンが大王を叱咤激励します。 バゴアスは、「二人の間には誰も入り込めない」と悟ったはずです。 腐女子的にはカサンドロスも。カサンドロスがロクサネを連れて きたと考えると、すごくオイシイ。 ここからはかなりネタバレしてますのでご注意を。 もうひとつ、私がどうしても涙を堪えられないのは大王が「故郷へ帰る」 と発言するシーン。コリンの表情にはただただ涙が出ます。 あれは、大王が人間としての限界を悟った瞬間なんですよね。兵士たちの 狂喜乱舞、祝福に胸を焦がしながらも、胸は敗北感でいっぱいなんですよね。 その時、大王の眼に映る幻影には、誰がなんと言おうと、オリバーは やってくれた、と思わされます。 ヘパイスティオンの死際の会話は胸が潰れます。あのシーンで笑う 奴なんて、やっぱりどうかしてる。自分たちの未来、子どもたちや 家族のこと、世界が変化していくこと、そして二人が一緒に老いること。 私たちは一緒に死ぬんだ、そういう運命のはずだ、と吐き捨てる大王。 神の子ならばなぜ運命を変えられないのか。彼の反応は憐れで 胸を打ちます。 でも何より胸を震わせるのは、ヘパイスティオンの 「私なしじゃ、お前が心配だよ」という台詞です。駄目だ、泣ける! 惜しいのは、「お前は、私自身から、私を救ってくれた」という 素晴らしい台詞の信頼性が低いこと。映画のヘパは、それほどのことは しれませんー。 今日二度観て、若プトレミーは本当にいいと思った。クレイトスと クラテロスも。もっとエリオット・コーワンのことは皆言及すべきだ。 エリオットのファンになっちゃいました。 クレイトス役のゲイリー・ストレッチに関しては、 Stretch, in particular, rocked in his big scene. A career is born there, (抜きん出て、場面をさらったストレッチは、キャリアをスタートさせた) などと言われています。クレイトスとフィリッポスが映画をさらってる のは、間違いないです。もちろん、コリンも。 でも目立たないけど、ジョナサンやプトレミーもさらってますよー。 もちろん、ヘパも賞賛されています。 ああもう寝なくては。
昨日の続き。 >ヘパイスティオン 最後は、ヘパイスティオンでしめましょう。昨日の日記では、彼には少々失望 させられた、と書きました。その通り、やはり想像していた、あるいは他の小説 で読んだヘパイスティオン像の魅力には到底及ばない程度の役割しか担って いません。ですが、映画で見ることの出来たヘパイスティオンは、概ね 「最高に素敵」です。ジャレッドが演じているという時点で、美を損なう ようなシーンはありません。戦闘シーンで、我を忘れたように戦うシーンすら 絵になります。 死に際の演技は、ジャレッドの演技者としての評価を高めるはずです。 映画のヘパは、「物柔らか」で「逞しい」男です。彼は優しい。他の 誰にも増してアレクサンダーに優しい男です。アレクサンダーとのシーンは どれも胸を締め付けます。一貫して、アレクサンダーはヘパを所有している、 もしくはヘパに所有されているのではなく、あくまでヘパイスティオンを 大切にしています。 ペルシア遠征に出る19歳のアレクサンダーに、オリュンピアスは子どもを 作ってから行け、と言います。そしてこんな 「ペラ中の女たちが、お前のヘパイスティオンへの寵愛に嫉妬しているぞ」 するとアレクサンダーは母を振り向いて言います。 「私はヘパイスティオンを愛している。彼も同じ気持ちです」 ハイハイわかったわかった、でもね〜、と説得を試みる母上、でも 大王の気持ちはかわりません。 ジャレヘパが登場するのは、この後の宴のシーンです。そう、あの問題の宴! フィリッポスとクレイトスにまで、「女はどうだ」と茶化されるアレクサンダー。 困り果てながら、ヘパイスティオンと秘密の視線を交わす、これが最初の ヘパショット。 この後、アッタロスの暴言に切れる大王に、杯を投げ返すアッタロス。 これにヘパが激怒し、静止を振り解いて掴みかかります。 愛する男が侮辱されたことに真剣に激怒する姿から、ヘパのアレクサンダー への愛情がうかがい知れます。 男たちのキッスの連続で頭がばかになってたため、初回では聞き取れなかった のですが、アレクサンダーはこの時、アッタロスやフィリッポスに対して けっこう言い返してます。フィリッポスには「私は母と結婚してやる。 父よ、あなたも結婚式に呼んでやる」などと言います。見事なダイアログです。 ガウガメラの作戦会議では、ヘパの視線に全幅の信頼を見出しながら、 自分とヘパイスティオンは右翼から攻め込む、という説明をします。 パルメニオンとフィロタスは左翼を完全におさえ、他のものは中央を、 カサンドロスは自分とヘパイスティオンと共に行き、途中で敵の足を封じる よう言うのですが、これがアレクサンダーお得意の「ヘパ特別待遇」です。 皆なれっこなので、文句を言ったりしません。 インドでの戦闘においても、ヘパイスティオンには自分と共にいるよう 指示します。次のシーンでその理由は明らかになります。 ヘパとアレクサンダーが、ガウガメラの前に野営地でプライベートな会話を。 ウェブでもすでに見てましたが、ヘパが自信なげな話をすると、 「パトロクロスはアキレスと並び立って戦った時、アキレスを疑ったか?」 とアレクサンダー。前に自分で突っ込んどいて気づかなかったんですが、 これに対しヘパが「パトロクロスは最初に死んだぞ」と言うのは、 「並び立って戦ってない」という意味も含んでのことだったんですね。 するとアレクサンダー、「もしお前が斃れたら、たとえマケドニアが王を 失うことになろうとも、私はお前の敵を討つ」という名台詞を吐き、 そして、 「その後で、お前と共に死者の家に入ろう」とアキパトと同じく 運命を共にすることを誓うのです。 するとヘパは、「私も同じことをする」とこたえるのでした。 二人は愛に満ちた抱擁を交わします。過去のどこかの二ヶ月分の記憶が吹っ飛ぶ ような優しくて熱い抱擁です。コリンが羨ましいのかジャレが羨ましいのか。 アレクサンダーは言います。二人で共に戦い、死ぬ時は一緒だと。 だから大事な戦闘の時、アレクサンダーはいつもヘパイスティオンに自分と 同じポジションを与えるのです。(勿論、事実は違った)。死ぬ時は二人一緒 に死ぬために。 ヘパイスティオンはこんなことも言います。 「おそらく、これはひとつの別れになるな。私が知っているアレクサンダーとの」 正確なことはまた明日確認してきます。 アレクサンダーは答えます。「いいや、これは始まりだ」と。 あまり書きすぎると楽しみが半減するので、もうワンシーンだけ。 ヘパが死ぬシーン以外で、彼の名場面をあげろと言われたら、迷わずロクサネ と大王の婚礼の夜をあげます。このヘパは最初は攻っぽいと思ったんだけど、 ジャレッドのあまりの可愛さに、意見が変わった(笑)。 これは大きなネタバレになるので、反転してお読みください。 夜、大王の寝室? のドアを力なく叩く音がして、ヘパ が人目を忍んで入ってきます。「どうしたんだ?」と訊くアレクサンダーに、 シィっと指を口にあて、彼はもぞもぞと布を取り出します。不器用に、 ぎこちなく。 その中に包まれていつのは、見事なルビーの指輪でした。 ヘパイスティオンは、「これはエジプトで見つけた指輪で、輝きが、 アレクサンダー、お前そのものだと思って……(はっきり覚えていない ので、明日確認)」彼はそう言いながら大王の指に指輪をはめます。 これが何指かも明日確認。 今夜、結婚した愛する男への、ヘパイスティオンからの結婚指輪です。 胸打たれるアレクサンダー。この時、ヘパイスティオンはナーバスになって おり、どこか不安げに抱擁を交わしながら、「アレクサンダー、おまえは いつも、輝いていて……」コール(黒いアイライナー)を塗った彼の大きな 瞳は震えていて、涙が滲んでいます。 あー思い出すだけで涙出てきた。スタテイラに「王妃として扱ってください」 と頼まれ、受け入れたアレクサンダーがヘパを振り向き、ヘパが寂しげに、 でも笑顔で頷いた時も胸が痛かったですが、やっぱりヘパは、大王が 結婚して自分への愛が失われることをほんの少し恐れていたんですね。 「お前は決して私を失わないとも」アレクサンダーはヘパイスティオンを 強く抱きしめます。このシーンのジャレッドは、本当に素晴らしいです。 でも、ここになんとロクサネが登場。二人が親密にしている姿を見て、 すべてを把握してしまう。私が11月に出した同人誌のようだ(笑)。 ヘパは逃げるように退散します。ロクサネはアレクサンダーに、 信じられない、という顔で尋ねます。 「あなたは、彼を愛してるのね」 アレクサンダーはこたえます。 「ロクサネ、彼は、ヘパイスティオンだ」 この言葉にすべてが凝縮されてるかのようです。 「愛には、いろいろな形があるんだ」 このシーンのヘパイスティオンは、アイライナーに毛皮、髪飾りと、 どっかのパンクロッカーのようでたいそうカワイイです。 この映画、髪型や衣装替えのシーンが多いのですが、皆かっこよくて うっとりですv なんといっても、生足、アクセサリー、長髪、 毛皮(ヘパはアイライナーつき)ですからね! 後半、ヘパは大怪我をするのですが、一瞬ですが輿に乗せられてます。 これも「ヘパ特別待遇」かと。バビロン入城時、大王と並んでるのも。 パルメニオンの制裁の是非を問うシーンなんて、クレイトスの生足や、 大王の新しい衣装、カサンドロスのフード姿、そして一瞬映るヘパの 黒いセクシー衣装に眼がいってしまい、すまんパルメニオン、どうでもいい。 また、気づいたら書き足します。
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