りディックのカールがかっこいいぞ、とタレコミをいただきました。 日本での公開が楽しみになってきました〜。私は、タレコミフォーム というものをトップページに作ろうかと思いはじめてます。 そうすれば、いつだって私は情報をタダで入手でき(死)しかも それを日記で皆さんにもお伝えできるというわけです。 今日、日経エンタメ(アヴリルが表紙のやつ)を立ち読み したんですが、今「萌え」が売れ筋! というような特集が ありました。この萌えの範囲は、男の美少女萌えだけに括られて ましたけど、そうした美少女などの萌えが、大きなマーケットに なっている、ビジネスチャンス! というような記事でした。 女性の萌えについてももっと書かれていたら面白かったのにと 思いました。でも女性オタクで、萌えってあんまり言わないのかな。 私は連発してますけど。 数年前、大学時代にゲーム雑誌にスラッシュについての説明 などを書かせて貰った時、その編集担当の人に「美少女のコーナー を持ってたけど皆同じで飽きてしまって。ジンさんの日記(この日記です) を読んで、女性が言う萌えに興味が沸いたんですよ」と言われた ことがありました。その時私は、腐女子にとっての萌えは、 個人というより、人間関係に対して抱く場合が多いんじゃないか、 と話したような気がします。ちなみにその編集担当さんが読んだ回 の日記のネタは、スタートレックと北斗の拳のホモネタでした。 こんなどうでもいいことを書くのに時間を費やしてしまった! 今日はトロイを見るつもりだったのに、結局見れませんでした。 なぜってDVDと書籍を3万円分買うのに時間を費やしてしまったからです。 アレクサンドロスに関する本は尽きることなく、今日の収穫は アッリアノス本でした。他に、荒俣宏版と、イタリア歴史家が書いた のなどなど。DVDは、タイガーランドとジャスティスをコリン・リスペクト のために。そして、ジャレッドのルールというヘボそうなのも。 おいおい、アマゾンでアレクサンダーリストを私が作りますぞ。 調べたけど、まだ誰もアレクサンダーリストつくってないのですよ。へへへ。 私が今すでに集めた本だけでも、10種くらいになりますが、他にもまだまだ 入手出来ずにいる本がありますので。何より、カッリステネスの アレクサンドロス大王伝が読みたいです。アレクサンドロスと共に生き、 かつ彼に処刑されたアリストテレスの弟子直々の著作です。 ところでアマゾンですが、私が過去に購入した本などが4万で売れる と表示されたので、内訳を見たところ、なかなか面白かったです。 一番高価で売れる(ユーズド)は意外なことにダストで2,961円。 次点ははフランク・フラゼッタの画集で1,732円。 次が Jack Aubrey Commandsで1,730円でした。 指輪本 The Lord of the Rings: Weapons and Warfare も1,730円。 海外のアマゾンからはこの何倍も買ってるので、中には価値のあるもの もあるかも。先日もアレクサンダー本を一挙に買いました。 今日買ったのはこれらです。 ![]() ![]() ![]() ![]() 今欲しいのはこれ。 ![]() 私が今読んでるロビン・レイン・フォックスはこちら。 それはさておき、ジャレッド・レトの出演作をけっこう見てます。 それで前に彼は惨殺されすぎ、と言いましたけど、レクイエム・フォー・ ドリームを見たらば、惨殺はされてないけど、全映画で一番悲惨な 目に遭ってましてよ。ポールの奥さんジェニファー・コネリーと 共演してるんですが、なんとも暗い悲惨な映画でした。でも私は好きな タイプの映画です。主張がはっきりしてて想像力も感じました。 この映画ではジェレッドがジェニファーとベッドにいるシーンが ありますが、いや〜綺麗だ、ジャレッド。特に顔、肌がつやつやで、 某フォーラムで「実物も美人」と言われてただけあります。 筋肉も理想的です。毛は薄いようです。でも胸毛が少しあったかな。 この映画を見て、私は久しぶりに自分のたいへん恥ずべき、暴力的な 性癖と直面しました。これはドラッグ映画で、ジャレッドがドラッグ に溺れてって自滅する話ですが、ラストで腕に針を打ちすぎて組織が ズタズタになり、腕が壊死して切断することになるんですが、 手術台で、麻酔でぼうっとしてるジャレッド。ウィーンてな具合に 医療用のチェーンソーみたいのが近づいてって腕が切られ、その時 ぼうっとしたジャレッドの顔に、びしゃっと血がかかるんですが、 これを見て、勃起した。 凄いハァハァした。たぶん、この 映画を見た人は「この人まじで変態なんだ」と思うと思いますが、 好きな男が腕を切られて、呆然としてる顔に、まるで射精された みたいに顔に血がかかるの見て、興奮しました。その後、腕が切断 されて包帯が巻かれた状態で、ベッドですすり泣いてる、これほど 不幸なことはないって映像見ても、勃起しました。 このことを兄に話したら、たいそう引かれました。誤解されると困る ので言っておきますが、私は残虐非道な人間ではないし(爆笑)、 人より不幸な人に同情するタイプの人間ですが、私の中には 恐ろしいケダモノが棲んでる、ということも以前から分かってます。 このケダモノ、名前は山田君ていいます(嘘です)。 ファイトクラブを借り直し、やっぱりいい映画だなと思いましたが、 ジャレッド、やばいです。アキレスにしか見えないタイラーこと ブラピが、ジャレッド役エンジェルフェイスをやたら可愛がってる シーンがあって萌えまくり。クラブの男らは皆カリスマリーダー タイラーを「抱かれたいほど愛ラブユー」ですが、タイラー、ジャレッドの 頭をくしゃくしゃして顔を掴んでワンコのように扱います。しかも、 それをエドワード・ノートンが見てどことなく嫉妬してます。 殴られてぐちゃぐちゃな顔になるジャレッドには、別に萌えませんでした。 アレクサンダーですが、 http://www.jrmfansite.org/gallery/alexander/alex3.jpg カサンドロス役ジョナサン・リース・マイヤー子(しつこい)! アレクサンダー餌付け。もーどうすんの、カサンドロスといい ヘファイスティオンといい、バゴアスといい、こんな美人らを 侍らせて。ジョナサンかわいい〜。鞭なんか持って高飛車誘い受か。 映画ではバゴアスの扱いもそれなりに大きいみたいなので、どうなる ことやら。ホントにホモ映画になるかもしれないですね。
きゃーーーーーーーー! っと一発叫ばせてください。 今私は、冬の間、行けずにいた自動車学校へまた行っており、 今月末には免許取りたいなんて思いつつ、休み時間にでも読もうかと とあるアレクサンダー/ヘファイスティオン&アレクサンダー/バゴアス スラッシュを読んだのですが、 好きだーーーーー! このフィク! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! 好き! てな感じ! あまりに萌えてしまって、この作者に対して 花束贈りたい気分です。この爽快な敗北感はなんだ! ことの起こりはこうです。どうしてもアレクサンダーで萌えてる 腐女子の作品など見たい、と思いライブジャーナルをぶらついて おりました。そうすると、今の気分にピタリなところを数点発掘 出来ました。 エピックスラッシュフォーラムとか、ヒストリカルスラッシュとか、 エンシェントスラッシュなどは、素晴らしいですよ! ようするに、 歴史に基づいたスラッシュのフォーラムです。カプを見るだけで 面白かったんですが、たとえばモーツアルト/サリエリとか、 サー・ガウェイン/緑の騎士(やっぱ後者が受けか)、 アーネスト・ヘミングウェイとスコット・フィッツジェラルド、 他にもショパンとかシーザーとかオスカー・ワイルドとかマルキド・サド などあるみたいですが、私が無知なのでわからないカプ多数です。 そのうちヒトラー/ヒムラーとか出てくるんじゃないか…。 本人たちには申し訳ありませんが、これも有名税ということで。 とはいえ、無論今一番ホットなのはトロイでした。しかし、まだ 公開もされてないアレクサンダー/ヘファイスティオンもかなり 出回っててびっくりしました。もっとバリエーションが増えるといい んですが。 そして、実は昨日の日記に書いたアレクサンダーとヘパイスティオンと バゴアスの三角関係は、大王ファンご公認のラブ☆トライアングル なのだということを知りました。私はまだバゴアスのことをよく知らず におりますが、バゴアスはファンが沢山いるようです。 考えてみれば、腐女子をひきつける要素は満載な人です。洗練された エキゾチックなペルシアの王の寵愛を受けていた(ことになっている) 美貌の宦官。それが今はその征服者アレクサンダーの愛人。知的で、 語学も堪能。となれば、バゴアス単体でファンがいておかしく ありません。 この三人のこれでもかというくらいに魅力的に、かつ これ絶対事実! というくらいそれらしく書いた短編フィクが、 <こちらイライジャ印のサイトをご覧あれ。 彼女は私にとって第二のエステラかもしれん…。バゴアスがいい、 アレクサンダーがいい、デモ何よりヘファイスティオンがいい! というわけで、このフィクのレビューです。ほとんど訳してしまう かも。三人については、これまでの私の日記を参考にしてください。 AとHやBについて、ギリシアやペルシアについて色々とまとめてます ので、拙文ですが未読の方にはぜひお読みいただきたく。 バックグラウンドを理解していれば一層萌えます。 物語はバゴアスがアレクサンダー大王のテントで本を読んでいる ところから始まります。 ***シナプス*** 大王はペルシアの先王を殺害した謀反者を追って陣営を離れている。 バゴアスはペルシア人の宦官で、現在は征服者アレクサンダー大王の 寵愛を受けている身分。彼はもっとギリシア語のニュアンスを理解 できればと本を読みながら、ヘファイスティオンの ことを何気なく考る。ワインが入っているせいもあり、 嫉妬で落ち着かなくなる。 いまや彼が心から愛するようになってしまった征服者アレクサンダーの 幼馴染にして、愛人のヘファイスティオン。 すると、テントに誰かが入ってくる。それはヘパイスティオンだった。 バゴアスは悪さをして捕まったような居心地悪さに見舞われ、 全身を堅くするも、ギリシアの騎兵隊長の方は普段通り穏やかだ。 「私は彼からこれを読む許可をいただいています」とバゴアスが 言うと、ヘファエスティオンはさらっと笑って、「そのことで議論 するつもちはない。私も、彼の本を読みに来たんだ」とこたえる。 ヘファイスティオンは自分もワインをやりながら、バゴアスの 正面(おそらくは)に椅子を置き、本を読み始める。 二人がアレクサンダーを交えずともに過ごすことなど、滅多にないことだ。 優雅な振舞いを身につけている宮廷人バゴアスにとって、マケドニア貴族 の息子といえど、ヘパイスティオンの動作は大雑把に思える。 バゴアスは本を読むふりをしながら、慎重に、睫毛の下から彼を観察する。 けれど、彼は「慎重」といえるほど慎重ではなかったと言える。 なぜならヘファイスティオンをちらりと見ると、彼はじっとバゴアス を見つめていた。睨んでいるのではないが、凝視だった。 もうこの時点で、私は彼女が書くヘファイスティオンにおちました。 バゴアスは平静を装ってイリアスに集中を戻す。アキレスとパトロクロス。 バゴアスがひとり居心地悪そうに悶々としていると、ヘファイスティオン が言う。 ヘパイスティオン「何か問題か?」 バゴアス「いいえ」 ヘパイスティオン「私が邪魔か?」 そう訊ねる彼は確かに気を遣ってくれている。 バゴアスは本を閉じ、唇を嘗めると訊ねる。 「トロイアで…あなたとイスカンダール(=大王。どうやらペルシア読みだと こうなるらしい)は……本当に衣服をお脱ぎになり、裸でアキレスの墓 の周りを走り回ったのですか」 知られてる…! 知られてるぞ! 大王! あんたの過去恥部! するとヘファイスティオンは口を開けて笑い、 「そなたは常にペルシアの淑女のような物言いを」 「そんなつもりは…ただ、私は事実を知りたいと…」とバゴアス。 「ああ、それは本当だ。彼らをそのように敬うことには大きな意義が あった」とヘファエスティオンはバゴアスの言葉を遮って言い、本を 閉じてまずは背伸びをし、そして長い足を伸ばした。「(質問が)私の番かな」 バゴアスは無言で、しかし優雅にてのひらを返し、彼を促す。 このひとつひとつの動作が、二人の性格とその違いを物語ってて さ、最高。 しかし、その態度にヘファイスティオンは目が据わ る……この宦官は、彼にしてみればいつも少し不敵で、冷静すぎる。 彼は顔を上げ、盛大な溜息とともに言った。 ヘファイスティオン「なぜ、お前は私を憎む? 私はお前に何もしていない。 結局のところ、彼の臥所はお前のものだ」 このヘファイスティオンの台詞に、撃沈。 不意を打たれたバゴアスは、開き直ることしか出来ない。 バゴアス「憎み……たくはない」 ヘファイスティオンは微笑んだが、唇の端に苦いものが浮かんでいる。 「……少なくとも、お前は正直だ」 バゴアスは訊ねる。「なぜ、あなたはそんなことを私に?」 ヘファイスティオン「かねから興味があった。私たちは二人とも、 彼と強く結びついている。これからの毎日を、お互いの存在を身近に 感じながら生きることになろう……私としては、もっと親しくなりたい と思う。少なくとも、敵同士ではなく」 敵同士、という言葉にバゴアスは背筋に冷たいものを感じ(彼は結局は 奴隷である)、 バゴアス「ヘファイスティオン様、私はあなたの敵ではありません。 もし私が貴方に不快な思いをさせたというなら…」 これに対し、ヘファイスティオンは身を乗り出し、眼をきらりと 輝かせて言う。 「そんなことはないが、しかし、否定は出来ないな……」 かぶりを振り、 「お前と彼が一緒にいる時、いつでも心穏やかということはない…」 ヘファイスティオンはそう言ってしまってから、言いすぎたと後悔する。 彼は乗り出した上体をもとの位置に戻し、本の開いた面を胸に押しあて、 彼らしい愛情深い表情に戻る。 「お前にとっては、うまくいったな。そうだろう?」 そう言って、ワインを飲む。 バゴアスは、彼のこの言い様に腹を立てる。ワインのせいもあり、 ぎすぎすした言い方をしてしまう。 バゴアス「うまくいったとは? どういう意味です?」 ヘファイスティオンは肩を竦め、不器用にカップをテーブルに 置きながら、 「つまり、ダレイオスからアレクサンダーのもとへ転がり込んだ。 悪い人生ではないな」 するとバゴアス、なじるように「私のことなど知りもしないくせに」 ここで、バゴアスの過去の話が挿入されます。バゴアスは 12歳の時に家族を殺され、王のものになった。それから毎晩のように 黄金と共に男たちのもとに送られ、政治の道具にされた、ということ ですが、これは作者の創作なのではと思います。当時の宦官は自分から チン切りしてるんですよね。 「中には行為の最中に暴力を振るった者もおり、そうした太守のことを 今でも殺したいと思う」 というようなことを言うバゴアス。 ヘファイスティオンは同情し、謝罪します。 ヘファイスティオン「恐らく、私たちはお前のために出来ること があるだろう。アレクサンダーにその男の名前と、今どこにいるかを 言うがいい」 するとバゴアスは激しく拒絶し、「お願いだから、大王にそのことは 言わないでくれ。知られたくない」という。 ヘファイスティオンは納得するものの、 ヘファイスティオン「だが、彼に知られたくないようなことを、 なぜお前は私に話した?」 すると バゴアス「きっと、もっと親しくなりたかったからでしょう」 ヘファイスティオン「おやおや。恐らく本当の理由はワインのせい だと思うが、だが私もお前のその言い分の方が好きだ」 二人は涙が出るまで笑う。 私としては、ここからが強烈に萌えでした。 ひとしきり笑い合うと。バゴアスは本を大王のベッドの枕の下 に戻そうとします(逸話として、大王は枕元にイリアスを置いて いたという話が知られています)。 ところが、飲みすぎたバゴアスはどうも足元が覚束ない。 ヘファイスティオンは立ち上がり、「テントまで送ろう」 バゴアス「いいえ、必要ありません」 ヘファイスティオン「いや、そうする必要がある」 バゴアス「なぜ?」 すると、 ヘファイスティオン「もしお前に何かあったら、そのことを私が 事前に察知していたと知ったら、アレクサンダーは、私を生かして おかないだろうからな。彼は、お前を心から愛している」 きゃーーーーっ ………どてっ(急死)。 まさかヘファイスティオンにこんな発言をさせるフィクを読めるとは。 ヘファイスティオンとクラテロスが刃傷沙汰を起こしかけたとき、 「今度やったら二人とも死罪だ」とアレクサンダーは警告したと言いますが、 もーたまりませぬ。このメリハリのきいた関係。 萌えは更に続く。 バゴアスは訊ね返す。 「彼が?」 ヘファイスティオン「ああ、勿論。彼はいつだってお前のことばかり 私に話す」 バゴアスの心を感動がいっぱいにするも、しかし名状し難い捻くれた 痛みも走る……なぜなら、彼といる時、アレクサンダーは ヘファイスティオンのことをまったくと言っていいほど話さない。 作者にストーカーのごとく花束を贈りたいー。アレクサンダーにとって、 ヘファイスティオンという存在は、あまりに大切すぎて、あるいは 自分の半身のような存在になっていて、今更誰かに話すまでもないのですね。 もー大王かっこよすぎ! けろっとしてるヘファイスティオンも、 罪深すぎ。 「……行きましょう、もう遅い」とバゴアスは静かに囁く。 ヘファイスティオンはバゴアスの腰に腕を回し、親しい友人同士の ように、バゴアスの腕を彼の肩にかけさせる。 バゴアスのテントに到着すると、ベッドに寝かせ、膝をついて 宦官の靴を脱がせる。 彼が顔を上げると、バゴアスは胸に疼きのようなものを感じる。 それが何かは、彼にはわからない。 「ありがとうございます。貴方はとても親切だ」とバゴアス。 ヘファイスティオンは一瞬だけ戸惑いの表情を見せ、頷く。 彼の戸惑いが、バゴアスにはなぜか嬉しい。 ヘファイスティオンはバゴアスに水を渡し、素っ気無く「自分で脱げるか」と訊ねる。 バゴアス「ええ、もちろん」 ヘファイスティオンは、「アレクサンダーには秘密は漏らさない。 私たちふたりの、彼への愛に誓って」と言い残すと、 テントを去る。 うう…してきすぎる、このはなし。ですが、この話をパーフェクトに してるのは、このオチの部分です。 アレクサンダー大王は二日後、陣営に戻ってくる。そして彼が 眼にしたものの前で立ち止まる。 彼のテントの中で、ヘファイスティオンとバゴアスが額を突き合わせ 一冊の本を読んでおり、バゴアスが朗読している。 二人は大王を見上げ、微笑む。 「ご無事でなにより」とヘファイスティオンが言う時、バゴアスは 立ち上がり、アレクサンダーの傍に急ぐ。 アレクサンダーはヘファイスティオンに一つ頷く。だが、バゴアスが 彼のブローチを外し外套を脱がし始めると、「今はいい」と制する。 バゴアスは困惑し、慎み深く後退しようとしたが、腰をアレクサンダー の腕に絡め取られ、ぐいっと引き寄せられ、阻止される。 これは奇妙な光景といえた。アレクサンダーは慎重な方だったので、 バゴアスといえど人前で愛情を示す抱擁をすることなど滅多になかった。 とりわけ、ヘファイスティオンの前では。 片腕をバゴアスの腰に回したまま、アレクサンダーはもう片方の手で ワインを取り、それを薄めずにぐいっと煽る。それからカップをテーブル に戻し、ヘファイスティオンに訊ねる。 「良い本か?」 ヘファイスティオンはこたえる。 「イリアスの読書を手伝っていたのです。ギリシアの昔話は ちょっとした挑戦ですが、彼は健闘していますよ」 アレクサンダーは眉を潜めて、バゴアスに言う。「気が向かないのでは ないか?」 バゴアスは意気込んでこたえる。 「いいえ、ちっとも、我が王イスカンダール!ヘースティオン(ヘファイスティオン) は自分の時間を費やして、私を助けてくれているのです」 アレクサンダーはバゴアスとヘファイスティオンを交互に見比べ、 眼を細める。彼はカップを再び手に取り、中身を撒いて捨てる。 彼の顔に浮かんだ笑みは、心からの笑みというよりは、どちらかというと 顰め面に近い、厳しいものだったが、数秒の間に掻き消えた。 彼は言った。 「それはよい。お前たちがより親しくなってくれることに越したことはない」 ご馳走さまでした。最後のアレクサンダーの仕草、言葉の選び方、 バゴアスとヘファイスティオンそれぞれに対する違った態度……完璧 です。バゴアスの態度と、彼への労わりに対して、ヘファイスティオンには 素っ気無く挨拶するだけのアレクサンダー。 最後のアレクサンダーの嫉妬。 「ヘファイスティオン、まさかお前、王の愛人を寝取る気じゃないだろうな」 なんて内心笑いながら、実はバゴアスとの関係にちっとも嫉妬しなければ、 そのバゴアスと簡単に親しくなってしまったヘファイスティオンへの 恨めしい気持ち。 やっぱり大王はヘファイスティオンには敵いません。どんなにわがまま を言おうと横暴に振舞おうと、ヘファイスティオンが相手では勝敗は 決しているのです! バゴアスは宦官なので、容赦なく女性的に描けるところが 楽しいですね。それに対して、ヘファイスティオンはマケドニアの男であり、 騎兵隊の隊長であるから、バゴアスと比べてずっと男前なとこも いたく萌えであります。作者の掲示板でも、「ヘファイスティオン、 こんなに逞しいかな」という話になってましたが、むしろこの方が 素敵だと思われます。バゴアスに対し攻なヘファイスティオンという のが、たまりませぬ。 バゴアスの存在で、アレクサンダーが一気に攻めっぽく感じられて きました。しかし、ヘファイスティオンとはリバでもよいですね。 ああ〜好きだ……このフィク好きだ。フィードバックもたくさん 書き込まれているようですが作者は「A/H/Bは今後も書くつもり」と 言ってますので、楽しみすぎて拉致りそうです。私としては、 H/Bに嫉妬するアレクサンダーをもっと見たい。もちろん、バゴアスの 方にはいつも敗北感が漂っていて欲しくも。とはいえ、ヘファイスティオン が一番複雑な気持ちでいる、というのを、さりげなーーく醸し出して くれたら最高です。 映画見る前に、カプ傾向が決定しそうな勢いです。 映画は映画で楽しめばいいか!
メールの返事と広告の仕事をしつつ、夜はアレクサンダーの本を 読んだりしてますが、宦官バゴアスの登場と、彼とアレクサンダーの 関係のくだりを読んで、マケドニアの男たち、とりわけヘファイスティオン が不憫で不憫でならなくなりました。萌えながら悶えていましたー。 (今後しばらく英語表記を心がけます)。 宦官とはご存知、去勢され宮廷に使えた男たちのことを言いますが、 古代ギリシアやペルシアの時代から登場するのですね。ペルシアを征服した アレクサンダー、先代の王の支持者たちに降服を求めるのですが、 この時、降服してきた武将の一人が、美しい宦官を連れていたそう です。これがギリシア語も堪能なバイリンガルのバゴアスなのですが、 その容姿は美しく動作も優雅だったそうで、アレクサンダーはすっかり 恋に落ちてしまいます。彼はバゴアスのために、このペルシア人たちに 恩赦を与えることになるのですが、この出会い以来、 大王はバゴアスを寵愛し自分の傍に置いたそうです。私は今、 ロビン・レイン・フォックスの本を読んでいるのですが、作者自身が 「このバゴアスをヘファイスティオンがどう思っていたか、我々は 想像することしか出来ない」と書いています。 バゴアスは王が死ぬまで傍にいたそうなんですが、ほんとにこの美しい 男とヘファイスティオンの関係が気になります。ヘファイスティオンは、 一体彫刻が残っていますがとりわけ美貌だったということはないようで、 アレクサンダーが彼を愛したのはその容貌のためではなかったかもしれ ない、と言われています。そんなあたりがまた萌えて仕方ない。 なんてアレクサンダーとヘファエスティオンは萌えなんだろう。 この萌えの裏側にはこのような複雑な背景があります。 昨日の日記にも書いた通り、アレクサンダーはダレイオス王が死んだ 後、ペルシアを王としておさめることになります。有名な彼の理性の成せる業 というべきか、彼自身はペルシアを支配するために、やすやすと ペルシアの文化や風習に染まってゆきます。ペルシアの金銀財宝は 莫大で、宮廷も洗練されており、ペルシア統治という確固たる目的の ためとはいえ、大王はさぞイイ気分だったことでしょう。 しかし、もとはペルシアの征服はギリシア人にとって悲願でした。 クセルクセスというかつてのペルシア王がギリシアを征服し、ギリシア人 の神を冒涜するなどしたことは、ギリシアの父から子へ、子から孫へと 代々語り継がれていました。ギリシア同盟軍やマケドニアの男たちの 戦意を鼓舞し、彼らを率いてきたアレクサンダーは、自分の野望のために 巧みにそうしたギリシア人の気持ちを利用しました(彼自身も ペルシア征服はギリシア人の報復行為と主張して疑いませんでした)。 実際、ペルシアの国都スサでの虐殺や掠奪は凄くて、大王自身が 「こらこら、殺しすぎだ」と部下たちを諌めたほどだったとか。 しかし、政治手腕にも長けた大王は、この憎きペルシアをうまいこと 支配するためには、ペルシア人の協力は不可欠だと知っていたので、 このあとすぐにペルシア人たちを様々な形で重用します。 たとえば彼はペルシア語を話せなかったので、バイリンガルな者を大事 にしました。ペルシアの宮廷人や貴族、武将、政治家とうまくやるため に、やがてペルシアの衣装を見に着けていきます。 でも、このペルシアかぶれ、ペルシア贔屓はギリシア人にとっては 大いなる屈辱でした。とりわけ、アレクサンダーの出身国であり、 郷土愛が深いマケドニアの人間は、常々ギリシアの陣営内でも 地位が高く優位を保ってたので(マケドニアがギリシアの他の地域を 支配し、ギリシア同盟軍の中心となっていた)、王が洗練された者たち (ペルシア)に傾倒していくのは、たまらなかったに違いないんだ〜。 マケドニア人は、ギリシアの中でも田舎者とされてて、戦は強いが、 都会的でツンとしたアテネ人なんかには見縊られていたようです。 更に補足すると、大王とその幼馴染たちはというと、典型的なマケドニア人 とは違いました。彼らは貴族出身で、またまた複雑な理由で大王の父 フィリッポス二世の人質として宮廷で小姓を務めていました。 アテネやペルシアの文化人を家庭教師に迎え、当時の最先端に触れていた ので、王子をはじめ、マケドニアの中でも優雅で洗練された集団だったそうです。 でも、やっぱり彼らをはぐくんだのは、郷土愛と同胞との絆を重んずる マケドニアのホモホモした大地。生まれは隠せませぬ。 まあそんなわけで、大王のペルシアかぶれはマケドニアンにとっては 面白くないわけですが、さらにさらに、ペルシアと決定的に違う風習が 彼らをサディスティックにいたぶります。 というのは、人類皆兄弟、人間は皆同等だという思想を重んじた ギリシア人は、たとえ王といえど、跪いて手にキスをするよーなことは しませんでした。マケドニア式に王と挨拶を交わすなら、彼らは王の前に 立ち、王と肩を叩きあうといった行動に出たといいます。アレクサンダー にとって、彼の騎馬仲間(ヘタイロイ)は心を許せる同志だったはずです。 ところがペルシアにくるとこれが一変。ペルシア人は王を神の申し子と 信じ、最も高位の者でさえ滅多に王の顔を拝むことは出来なかったそうです。 王には様々な特権が与えられており、王と接触できるのはほんの一握りの 側近だけでした。この側近たちは、王がもし死ねば火葬場の周りで 殺され、共に埋められたそうです。たぶんこれを名誉とし死を受け入れる ことは、そのころにはたいした問題ではない境地にまで達していたことでしょう……。 「跪拝の礼」といって、王の足元に跪いて額を床に擦り付けるという 行い自体、許されている者も少なかったのです。 そこでだ、この長たらしい説明が何を意味しているかというと、 バゴアスの登場ですよ。王がうっとりして思わず自分のものにしたいと いう欲望に駆られるほどの美貌、洗練された知的な宮廷人ですよ。 でも何よりも、バゴアスはこうした美質以上に、ギリシア人にはどうしても 真似の出来ない特技を備えていたわけです。 まずはペルシア語。もともとアレクサンダーの配下にもペルシア語が 堪能なギリシア人がいましたが、バゴアスは宮廷人として言語に留まらず ペルシアの風習や文化を熟知していました。彼のような人物の協力は 世界征服を目指す大王には欠かせない存在でした(とはいえ、バゴアス が愛されたのは単純に美貌ゆえだろう、とも言われています)。 そして最強の切り札はペルシア風の王の扱い方を心得ていたことです。 バゴアスはアレクサンダーに対し跪き、彼を敬い、人間が出来うる限りの 従属の意を表す行動をとったことでしょう(笑)! 大王は美人ちゃんにフェラチオ以外でも跪いて貰えてイイ気分です(死)。 フェラチオして貰ってる間にイリアス読めたりしたらもっとイイ気分です。 マケドニアの猛者クレイトスあたりはさぞかしチンなしバゴアスを 絞め殺したい気分だったでしょう。プトレマイオスあたりは 毒殺計画くらい練ってたかもしれません。クラテロスはヘファイスティオン に「お前は気に食わなかったが、バゴアスよかいい」とか 言ったかもしれません。 さて、ヘファイスティオンはどうか。アレクサンダーがバゴアスと 出会った当時、きっと彼はまだガウガメラの戦で受けた腕の槍傷に 悩まされていたか、少なくとも完治していくばくも経っていなかった かと思います。これはカッリステネスなどが書き 残してることを思えば、そうとう深い傷だったはずです。そこで私が 最初に思ったことは、しばらく大王とのセックスはお預けだなと いうことでした。そしてまた思ったことはといえば、バゴアスと出会った 頃のアレクサンダー、サカッてたに違いなく。 大怪我をしてる間に、大王に自分より美人な男にうつつを抜かされた ヘファイスティオン。一時の気の迷いかと思いきや、どうやらそうとう のめりこんでるらしい……バゴアスへの寵愛は増すばかり。それもその はず、バゴアスの王へのへつらい方といったら、まさにペルシア人! これまた前の日記に書きましたが、個人としてもヘファイスティオンは 大王を崇拝し、常に大王の味方でした。でも、10代の前半に出会って以来の 幼馴染だったからこそ、媚び諂うことは出来なかったはず。それは二人 の関係を根底から覆す危険性を孕んでいます。ヘファイスティオン にしてみれば、王との接触の機会が減り、その間バゴアスが 王の臥所で添寝しているとなれば気が気ではなかったはず! でも出来ない……この苦悩を推し量るだけでもう胸も珍子もズキズキ。 「跪くバゴアスの隣に、同じように跪けば大王はまた私を見てくれる だろうか」「…出来ない。あの男の真似をして心変わりした王に縋りつく ことなど」なんて堂々巡りが彼の頭の中で展開されてたらどうしましょう! そんなヘファイスティオンに、マケドニアの同志クレイトスや プトレマイオスが、「お前にしか大王の乱心をとめることは出来ない。 どうかヘファイスティオン、古参の仲間が嘆いていると、 お前から大王に訴えてくれ。滑稽なペルシア人の真似事はもうやめて くれと」と袖を掴んで頼んだというようなことは、恐らく現実に起きた ことでしょう。…一説には、幼い頃から王(王子)の寵愛を受ける彼は、 仲間たちから嫉妬され孤独だった、とも言われています。こんな時ばかり 板ばさみになるヘファイスティオン。大王の存在は彼にとって 「大王>すべてのもの」、てな感じだけど、自分や仲間を差し置いて、 バゴアスとペルシアを取ったかのような大王に、あえて跪くのは、 ほとんどマゾヒズムの境地です。この時期の ヘファイスティオンの境地は考えれば考えるほどドラマティックです…。 いやきっと…何事も起きてないから、彼は何にせよ大王への愛を 優先したんでしょうが。 ロビン・レイン・フォックスが書いていますが、アレクサンドロスに 関するもっとも重要な部分は、知る術がないそうです。というのも彼に もっとも近しい者たちは、彼が「書かれたくない」と思っていた ようなことについては、まったく書き残していないのだそうです。 それゆえ、ヘファイスティオンやバゴアスという大王の人間性を 紐解く上で一番の手がかりとなりそうな人物は、いまだその多くが 推測の域を出ないのだそうです。 ところで、チンなしバゴアスをヘパイスティオンをないがしろにして 愛したアレクサンダー、チンがないとはいえやっぱ男が好きか。 このバゴアスですが、どうせ映画に出ないだろうと思ったら、 あ、いる! しかもまったく無名の役者のようです…。 端役だろうけど、なんだか楽しみになってきました。
|