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2004年06月06日(日) アキレスはバイかスレなど

アレクサンドロスの映画のティーザー・トレイラーが、私が
イタリアにいる間に公開されましたので、記念にコリンな大王を
描いてみました。トレイラー
このトレイラーの感想はのちほど。

その前にちょっとしたこと。私はとある面白い事実に気がつきました。
この役者です。彼はアレクサンダーのフィロタスという将軍を演じるのですが、
なんと! マスター&コマンダーのウォーリー役ではないか!
若いのに、二本続けての大作出演。素晴らしい。

フィロタス(またはピロタス)はパルメニオンという老将の息子で、
アジアに進出する過程でアレクサンドロスに累を及ぼすある意味では
大事な役割ですが、こんな若者が演じるというのは嬉しいです。
アレクサンダーを囲むいわば同期の仲間たちは、ジャレッドやら
ジョナサンやらこのジョセフ・モーガンやら、同年代の若者
たちで占めるらしいという、オリバー・ストーンの史実を大切にする
姿勢が伝わってきます。アレクサンドロスの時代は王が後方に
留まっておらず、前線で我先にと突撃する時代で、その王が
政治も自ら行うわけです。そして大帝国を築きますが、それを
行ったのが20歳そこそこの若者たちの集団というから面白い。
http://www.allstarz.org/~colinfarrell/filmphotos/acap10.jpg
トレイラーのこのシーンは、中央にアレクサンダーが立っており、
周りに立っているのは騎馬仲間たちなのではと思います。

どうでもいいことですが、前々回くらいの日記に、「アキレスと
パトロクロスの関係は当時衆目の値するところだった」と書きましたが、
「衆目の認めるところだった」の誤りでした。

そしてここにて、面白い議論が白熱しておりますよ。
アキレスはバイセクシャルかのスレッド

とても全部は読みきれませんが、なかなか知的な意見も豊富に出て
おります。読んでいるとアレクサンドロスについて、コリンや
オリバー・ストーンの未見の発言なども出てひじょうにありがたい。
ここには、MTVのインタビューで、「アレクサンドロスはゲイだったよう
だが、そのシーンを演じるか」とコリンが尋ねられ、彼は「やるだろう。
それがアレクサンドロスという人物の重要な部分に間違いないから」という
ことをこたえた、とあり、たとえ神格化された英雄でもそうした部分を
我々は受け入れるべきだ、と意見されていました。アキレスが実際に
バイだったかについては、やはり、「ホメロスはそうは書いていないが、
当時のギリシアを考えれば前提ということも考えられる。これについては
学者たちが長年研究してきたが、定説としては親友ということになって
いる。ただし、男の愛人を多く持っていたアレクサンドロス(イリアス
が書かれてから少なくとも100年は経過している時代)がイリアスを
愛読していたことは有名で、当時(紀元前330年頃)のギリシアや共和制
時代のローマなどでは、二人が恋人同士だった、ということで意見は一致を
みていたようだ」
という意見が、だいたい事実に近いのでは、
とわかってきました。
これについては、うちの掲示板でも情報をいただきました。

このスレッドを読んでいても思うのですが、せっかく楽しく議論されてる
時に一番厄介なのは、発言の中には個人的な偏見も潜んでるということ
ですね。たとえば、バイやゲイはアキレスがバイ/ゲイだったと主張するし、
ストレートで、かつホモフォビックな人は違うと言い張ります。ここにまた、
ブラピファンの思惑も絡んできて「ブラピの役がホモなんて!」という
発言も混じってくるのでややこしくなります。
恐竜の中では最強という伝説のあるティラノザウルスの学会発表で、
数年前「実はティラノザウルスは草食恐竜だった」という説が飛び出て
議会が紛糾したそうです。つまりティラノザウルスに夢を抱いていた
人が学者の中にもいて、「あのティラノザウルスが草食なんて許せない」
ということだったようです(この意見自体はどうだったか知りません)。
中には「子どもの夢を壊す」なんて発言も出る始末だったそうですよ〜。

意見者の真意はわからないにしても、個人的な思惑と
混同するのは事態をややこしくさせますよね。
もちろん意見を言うことは素晴らしいし、クリティシズムこそが
進歩を生むのだと思います。うーんそう考えると、一番厄介なのは、
様々な意見が飛び交うことを忌避することなのかな。
逆カプの魅力も理解しようという姿勢が大切なのですね。←勘違い。

中にはこんな意見がありました↓

to make Achilles bisexual, instead of having two girls next to him
in bed...how about one of them being a man. so when the boy walks in
he sees Achilles with a man and a woman lying next to him...what do
you think the audience's reaction would have been then? if they did
it that way, im sure most intelligent people would get the picture.

つまりは、映画で二人の女と裸で添寝をするアキレスのシーンが
登場しますが、あの一人を男にすればどうだったろう。
インテリジェントな人々はこれで全容を理解したのではないか。
というのですが、私も賛成です。

こういう意見もありました。そしてこれが私の意見にぴったり
一致します。

Actually, it was Achilles love for Patroclus which drove him back
into the battle, saw him kill Hector and mutilate his body, and
basically gave the upper hand to the Greeks once again. So I think it was highly relevant to the plot of the film - indeed, the plot
utterly hangs on it; it is pivotal to the entire story.

As the movie stands, Achilles over-reaction to Patroclus' death
isn't given a truly plausible motivation, which Patroclus-as-lover, as opposed to Patroclus-as-cousin, would have supplied.

However, a big-budget, commercial, Hollywood mega-flick was never
going to portray its starring all-male mega-warrior Achilles as a chap who might like on occasion to have sex with other chaps, let alone have the entire plot turn so pivotally on his love for another man.

*Sigh* Personally, and I speak as a heterosexual woman here, I would have liked to have seen a bit of action between Achilles and
Patroclus... but I guess I'll just have to be satisfied with the eye-
candy as it stands. Between Brad's pecs and Eric's biceps, I guess I can't complain.... ;-)

Heh.

要約すると、「アキレスを戦いに向かわせたのはパトロクロスであり、
ギリシアが優位を取り戻したのも、パトロクロスへのアキレスの愛の
おかげです。それだから私も、このフィルムのプロットに対する、
この点の貢献度(依存性)は非常に高いと思います。
it is pivotal to the entire story
全体を通して、この点はpivotal(中軸、要)である。

しかしながらハリウッドのメガトン級の大作において、主役のアキレス
に男を愛させて、男とセックスさせることは出来なかったんでしょう。
そして映画では、パトロクロスを愛人(私としては親友でも充分だと
思います)としてではなく、従兄弟として描いたことで真実味のある
もっともらしい動機(truly plausible motivation)とはとても言えない
アキレスのパトロクロスの死に対するオーバー・リアクションを提供
することになりました。
溜息…異性愛者の女性として、個人的に言わせてもらえれば、アキレスと
パトロクロスの間のやりとりをもう少し見たかったです。
でも、アキレスの大胸筋とヘクトルの二頭筋が眼の保養になったので、
それだけで満足すべきですね(ええ、もう文句は言えません)」


なんとまあ、腐女子の総意とも言うべきすばらしいご意見、ありがとう
ございました。最後のオチに至るまで、マケドニア式に肩を叩きあって
お互い慰めあいたく!

しかしオリバー・ストーンはやりましたよね。アテネオリンピックと
トロイの年の瀬に合わせ、しかもバズ・ラーマン&ディカプリオ作に
前にアレクサンダー公開。これほど絶妙なタイミングはないざんす。
でも、ラストシーンを収めたフィルムが、撮影地タイを出国する時の
X線検査で感光しちゃったので、撮影し直したらしいですよ。どんなシーン
をどんな風に撮影してたんだろう、と凄く気になります。
そこにはヘパイスティオンを見舞うアレクサンダーのシーンが納まってて、
撮り直し分よりずっと真に迫る演技が収まってたりしないか……(泣)。

トレイラーの感想は、また明日。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)



2004年06月05日(土) イタリア旅行後半

無事、6/4にイタリアから帰国いたしました。途中、ヴェネチア
にてラップトップが電圧の問題でショートしておじゃんになる、
という悲劇にも見舞われましたが、私が太くなった以外はたいして
問題なく、そこそこ楽しんで帰ってきました。
イタリアは暑かった〜。日焼け止めを塗り捲ったのですが
日焼けして帰ってきました。完全に腕が焼けております。

そういえば、前回の日記にて貞操帯のことをほのめかして
おきながら、肝心の絵をのっけずに終わってすみません。

あれこそ皆さんがもっとも読みたかった箇所のはずだのに。
日記をひとまず書き終えた直後に、ラップトップが、みょん、という
切ない音を上げて切れてしまったんですよ。その後は
意外と諦めがよくて、「まあ仕方ない。あと5日くらいネットを
離れた生活をしよう」と気持ちを切替えました。

前はローマに到着する前のことまで書いたと思いますが、
あの後、アッシジ、シエナ、ピサの斜塔、ローマ、ヴァチカン、ナポリ、
ポンペイ遺跡と巡ってきました。端から忘れてってますが、
まずアッシジは聖人フランチェスコが築いた町ということで、
やはり宗教色の強い町でした。何か特筆すべきことがあったか、
と思い出してみるけど特にないや。聖フランチェスコ教会に、
ジョットとチマブーエの壁画がたくさんあり、有名なものも混じって
いたので「おお」と思いました(短い感嘆句にて終了)。
でも、町並みはとても美しかったです。
ピサの斜塔は、うまいこと傾いてました。だのに、私は斜塔をバックに
母の写真を撮るとき、あまりに腕がよすぎて傾斜を無意識のうちに
修正し、直立した状態をフレームにおさめるという素晴らしいことを
やらかしてしまいました。かーちゃん、ごめん。私withピサの斜塔の
写真(母撮影)はしっかり傾いてまして、よかったよかった。
そして、ここでかなり嬉しいことが発覚。イタリアの短いフリータイム
を利用してショルダーバッグを買おうと思っていて(母がプラダのバッグ
でも買わないか、と言ってくれた)、プラダはいいからと古代ローマ風の
デザインのバッグを買いました。デザインが気に入ったのです。
それを、バスの中で検分しはじめると、アレクサンダーという
ブランド名。偶然にしてはできすぎてます。でも嬉しい! ネットで
調べてみても全然出てこないので無名なんでしょうけど、嬉しかったですー。
しかし、馬と盾が描かれていますがこの盾はアレクサンドロスの
有名な盾のデザインではありませんでした。

このあたりで、もう一つ幸運に恵まれました。イタリアのテレビで、
TV版トロイを二話連続で見ることができました。イタリア語なので
いくら耳をすましても名前とボンジョルノ以外はわかりませんでしたが、
イタリア語ではパリスはパリデでした。

http://www.imdb.com/title/tt0340477/

2003年に作られたもので、ジョン・リス・デイヴィスがプリアモスを
演じたやつです。そして見ているうちに最後の方で気が付いたんですが、
ロック・ユーのルーファス・シーウェルがアガメムノン役でした。
こりゃもーパリスからアキレウスから、何から何まで男だちが
しょうもない作品でしたが、ヘレンの哀しさは、映画トロイよりは
表現できておりました。こっちは女の裸の方でセクシー全開な作品。
たとえば、ヘレンは無表情のまま、男たちがごたまぜになって騒いで
いる宴会場に、素っ裸で入っていきます。男たちは、女をそのように
扱うことが当然という顔で眺め見ています。ヘレンは台の上に立ち、
無表情で夫(メネラオス)を待つ、というシーンがありました。
全体的には映画よりずっと荒唐無稽な内容でした。
アメリカが作ってるだけあって、CGなどはよくできてました。

ローマの町はどこを見ても遺跡でよかったです〜。ちょうど6/2が
共和国記念日でホテルの前の通り(フォロ・ロマーノに面している)
が封鎖され、パレードが催されたようですが、その日はポンペイに
行ってましたので、交通渋滞などの被害に遭わずにすみました。
それはまだいい。でも、思わぬ「お呼びでない賓客」によって、
6/4(帰国日)はローマ中が大パニック! そうです、ブッシュが
ローマにやってきたのです。私たち観光客は、ただでさえいい加減な
イタリアーノの大交通渋滞に巻き込まれ、それはそれはおひどい目に
遭いました。この日はフリータイムが比較的長くとれたのですが、
せっかく早起きしたのに、道が封鎖されて行けない場所が多数。
ちくしょうブッシュ、前から嫌いだったが、こんな個人的な理由で
もっとに嫌いになるとは。

マイケル・ムーアの日本版公式サイトを宣伝することでささやかな仕返しをしてやる!

今回の旅は色々と不満も残りました。ヴァチカン博物館では
「アテナイの学堂」を見ることが叶わなかったし、ナポリでも
「アレクサンドロス王の戦い」を見られませんでした。
ひとつ貴重な経験ができたとすれば、ポンペイが素晴らしかったこと、
ガイドさんにくっついて回り、耳元でしつこく「ファウノ家」を
連発したことで、本来はコースに含まれていなかったファウノ家に
寄り道してくれて、そこで万が一に備え持参してた
「アレクサンドロス王の戦い」の(本の)表紙を手に、お写真を撮って
来れたこと。これは嬉しかったです。

コロッセオもよかったです。早朝の6時と1時に二度、一人でコロッセオ
まで散策に出かけました。これがよかった。確かに集団だと中まで入れ
ましたが、この時、辺りに誰もいない早朝に苔生したコロッセオを眺め
見て、「やっぱり一人旅がいい」と感慨深くなりました。
そしてここでマキシマス@ラッシーとコモドゥス@ホアキンが一度くらい
は愛し合ったんだな〜とありえない妄想に浸ってました。
その足でフォロ・ロマーノ散策もしました。「ブルータス、お前もか」
の階段で写真撮影もしてきました。ここでも、このどこかで、
身体のあまり強くなかったオクタビアヌスをカエサルが労わったんだなあ、
とハァハァしてきました。
その後、カンピーノの丘に行き、ミケランジェロがデザインした
広場でほっと一息。そしてここに描かれていた円形の模様こそ、
アレクサンダーの盾の模様だということで、また古代ギリシアにも
思いを馳せてみました。
よくダビンチとミケランジェロが比較され、たいがいミケランジェロの
方が分が悪いことが多いですが、数々の彫刻とシスティナ礼拝堂を見学
して、やっぱり彼は凄いと思いました。確かに言われてみると筋肉の
付き方なんかが違ってるとわかりますが、あの色彩や構成は群を抜いて
いると思いました。
美男子で有名だったラファエロは、気難し屋で嫌われ者のミケランジェロ
の才能を認めながら嫉妬していたそうです。そこで、数々の偉業を成し遂げた
ミケランジェロが、ぽかんと口を開けて「人間の技じゃない」と言った
というパンテオン(神殿)に、死後埋葬するよう遺言を残したそうです。
かわいい男だ、ラファエロ。そんでもって萌えなのが、ミケランジェロの
方はラファエロを高く評価していたらしいということ。日記をまめに
つけていたそうですが、ラファエロとの最初の出会いを、「清々しい
印象の美青年。彼のような若く才能に溢れた芸術家が後継者として
いてくれるとは、我々の未来は明るい」というようなことを書き記して
るそうです。それほど交流はなかったようですが、いいですね。

旅のメンバーに関しては、95%が年寄り。弱者に対しては優しい方だ、
なんて自分では自惚れていましたが、60前後のおじじおばば、とりわけ
田舎のおっさんには、やられましたよ。眼を覆いたくなる光景もあれば、
溜息の出る光景も。たとえば、おっさんらはポンペイの遺跡めぐりでも、
見学する建物には入らず、道に座って時計を眺めてました。宴会では、
カンツォーネ奏者に君が代をリクエストしようとしたので、私がとめました。
でも私は案外オヤジたちのご機嫌取りがうまいことがわかりました。
というのも、この旅ではじめて気づいたんですがうちの母って暗くて無口
なんですよね。5人テーブルに他人とつくと、ほとんど話題が振れないの
です。当たり障りのない相槌程度。私は一番年少なので控えめにしてよう
と思いましたが、母があんまり無口でテーブルが暗いので、気が付くと
老人向けの話題、健康、疲労、食べ物、植物、家族(孫)、天気、
過去の旅行、出身地
に関する話題を次々と繰り出しており、そんな
自分に平伏しました。杖を持ってるオジジには、「今日は坂道が多くて
大変でしたねえ。特にローマは……あ、この町のことですョ…
昔ながらの石畳の道だから昨日より大変でしたでしょう」。
眠たげなオババには「赤いケシの花が綺麗でしたよね。ヨーロッパ的で
絵画でも見てるような感じで」。そうするとオジジはサハラ砂漠でも
横断してきたかのようにどれほど困難だったかを語り、オババはまるで
自分の庭を誉められたかのように喜びます。
一番親しくなったのは45歳の女性で、19才の娘の母親とは思えない若さ!
すらっと背が高くて、彼女素敵でしたよ〜話も合って、どこでも
ドハドハ二人で笑ってました。
最後に別れる時、「この面子の中で、お互いが救いだったね」なんて
言い合いました。あんな風に年を取りたいものです。

ご高齢の方による名言も飛び出しました。バスガイドさんが
サルバトーレさんというすごく素敵な方だったのですが、
オヤジA「さ、サル馬とーリ? 猿って呼んでいいか」

初日にしてガイドさん絶句。

これは小耳に挟んだ名言。
オバサンA「いや〜やっぱニホンジンが一番いいね。他は気持ち悪い。
黒も白も嫌だ。やっぱ混じりっけないのが一番だ」

ざんしん…! その意見斬新! 白人は白が多すぎるというわけだな。

もうひとつ、思わずメモりたくなるような、眼の覚めるギャグ一発。
名画を見た後で、
オヤジB「最後は晩餐といい、審判といい、忙しいやね!」
あまりの荒唐無稽さにジンさん卒倒。お も し ろ い ぞ 。

たいがいのことは書きおえることが出来ました。これは私自身に
とっても、旅を記録するよい日記の1頁となったことでしょう。
そういえば前回の日記で、「いしゆみ(クロスボウ/カタパルト)」のこと
を書きましたが、今になって買ってこなかったことを大後悔。という
のも、なんとカタパルトの発明(厳密には発明者のパトロン)は、
アレクサンドロスだったんだな。先にこれを知ってたら、絶対買ってた
のに。

色々なことに触れて、創作の意欲が湧いてきました。10日以上
絵や小説を書かないというのは、滅多にないことです。
午後にもう一つニュースを載せます。



コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)



2004年05月30日(日) イタリアの間に相変わらず大王挿入

昨日と今日の日記をまとめて。


今はフィレンツェ行のバスに乗っています。この道はロメオ街道と
いって、古代ローマ時代から敷かれていた道だそうです。
昨日はヴェベチアに泊まりました。今夜はフィレンツェ泊です。

この旅には、イタリア旅行に行きたいという母の従者
として同伴したので、個人としてあそこへ行きたい! という気持ちを
徹底的に封殺せずには楽しめません。来年か今年の終わりには、
アレクサンドロス旅行として個人でギリシア、イタリアあたりを
ぶらつこう、と決めたので、今回はナポリの考古学博物館にて、
大王の壁画を見ることは泣く泣く諦めました。ナポリは治安が悪い
ので車窓からの旅行、と言われました。でも、ポンペイは楽しんで
やる!

自由時間も一時間とれればラッキーなのですが、それでもミラノ
では時計を買うことができました。文字盤にモザイクが入ってる
素敵なやつです。でも今見るとちょっと子どもっぽいな。
ブレスレットも買いました。ほかにもちろん、最後の晩餐の
絵葉書やら切手やら、それとヴェネチアでは素晴らしい水彩絵の
画集を買いました。旅先では荷物になるとわかってますが、必ず
画集を買っています。美術館で、本屋で。旅先での出会い
によって新しい自分の興味対象を見つけたりします。

最後の晩餐ですが、神聖な雰囲気の中で説明を受けました。
有名な絵ですが実物は傷んでいても美しかったです。ホメロスの
イリアスなどもそうでしたが、概要や解説を読んだだけでは
伝わってこない本物を見てやっと理解できる(頭ではなく心で)
ことってあるものですね。自分でも驚くほど感慨深く
なりました。
ヨハネが想像してたより美人でした(あーあ、書いちゃった)。

ミラノはこれ以外にはたいして私の関心を引くものはありません
でした。ダビンチ像と、アーケードとドゥオモはよかったです。
とりあえず偉大なダビンチにあやかって記念撮影してきました。
ミラノでひきつけられるのは、美術品の美しさで歴史的なことは
たいして興味深くありませんでした。コンスタンティヌス帝の
ミラノ勅令の話が少し出た程度でした。

ヴェネチアはサン・マルコ教会に行きました。私が一番興奮した
のは、ここの牢獄と武具、そして、何より貞操帯!
これは衝撃でした。アレクサンドロスの部下の男(愛人)にも
貞操帯をしていた奴がいたという話を聞きましたが、貞操帯って、
こんなおぞましいものだったのですね。十字軍の時に、夫が
国に残す妻たちにつけさせ、その鍵を持って遠征に出たらしいの
ですが、絵に描いたほうが早い。こういうものでした↓

やっぱ後ろの穴にもつけなきゃ駄目なわけだ。排泄するのに
穴は必要ですが、汚い話、これだとし終わった後、貞操帯(鉄)
についた汚れも拭かなけりゃ駄目なんじゃないのか……。
その横に拷問具もありました。

少しずつフィレンツェに近づいています。このあたりから
歴史のおはなしが出てくると思うので楽しみです。
ルネサンスの反動で生まれたというバロックは暗くて
非人間的でやはり魅力的ではないです。古代ローマと
ルネサンスの美術は、一目見ただけで肉体美が違いますよね。

ところで、ローマのカピトル神殿というとこには、ミケランジェロ
がアレクサンドロスの盾のデザインを元にレイアウトしたという
広場があるそうです。行けたらいいな。

ここからは今現在いるイタリアとなんらかかわりのない話しです。

アレクサンドロス本を読んでいて知りました。トロイのパリスは
アレクサンドロスという名前も持っていた(よくわからない
んですが、幼名なのかな)ようなんですが、
紀元前334年にアレクサンドロスがトロイアを(完全に趣味で)
巡礼したときのこと、浜辺の村の人々は、このギリシアの王は
きっと自分の名前と同じパリスゆかりのものを見たいに違いない、
と思い、パリスの竪琴を見せたらしいんですが、大王はむすっとして、
「見たいのはアキレスの竪琴だもん」と言ったそうです。
女色に耽りみっともない限りをつくしたへたれパリスちゃんの
ことを、アレクサンドロスはあんまし好きではなかったみたいです。

ちなみに、他の歴史家も小アジア侵攻のために上陸する最初の
土地をイリアスのトロイアにしたのは、もー完全に王の趣味、
と書いてます。なんつっても、このトロイア巡礼で行う数々の
行動がすごいです。側近の連中は、「もーこの大王、やめてほしーな」
と思ってたかと(まだこの時点では大王ではないけど)。

しかもこの上陸時に、浜の村の舵取りに大王は金冠を与えられた
そうなのですが、この男がこんな重役を任せられたのは、名前が
「メオイティオス」だったからだそうです。これはパトロクロス
の父親の名前だそうで、つまりアキレスの父の兄弟にあたるのかな。
偶然の一致ですが、きっとイリアスオタクの大王が喜ぶと思ったんでしょう。
案の定、大王、大喜び。

大王はあんまり嬉しかったし、興奮もしてたので、親しい部下たち
に裸になるよう命じ、自分も裸になって全身に聖油を塗り、
アキレスとパトロクロスの墓石に向かって駆け出したそうです。

砂浜に輝くぬらぬらの男の肉体! ぶんぶんに振り回される無数の
珍子! 先頭を行く大王以下は、走り出す前にすでに疲れきったひょうじょう!

大王はアキレスの盾を見せてもらって、いたく気に入り、
ぐずついて(か知らないが)それを貸してもらって、はるかインドまで
持って行き、遠征後に返したそうです。きっとヘファイスティオンに
「大王、借り物は返さないと駄目ですよ」と叱られたんでしょう。

そしてアキレスの墓石にアレクサドロスは花冠を手向けたんですが(裸で)、
この時ヘパイスティオンには、パトロクロスの墓石に並んで花冠を手向け
させたそうです(裸で)。この本には、「当時、アキレスとパトロクロスが
恋人同士だったのは衆目の値するところだった。ホメロス自身ははっきりと
そうは書かなかったが」と書かれてました。そしてこれこそが、
ヘパイスティオンがアレクサンドロスの特別な男だったことを後世に示して
いるとも書かれてました。
大王が「お前はパトロクロスのお墓に花冠を手向けろ!」とヘパイスティオン
に花冠を渡したかと思うと微笑ましいです。

こう見ても、大王ってばそうとうロマンチストなんですよね。

ちなみに、私は大王に「世継ぎを作らなくちゃだめですからね。大王
なんですから。いいですか、今夜は私のとこに来ては駄目ですよ」
と言ってヘパイスティオンが妻たちの寝所に大王を
送り出したと信じています。





さきほど、サン・マリノ共和国から戻ってきました。
いとしのサン・マリノ! 期待していなかっただけに素晴らしい
思い出を作りました。やっと旅に来たという感じがしました。
都市国家のような小国というのは、魅力がありますよね〜。
景色も素敵でしたが、サン・マリノの概略などを知り、現代にも
こんな国があったのかとウハウハしていたら、武器や昔の装身具
などのレプリカを売っている店がありました。もちろんこうした
店を見過ごせるはずはありません。40歳くらいの女性のお店で、
話しかけてきたので「古代ギリシアと19世紀のものはないか」
と尋ねたら、いろいろなものを出してきてくれました。まずは
ギリシアの短剣を出してきてくれました〜。そこで、きゃーっ
と(内心)なって、「ギリシアのいつの時代か」と尋ねたのですが、
よくわからないと言います。しかし明らかに古代ギリシアです。
ここまで来てなぜギリシアか、と言われたので、アレクサンドロス
の大ファンなんだ、と言ったんですが、英名でもギリシア名
でも通じません。大王のことを西ヨーロッパ人が知らないはずは
ないと思うんですが、いろいろ説明を試みましたが最後まで通じ
ませんでした。その後で、古代ローマについての話になりましたが、
カエサルのことも、ユリウス・カエサルと言えど、ジュリアス・
シーザーといえど、通じません。何度も繰り返しているうちに
シーザーだということで合意に達した時には、シーザーは
「ジュリウッス・チージュル」のような名前に落ち着いていました。
アレクサンドロスの名前もイタリア語にするとまったく
違うんでしょう。クレオパトラの話になったので、
「クレオパトラのプトレマイオス朝を築いたプトレマイオスが
仕えていたのがアレクサンドロス大王だ」と言ったんですが、
私のいい加減な英語のせいもあり、彼女うんうん唸るばかり。
短剣は非常に美しく、今思えば、なぜトロイの話をしなかった
んだろう! というのも、その後映画の話もしたのです。
彼女はしきりに、トム・クルーズのラストサムライのことを
私に言ってきて、「彼は実在したのか、日本にはサムライは
まだいるのか」と尋ねてきました。この時には、他の従業員
の男性も興味津々で話を聞いていました。そこで私は、
「たしかにサムライはもういない。だが、我々日本人は
まだサムライのスピリットを持っている」
と、
詐欺師のようなことを言いました(笑)。
カエサルが「犀は投げられた」と言って渡ったルビコン川が
近くにあったが、小川でした、と言ったらたいそう喜んで
ました。
こんな話をしながら、クロスボウ(いしゆみ)を見せて
貰いました。撃ち方を教えて貰ったんですが、小さい石弓
から始まり、次はこっちだと大きな石弓になってゆき、そのうち
「飾り用が欲しいのか、実用的なのが欲しいのか」と尋ねられ、
もちろん飾り用だ! と言いました。私を暗殺者かなにかに
育て上げるつもりだったのか。

石弓は欲しかったんですが、買いませんでした。今になって後悔
してます。戻りたいくらいだ……。
その後、ピストルを見たいと言いました。出されたピストルの型が
古かったのでいつの時代のかと尋ねると、17世紀のレプリカだと言われ、
「19世紀のが見たい」と言うと、「19世紀の半ばのでいいか」と
言われ、「初期の、ナポレオンの時代のが見たい」と言いました。
ナポレオンは普通に伝わって一安心です。その撃ち方などを教えて
貰って握った感触などを楽しんでいると、「実はもっといいものが
ある」と言われ、ショーケースの中からカッコいい二連発式の
ピストルを取り出されました。フレンチ・ピストルかと尋ねたら
スペイン製だと言われました。これが檄鉄と引鉄が二つずつついてて
物凄くカッコいい。そして何が起こったかというと、
古代ギリシアの短剣と二連発式ピストルを抱えて
サンマリノの坂を駆け下りていく笑顔の私がいました。

ほかに、サンマリノの紋章の入ったかっこいいみやげ物もそこで
買いました。
その後、お互いの個人的な話にもなりました。
彼女はサンマリノの人ではなくイタリア人だと言ってました。
インターネットのアドレスを教えてもらったので、後日行ってみたい
と思います。
それと、キリストが生まれる前、ギリシア人はギリシア神話を
信じていたが、パクス・ロマーナ(ローマの平和)と呼ばれていた頃の
古代ローマでもギリシア神話が信じられていたのか尋ねたのですが、
イタリア人の彼女は「違うと思う。でもはっきりはわからない。
むしろエジプトの神じゃないか」と言ってました。
気になるので、後で添乗員さんに訊いてみようと思います。
添乗員のMさんには、私にパンツの借りがあるので(笑)
教えてくれるでしょう。添乗員さんというのは凄いですよね〜。
ほんとにいろんなことを知ってて、大変でしょうが、羨ましい職業
でもあります。このイタリア旅行の前は、モロッコに行ったと言って
いました。

また、ピストルと短剣は写真に撮って日記にアップします。
えっ別に興味ないと!? そう言わず見てくださいよ〜。
ところで、1797年にナポレオンはサンマリノに敬意を込めて
書簡を送り、自治を継続することを許したそうですよ。どこにでも
ナポレオンとアレクサンドロスの影響は及んでいますが、その
ナポレオンは、いつもアレクサンドロスの絵画の前で服を着替えた
とか、愛読書としてアレクサンドロスの歴史書をいつも傍において
いた、とかいう話が残っています(半分はフィクションと言われて
いますが)。ナポレオンのドラマを数ヶ月前に見たのですが、
すごくよく出来たドラマでした。(キング・オブ・ギングズ)
自宅にも本だけはたくさんあるので、また読みたいと思います。

そろそろ、ボローニャが見えてきました。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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