ついに海賊王子をアップすることになりました。 作者の了解を得て、さっそくアップです。私の拙い 日本語と、理解力不足による誤訳にはせいぜい目を 瞑ってあげてください。さっき最後の方の台詞に 誤訳があったんですよ。危ない危ない。 海賊王子 お読みいただければわかるとおり、これは ハーレクイーンな世界ではありますが、後半になると 幾分男らしくなってきますので、チャプター1で判断 されることなきよう。とくに、デイヴに関しては 二章あたりから出てきます。はあはあ。 ところで、多少のRotK情報が出てきましたが、 これはどうやら、あんまり信憑性が高くないようです。 内容もいかにも好き勝手並べたような。だってそんな 重要なシーン、トレイラーで見せるわけないだろう、 というラストのネタバレばかりです。 kiss of fire そして今夜のハムRPSはこちら。前から言っていたWW�兇� 舞台としたもの。思うんですが、Of Elves and Menって面白い ものが多くないですか? いや、どーでもいいのもあるんですけど。 そして私は、どうやら普通の恋愛ベースのものより、これや 海賊王子のような、RPSの中でもAUものが好きみたいです。 誰か、幕末の日本とかでやってみてくださいよ(笑)。 これはNC17というわりにHがなくて、このいやらしくてかっこいい デイヴを最後はハメてくれるのかと思いきや、それがなくて 残念だったんですが、充分面白いフィクでした。 その前に、カプは針ハム。イシルドゥア/ファラミアという あってはならないようなもの。でも、マートン攻で光明を見出した 者としては、オーリィとホビッツ、ヴィゴ以外のデイヴもの ならなんでもいい。ショーンも勘弁。結局、むしろどうでも いい役者絡みに萌えるわけだな。 kiss of fireというタイトルは何を示すのか。実は、 煙草の擦り付けのこと。まずはじまりは、ハリー・シンクレア (彼の名前、かっこいいよね。バビロン5の最初の艦長の名前 なんだったっけ…)がナチス軍占領下のパリにて、 レジスタンスの一員として逮捕され、両手両足を縛られて 広い部屋に座らされているところからはじまる。 彼は実際レジスタンスの一員で、仲間を売る気など毛頭ない。 そこへ現れる、マッドでクリーピーなSSの少佐デイヴィッド。 ここではドイツ人ということで、ダニエル・ウェンハイムと なっている(読み方あってるかは知らん)。 彼に纏わりつく、煙草の匂い。窓を背に、右手に煙草を挟み、 左手でその肘を押さえる仕草。 このデイヴがたまらなくかっこいい……SSの制服を着た 金髪眼鏡のデイヴ、悶絶もの。部屋にはたったふたりだけ。 映画のファラミアのように、巧妙な尋問をとるデイヴ。 首筋にキスをし、嘗め、しゃぶり、ハリーが敏感になった ところで、煙草を押し付けるのである。おお、鬼畜。 そしてたとえば、光の都パリ(? もっと的確な常套句がある のかも)という理由ななぜか、とハリーにきくが、ハリーは ガス灯が多いからとかそういったことを答え、ウェンハイム 少佐を失望させる。少佐は夢見るように、パリの人々は 恋の光を目に宿しているからだ、などといい、ハリーに 「イカれてやがる」と吐き捨てられる。 他にも、一人少佐に侮辱され続ける部下がいて、これが 醜男という記述さえなければアンボルンだと思うところだが、 部屋の外のその男を呼び寄せ、部下が椅子ごと転がった ハリーを起こすと、 ウェンハイム少佐「私はその男を起こせと命じた記憶はないが」 といい、部下がハリーを再び床に転がすと、にっこり笑って ウェんハイム少佐「彼をちゃんと立たせてくれ」 と命じたりする。くー! かっこいい! しかもハリーを縛った状態で、少佐はこの部下に豪華の フランス料理を用意させ、目の前で気前よく年代ものの ワインをあけて、だから縛られたままだっていう ハリーにふるまったりするのである。 けれどハリーにも少佐の秘密を知る好機がやってくる。 この男は、昨夜ゲイバーかどっか(ちょっとよくわからなかった) で知り合った金髪の男に似ている。彼は、軽口を叩いた ハリーの股間を蹴飛ばした衝撃でこぼれたワインを拭く ウェンハイム少佐を見つめて思う。昨日会った男と…。 そして少佐が、ハリーの手を丹念にハンカチで拭くのを 見て言う。 「お前は俺が好きなんだな」 はじめて動揺を見せるウェンハイム。そしてハリーの ささやかな反撃開始。「お前は昨夜あの場所にいた だろう。仕事のためなんかじゃなく、今夜のお相手探し だったんだ! この卑怯な弱虫め!」 動揺のウェンハイムは、ハリーに思い切り平手を 食らわしながらも、「たしかにあの場にいて、そして私は お前が好きだ」と告白する。 ふたりの間の緊迫感が増す中、外で発砲が起こる。 突然銃を持った男たちが部屋に乱入し、銃を発砲。 最大の危機に見舞われながらじっとしているハリーを 解放し、連れ出したのはレジスタンスのメンバーだった。 「あのクソ野郎はどこだ?」 ハリーが探すが、ウェンハイムは見当たらない。 けれど、玄関へ向かうとドイツ兵は一掃されており、 ドアの前には、余裕で煙草を吹かすウェンハイム少佐が いるのだった。 逆上し、ハリーは周囲の制止も聞かず飛びかかり、 ありったけの力でぶん殴る! 少佐は背後の壁に 頭を打ちつけ、がたがたとその場で崩れる。 これまでマッドな美形鬼畜系だったキャラが、 弱点をつかれたり反撃にあってやられる時ほど 快感な瞬間はありません。 まだ朦朧として、自分の顎がちゃんと顔にくっついて るか確かめる少佐。 周囲の仲間はハリーをとめる。デイヴは告白する。 「私はデイヴィッド・ウェナム。最高機密扱いの レジスタンスのスパイだ」と。そしてハリーを 抑える仲間たちには、「いいんだ。それだけのことを 私はした」という。 やがてヴァンに乗って彼らは退散。まだ怒り覚めやらぬ ハリー「なぜ俺のような一介のメンバーに対して、 あんたのような大物が正体を暴露してまで助けたんだ」 デイヴは信じてくれなくてもいいといいながら、昨日一目 で君に惚れたんだと告白する。仲間がいるヴァンの中で そんなこと言っていいのか、とこっちははらはらする。 ハリー「奴らを信頼させるためだったなら、なぜ顔を殴るだけ にしなかった。煙草の火を押し付ける必要が?」 デイヴは言う。「昨夜あのバーで、君が私を見た時、その目は まるで炎のキスみたいだった。私の心そのものへの、炎のキス」 デイヴはそう言って煙草をくゆらせているが、その煙草を ハリーに手渡し、彼はそれを吸う。 その間にデイヴは上着を脱ぎ、ハリーはどきどきする。 そして突然デイヴはハリーの手を握り、その手の中の煙草を 自分の胸に押し付ける。 ハリー「なんて馬鹿な真似を……!」 デイヴは喘いで言う。「私の心そのものへの……」 そして彼は再び何事もなかったようにシャツを掻き寄せ、 新たな煙草を右手の指に持ち、左手でその肘を支えて、 まるであの部屋でハリーがウェンハイム少佐としての彼と はじめて出会った時のような仕草をとる。 「それで我々のことは?」 デイヴがきくと、ハリーは身を乗り出し、彼の頭を 両手で掴んで情熱的な、ほとんど暴力的な炎のキスをする。 彼らは、仲間がおだてるように歓声を送っていることに、 長いこと、長いこと、気がつかなかった…… という内容でした。なかなか萌えどころ抑えてますよねえ。 外国の方が描くこういう小説は、海賊王子もそうですけど ほんとに上手ですよね。海賊も占領下のパリも日本人には 書けないですねえ。 今日もまたファラミアもしくはデイヴフィクを探してみます。 そして本気でファラミア&デイヴアーカイヴをつくって みようかという気になってきた。アーカイヴといっても、 単に私がいただいたものを一箇所にまとめて載せるに すぎないんですが。
作者から返事も貰い、海賊王子をUPする前に。 いやあ〜やっぱり、フェネコール様のシリーズ(違)は、 人の心を打ち震わす何かに満ち溢れていますね。 とうとうpriceの7,8を読みました。噂によると今回は フェネコール様の活躍はおろか、台詞すらも拝めないとの ことで、ファンとしてはとても不安だったのですが、 不安は的中しつつも、やはりこの作者に手抜かりは ありません。要所要所に散りばめられたフェネコールファン への思い遣り。そのうえで、これほどまでに罪深い展開を用意して きたにもかかわらず、今回は真面目なノリで一貫する作者の 潔さにも乾杯。 今回は、フェネコール様の勘違いと大変な妄想に 巻き込まれた憐れな三人、ファラミア、ボロミア、ハルディア、 別名スリー"ir(アー)"の、「さあて帰るか」シーンに終始して いますので、出来るだけで手短にレヴューしたいと思います。 まず前回のおさらいとして、最後はハルディアが裸一貫で 飛び掛ったところで終わったのですが、案の定、フェネコール様 は肩を刺されてボロミアに向けていた剣を手放し、 はずみで倒れ、しこたま頭をぶつけて昏倒します。 この時点でフェネコール様ファンクラブ会員20万人を 敵に回してしまったハルディア。しかしこのエルフにぬかりは ない。即行、いそいそと服を着始める。 (このficの既読者は、私が冒頭のデネソールのくだりを 完全にすっ飛ばしていることに注目) デネコール様はこの後ずっと昏倒して横たわってるのだが、 私としてはもちろんうつ伏せのひどく惨めなスタイル希望。 傷ついたファラミアに駆け寄るボロミア…。腕の中に 抱いてどんなに優しくしようとも、今は穴という穴から 血を流す(そんな描写はない)弟に痛い思いをさせるだけ。 しかも弟は、父への自分の背信を責めており、フェネコール様に 連れ去られたのも、父の許しを得たことだと思っている。 また、この大事な兄と友人をこんな妄想ごっこに巻き込んで しまったこと、そして、自分の恥ずかしい素質全開のの 姿をふたりの前で披露してしまったこと、簡単に服従して しまったことへの負い目などで死にたい気分のファラミア様。 「さあ、行こう」というボロミアに対し、 ファラミアは「兄上とは一緒には行けません。私は、 里を離れておの男のお嫁に参ります……」 そんなことを言う弟を慰め、「あの男はお前をさらったのだ!」 と、安心させるボロミア。 ファラミア「父の仕業では……?」 ボロミア「もちろん違う!」 ファラミア「では、これからどうすれば?」 ボロミア「我々は帰る。そしてお前は休め。だが、今度ばかりは 決して私はお前の傍を離れん」 ファラミア「屁根公が……」 ボロミア「アレは私に任せておけ」 ファラミア「同盟は……」 ボロミア「不必要だ。これまでそうだったように、 ハラド軍に対しては自分たちでなんとかなる」 そうだったのですが兄上。なんとかなることだったんですね。 ところで、ファラミアは21歳だそうで。30くらいだと 思ってたんだけど〜。あと、描写の中に、フェネコール様 の太い指とか、汚い爪とかいう説明があり、ファンを 身悶えさせてくれます。 一方でハルディア、そんなやりとり、とりわけファラミアの 酷い姿を見て、ボロミア同様、屁根公に対しマジで物凄い なんかをしてやりたい気に駆られるも、そこは我慢我慢。 ハルディアはファラミアに尋ねる。 「我らと共に馬に乗って行けるか? 恐らく楽なことだとは言えない。 辛いだろう」 ファラミアは家に帰りたくないと思う。父は怒るだろうし、それに あのハラドの大将が……あ! あの大将! 今になり彼は気がつくのである。 ファラミア「大将のことは?」 するとボロミア、許しがたい発言。 ボロミア「あ! あの、生き物のことを忘れていた」 大丈夫です、ハルディアがちゃんと見張っています。 ボロミア「私はあやつを殺してやりたいが、まずは連れ帰って 囚人として扱うべきだろう。そして父に引渡し、できるだけ 最悪な地下牢へぶち込んで、自分が行ったことで苦しみまくらせる。 あやつがお前をめちゃくちゃぶったことや、あやつがお前に……」 と弟の前でもっとひどい言葉攻めに及ぼうとし、兄上は黙る。 かくして彼らはいよいよ都に戻ることになる。ボロミアは、 ハルディアに「私の馬は丈夫だから、屁根公の体重を支えられるだろう。 ハルディアはファラミアを頼む」と友人にハアハアさせることを 提案し、ふたりはファラミアをハルディアの馬に乗せる。 ハルディアはしかしハアハアはせず、ファラミアに優しく接してくれる。 するとボロミアは、床に頭をぶつけてまだ昏倒している縛られた フェネコール様を引きずってくる。ボロミアの行動がいちいち面白い。 しかし見事な巨躯と後世にも謳われるフェネコール様を引きずるのは、 ましてや馬に乗せるのは実際はムリではないかと思われる。 私は一度風呂場で倒れた祖母を救出しようとしたことがあるが、 持ち上げるはおろか、引きずるのもムリだった(かといって見捨てた わけではない)。 ボロミア「ファラミア……」 ハルディア「彼は疲労し、傷つけられ、眠っている」 ファラミアが友人の腕の中で気絶もしくは眠っているのを見て やるせなくなったボロミア、 あ! やった! 蹴っ飛ばした! 兄上は素早く猛烈なキックを足元のフェネコール様にお見舞いし、 フェネコール様は気絶しつつも不平をぶつぶつと漏らすのだった。 意識がなくても迷台詞を残そうとするフェネコール様に感銘を受けずには いられません。 そして、尻が痛い痛いと苦しみつつ(尻の痛みにて覚醒)、 ハルディアの腕の中に安息を見出すファラミア21歳。 だが! ここで思いもよらぬ展開が待ち受けていた! ハルディア「何かが来る!」 ボロミアの馬も恐怖を顕にする。 それはなんと、待ち伏せしていたオークどもだった。 一気にオークの軍勢に取り囲まれるどこまでも被虐っぷり 満開なスリー"ir(アー)"。 ハルディアとボロミアは戦うために馬を降りる。 一方のファラミアは、馬がエルフの乗り手を失って 恐怖を示し、その背から落ちてしまう。 ファラミア様、危機一髪。 しかし、私がこのficでオチの次くらいに笑ったのはこの 場面の描写。 たちまちにオークに取り囲まれるファラミア様。手には ハルディアに渡されたナイフを握っているが、いかんせん 体力がない。オークの汚い爪に引っかかれ、フェネコール様に よってぼろぼろにされていた衣服の裾までもチラ〜リはだけ、 セクシーな胸が顕になると、なんとこのオークども、 熱い息をハァハァさせて欲望に 満ちた目でファラミア様を見るのである! オークどもまで欲望の虜にするファラミア様の魔尻! こりゃあ、フェネコール様が乱心あそばされた のも仕方ないですね。 おい! 作者! 一度頭の中洗ってこい! ファラミア(アア〜ッ! ダメ! なんて罪深い媚態…!) この世に生れ落ちたことすらも後悔しそうなファラミア様だが、 ちゃんとボロミアとハルディアの救援が間に合う。 ボロミア「よかったよかった、オークどもは引き上げた」 一安心する三人だが、安堵も束の間、この章の最後には、 眠れぬ夜を強制する恐るべき衝撃のラストが待っていた…。 ボロミア「あれ? 屁根公は?」 馬の背に、あの男の姿はない。 あ! 三人は驚愕する。なんと、 地面には、オークらが退却した森の方へと フェネコール様が引きづられていった跡が 残されていた……。 つまりはそういうことである。これが、 危機に見舞われたフェネコール様を 救出すべく集った、ファンクラブ会員20万人から 選ばれた精鋭たちによる作戦だったことは 言うまでもない。明白すぎる事実である。 ちなみに、欲望に滾る目でファラミア様の乳首を熱視 していたオークに扮していたのは、もちろん私です。 けっこう長いですね。今回はフェネコール様が昏倒していた ので、素晴らしい迷台詞がきけませんでしたが、ボロミア の行動は天然ボケ率も高くてよかったのではないでしょうか。
最近ほんとにあんまり映画ニュースがないのですが、 以前から、PJがTVシリーズで「ホビット」を作らないか という話が出ていて、イアン・マッケランは、かなり ガンダルフ役に乗り気なんだそうです。 もしもこんな夢のようなことが実現したら、 スランドゥイルを映像で拝めるだけでなく、もしか すると友情出演で、レゴラス@オーリィ なんてのもありえるかもしれないですよね。 ただ、PJがホビットをやるというのも未定ですし、 以前PJはすぐにはホビットはやらない、と公言して ましたね。 あまたのフィクを読んできた私ですが、涙が出るフィク というものに出会える機会はそうはありません。 それがRPSで、マートン/デイヴなどというひねくれた カプで見つけられるとは思いませんでした。 海賊王子はまだ返事がないのでその間にリテイクを。 そして、フェネコール様は今夜こそ。そして明日には。 その前に、このフィクのことでもと。 Past Imperfect 「完璧じゃない過去」というタイトルがうってつけの 内容です。長編と呼べるほど長く、カプ的に珍しいので あまり読まれてないのではと思うのですが、彼女の語彙力と ウィットに富んだ表現力は、独学で英語をやっている人間には かなり難しいといえそうです。実際私にはわからないスラング などがたくさんありました。 私にとっての外国の男、そのホモの印象はこのくらいビターで ドライで、ダーティなため、「んなわけないだろ!」という ツッコミを、彼女は一切させてくれませんでした。 いや、展開として運命の再会が現実にあるかという のはあるんですけど。 ちなみに、マートンの名前は、ハンガリアンなので発音と してはTchockussがが正しいとのこと。チョッカスですかね。 それで、この物語の中ではクレイグが彼を同じニュージーランダー のよしみでチョッキーと呼びます。 内容は、18歳の誕生日に郊外居住者であるバージンなデイヴは、 童貞を捨てたくて当時ゲイスポットだったシドニーの オックスフォード・ストリートへ出向いて、男と出会い、 プライドも肉体も傷つける向こう見ずなセックスを して、それが長い間ビターな思い出として彼を苦しめ、 纏いつき、人生観をも変えたのだが、LotRの撮影でマートン と会った時、これがあの時の相手だったと気がつき葛藤する というもの。 一見平凡に思える内容ですが、この作者の 役者たちへのバイオ、フィルモグラフィを念頭においた 理解と、過去の舞台であるシドニーの知識、彼らが青春を 送った80年代への思い入れ、はては人生観までもが物語りの 底辺を成していて、とてもリアリティ溢れる、想像しえる RPSとなっているんです。 デイヴが「きっと俺のことはTVかなにかで 見たんじゃないか」といって、マートンが 「ダイバー・ダン!(デイヴの過去にヒットした役名)」 と言ったり、デイヴの出身地マリックヴィルのことや、 彼の卒業した演劇学校、マートンの出身地のことなども 全部事実に沿ってます。クレイグはゲイだ、という記述も 恐らく知っていて書いたんだと思います。 そのうえで、あのデイヴのおとなしい感じ、どこか諦めた 感じがすごくよく表現されてるし、マートンのことは私は あんまり知らないんだけど、イメージを損なうどころか たまらなく魅力的に。 デイヴを一目見て、マートンは「前に会わなかったか」 と言い続けます。「また話を蒸し返して悪いんだが、 本当に前に会わなかったか」 と遠慮したりもせず堂々と言います。 彼が実は心から、あの時一夜を共にしただけの デイヴに恋していたんだというのが伝わってくるんですよ〜。 誰しもにクソみたいな思い出があって、それと向き合えず 自分をごまかすことはあっても、結局のところ、 事実は変わらないんだ、というデイヴの諦観。 向こう見ずで愚かでシャイだった18歳、初めて会った 嘘つきな相手との、童貞を失うにはきつすぎる ラフで惨めなセックス。あの時は認めたくなくて、 自分は選ばれた特別な存在だと思ったけど、今ならわかる。 俺があの男に拾われたのは格別美しく、格別魅力的で、 格別なんとかだったからじゃなく、ただ若くておいしそう だったから。当時、シドニーのOXF.stじゃ、足が二本生えてて、 玉の前のところに竿さえついてりゃ、拾わるオッズは 一億:1だった……。 そのうえ彼らの青春時代だった80年代はエイズが囁かれつつ まだ誰もコンドームがあるかないかを気にしない時代で、 あの時ゴムさえなしでやってしまって、当時の友人は あの夜が原因で死んだ。気持ちの整理がついてから一度、 デイヴは墓参りをした、というような描写。うう〜ん、 ビターですね。そして彼が大人になり、冷静に過去を受け とめられるようになり、悪い思い出も数ヶ月に一度し か思い出さないようになった時、マートンとの再会。 いつまでも素知らぬふりを続けつつも、次第にマートンに 惹かれていくデイヴの葛藤がかまりません。マートンに とってあの時の彼は運命の相手だったと判明していっても、 デイヴは頑なに心を閉ざして、「これは正方形の板を 丸い穴にはめ込もうとするようなもんだ。マートンが 正方形の板で、俺が丸い穴。どんなに突っ込んだって しっくりはまるわけがない」などと思い続けます。 人気のない公園でブランコに乗って話すマートン。 当時デイヴは素性を隠すためにトムと名乗っていて、 あの頃の歌のリリックを懐かしく口ずさみながら、あの 夜男同士なのにスローナンバーに合わせてふたりで 踊ったと話し、惨めなセックスのことにばかりに囚われて いたデイヴの胸を締め付けるのです。 私が泣き入ったのは、失ってはじめて恋に落ちたことに 気がつき、毎晩あの場所へ通い、オーストラリアを離れた後も、 シドニーに来る時は必ず今や洗練されたOxf.stに立ち寄って 懐かしい思い出に浸るというマートンの、色褪せない 不動の思い出に対して、デイヴは自分にとっては 人生は皮を剥くようなもんだというあたり。18歳、19歳と 皮を剥いていって、しばらくして過去は彼の中でまんじり 変わっていく、と話すんですよ。 そして、自分は22歳になるまで女の子に対してもヴァージン だったといい、男相手は18の誕生日。9月21だった、 と告白し、マートンは「クソ、お前がトムだったんだ」 と気がつきます。 復縁話にまでなだれ込むかなと思った(かなり期待してた) んですけど、もっと印象深いしんみりとしたシーンで終わりました。 でも、もう引き返せないって感じで、たぶんあの後エッチしたん だろう(笑)。 あの夜のラフなセックスがデイヴを傷つけていたということを 知るマートンなんかがとても萌えで。 デイヴ「あの夜お前は三回もいったよな。一回は俺の手の中、 二回目は俺の口、三回目は…つまり、俺の中で」 マートン「若かったんだよ……それにサカッてたんだ」 ともかくも、この作者はドムficを主に書いてるようです。 前に読んだストレートなデイヴをマートンが調教するような 話もよかったなあ。なんで私、マートン/デイヴになんてはまって るんだろうか……。
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