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2014年08月02日(土) GC105&106 『インセプション』とバッドトリップ

ギロチンシティ105&106

長らく時間が掛かってしまいました。ジョーは打たれ強い人です。マーティンも逆境に負けない人です。でも彼等もいずれぽっきり折れてしまうかもしれません。ある意味でヒドルスは折れてしまったんだろうと思います。

前回のレビュー。おませな小娘オメガに言い負かされたジェームズ。彼がチンピラのくせになぜセックスに関しては幼児並なのか考えてみました。彼は小さい頃から裏社会で生きてきました。12才でヒートを迎えるまでポン引きなどをやってました。でも彼自身はヒートによる性衝動をまだ知らなかったので、口から出まかせ喋ってたんだと思います。その前に彼には「出来損ないのオメガ」だという自覚もあったので、自分は�狎�の対象�瓩�ら外れた存在だと思っていたんだと思います。で、12の時に事件が起こり、それ以来アルファが大嫌いになり、臭いで吐きそうになるほどダメになった。ファスと出会うまで、ジェリーを日頃から適度に虐待しつつ、セックスに関連することからは距離を置いてやってきたんだと思います。でも欲望がなかったわけではなく、ヒートになるとちゃんと興奮した。彼にとっては、自分が欲望を感じたり、アルファを素敵だと思ったりすること自体が不愉快で、許しがたいことだったに違いないです。


ところで、先日兄に会うためにコロラド州へ二泊三日の旅に行ってきました。ツィッターで流しましたが、コロラドはマリファナ合法地なので、マリファナ吸ってきました。初めてではなかったのですが、今回は人生初、酷いバッドトリップを経験。この原因は主に、焦りと不安、そしてインセプションでした。
ネットでバッドトリップの体験談を読んだところ、多くの人がthe worst experience in my life(人生最悪の経験)だったと言っていましたが、同感です。


詳しい話は省きます(いずれ小説の中ででも書きます)。しかしこの経験から学んだこともいくつかありました。夢の中で夢から目覚めたり夢に落ちたりという経験を繰り返し、インセプションの影響のせいで、下の階層にはもう10時間くらいいたはずなのに、そこからやっと目覚めたら実はまだ3分しか経っていなかったり、モルのように自殺すれば夢から覚めるというアイデアに取りつかれて、夢というか幻想というか錯視というか妄想の中で、何度も自殺しようとしました。自分は自殺してしまうかもしれない、というアイデアに取りつかれると、次々に自分があらゆる方法で自殺したり死んだりするアイデアが浮かんでくるのです。それを打ち消そうとすると、もうインセプトしたから逃げられないぞ、お前の中に、アイデアを植えつけた、と自分の中で声がするんです。私は恐怖に震え上がり、自分が本当に自殺するんじゃないかと、一度などは自分の車のサイドミラーに両手でしがみ付いていました。その時頭に広がっていたアイデアは、このまま10メートル先のハイウェイまで歩いていけば、私のトーテム(こま)が回っていて、それを見つければ夢から覚めることができる、というものでした。ハイウェイは車がびゅんびゅん走ってるので、確実に死にます。つまり、サイトーやモルが言っていたleap of faithをしろ、と言われているわけです。
結局私は、なんとか正気を保って(そうとしか表現できない)コブのように現実に留まりました。

コロラドのマリファナショップ


一番恐ろしかったのは、そのハイウェイのleap of faithと、バスルームにこもった時、映画『エミリー・ローズ』のように見るものすべてが朽ち果て悪魔的になっていった瞬間でした。このバスルームは気味が悪い、というアイデアに取りつかれると、そこが壁が水垢に塗れた、床の薄汚い何年も使われていないバスルームに変わるのです。そして次には、シャワーカーテンの向こうから誰かが出て来るかもしれない、と思う。すると、シャワーカーテンの向こうに、膝を抱えて座っている裸の男の足が見える。

しかし精神的に一番きつかったことはマリファナでバッドトリップしていると、私の場合、現実ではなんとかごまかしている自分の本心というか、潜在意識が湧いて出て来ることです。
以前、初めてマリファナを米国で吸った時、こういうことがありました。私の潜在意識にずっと存在していたあるアイデアが、顕在意識に浮上してきたのです(ある意味、あれもバッドトリップだったのかも)。
それは、フットボールのブログなんて書き続けてても何の意味もないよ。というものでした。もっと正直なことを書くと、フットボールにこのままのめり込んでいたら人生終わっちゃうよ、というものでした。

効果が切れた時、私は「すべて妄想だったんだ」と自分に言い聞かせました。ところが、これは私の中にずっと潜っていたアイデアだったのです。コブたちが私が眠っている間に、私の中にこのアイデアをインセプトしたのでなければ、これは私自身のアイデアでした。それからしばらく後、バルサとスペイン代表に衰退の兆しが見えてきたことを機会に、私はフットボールというジャンルから距離を置くことにしました。この経緯はどうしても説明できるものではなかったので笑 ある日からブログを更新しなくなりました。私の潜在意識が顕在意識レベルに浮上してきて(マリファナの力を借りて)、現実において私はそのアイデアをもとに行動したのです。

私は以前から、『インセプション』はユニークだけどあのコンセプトにはさまざまな穴がある、と思っていました。先日、二日に渡り12時間かけてインセプションを見た時も、まだ釈然としない点や矛盾点は残りました。理性や論理では理解できないところがあったのです。そもそも、夢の中で(潜在意識に)アイデアを植えつけられたからといって、現実に戻った時実際の行動に出るだろうか? という基本的な疑問がありました。

前述したフットボール云々は、私が『インセプション』という映画を見る前に起こったことだったと思います。今回、完全にこの映画にインセプトされたマリファナ珍体験を経て、あの時のことを思い出しました。私は自分もキリアン演じるロバートと同じような体験をしていたのだ、と。実は私には昔からこういう面がありました。中学校の時に親友の一人と大喧嘩して、翌日から口もきかなくなり、そのまま二年間過ごしたのですが、ある時夢の中で仲直りして、私は死ぬほど大喜びし、でも目が覚めて実は全部夢だった、と気づいた。そして「本当は彼女と仲直りしたかったんだ」と自分の本心に気づいて、実際なんだかんだやって、現実でも仲直りしたのでした。

今回もいろいろと、恐ろしい本心と向き合わされました。あまりにも恐ろしく、罪深く、生活を一変させるようなことなので書けませんが笑 しかし重要なことは、本心に従って生きることは必ずしも現実での幸せを保証してはくれない、ということです。『インセプション』で感動的なところは、ロバートを救ったアイデアは、つまるところ彼の単なる妄想でしかない、という点でした。たぶんコバヤシ……いや、彼の父親は(ブライアン・シンガーのファンならこの冗談がわかるはずだ!)、実際には息子のことをどうとも思っていなかったのだろうと思います。

ところで、『インセプション』の理性では理解できなかった点を今回ラリッたことで追体験し、理解することができましたが、この理解した、という認識自体がインセプトされたアイデアだという可能性もあります。つまり私は夢というかラリッてる中で、彼ら(というより監督)が言ってることを体験を持って理解した。けれどそれは、私が映画を先に見ていたからであって、妄想の中で3分か10時間に感じられたのも、『インセプション』で現実での○時間は下の階層では1週間だ、と設定されていたからかもしれません。ある意味、催眠術というか洗脳ですね。そしてこの経験を期に、私は『トランス』の結末なども多少信じられるようになりました。


実は私は、ここで言われているインセプション批判にもひじょうに共感できました。初めてこの映画を見た時、そしてトランスを見た時、私も多少このように感じました。


『トランス』は特にそうです。最初から終わりまで、特にラストシーンは、このアイデアを信じられなければ、すべてが単なるファンタジーです。私はどうも信じ切れない派(楽しみ切れない派)でした。「まあそういうことにしてって言うなら、それでもいいけど……」実はX-Menの新作などにも、このような理由でハマり切れませんでした。でも、今回のバッド・トリップで、何か少し考えが変わりました。

ノーラン監督はこの映画のコンセプトは、『モレルの発明』に影響を受けていると言っているそうですが、間違いなくマリファナ体験にも影響を受けているはずです。彼の年齢のアメリカ人でマリファナでトリップした経験がないなんてことはないと思いますので。PASIVで使うユーセフが調合している薬は麻薬で、スモーカーにとってはこの発想はごくあたり前なのではないでしょうか。実際、スモーカーのフォーラムなどを見たところ「ジョイントを吸いながら見る映画」としてインセプションは人気でした笑

今日、書いたことは何を言ってるのかよくわからん、という方もいるかもしれませんが、共感していただける箇所があったのなら幸いです。


デンバーから30分のマウント・エバンズ

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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