以前から、ギロチンの役者のパーソナリティについてはもっと詳しく知っておく必要がある、と思っていたのですが、ここにきてやっと彼らのインタビューや記事を読み始めました。マカヴォイの記事は以前にも紹介しましたが、突然ですが、これからしばらく、他のメンバーの記事&インタビューの抄訳などを上げていきます(すべてtwitterに投稿したもの)。爿瓩念呂泙譴討い襪發里呂覆襪戮原文に忠実に訳していますが、素の文章には意訳が含まれます。一応、私のつまらないコメントも(情報が含まれているものは)いくつか入れておきます。 クリス・ヘムズワース (born 11 August 1983) オーストラリア 29歳 ![]() ![]() ヘムヘムのことを少し調べる(インタビュー読む)。子供の頃はオーストラリアの奥地(未開の地)で男兄弟2人と戦争ごっこに明け暮れてたとのこと。トムの方はposhな英語を話すロンドン&オックスフォード育ち、ヘムは荒っぽいオーストラリア訛り…やだ、完璧(●´-`●) Q「スーパーヒーロー映画といえば、なぜぼくたちが彼らを必要としているか、というトム・ヒドルストンの発言を読んだ?」 クリス「いいや、どこで読める?」 Q「ガーディアン紙。ここ(英国)の全国紙だよ」 クリス「まったく(Jesus)、あいつは賢いよな、だろ? 何て言ってた?」(続) Q「こうした(スーパーヒーロー)役をいかに真面目な俳優たちが見下すべきではないか。現実世界における国籍や宗教的分断の介入なしに、ユニバーサルなテーマについて話し合えるスーパーヒーローの映画を我々が必要としていることについて」クリス「さすが(good on him)、クール!」 英国四大紙でも最もリベラルなガーディアンで奮発したようですね、トム笑 そして、インタビュアーはこのやりとりだけで「ところで〜」と次の話題に。単にヘムヘムにトムトムのことを教えたかったインタビュアー(´-`) クリスが自分で「おれは無学」と発言している箇所にしびれた。そんでトムのこと「あいつ賢いよな」だとっ。ん〜仲悪かったら最悪だけど、仲良しだと都会派高学歴&無教養田舎者ペアは最強 トムトムが少しでもひねてたりスノッブだったらクリスは大嫌いになってたかもしれないけど、性格がアレなんで「こいつには敵わないな〜」って感じでしょうか OUT(ゲイ雑誌)での表紙飾ってインタビュー受けてる。これは読みたい。しかも、クリス「母親はいつも俺にこう言っていたよ。三人の息子たちの中では、『クリス、あんたが一番女の子』」他の二人の兄弟より母親と色々話した、話す必要のないことまでたくさん話したらしい。なるほどゲイ向けトピック ところでヘムヘムのインタビューにmeatheadという言葉が出てきて、英語でまんまの単語があったことに驚いたけど、脳筋が辞書に載ってたことにはもっと驚いた。ヘムは「体がでかいから脳筋だと思われがち」と言っていた トム・ヒドルストン (born 9 February 1981) イングランド 32歳 ![]() ![]() 昨日、クリスのインタビューで引用されていたヒドルスのインタビューというのは、実はガーディアン紙に彼が寄稿した記事でした。インタビューじゃなく、彼、自分で記事を書いてるの。賛否両論だったようだけど、少なくとも大きな話題になったようだ ヒドルスが書いた記事にファスベンダーとマカヴォイの名前が出てくるのはすごく興味深い(^曲^) 名優たちがスーパーヒーローを演じた件について、X-Menの役はファスベンダーとマカヴォイに譲られた、という程度の言及ですが 先ほどのガーディアンの記事。ヒドルスの語彙(´-`)ノ 映画の宣伝をし(アベンジャーズ公開直前)、自分のエピソードも盛り込みながら、押し付けがましくなく、『アベンジャーズ』は見ないかもしれないガーディアン紙の読者をターゲットにした、バランスの取れたよい記事だった 猗燹淵劵疋襯好肇鵝砲錬気弔虜酩覆鮃圓辰燭衢茲燭蠅掘∈鯒(`11)のクリスマスイブにはベッドに崩れ落ちた。体はぼろぼろで、その後の二週間は生ける屍だった。彼は世に出ると同時に、もう少しで彼自身を壊してしまうところだった via GQ (多様な時代の役を演じる事について)トム「どうやら過去というのは、ぼくたちが共有する文化的ノイローゼかそのようなものを探求するにあたり、逃げ込み易い場所のようだ」卵を突きながら「ぼく自身にも原因があるかも。人々がぼくの階級、学歴、容姿から受け取るものが、イメージに合うんだろう」 爛劵疋襯好肇鵑81年2月に裕福な中産階級に生まれた(父親はオックスフォード大と提携する生物工学の会社を経営していた)。イートン校で学び、俳優行の傍ら、ケンブリッジの卒業試験で二つの第一級学位を取得。すべて事実だ、と彼は認めた。それが全容ではないが。自分のことを「雑種」だと言う 祖父は造船所で働くワーキングクラスで、ケンブリッジを卒業し、poshな役でTVに出るようになってから遊びに行った時は、祖父の誕生日を祝うために集まった労働者たちに囲まれ、少しばかりばつの悪い思いをしたらしい。でも皆、彼をniceに扱ってくれた トム「『ヴァランダー』の第一シーズンの撮影時、オフにマルメ(Malmö)に列車で行って、RDJの『アイマン・マン』を見たことを覚えてる。そしてこう思った爛汽ぅ魁爾砲いす(so fucking good).でもぼくは絶対、あと100万年は、こういう映画には出られななあ瓠 ヒドルストンは日常でどのくらい汚い言葉を使うのかな。わしがヘムヘムだったら、ベッドで攻めてる時にトムトムがso fucking goodなんて言ってくれたら燃え上がるわあ〜(●´-`●) 爛劵疋襯好肇鵑僚秧燭気藩浬鐇気靴気品(old-school grace)のブレンド、陽だまりのような楽観主義と翳りつつある傷つきやすさ(vulnerability)のコンビネーション、これらを同等に兼ね備えた同世代の英国俳優はなかなかいない 彼はほんの少しオールドファッションなんだ。決して垢抜けてないし、本人の自覚があるかわからないけど、やっぱり少し世間とズレてる。そこが彼の隙なんだ(´-`) 燹瞥颪頬阿て)一緒にビスケットを食べている間、彼はまだ先ほどの質問をかみ締めていた。「ジョアンナは言った。ケンブリッジ大出の、背が高く教養のある話し方ができる、一等学位を持ったぼくを時代物に放り込むのは簡単だ、と。でもそのためにぼくは俳優になろうと思ったんじゃない」 そのニッチを埋めるために、俳優になろうと思ったんじゃない トム「もっと逞しい理由のためだった。たとえば『父への祈り』『カッコーの巣の上で』『フレンチ・コネクション』のような。(マーロン・)ブランドやデ・ニーロのような。だからいつも(そのような見方に)抵抗してきた。ぼくは決して、燕尾服やウェストコートに打ってつけの男にはなりたくない」 ほぼすべての男優が言うこと:憧れはアル・パチーノ、デ・ニーロあるいはモーガン・フリーマン。ヒドルストンも男性としての通過儀礼を必要としているんだな トム・ハーディ (born 15 September 1977) イングランド 35歳 ![]() ハーディのインタビュー、10代の頃盗んだ車を乗り回して逮捕され、最初の離婚後はひどい中毒に苦しんだ。 ハーディ、インタビューが想像以上に面白い。彼も自分を無学だと思っている一人。強い女性を好む、それは強い母親の影響で、子供の頃、兄弟も姉妹もいない彼にとって、母親は世界そのものだった。自信=完全なる恐怖に駆り立てられて生まれるもの。ナイーブ/vulnerability番付、左にシフト 猗燹淵蓮璽妊)は、十代の頃に道を誤ったことを認める。さらに03年、クラック中毒に倒れ、リハビリ施設へ通ったことも。タトゥまみれの身体とストリート上がり風の振る舞いから、育ちが知れると思う方がいたとしても仕方がない。しかし彼はロンドン南西部の小ぎれいな地区で育った 爛吋鵐屮螢奪犬廼軌蕕鮗けた劇作家エドワード・爛船奪廛広瓠Ε蓮璽妊と、アーティストである母アンヌの一人息子として。「自分が恵まれていることを、いつも恥ずかしいと感じていた。シーン出身でもいいんだ、公立校の生徒でもいいんだって開き直るのには、ずいぶん時間がかかった」と彼は言う 燹屬匹浬仗箸じゃない。どこにいるかだ。イースト・シーンは中産階級のためのエリアだけど、自分しだいでつまづくことはできる」15の時、彼は窃盗と、ポケットに銃をしのばせ、盗んだメルセデスを乗り回したことで逮捕され、公立学校を退学になった。それからしばらく後、酒とドラッグに溺れた ハーディ「ひどくアドレナリン過多なガキだった。激情に支配されていた―それに怖いものがたくさんあった。13で酒を飲んだ時(ビールをちょっとだったが)、冷静になれた。他の皆はこんなふうに感じているに違いないって思った。で、もっと欲しくなった。だけどそれで酔っ払った。酔っ払っちまったんだよ」 爛▲襯魁璽襪肇疋薀奪阿謀れるように、彼は自分のセクシャリティについても開拓した。男性とセックスをしたことがあるか、とたずねられた時、彼は答えた「もちろん、あるよ。おれは役者だ、知ったことかい!( for f***’s sake)」 ハーディ「男たち、特にゲイの男たちとの関係において様々なことを試みたが、人生においては必要なものだった」自分の容姿が優れている事と折り合いをつけるには時間がかかった。「きれいな坊やでいる事に何か抵抗があった。小さい頃は女の子だと思われていた。でもおれは強くなりたかった。強い男に」 ハーディ「若い頃に出演した作品における、おれの繊細さ(vulnerabilities)は永久的なものだ。だが子ども時代の皮膚(スキン)はもうない。今、それはタトゥに覆われている」 この男を心から愛してる(´-`)ノ ![]() ハーディ「今は、自分の中の悪魔についてわかっている。どう扱えばいいかも。まるでおれを殺そうとしてる400lbのオラウータンと一緒に暮らしてるみたいだ。そいつはおれなんかよりずっと強くて、言葉を解さず、おれの魂の暗闇の中を走り回ってる」 私がちょっと読んだだけでも、インタビューの中でvulnerabilitiesに言及したのはハーディ、ジェームズ、マーティン、ジョー。彼らは皆、自分のvulnerabilities(傷つきやすさ)との向き合い方を模索していた時代があり、たぶん今はそれを抱えている自分を受け入れている 「おれには決定的にフェミニンな資質があるんだ」とも。男性性を獲得したくてその投影である逞しいゲイの男性に憧れる……とてもわかりやすい。これはジョーが思春期の頃抱えていたミソジニズムとは裏と表だ(´-`) フィアンセのシャルロット・ライアンのことを"a difficult woman to pin down." 私がハーディに夢中になった理由が凝縮されているような一言 ハーディ/ジョー、モーレツに書きたい笑 ハーディが求めているものをジョーがまったく持っていないところに挑戦があって面白い マーティン・フリーマン (born 8 September 1971) イングランド 41歳 ![]() ![]() マーティン・フリーマンはインタビュー読んでて一番共感できる。面白い。自他共に認める左派で口幅ったいところ、家で壁を見てる方が外でセレブと付き合うより楽しいというところ、きっとマカヴォイといい友達になれる 「この後、最近の子供がいかに躾がなっていないか、という長々とした小言が続いた」とかインタビュアーに書かれている笑 インタビューを読み漁っているけど、ここまででまったく意外性はない。ハーディが酒とドラッグ中毒で逮捕歴があること、マーティンが政治に小煩くとても知性的なこと、クリスが大らかな田舎育ちだってこと、なんら意外じゃない。やっぱり人の過去は振る舞いや言動に滲み出る マーティンは有神論者なんですね、ついに意外性を発見 マーティン「どうして皆、難しい単語を知らない愚か者を装わなければならないんだ? 最近はどういうわけか、中産階級だとか、物事をきちんと言明する人々のことを叩くのがファッションなんだ」 マーティン「友人の多くは無神論者で、ぼくは無神論を理解している。でもぼくは有神論者に落ち着いた。自分たちがある物事に対して責任を負っていると信じている。きみは世界でただ一人のくそったれじゃない」 マーティン「多くの人は音楽や服装、そうした文化と受身の関係を築いている。だけど音楽はぼくにとって、クリエイティブと名のつくものとの最初の出会いだったんだ」 マーティン「vulnerable(脆さ、隙があること)な側面を持っている男たちにずっと興味を持っていた」(アル・パチーノに憧れたことについて) マーティン、ナイーブ番付でだいぶ左にシフト……というかこれでわかった。この世にvulnerableじゃないやつなんていない笑 マーティンはさらっとしか読めなかったので、また今度。 ジョゼフ・ゴードン・レヴィット (born February 17, 1981) アメリカ 32歳 ![]() ![]() ハーディとまーてんのインタビューをいくつか読んだ後、JGLのインタビューを読むと、彼がなんとアメリカンなことか 自分の運転で、母校をどうしても見つけられないジョー。「ほんとヒドイ方向音痴なんだよなー」 かわいすぎるorz …でも自分の高校見つけられないなんてことある?o_O; ジョーは想像と違った。意外 ジョー「[高校のプロムには参加したか?](気弱に)……いいや。ぼくはちょっとした生真面目な坊やだった。気難し屋。同年代の女の子たちはすごく苛々する存在だったよ。彼女たちはほら、手鏡やらくだらないものを眺めて…それがぼくには邪悪(evil)に感じられた」 ジョー「救いようのない根暗な偏屈野郎になっていた可能性もある。でも今はだいぶ寛容だ。昔よりはもう少し、自分自身を笑い飛ばせるまでに成長した」 10代の頃はちょっとしたミソジストだったJGL.人はこんなにも変われるという好例 LA出身、左派に傾倒する中産階級の専門職の両親を持ち、祖父は赤狩りで一度ハリウッドを追われた映画人(マイケル・ゴードン) これぞ THE アメリカのユダヤ系 C.ノーラン「(出会った時)彼(ジョー)はとてつもないカリスマと、偽る(fake)のは不可能な類の驚くべき陽性の持ち主だった」 だからこそ先ほどの本人の発言は意外でした C.ノーラン「ゴードン(ゲイリー・オールドマン)の堅苦しさと対照をなす、理想主義のオーラを纏った誰かを心から求めていた。ジョーは真っ先に上がった候補だった」 ゾーイ・デシャネル(共演者)「(2000年に出会った19歳のジョーの印象)ちょっとしたコントレイリアン(他人と違うことをしたがる人)。とても知性的。とても、とても真面目で、とても苛烈(intense)」当時、彼は役者を諦めてナバコフを研究するためコロンビア大(NY)進学を決断 デシャネル「私が何か言うと、彼はこう。『それってどういう意味? どんな言葉もスルーはできないよ、わかってる?』」 インタビュアー「その通り。実際、我々のインタビュー期間中も、彼の異常なまでの分析癖の片鱗は明らかに窺えた」 デシャネルが彼と8年後に再び共演した時、彼はずっと明るく、以前より背負い込んでいなかった。「すごく変わってた。もっとずっと心を開くようになっていた」彼がバックフリップまでやって見せてくれたことを話すと、「あ、それは昔からやってた」 ぶっ 最後に、写真を断っていたのも面白かった。複雑な人だ。 ----- 次回はカンバーバッチ、ファスベンダー、ベン・ウィショーなどのものをUPします。ジェリーも読みたい。このインタビューが面白いですよ、というのがあったら教えてください(バッチ、ファス、ベンはかぶるかもしれないので、今日上げた人たちの分で) 一人一人についての雑感はまた後ほど。ハーディがいいね。ジョーも面白い。ヘムヘムなどは、もっとちゃんとしたインタビューを見つけたら再挑戦したいです。
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