てらさき雄介の日記
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2004年02月26日(木) 「県」という存在の遠さ

市・県・国と三重の行政機関があります。その中でも「県」が一番遠い存在であるというご意見をよく伺います。昨日も後援者の方と話しの中で、この話題が出ました。

県議選で多くの場所で数限りない訴えをしながら、「県」議会でこれがしたいという思いが、自分自身しっくりこないジレンマも正直ありました。市に比べ身近でない「県」という存在について、その役割を疑問視する方も多くいらっしゃいます。

しかし、現在は自信をもって言えます。広域行政の必要性は増しています。問題なのは、現在の「神奈川県」が広域行政をしっかり行えるだけの基盤と能力を失っていることです。松沢知事の首都圏連合のみでなく、その他にも行政をより広域化する手段はあります。

生活圏が拡大している現在、市町間合併などの広域連携に加え、都道府県の広域化も必要です。新しい合併特例法には、都道府県合併を容易にする条文も入るそうですが、国に言われるまでもなく真剣な検討が必要です。

神奈川県議会で初めて神奈川県の合併を訴える、という目標は変わっていません。頑張ります!


2004年02月25日(水) 地下鉄サリン事件の教訓とは?

昨日日本テレビで「オウムVS警察 地下鉄サリン事件の真実」という報道番組をやっていました。非常によくできたドキュメンタリーでした。麻原の判決前ということで、番組の最後にアナウンサーから、番組中の表現で公判のなかで争われている点について注釈もありました。

多くの勇気ある警察官の皆さんには敬意を表しますが、この番組を見ながらずっと考えていたのは、地下鉄サリン事件は未然に防げたのではないかということです。事件を受けて警察が上九一色村の強制捜査に踏み切ったのではなく、強制捜査の情報に動揺したオウムが事件を起したというのが事実です。だとするならば、何故もう数日強制捜査を早めされなかったのか悔やまれます。また情報が間接的にしろ、オウムに伝わってしまっていることは残念でした。

警察・政治・宗教・・・、この事件はそれぞれに多くの教訓を与えたと思います。今後同じことを繰り返さないためには、「どうすれば事前に防ぎえたのか」という厳しい視点で事件を検証することです。ある日突然善良な人が犯罪者になってしまうことは予期できませんが、オウムはずっと以前から、犯罪に関与している疑いを持たれていました。

番組を見ながら思い出しました。大学に入ったとき、サークルの新入生歓迎企画で、当時有名だった木村晋介弁護士が「坂本弁護士事件はオウムの犯行である疑いがとても強い」と断言していました。驚いたことを覚えています。色々なところに挙がっていた警鐘を、社会全体が真剣に受け止めておくべきでした。

政治が得た教訓は、議論に一切のタブーをつくらないということです。「宗教だから」とオウムを議論の外においていた失敗を繰り返さないことです。


2004年02月24日(火) 市議会3月定例議会が開会

市議を辞めてからも、市議会の動向は常に注視しています。本日から、年間で最も議案の多い、3月定例議会がはじまりました。この議会で最大の案件は、市長の「施政方針演説」です。今回は小川市長の今任期中最後の所信表明のため、とても楽しみにしていました。

演説の内容を聞いた(正確に言うと原稿を見た)結果を書きます。これは在職中から思っていたことですが、どうしても総論として「相模原をこうしたい」という思いが伝わってきません。これは小川市長個人の責任というよりかは、日本の多くの政治の現場で感じることです。「一概には言えない」と言い訳をする人もいますが、市民からすると「一概に言う」ことによって、わかりやすくもなります。また役所が書いた文書であるということがありありと伝わってしまい、政治家小川勇夫氏の思いや哲学がよくわかりません。

相模原市議会では演説と一字一句変わらない原稿が、議員には前もって配布されます。議員は市長の演説を聞くというよりかは、目でその原稿を追うという感じです。私は原稿を伏せ(伏せていることをもって真面目に聞いていないと批判する議員もいましたが・・・)、市長の表情などをじっと見たりしていました。

「地方自治は民主主義の学校」という言葉があります。私も6年間の市議生活のなかで、自分のなかの民主主義観が大きく成長したと思います。だからこそ市議会も、県議会も、もっと柔軟な議論をすべきです。極論を言えば、市長が答弁を間違えてもいいし、議員が過去の発言を訂正してもいいと思います。もっと失敗し、もっと活発な相模原市議会であるべきです。

議案の中に平成16年度予算案がありますが、この中身に何点か疑問がありました。このことについては仲間の市議の方に相談し、間接的にですが発言していきたいと思います。


2004年02月23日(月) 県議会の現状

政治資金収支報告書提出のため県庁へ行きました。ちなみに、国政・県政・市政に関わりなく県内の政治団体の収支の届出は、全て県庁ですることになっています。

選挙管理委員会で1ページ毎にチェックされ、約45分の時間をかけて最終的に受理されました。

その間、近くのテレビで県議会本会議の館内放送を生中継でしていました。県議会では、昨年来の知事と議会の対立がなかなか収まらず、いまだにもって県民生活とはあまり関係のない問題で紛糾しています。先週末も知事のプライベートな問題を追及するために設置された98条委員会に、知事が出席しないことについて議会が問題視し、本会議が開かれないという事態がありました。今日放送されていた本会議では、知事が議会各会派の代表質問に答弁をしていましたが、その内容は質疑・応答ともに、昨年の知事就任時にしている内容と対して変わりはありません。この一年間県議会は何をしていたのでしょう。

野党を自称する自民党は、残念ながら以前の社会党のように反対のための反対をし、知事のマニフェストと対決するという政策議論が中心になっていません。現在の日本の第一党である誇りを忘れないで欲しいです。

与党を自称する民主党については、知事のスタンスのぶれや苦境を考えると、知事を孤立させてしまっている点で大きな責任があると思います。また議会対策上の取り組みを本当にしているのか疑問です。こんなことで国政レベルで与党を目指して大丈夫かとも思います。

私は過去相模原市議会の現状に大きな疑問を持ち、その改革を訴えてきました。しかし神奈川県議会は、率直に言ってそれよりひどいと思います。県議会の場で直接発言できないことは残念ですが、闘志が改めてふつふつと湧き上がってきました。県庁に行って良かったです。

あえて言いますが、頑張れ松沢知事!議会の変なつっこみに妥協するな!


2004年02月22日(日) 若林町田市議、原前衆議院議員

今日は新たな発見がふたつの場でありました。

ひとつは、友人の若林喜章町田市議の市政報告会に参加し、通常の懇親パーティーのみでなく、議会での一般質問の報告を資料をもとにしっかりしていたことです。有権者の方が詳細な議会での発言についてどれだけ関心を示すのかは別にして、政治家たるもの発信し続ける努力が必要と改めて感じました。

もうひとつは、ラジオ「みっぱらトーク21」で原陽子前衆議院議員と対談したことです。かつては正直余り良い印象を持っていなかったのですが、お話をして非常に純粋に政治活動をされてきたことが理解できました。是非何らかの形で(出来れば地方自治の分野で)カムバックしてほしいと率直に、かつ勝手に思いました。

双方ともで共通して思ったのは、その純粋さです。若林市議は一般質問の報告をしながら、できなかったことや反省点を率直に述べられていました。原前衆議院議員も、肩肘はらずに政治に無関心になりがちな最近のことや、現在の「休憩中」の状況を話されていました。

私は25歳から、ありがたくも政治の現場で仕事をすることができました。しかしその分背伸びをしすぎて、どうしても常に有権者の前では、立派なことを言わなくてはいけないという思いがあります。

どちらが正しいかという問題ではありませんが、自分の足りない点を発見したような気がいたします。しかしその対処はいまだ考えがまとまっていません。





2004年02月21日(土) アナン事務総長来日

国際連合のアナン事務総長が来日しています。
明日小泉総理とも会談し、イラク問題をはじめとした意見交換をするらしいです。おそらく水面下では、日本の安全保障理事国入りのアプローチもされるのでしょう。

よく、国連中心主義という言葉が使われます。私も賛成ですが、その趣旨を理解した上で使わなくてはいけません。国連とは、あくまで各国の意志の集合体であって、国連事務局自体に実体があるわけではありません。かつて湾岸戦争の際に、国連に対して日本が何をすればよいかを問うて、その勘違いを国際社会から指摘もされました。

大切なのは、日本がどのような国際社会をつくりたいのか。そのために何をしたいのかです。国連とは、そのことについての情報交換や、あるいは調整をする機関です。国内で言えば、発言の機会を与えてくれる議会といったところでしょうか。

日本が主体的な意志を持つことを改めて考えなければなりません。アメリカ追従の現状で、安保理事国になる意味があるのか疑問です。日本独自の世界観、世界秩序のあり方を示すべきです。


2004年02月20日(金) 重箱の隅

民主党の代議士が予算委員会にて、石破防衛庁長官について批判する質問をしました。  

「石破長官、空自機で地元鳥取から千歳入り 経費47万円」
これが新聞の見出しですが、つまり石破長官が自分の地元鳥取から自衛隊機地のある千歳まで移動するのに、自衛隊機を使用したことがけしからんという趣旨です。

このような批判は的外れと言え、質問した民主党の代議士にも猛省を促したいと思います。かねてから書いている通り、私は今回の自衛隊のイラク派遣には反対しています。しかし一国の国防を担当する大臣が、移動に自衛隊機を使うことは全く問題なく、むしろ民間機でゆっくり移動している方が危機管理上問題だと言えます。経費がかかったという点でも、政治の必要経費の範囲内です。

私はアメリカ信奉者ではありませんが、アメリカ大統領は休暇に行くのでも大統領専用機を使います。また一か月以上も夏休みをとります。大切なのは、その政治家たちが国民にとってどのような政治をしているかです。

身近なところでは、市長が公用車に乗っていることを無駄だと言い、「公用車に乗りません」などと公約する候補者もいます。これも的外れだと思います。

もっと政治の本質についての議論を深めていきたいものです。





2004年02月19日(木) 政治家を目指す志向

テレビドラマ「白い巨塔」を見ました。唐沢寿明の財前教授と江口洋介の里見先生が、対比されて描かれています。

議員になろうとする人間には、ある共通の志向があります。良からぬことを考え議員を目指す人も、理想を持って議員を目指す人も、あるいは名誉のためだけに議員を目指す人もです。それは権力志向です。かくいう私にもあります。

権力の中に入っていくことのみが、本当に政治を動かしうることなのか。これは政治家ならば一度は悩むテーマでしょう。現状では、いまだ有権者の意志がイコール政治の姿ではありません。しかしいつの日か、文字通りの「人民の人民による人民のための政府」がこの地球上に誕生する時には、権力のあり方と政治家のあり方そのものが変化するのかもしれません。

江口洋介の里見先生は大好きですが、唐沢寿明の財前教授にも親しみと悲しさを覚えました。今まで見てきた多くの政治家と重なるのかもしれません。


2004年02月18日(水) 政治資金の収支

毎年3月末までに、前年の政治資金収支を神奈川県選挙管理委員会に報告いたします。この収支報告書は当然公開されており、正確な記載が必要です。

マスコミなどに出る国会議員などのような大きな金額ではありませんが、私も収支報告書を提出いたします。地方政治家の政治団体は、個人献金に限られます。毎年感謝の気持ちを込めながら報告書をつくっています。月に100円から献金してくださっている方もいらっしゃいますが、厳しい時代のなかでのご厚意には身の引き締まる重いです。

「見返りがあれば贈収賄、見返りがなければ背任。」企業団体献金は完全に廃止する必要があります。その趣旨での法改正がされましたが、政党への献金のみ認めてしまったために、政党支部を持っている国会議員に対してのみ企業団体献金は実際に行われています。全体で禁止していまえば、お金をかけずにどうやって政治をしていくかという議論がおこるのです。一部で認めているから、お金のかかる現状のみ残され、入り口だけが狭くなるという状況です。

今改めて政治資金に関する議論を再開すべきです。


2004年02月17日(火) 民主党議員が首相と会食

民主党の国会議員が小泉総理と会食したことで、党より「厳重注意」を受けました。国民から誤解されるとの理由だそうです。

この件に関する党の対応は疑問です。イラク問題をはじめ日本にとって重要な案件が山積しているなか、むしろ進んで総理と意見交換すべきです。誤解を招いてしまうなどという発想は消極的で、事実をはっきり伝えれば有権者は理解してくれます。

野党は野党らしくなければならないという考え方も一方ではあります。しかし譲れない一線があることや主張を明確にすることは、与野党に関わりなく政治家として当然のことです。「野党」らしくという変なこだわりは捨て、常に是々非々の姿勢で臨むべきです。


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