大学教員の日記

2002年01月05日(土)  有田和正先生の研修会

 有田和正先生の講座に参加をする。場所は山形市。ここ数年は、正月の有田先生の講座から一年がスタートする。だからか、その一年はいつも好調。縁起がいいのである。
 
 今回は「講座」「模擬授業」「QA」の3本立て。「講座」では、教材開発の楽しさを改めて感じる。有田先生のライフワークなのであるが、その開発裏話をする時の表情は本当に楽しそうだった。「模擬授業」では、「教師の出番」について考えさせられた。考えてみれば自分は突っ込みがいつの間にか少なくなっていたのではないか。

 「QA」では私も質問をした。「有田先生は、40歳の時に何に夢中になっていましたか」。自分がまもなく40になるのを意識しての質問である。聞くと激変の年」であったということ。筑波大附小に転勤し、今までの授業観では通用しなくなり授業をどんどん変えていったとのこと。しかも、その時の授業について子供たちが追究したことを詳しく記憶している。そうなのだ。すごい実践というのはいつまでも教師の記憶に残るのだ。果たして自分にそのような記憶がある実践がいくつあるか。

 そうそう、「お山の大将」の話もされた。「38歳が一番危ない」とのこと。確かに有田先生でさえ、50代半ばでも授業者としてまだまだと話されていたのだ!峰は高い。

 満足感を持って、今回も帰ってきた。今年も縁起のよいスタートだ。有田先生に感謝である。



2002年01月04日(金)  短くするのは難しい

 雑誌「ネットワーク」3月号、楽しい実践の原稿に取り組む。「宮古自慢CM」
の実践である。
二十数時間の実践を3ページにまとめるのは難しい。思いきった取捨選択をしなければいけないのであるが、それがなかなかできない。一応書いたが再考である。



2002年01月03日(木)  ささやかな幸せ

 午前中、子供たちの宿題につきあう。何ということはない風景なのであるが、単身赴任の身にとってこのような何げないことはささやかな幸せである。つきあいながら来年度の総合の提案をまとめたり、原稿の構想を練ったりする。

 午後は家内の親戚で集まり宴会。「大きくなったね」と何人にも子供たちは言われる。



2002年01月02日(水)  ゆったりと過ごす

 子供たちと一日中ゆったりと過ごす。
 合間を見て総合メールマガジンの企画を練る。並行して、学校の総合の来年度の方向性を考える。企画を考えるだけで、わくわくしてくる。(ちなみに我が校の総合的な学習の時間は「ワクワクタイム」)
 総合は新しい教育の起爆剤。昨年は本当にそうだった。



2002年01月01日(火)  元日

 年始。気分も引き締まる。

 総合メールマガジンの企画のため、総合雑誌を斜め読み。つくづく編集者という仕事の眼力の鋭さに感心する。よくぞこれだけ現場の者の実感を知っているものである。
 年賀状他をとるために水沢と宮古を往復。夜、年賀状のみのやりとりだった高校時代の親友からメールがあった。年賀状に記されていたURLを見てのこと。交流復活である。インターネットのすごい点である。



2001年11月20日(火)  有難い手紙

 NHK番組の感想は、引き続き届いています。
 大部分は私の知人、あるいは教職関係者からです。ところが、一通、市内の方
ら頂いたものがありました。Mさんという74歳の女性です。読んでいるうちにグッとこみ上げるものがありました。

 突然此の手紙を出します事をお許し下さいませ。
 私はA小学校の地区に住む74才のおばあちゃんです。
 この度みやこ広報の中に、「コマーシャル制作」に挑戦したと云うことに、アッ全国放送だと思い、どんな出来栄えなのだろうと凄く興味を持ちました。

※宮古の広報は2万世帯に配布されるとのこと。しかも放送直前だったのでその効果が大きかったようです。(岩手日報の番組紹介も同様でした。)

 8チャンネルの45分間、目を凝らして見ました。
 ・浄土ヶ浜チーム、一回目の雨の中、大変な挑戦でしたね。
 ・鮭チーム、魚菜市場のお客さんがインタビューに無視で残念
 ・うに染めチーム、段取りがうまくいかず、同じ色だけで大丈夫かな?
 3チーム共、良い出来にするために2度も挑戦して、2回目は最高の出来でした。テレビにむかい、心から大拍手をしました。

※おうちで一生懸命にテレビをご覧になっている姿を想像しました。いつの間にか、子供たちの応援団になってくださっていたのですね。

 先生の熱心な指導に生徒さんたちが皆頑張りましたね。先生も子供さんたちも、とても目が輝いて、最後まで頑張り、感動いたしました。
 又、田川さん、太田さん、その他諸々の方々の優しさ、親身に協力して下さったことに感謝出来る人間になってほしいと思います。勿論、それが出来る人ばかりだと信じています。

※ここの部分に、とても共感をしました。今回の番組の主役は子供たちです。しかし、もちろん自分たちだけで番組ができたわけではありません。いや、それどころか、学習する段階でたくさんの方々の協力を本当に頂いておりました。
 たとえば、ウニ染めの田川さんは、1年で最も忙しい時期でした。あちこちに出品する時期が重なっていたからです。そんな中、「宮古の子供たちのためだから」と時間を割いてくださったのです。ロケ中から、子供たちにそのことは何回も話していました。そして、今回の番組の放送直後にも、私は「今回の番組で、君たちにわかってほしいこと……それは、多くの人たちの力でできたということです。NHKの皆さん、田川さん、太田さん、高浜小の他の先生方、その他宮古にいろいろな人にお世話になりました。その人たちに感謝の気持ちを持ってほしい。」と話しました。 今回のお手紙は、全く私の考えと同じです。そこに共感したのです。

 私達の子供の頃は戦争の渦の中で生活し、18才の時、強制的に学徒動員で戦争に使う部品を作る工場で働きました。本当に悲しい思い出だけです。皆さんの様にあんなにきれいな輝いた目をしたことが私達にあっただろうか?この度、つくづく感じました。皆さんが良い経験をされたことに平和で良かったと思いました。

※確かに平和だからこそ、子供たちも十分に今回のような学習ができる。改めて平和の有り難さを噛み締めました。同時に私事ながら、私自身の親の姿とダブらせて手紙を読んでいました。Mさんよりは年下ですが、同じ昭和一ケタ生まれの私の父母からも大変だった子供時代の話を聞いておりました。

 本当に良い出来栄えを見せて頂き、心より感謝申し上げます。
 今後も健康で何事にも頑張って下さいませ。
                                     かしこ
 佐藤先生と5年生の皆様江

 Mさんのお便りは、本当に丁重で心のこもったものでした。私は感激してしまい、何度も何度も繰り返しでお手紙を読みました。

 そして、「すぐにお礼の言葉を言わなければ…」と思いました。いてもたってもいられない……そんな気持ちでした。住所を頼りに電話番号を探しました。
 ありました。
 気持ちを落ちつけて電話をしました。
 幸い、ご本人が電話に出られました。

「佐藤先生ですか。本当に今回は、いい番組を見せてもらいました。」
「子供たちの番組での頑張りぶりが嬉しくて、初めてテレビを見て投稿してみました。」

 「テレビ番組を見てのお手紙は初めて」……この事実に驚きました。つまり、今までにないくらい、感銘を受けたというのです。
 一つのテレビ番組が、今まで全く縁がなかった人と人を結びつける。それも「共感」という心を持って。改めてメディアの力の大きさを感じました。
 Mさんからは、大変だった子供時代のお話、お孫さんのお話、宮古が大好きだったといったお話をお聞きしました。
 終わりに私から、お願いをしました。
「本当に、お手紙をありがとうございました。子供たちには、もちろん紹介いたしますが、その他にお願いがあります。この手紙を、学級通信で紹介させてほしいのです。」
「どうぞ、どうぞ。私のでよければ……」
 改めて、感謝の気持ちを述べて電話を切りました。

 子供たちにさっそく手紙を読んで聞かせました。
 子供たちも「感謝することの大切さ」を改めて感じました。
 私にとっても、子供たちにとっても本当に有り難い手紙でした。



2001年11月18日(日)  視聴者の番組感想

 番組放送直後から、番組についてのメールが届き始めた。(正確に言えば、
放送中から)メールの威力は本当に大きいと実感。許可を得たものを紹介をする。末尾は感想を送ってくださった方の都道府県名である。

★実践,ご苦労様でした。先生の学級の子ども達の表情が良かったですね。なかなかの芸達者のお子さんもおられたようで,私の学級の子ども達と重ねてみてしまいました。意外と,人数も少なく。私の学級と同じような環境で取り組んでいらっしゃるのだなあと思いました。私も番組に関わらせていただき,メディア・リテラシーをどのように子ども達に伝えていけばいいのかが,少しずつ見えてきたとこです。先生の実践は,参考になります。ありがとうございました。(鳥取県)

★本日の番組、拝見しました。予想通りというか予想以上というか、素晴らしい番組になったと思います。当初の話し合いで、子どもたちの成長が目に見える形にしたいということがあったわけですが、子どもたちのCMは見違えるほどよくなりましたね。裏ではいろいろなご苦労があったとは思いますが、番組として見事にまとまっていたと思います。番組には明示されていませんが、いくつか重要な点があったように思います。たとえば、子どもたちが作ったCMでは、効果音やテロップはいっさい使われていませんでした。これは、編集機を使わずにダビングだけでもできる範囲で作ると言うことを意図されたのだと思います。そういうようなポイントがもっとあると思いますので、もしよろしければ教えてください。この特集番組のホームページができるのであれば、補足情報として載せていただきたいです。この番組がきっかけとなってメディアリテラシーの授業に取り組む学校が増えるといいですね。これからまだ反響があると思いますので、ぜひ教えてください。また、自分たちが出ている番組を見た子どもたちの感想も知りたいです。(千葉県)

★テレビ、見ました!すごいです。とにかく、子ども達がよかった。子ども達が生き生きしていた。45分があっという間に過ぎました。録画しておいたので、2回見ました。御苦労様でした。本当に、拍手、拍手、拍手です。昨日は、テレビ放映の時間、どうしても自習にしなければならない状況でして、クラスの子ども達の自習課題はテレビの視聴でした。月曜日に、テレビを見た感想を集め、そちらに送ろうと思います。子ども達の姿を見て、我がクラスの子ども達が何を感じ取ってくれたのか楽しみです。 このテレビ番組は、きっと子ども達の「一生の宝物」ですよね。佐藤先生が、とても羨ましく感じられる、まさに、そんな子ども達ですね。では、簡単ですが、番組の感想まで。(京都府)

★教育テレビ見ましたよ。よく出来ていました。特に1回目と2回目のCMの違いには、びっくりしました。浄土が浜チームの寸劇、うに染めチームのクイズ、さけチームのインタビューとそれぞれ特徴のあるCMでした。まとめの授業もよかったです。各チームの矛盾点を突き、深く考えさせる。すばらしいまとめでした。(岩手県)

★番組を楽しく拝見しました.最初のインタビューでは,子供たちの不安さが伝わりました.しかし,徐々に「宮古の良さをどうやって伝えようか」,伝えなければ,という意欲に変わって来たのが分かりました.佐藤先生の,忍耐強い,指導のたまものなのでしょう.今回だけでは,自ら考える力やメディアリテラシーは,備わるわけでないことは佐藤先生も言われていましたが,明らかに今後,子供たちが学びを続ける上での貴重なきっかけになったことは確かです.あらためて佐藤先生の取り組みに敬意を表し,今後の取り組みがますます輝くことを期待します.子供たちへのねぎらいと今後の活躍を込めてエールを送ります.
 祝結成「ちびっこ 宮古の応援団」!!!(青森県)

★今日の午前中、佐藤先生のテレビを拝見しました。本格的なCM作り、何回もやり直して完成に近づけるという、とても面白い試みだと思いました。ちょうど、中高MMに「総合学習の目標(こうあったら良いな)と教師の役割」を書いたばかりです。「本格的な結果を意識し、感情を揺さぶるような体験の準備、腑に落ちるまでの内省の時間、インタラクティブな授業、子供達自身のものも含めたフィードバックの活性化」というようなことを書きました。佐藤先生の総合学習は、私たちが考えている総合学習のイメージにピッタリでした。(東京都)

★全体を通して子どもが練り上げていく姿がとても印象的でした。日頃の授業でも考える活動を取り入れているからでしょうね。子どもがとてもよく育っていますね。人に伝えること、自分の伝えたいことをよりよく伝える・・・このことは単に表現力のみならず、思考力、コミュニケーション力など総合的に力を育成できるものだなぁーと思いました。CMを作成する手順についてはどういうところから仕入れたのでしょうか?取材からキャッチコピーなどプロの手順をふんでいるように思えました。また、授業の最後に子どもに質問を投げかけていましたね。子どもに映像や情報は必ずしも真実を伝えているとは限らないこと、そのために情報を鵜呑みにすることなく見極めていく必要があることなどに気づかせていたと思います。(秋田県)

★何より子供たちの表情がよく、先生の素晴らしい学級経営がうかがわれました。放送する側の意図もあるのでしょうがそうした点をぬきにしても、伝わってくるものがありました。実は、一昨年ですが、本校の職員も地域の宣伝ビデオ作りに挑戦した事がありました。校内授業研究としてもとりあげました。その時のことと比べようもないのですが、大きく違うのが、「撮影を二回する」という点です。この過程を組み込むかどうかが実は大きなポイントだなと改めて考えました。メディアリテラシーという、先生のもう一つのねらいの部分も終末の段階でポイントよく語られ、まとめとしてぴりっとしていました。HPに入り、子供たちの感想をのぞきましたが短いながら、的確な言葉で語られている事にもうひとつびっくりしました。今後とも、いい実践を期待しております。(秋田県)


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