サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2004年01月31日(土) エンケン&瀬川洋

 遠藤賢司が縁りのゲストを迎えるシリーズ「純音楽の友」が吉祥寺のスターパイン・カフェでありました。
 瀬川洋(元ダイナマイツ)がゲストで呼ばれ、珍しくオリジナルの弾き語りをやってくれた。以前書いた事があるんだけど、ダイナマイツの「のぼせちゃいけない」「世界中にほほえみを」とかアルバム『ピエロ』を聴くと、瀬川洋のソングライターとしての才能は凄いと思う。
 エンケンのリクエストにより、二人で歌った「恋はもうたくさん」「トンネル天国」「のぼせちゃいけない」の3曲は、私にとって少し遅いお年玉であった。エンケンは、60年代末にダイナマイツを観に行っていたそうで、特に横浜のゼンでやったパワー・ハウス、ゴールデン・カップス、ダイナマイツの共演はすごくよかったと言っていた。名前が並んだだけでタイムマシーンにお願いしたい組み合わせである。



2004年01月30日(金) じゃがたら祭〜クニナマシェ

 クラブチッタでひさしぶりのオールナイト。
「じゃがたら」という唯一無二の音楽集団に捧げるイベントであり、
メンバーのオトさんと南流石さんが中心になって企画されました。

 この日、一番盛り上がったのはじゃがたらメンバーも参加しての「渋さ知らズ」。音楽的にも精神的にもじゃがたらの影響を受けており、リーダーの不破さんは「じゃがたらは世界一好きなバンド」と発言していた。
 しかし決定的にちがうところは、渋さ知らズには、強烈なボーカリストがいない。じゃがたらの江戸アケミのような存在感のあるフロントマンがいないのだ。個人的には、渋さのステージ上の「にぎやかし担当」の人たちは弱いと思う。初期じゃがたらのステージだったら、得体の知らない有象無象が多数舞台上にいたが(私もいましたが)、必ずコーラスの女性は脱いでるし(よくアケミが「脱げ脱げ」と脱がしていた)、勝手にマイクを奪ったり暴れてる奴もいた。何が起こるかわからないスリルが満載だった。ステージ上がどんな混乱状態になっても、最終的にアケミには収束できる度量があった。
 渋さのフロントでは、褌MCのお兄さんだけがいいと思うけど。他の人たちはもっと強烈になってほしいというか、演奏者に負けず予定調和じゃないものをみせてほしいです(別に脱げと言ってるわけではない)。



2004年01月17日(土) ロックをとったらただの乞食

 1979年、15才の頃、「サイズ」(SYZE)というバンドのライブを観た。そのちょっと前に出たオムニバスLP『東京ニューウェイブ79』にも収録された「SEX」というバンド名を改めサイズであった(後のチャカがいたサイズとは別)。
 飾らないストレートな歌詞と曲、真摯な音楽性。なんて書くとまるでブルーハーツみたいなキャッチコピーだが、サイズの場合は存在自体が根源的であり、東京のアンダーグラウンドならではの過激な魅力を持っていた。彼等の前では、パンク〜ニューウェイブ全盛のシーン(いわゆるテクノポップなどが流行)が虚構に見えてしまったものだ。
 いつも、オリジナルを5曲+イギーポップのカバーを3曲みたいな構成のステージだった。曲間のブレイクがまた長く、酒呑んだり、鼻かんだり、メンバーの誰かが楽屋に行って戻って来なかったり、でもそーゆーモンだと思っていた。文句をつける客なんかいなかったし、ギターの川田良は喧嘩でも有名だったからね。
 当時、トラブル・メーカーのように一部では嫌われていたという噂も耳にしたが、サイズのオリジナル曲は珠玉の名曲ばかりだった。『東京ニューウェイブ79』にも収録の「無力のかけら」という曲で、本当に自分の人生は変わってしまった。自分の生涯でこの一曲を選べ、と言われたら迷わず選ぶことができるだろう。この頃のニューミュージックマガジンで、鈴木慶一がこの曲を絶賛していたことも覚えている。(「無力のかけら」は、フールズ91年のアルバム『NO MORE WAR』でも再演)

 サイズは80年初頭に解散し、ボーカルの伊藤耕は「伊藤耕&HEAVEN」というバンドを作るがすぐに解散。でもこの「ヘブン」もカッコ良かった。新宿アシべにて(まだニューアシべの頃でジャズ喫茶の残り香があった)オールナイトでやったとき、客席の女の子がバラの花を投げたのが忘れられない。その時、ギターの良は「午前四時」というバンドを作って文字通り朝の四時に演奏した。これまた伝説のバンドでCDにもなっている。

その後、いろんなことがあって耕と良は「フールズ」で再び合流するんだけど、その後もいろ〜んなことがあって、現在、良はディープ・カウント、耕はブルース・ビンボーズをやっている。
 
 ブルース・ビンボーズの新作CDとDVDが届いた。「俺達はロックをとったらただの乞食だ」という耕が初期フールズ時代(81年頃)に吐いた名言がある。耕はあいもかわらずそれを体現している。
 
 



2004年01月14日(水) 2003年ベスト?

昨年見たライブのなかで、非常に感動したもの、とても印象に残ったものを古い順に並べてみました。

1月30日ディープ・カウント@新宿ロフト
3月16日フレアオッズ@京都メトロ
6月9日ザ・ハプニングス・フォー+ジョー山中+森園勝敏@クロコダイル
7月27日遠藤賢司&カレーライス@フジロックフェスティバル
8月8日騒音寺@渋谷クラブクアトロ
9月27日外道@京都大学西部講堂
11月1日四人囃子・プロコルハルム@クラブチッタ
12月26日ニプリッツ@京都拾得

この中から一番を選ぶとするなら迷わず、遠藤賢司。フジロックのベストアクトでもあった。
騒音寺は可能な限りライブをみたいバンドだ。こんな気持ちはクレイジーケンバンドを初めて体験した98年以来である。
外道は、各地のライブに出向き、客席前方で暴れていたワタシ(笑)。
四人囃子・プロコルハルムはその客層(いわゆるプログレファン)も含め印象深い組み合わせだった。

ライブに通っているにもかかわらず、「もっと凄いはず」とか「こんなものじゃない」と思い選ばなかった方々もいる。

ベストCDも選出しようかと思ったが、結局手前味噌になりそうなのでやめました。


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