| 夜は短し恋せよ乙女 |
文学界では今年「京男」と「大阪女」がくるそうです。 どこかでそんな記事を目にしました。 万城目学は『鹿男あをによし』がドラマ化、 川上未映子は『乳と卵』で芥川賞受賞と 年始早々、間違いない勢いで突っ走っています。
さて、もう一人の京男でもある森見登美彦の 『夜は短し恋せよ乙女』を読みました。 前年の本屋大賞候補作品ですね。 本読みにはわりと評判が良いことや 雑誌やテレビで取り上げられていることから 思わず単行本を買ってしまいました、、古本で。
文体の面白さは抜群にあります。 惚れ惚れするほどキャラクターの力もあります。 続きを気にさせる物語の力もあります。
しかし、構成が私には気になってしまいました。 恋する男の「私」と恋をされる女の「私」の視点を 交互に繰り返すことで物語が進むのだけれど、 転換が頻繁過ぎることと平坦に進み過ぎることが いかんせんわかりにくく思ってしまったのです。 さらに、視点の限界を軽々と超えてしまうところに 「物語の嘘」では納得できないものがありました。 転換の多用を自然にするためには全体を紡ぐ語り手が 思い切って前面に出てしまっても良かったのかもしれません。
とはいえ、乙女は非常に魅力的でした。 描かれる京都の町並みと飄々とした古めかしい語りが よく合っていて物語を面白くしておりました。 今、注目の作家であることは間違いないでしょう。
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2008年01月20日(日)
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