三月の吐息...三月

 

 

青年 - 2003年08月31日(日)

作業着のオイルの匂い
と、汗の匂い
大きな汚れたバイク
髪を染めていない青年

翌日
ネクタイを締めてきた
指には綺麗な指輪
そこだけなぜか
輝いていたのは
なぜ。



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後悔 - 2003年08月28日(木)

結局、電話帳を調べて電話してみる
運良く、その人がすぐ出た
驚いたことにその人が一番近くにいた
数分間、話を聞くことができた
変ったこと変っていないこと
間違ったとは思ってないが
あの時、辞めていなかったら
私がそこに居ただろう
自分の至らなさにも気づくが
それはどうにもならないこと
それでも、
もう少し違う方法があったはず
と、
心が痛む。


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古い携帯 - 2003年08月27日(水)

そのことで、ある人に連絡をしたくなった
当時の住所録など去年すべて捨ててしまっていた
取って置いた古い携帯に残っているかもしれない
楽しいこと悲しいこといろいろあったあの頃、
多くの時間を一緒に過ごした古い携帯
まだまだ捨てられずにいた
ひさしぶりに電源をいれようとしたが、
もう電源の入れ方すら忘れていた
メモリは、すべて消えていた
もう別れ時だと知った
スイッチを切って、
そっと水に沈めた
しばらくすると、
ブルブルとかすかな音をたてて揺れた
携帯が泣いていた





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訃報 - 2003年08月26日(火)

偶然だった、まさに
普段気にも留めないものを
何気なく新聞の訃報に目が行った
最初、
どこかで聞いたことのある名前としか
感じなかった
その人だと気づくまでに
しばらく時間がかかった
亡くなったのだ
あれから3年半しかたってないのに

会社の帰りにその場所を車で過ぎてみた
時間が遅かったせいか
何も変ってないように見えた
ただ、
あの頃から帰ってこなくなった
白い車が停まっていた




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最期 - 2003年08月25日(月)

彼女の最期が気になる
当時すでに病気だったが
こんなに早いとは
私が知る由もない
噂に聞いても、
順調だったようだし
突然の出来事だったのか
もう少し早く知っていたなら
最期のお別れの場面に立てていたかも
これからどうなるのか
私にはもう何も関係ないけれど



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小さな旅 - 2003年08月23日(土)

旅は人の距離を縮める
あらためて、そう思った
日常から飛び出し
同じ時間 同じ場所を共有する
旅が終ってからは
繰り返し繰り返し
楽しかった想い出を反芻する

若者で溢れるストリート
オシャレな街
ド派手なオブジェ
最先端のビル
華やかなネオン
細い路地
情緒たっぷりな商店街
チープなおやつだって御馳走になる

行って良かった
小さな旅


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素敵なひと - 2003年08月18日(月)

こんな素敵な人もいるんだなぁ
って人に出会った
偶然でほんの半日の出会いだったが
こんな人になりたいと思った

ダイヤのリング
シルバービーズのブレス
グリーンのビーズのストラップ
うすいピンクのブラウス
美しいスタイルと笑顔
落ち付いた物腰
優しい言葉

確かに恵まれた人
こんな人がいつも身近にいてくれたら
わたしも少しは
優しくなれるかな。


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夏休み - 2003年08月14日(木)

短い夏休みの始まりは
思いがけず涼しい朝
秋の気配すら感じられてしまうのは
気温のせいだけでなく
大事なものが
離れていってしまうからなのか

簡単に思っていたが
簡単ではなかった
あの日、わが身から生まれて
今、わが心から開放される
その伸びやかな姿が
こんなにも心を痛める
心底では
離したくないが
時の流れに逆らうことはできない
ただ祈ることしか
できない


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順番 - 2003年08月13日(水)

今度は私の番なんだ
時の流れに逆らうことなど
できるはずもなく
受け入れるしかない

自分ひとりが迷っていた時の
痛みなど比べようもなく

こんなにも心が痛い







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ひとり - 2003年08月08日(金)

ひとりずつ
離れていく
ひとりは遠く北の地に
ひとりは元の日常に
ひとりは熱にうなされ
そして又
ひとりは自らの翼で飛び立ち
のこされたのは
わたし

行きたい何処はなく
欲しいものはなく
会いたい人もない

それでも
空っぽのこころは
思った以上に心地いい。





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束の間の - 2003年08月06日(水)

本当に大切なものを知って
これからは、こうして
ささやかに暮らしていこうと思った
束の間の仕合せ
小鳥が巣立っていく
ただ見守るしかない
たったひとりになってしまった
寂しさがこみ上げて来る



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麻薬 - 2003年08月05日(火)

あれは麻薬
自ら望んではまり込んでいく
何も出来ない
ただ魔法が解けるのを
見守るだけ



...



 

 

 

 

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