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2004年04月23日(金) 片言のイタリア語で特注品無料ゲット!

イタリアへ行くなら、片言でも良いからイタリア語を少し話せるようにしていくと待遇ががらえりと変わるので是非お薦めしたい。

レストランではご機嫌なマスターにおいしいデザート酒のレモンチェッロを、おごって貰えたし酒屋では酒代を安くしてくれるし、ピッツエリアではイタリア製てんぷらをごちそうになるし、船着場で舟を待つ間、近くの工場のおじさんに涼んで行けと言われてつかのまの涼を、お喋りと共に頂いた。

今回紹介する所は教会の奥にある革製品の店での話。

フィレンツエ最古の教会、サンタ・クローチェ教会。



ここにはミケランジェロ、ロッシーニ、マキャベリ、ガリレイなどのお墓が納められている。中にはドナロッテイによる金色のレリーフ「受胎告知」

やチマブーエの「十字架像」などがある。
さて、この教会の右奥に「レザースクール」という皮製品のハンドメイド製品があるのを見逃しがち。

ここでは素晴らしいハンドメイドの皮製品がああって、息を呑む。

ここで札入れとキーケ−ス、ベルト等を買った。
高額ではなかったけれど免税の手続きをお願いしたら、その分を現金なら引いてやるという。
それは面倒がはぶけてありがたいとばかり、お願いしていると奥から工房のオーナーが出てきた。

イタリア語は話せるか?と尋ねるので,少しだけなら話せるとイタリア語で答えると、とたんに相好を崩して大喜び!

急にイタリア語でペラペラとまくしたてて、良いものを見せてやるからついて来いと言う。

ついていくと工房の壁にたくさんの写真や新聞記事が貼ってあった。
そのなかに見覚えのある顔がいくつか・・
常陸宮御夫妻、ブッシュ元大統領夫妻、エリザベス女王がこの工房を訪れた時の写真だった。

「わーすごい!あなたってすごい有名人なのね?」と叫ぶと、待ってました!とばかりに大喜び!

お前の買った商品を出してみろといきなり言い出す。

「え〜??出してどうするの?」といぶかると
今からそれら全部に金でイニシャルを刻印してやるというではないか。

「きゃー!本当?嬉しい!」
「でもそれってただ?」と念を押すことをわすれないしっかりものの私!

「勿論たださ!」とおっちゃんはにこにこして言う。

っというわけでこのおっちゃんと片言のイタリア語を話したお蔭で、見事に札入れとベルト、キーケースに私のイニシャルが金で刻印された。



まるでイタリアで注文して作らせた特注品のような出来映え!

これからイタリアへお出かけの方、是非片言でも良いからイタリア語で話してみてください。
市場のおばさんからレスランのウエイターにいたるまで親切にしてくれること請け合いです。

陽気で気前がよく、親切なイタリア人が大好きになった旅のこぼれ話。


2004年04月14日(水) 紳士クラブ潜入(イギリス篇)

食後に久しぶりに甘いデザートを食した。
体重維持のため、しばらく甘いものは自分に禁じていたがその禁を破った。
甘露、甘露!
美味なこと極まれリ!
元来甘いものには目がない私。
堪能して心地良し。

デザートと言えば、英国で忘れ難い思い出がある。

アラブのお姫さまとご学友になったため、色々な体験ができた。
英国ではある階級の紳士諸君はクラブに所属している。そこに集い食事やクリケット、お酒や、音楽、文学、政治、経財など談論風発、男同士多いに怪気炎をあげる由。
女人禁制。男だけの階級意識、特権意識を満喫し、時には良からぬ事など企てたりするらしい。
女人禁制と言われればなお更覗いてみたい世界だ。
我々悪友はお姫様をかつぎだし、そそのかして、なんとかこのクラブに潜入してみようと画策にやっきとなった。

アラブのお姫様の価値は相当なものらしく、すんなりこのクラブの夕食会に参入できることになり、そそのかした当の悪友連も少々驚きを禁じえなかった。
当日、ドレスアップしたご学友数人とお姫様はケンブリッジにある名門紳士クラブに到着。
中に入るとN伯爵がおで迎え。
伯爵と言う名にふさわしからざる風体の人物。
まるでシェイクスピア劇に出てくるフォルスタッフのよう。
壁にはこのクラブに所属する歴代の貴族の肖像画や写真が飾られている。

食堂では正装した従業員が居並んで我々を慇懃に迎えてくれた。
ダイニングはきらびやかでテーブルには燭台にろうそくが灯され、上品な食器がすでにセットされていた。
食事の前に伯爵がご挨拶。
晩餐の料理は美味だった。
食後のデザートはこのクラブ伝統のポルト酒が出された。
「カラフェ」俗に言うデキャンタに美しい宝石のようなポルト酒が注がれ、それを各自で回して飲むとのこと。
何でもここのクラブの伝統でデキャンタを左回りに回して主賓が終わりを告げるまで回し続けて飲むとのこと。

クラブが誇るだけあって芳醇な味と香りと色に皆堪能と賛美の声を惜しまない。
さて、このポルト酒と共に味わうデザートが出てきた。
それは各種のチーズ。
カッッテイングボードにチーズが各種載せられ、そのほかにセロリ、マスカットが供せられた。

さて、これらをどうやって食すのやら?
伯爵のなさる通りにやってみるのが間違いがないと思いじっと眺めると伯爵が此方を見てウインク。
きゃ!見つかっちゃった!とこちらも目で合図。
ポルト酒のクリスタルの「カラフェ」の蓋をおもむろに取り、自分のグラスに注ぐ

次ぎにチーズをとりわけ、セロリの茎を一本
マスカットも数粒皿にとる。
そして日本の茶道のように「カラフェ」を右側の次客に回す。
濃厚な味と香りのチーズが口の中に残っている内、次ぎにセロリを食す。爽やかなサクサク感が口中を満たす。そしてマスカットの上品な酸味が舌に残る。そしてポルト酒を飲む。
ポルト酒の香り、芳醇な味、ワインレッドの色、クリスタルのきらめき、それらがミックスして目と舌と音とのコンチェルトが脳髄に達して至福の極みとなる。

こうして何回も回しているうち、伯爵が奇妙な事をやりだした。
それはセロリにチーズを少々のせ、その上からポルト酒を少々かける。
私の方をそっとご覧になってやってみろよとばかりに目で合図するではないか!
ぎょ!
日本で、お行儀悪い見本のような味噌汁ぶっかけ「にゃんにゃん御飯」のようだ!と私はひそかに思った。

私もまねしてみた。
どうやら、誰も同じようにやってる者はいないようだ。
あはは。なんだか楽しい食べ方だわいと独りごちる私。

伯爵がまた、私にウインクして見せた。
私もお返しにウインクをして見せた。
フォルスタッフ伯爵(私は勝手に心の中で名づけた)のいたずらっぽさが大いに気に入って、気分まで酩酊状態。
主賓のお姫様が食事終了をするとポルト酒を回すのも終了。

最後にお姫様が伯爵にお礼のご挨拶スピーチをして晩餐はお開き。
クラブの周囲を散策してこの女人禁制の伝統のクラブ潜入は終了したのだった。

あの上品で格式ある伯爵と東洋の平民の私がやった「にゃんにゃんぶっかけデザート」はかくして誰にも気づかれないまま幕を閉じたのだった。

思い出の特別デザートだった。


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