お気に入り・選抜映画感想日記
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 白い巨塔・・1話〜31話

白い巨塔
山崎豊子原作   田宮二郎  他・・。

一人の名外科医を中心に大学病院内の、欲望・野心・権力闘争を描いたTVドラマ。

ご存知、今、テレビ放映されている、唐沢<財前五郎>と江口<里見>・石坂<東教授>の、元となった
テレビドラマのDVD。1話〜31話<完>
たぶん、25年ぐらい前じゃないかな・・・。夢中で見た記憶はあるけど、ほとんど忘れていた・・( ̄_ ̄ i)タラー
今みてみると、演出の古さなど、いちまつの「ださい感」ないとは言えないけど、
なんの!なんの!!全然、今放映ドラマより、いいです!
丁寧・重み・深み・趣き・・・。グッド!

それに、役者は、やっぱりキャストが、だんぜん!!素敵!

田宮二郎演じる財前は、どこか、素直でかわいらしい動作があるし、根は純でまぬけな感じが出ていて
唐沢より、味がある。太地喜和子演じる愛人も、黒木より、包容力があり、人を食ったような笑い方が魅力的
ミステリアスで、「暗い」<これは役の生立ちからでたのだろう>感じもしみじみ出ている。
でも、まあ、黒木はいいとしても、

断然違うのは、東教授役の、石坂と中村伸郎

中村の、独特のセリフ回しは、見ていて教授の威厳と、優しさ・そして、男のクソ意地・陰険さが
びんびん伝わる!石坂は、???なんかまじめにやれよ!って・・・どうしたの??変!
奥方役も、リメイク版では、あれじゃなんだか「ばか」すぎ〜〜
チープ!!どっかの団地のおしゃべりおばさんじゃん!東恵美子演じる奥方は
そりゃーーーもーーひどい傲慢ないやな女、こんな奴居るか?と思うぐらい?
でも、ちゃんと説得力があるのよね。その桁はづれの傲慢さは圧巻!衣装の和服もよし。
夫の東教授も、常に「口をつつしみなさい」とか、イライラしてるんだけど・・
決して喧嘩にはならない、超越した絆がありそうな夫婦を好演。

その他うさんくさい、医師会・教授人の面々は、金子信夫・小沢栄太郎・小松方正・渡辺文雄・加藤嘉・
戸浦六宏みんな迫力あるのよね〜。
病理の大河原教授の加藤嘉なんて、本物の学者かと言うぐらいはまり役!
野坂教授の小松もいかにもうさんくさくてはまり。鵜飼部長の東野も、ピッタリ!
医局員の河原崎長一郎をはじめ、医局の面々もすごくいい。
最後まで、本気で、財前に惚れこんでいた、佃役と安西役の、
河原崎と伊東のしょぼい顔とヤクザ顔のとのコンビは面白いし、
後半、心変わりしていく、金井役の清水も、さらりとその心中を演じてなかなかよい。

それになんといっても、柳原役の高橋長英のみごとなこと!
あの、うじうじ、うじうじ、苦悶苦悩して居る様子がまさに、素敵なのよね〜(*⌒д⌒*)アハ
もう、あの表情みているだけで、にやにやしちゃう・・。
かなり男っぱく、力入ってる様子が、ただうじうじしてるだけじゃないのよ〜(o^-^o) いひっ
伊藤はこれからどう演じるのだろう???
なんだか、ぼけーーーとしていて、柳原の苦悩を演じられるのかな〜・・
まあ、楽しみでもあります。

あと、ダントツに、山本学演じる里見助教授のいいこと!いいこと!
すがすがしいわ!いい人だわ!いい人すぎ!!
すてきーーーーーーーーーーーーー!(((( *≧∇)ノノノキャーッ♪
セリフが全然いい!今やあまり聞かなくなった、丁寧語を常に使っている。
ほんとに、すがすがしいんです!
兄役の、岡田英二もまたいい。
江口もがんばってるけどね・・・・ちがうんだなぁ〜
里見教授・・・彼は、正義感だけで、財前のことは、認めているし、
特別にいやな感情をもってないのよね・・
素直に「おめでとう!財前くん!」と、教授就任を礼儀正しく祝うのよね・・。
ちがうんだぁ〜・・・今のとは・・
なんか今のだと、財前に対する、友情とか、敬意が感じられないし、
軽いよ〜〜・・。

国平弁護士役には、児玉清!!これがまた歯切れがよくて最高!!
「パネルクイズ〜アタック!25!」の、あの児玉ですよ!!最高!
この人出てくると、画面が、締まるのよね!!
今回、及川はどう演じるのだろう??<及川光博って知らないのよね・・(*⌒д⌒*)アハ>

小枝子役、里見の妻役は、今のでも、違和感ないんだよね〜
もちろん、島田陽子・村上は、とでも当たり役ですが。
いや〜すんごく綺麗です。島田陽子。きっぱり。

なんにせよ、演出なのか、そのころのテレビドラマってみんなそうだったのか?
セリフが、ハッキリ!きっぱり、演技そのものが、多少臭ささはあったとしても
「誠実」なのよね・・。
と言うか、たぶん人間そのものが、もっと大人びていたんだと思う。
その当時の医者は、「まじ〜?」とか言う言葉は使わなかっただろうし、
医者そのものに、威厳もあった。
言葉使い・・がすごく今風で、気になりますよ。。
特に、里美・・山本の里美の言葉はほんとーーーーーーーに、綺麗で、
涙がでてきますよ〜〜。(T△T)うぅ
全体的に、セリフがいいし、大事にしているんだよね。言葉を!
今のは、時代に合わせて、設定とかもうまく変えているんだけど、
それは、いいとしても、
どうも、チープな感じがするのよね〜
田宮版はセリフや演技に奥があった。
やっぱ、だめじゃ〜!今のは・・・。
愛人と奥さんが一緒に酒のんだり・・張り合ったり・・
ケイコは、そんな女じゃないし、奥方<生田悦子>も、全然違うのに・・。

でも、今テレビ見ている現役の子が、田宮の白い・・を見たら
こっちの方が、てんで、臭くて、チープにみえるんだろうかね〜
いやぁ〜「時代」をつくづく感じました。

今や、大学病院の外来で、教授に起立して挨拶する患者もそういないし、
<大体、知らないよ・・誰が教授か>
実際は、ドラマのように封建的でも、一応は、すべて関係がフレンドリーだものね・・
みんな、のぺーーーと、平等社会になったからでしょうか?
田宮の白い・・では、看護婦なんかも、医師となれなれしく話せないのよね・・
事実今でも、国立系の大学病院だと、看護婦の対する差別あるらしい・・
東夫人が、おもむろに「看護婦なんかと付き合ってるなんて、お嫁に行けなくなります!」
なんて言うぐらい・・。(*⌒д⌒*)アハ」

とにかく、
セリフに重みがない・・。人間関係に緊張感が見えない。

なんか、人間関係の書き方が安っぽいなぁ〜

ま、原作読んでないから、なんとも言えないけど、
とにかく、わたしは、今見ても、
田宮版の、白い巨塔の方が、「活き」て見えました。(。・・。)(。. .。)ウン



2003年12月10日(水)



 ロゼッタ


監督リュック& ジャン=ピエール・ ダルデンヌ兄弟  エミリー・デュケンヌ
アルコールとsix依存の母と、キャンプ場の車中に住むロゼッタ・・。彼女の夢は「仕事」に就き、まっとうな生活をすること・
・・
カンヌパルムドール賞を取った作品。
ロゼッタの、でかい肩幅を揺らしながらと、「がし!がし!」と、長靴で歩く姿は
たくましいを超え、怖いぐらい・・・・。そしてそれが、とてつもなく、愛しく見えてくるのです・・
まだ、思春期の御嬢さんの年頃ぐらいなんだろうけど・・
若さゆえか、そのひたむきさと、純粋さに、まんままと、泣かされました・・(T△T)うぅ
眉間にシワぶーーーたれ顔の、ロゼッタが、もうい愛しくて・愛しくて・・
思い出すだけで、(T△T)うぅ(T△T)うぅ
そこいらに居る、調子こいた愛想のよい女の子なんて、
みんなすごーーく、「ばっちいぃ〜」・「不潔」!って感じ。
ロゼッタ〜〜!!私が抱きしめてあげるよ〜〜(T△T)うぅ
<きっと、投げ飛ばされるに違いない・・・。。。(o_ _)oドテッ>

「仕事」さえ、みつかれば、まっとうな生活ができると、必死で、職に就こうとします。
やっと、友達になった彼でさえ、殺そう・・としてしまう。
すべて、「職」につくための、人減らし・・という単純な理由なんですが、ハラハラ・(゚o゚;) ドキドキ…
そしてまた、泣けるのよ・・・・じーーーーんと。

映画は、ひたすら、淡々と、ロゼッタの、たくましく!貧しい日常を描いてます。
またこれが、すごくきっちりした子なんだよね〜。
だらしない親を背負いながらも・・・。

「やっぱぁ〜高校生は、お金かかるのよね〜」なんて言ってる、あほな日本の女子校生!!
この映画をご覧!!!!

ラスト、泣きじゃくるロゼッタの真っ赤な顔に、笑顔が見えます・・・
ここから、何か、希望がみえてきそう・・・。

すごい、ぷつ!と終わるラストシーンなのですが、悲劇を予感させながらも
あの笑顔と、なにかに?希望をもたせているようにも見えます・・。
と、言うか、そうあってほしい!!

久々の、「泣く」映画
☆☆☆☆




2003年12月09日(火)



 バテニョ―ルおじさん


ジェラ-ル・ジュニョー監督・主演
肉屋を営む主人公は、2階に住むユダヤ人医師の家族を、娘婿の陰謀で、ナチに密告するという事態にはまってしまう。
しかし、収容所から一人脱走してきた少年を、屋根裏にかくまい、スイスへ逃亡させようと、奮闘する。


上質映画です。きっぱり!

このおじさん役の方、はじめてみましたが、監督・脚本主演・だそうで・・
ぜーーーんぜん、美男子ではあるませんがファンになってしまいました。
映画の中では、始終「しかめっつら」をしているのですが、なぜだか、笑えるのよね・・
あとで、知りましたが「笑劇団」の方だそうです。
きっと、名優なんだろうなぁ〜〜

ユダヤ人医師家族は、当然医者であり金持ち・・
その下の住居で、肉屋屋を営む「バテニュールおじさん」←このタイトルもいいです!
もまた当然、貧困・・。
このへんの、関係が上手く表われている映画です。
でも、このおじさんは、いじいじぜづ、きっぱりと、「ひがんでいる」
どーーせ、おれは貧乏だよ!おまえらは、頭もよくて金もあっていいね〜みたいにとか・・。<セリフではありません>
なので、たいした悪気もないのです。
もちろん、ばか娘婿が、2階のユダヤ人を密告した時も、「(・_・) エ?・・・・・そんな・・ひどい・・」と本心で思い
また、そんなことも、「しかたないかも・・・」とそのうち、毎日の肉屋の仕事に励みます。
でも、さすがに、2階のユダヤ少年が脱走してきた時には、追い返すことができず、
かくまうのですが・・
この辺の、流れ・葛藤・少年とのやりとりが実におもしろいでした。

そして、最後は、そこいらのおじさんから、なかなか、骨のあるおじさんに、変身していくのですよね〜
ちょっこっと、「ラブ」もあったりして・・。(o^-^o) いひっ

あたりまえに、善人で悪人でもない、普通のおじさんの「ナチもの」です。
変な娘と妻なんだけだ、それなりに大事にしてるのよね・・・。
必見!!

そして、おじさんのキャラと子供のキャラゆえ、全然、重い映画ではないです。
テーマは重いんだけどね・・・。

ライフ・イズ・ビューティフルも、主演・監督でがんばってたけど、
おなじ「ナチもん」なら、こちらの方が、上質でしょ。

☆☆☆☆★




2003年12月08日(月)



 日陰の二人


ケイト・ウィンスレット  他・・。

妻も在り、夫の在る、従兄弟同志の2人が、結婚制度を拒否して「愛?」を貫いた、悲劇


噂どうり、ばか女とばか男の話しって言えばそれだけだ〜。(*⌒д⌒*)アハ
不倫だぁ〜〜〜!まさに。
お互い離婚すればいいじゃん。できない理由なんて、映画の中では見あたらないんだけど・・
いくら、時代背景が、古くても・・。どうも納得いかない。

前半かったるくて、なんだ〜??だったのですが、後半いろいろミエテきました。
これは、もう、見る側<私>の思い?が動いてきたってことで、
ラスト「僕たちは、誰がなんと言おうと夫婦だ!」って言うせりふを言わす作品の意図とはぜんぜん
ちがうんだけど・・・。<なんだ?あれは?あのラストは??純愛映画?だったの?>
そのわりには、お互い、努力が全然みえないんですけど・・・。(・_・) エ?って感じ。

あの主人公、2人は、夢や理念で生きていた・・二人とも全然成熟してなくて
すごく、ネガティブ思考で、まさに「日陰二人」
現実をみてないから、もの足りなさばかり目立って、生に恋愛することすら、女は怖がっていたように思う・・
<その反面、裸体や、出産シーンなど、映像がなまなのが、興味深い・・>
男の学問コンプレックスもすごいし、
いつまで、従兄弟<無性>でじゃれあう、幻想をいだいているのが、なんとも悲劇だよ・・
出産までしてるのにさ・・。
でも、ばか女、理解できたりする私・・・。
今の時代でこそありえないけど、「男性的」パワーって、けぎらいされたから・・。
けして、本質ではないのだけど、活発だったり、利口だったりすることじたいタブーだったわけで
その、反動・反発で、女性的パワーを押さえこむのよね・・・。
女性的パワーって、理屈でなく、現実だから・・・
師範学校もやまちゃうし・・。
そのへん、この2人は、男性的パワーに支配されすぎてたんだと、思うよ。
結果、犠牲は、自然の摂理で産まれた子供達じゃん!!(ノ_-。)ウゥ・・・

「愛」とは、どーしても、思えないんだけど、・・・・・錯覚・・投影・・
だから、「日陰」なのよ・・。




2003年12月07日(日)
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