どうなんだこれは。 - 2012年01月31日(火) ここのところ発表準備やらであんまり寝ていなかったが、 発表も無事終了し、其のひとや別の上司や友人と楽しく飲み。 しかし発表翌日が当直で、疲れがどっと来たのであった。 それが数日前。 正直、面倒なことが多過ぎる。 来年度の勤務先やそこでの人間関係のこと、約束を反古にした同期のこと、 考えれば考えるほど面倒くさくなって、逃げ出したい。 というか、早く終わってしまえばいい。 何て言うか、人生が。 …とまぁ逃避願望と希死念慮が微妙に入り混じった鬱々とした気持ちを ここしばらく抱え込んでいたのである。 ただ数日前の当直日はそれがピークに達しており 身体の疲れもあって随分とダウナー方向に気持ちが傾き。 何とか仕事はできるけれど、これはマズイかもしれない、と思ったので 其のひとに相談してみたのだった。 返事は一言「お前鬱だよ。薬飲む必要まではないと思うけど。」 うーん、ここまではっきり言い切られるとは、と清々しいまでの気持ちになる。 その1時間後くらいに、再び話をする機会があったのだけど 他の人にはいくらでもカラ元気ができるけれど、相談してしまった以上 其のひとに対してカラ元気は通用しなかったし、そんな気力も無かった。 そうしたところ、其のひとの方から「今度サシで飲みに行くか」と言われ。 え、と思いつつ嬉しい半面、実現しなかった時の落胆の方がずっと悲しいのである。 それを考えると複雑な気持ちだったため、自然煮え切らない返事になり。 すると畳みかけるようにこう言われたのだった。 「行きたくないのかよ?俺はお前と飲みに行きたい。」 あ、もう済みません、と謝るしかなかった。 好きな人にここまで言われて、断るなんていくら理性があったって無理。 とはいえ。 私が鬱々としているから同情して励まそうとしているだけなんだろうな、と思い直す。 私は其のひとが好きだけれど、其のひとが私に抱いているものは同じ好意でも、中身が違い過ぎる。 そう言い聞かせ続けていた。し、今だって言い聞かせ続けている。 但し今は混乱しているのである。 理由はあるメールだった。 其のひとは私の翌日に当直だったのだが、夕方から体調を崩し始めており。 しかも翌日は仕事で更に寒いところに行かなければならず。 そして当直は重症例ばかりが押し寄せた様子であり。 要するに、私は其のひとが心配だったのである。 なので体調を心配している旨を伝え、 そこにちらっと先日の相談についての謝罪とお礼を述べておいたのである。 返信は割とすぐに来た(但し私が気付くのは結構遅れたが)。 そしてその返信を見た私は、周囲に誰もいないことを良いことに、思わず奇声を発してしまった。 『好きな人の相談はいつでも受ける』と書いてある…。 何なんだこれは、と思い何度も読み返してしまう。 新手の陽動作戦なのか、と混乱。 ただ嬉しい気持ちが抑えられない、どうしよう、と。 けれど突然冷静になる。 私其のひとに『お前のこういうところ大好きなんだよな』と言われているな、と。 それは異性じゃなくて人として好き、という意味だった訳で。 今回もその意味の可能性は結構高い。 そう思うと嬉しかった気持ちが結構萎んでしまった。 其のひとが私のことを、好きになってくれるなら。 何度も考えた。でも。 私がそれに値しないことを私自身が一番良く解ってる。 悲しいけれど、やっぱり身構えてしまう。 せめて一番傷付かないように、と。 でも私が其のひとを好きな気持ちは変わらない。 一瞬でも、あの嬉しかった気持ちは、本当に大切なものだったから。 だからどうなったとしても、絶対後悔なんかしないのだ。 そのメールには「今度のサシ飲みは期待しておけ」という文も付いていた。 其のひとがどう考えているかは解らないけれど 其のひとが私と話をしたいと思っていてくれている気持ちは解った。 それだけで、十分なんだろう。 - プレゼント - 2012年01月24日(火) どうしようかと悩んでいたのだけど、本人に聞いてみたところ 「クリスマスよりも誕生日がいい」と言われ。 それなら、と予め選んでおいたライターを贈った。 それと私が普段煙草入れに使っている小物入れ。 喫煙所で会った時に「いいなそれ。」と言われたが 私の物は旅行先で買ったものなので、同じものは手に入らない。 ならば、と思い、男のひとでも使いやすそうな、ばね口の小物入れも用意した。 ネクタイ生地でできている。 我々はほとんどスーツを着ることのない職業だから、むしろ新鮮で良い。 それらを全部揃えて。 メッセージを書くためのカードを探したのだが、結局シックな便箋も見つけた。 お互いの勤務を確認して、朝、其のひとが出勤した机の上にあった、というシチュエーションにしよう、と いろんなことを考えて出勤した。 計画を実行しようと考えていた日は、急遽勤務変更で当直になった日だった。 日中仕事はそれほど忙しくなかったのだが、一つだけとある患者さんの処遇だけが気になっていて。 それについて、夕方相談したのだった。 其のひとの返事は「生半可に関わるな」だった。 これまでご家族に直接関わって来なかった者が関わると、ご家族が混乱する。 ここでお前が出てくれば、恐らく今の主治医はお前にこの患者さんを 言い方は悪いが「押しつけてくる」可能性だってある。 そうなれば、お前は傷付く。 俺が出ていくのは、部長としての責任もあるのだから当然。 だけど、俺とお前が根本的に違うのは、俺が男でお前が女だということ。 俺はこういうケースで何度も傷付いてきた。お前に同じ思いはさせられない。 こういう趣旨の答えが返ってきたのだった。 正直、落ち込んだ。 あの宙ぶらりんな状態の患者さんの筋道をつけることが、私がこの患者さんに出来る唯一のことだと思っていたのに。 それをしてはいけない、と言われてしまった。 頭では納得した。其のひとが部下としてなのか、女性としてなのか 解らないけれど私に傷付いて欲しくないと思っていることや 守りたいと思ってくれていること、それはひしひしと感じる。 けれどそこで男女の違いを出されたことに、私は心のどこかで静かな怒りを覚えた。 何よりも絶望した。多分私は誰も救うことができないのだ、と。 当直だけど、実に私の心が不安定な夜になった。 何度もリストカットが頭を過ったが、職場だからと自分に言い聞かせる。 でも何度も泣く。 そんな状態で、朝方まで当初予定していたプレゼントに添える手紙も書けずにいた。 一旦は全くもってプレゼントする気が無くなったのも事実だった。 其のひとへの気持ちが解らなくなってしまったから。 でも少し冷静になった時、やっぱり贈ろうと思って文章を書き始めた。 もちろん短いものだったけれど。 書いていて、思い出した。 私は好きな人に喫煙具を選ぶのが好きだったな、と。 そういう趣旨の言葉も手紙に添えて。そっと其のひとの机に置いたのだった。 その日の朝。其のひとは何も言ってくれなかった。 話しかけてはくるのだけど、プレゼントとは全く関係ない話で。 しかも日中に患者さんが急変したりして、それどころでは無くなったりして 其のひとは何も言ってくれなかった。 手紙は其のひとが時折、ふざけて言ってくる私の呼び名にしていたから まさか私からとは気付いていないのでは、と不安になったが 確かめる術もなく、其のひとからメールが来ることもなかった。 プレゼントの翌日。 休みだったけれど、スライドを作らねばならなかったので職場に行く。 やっぱり其のひとに会ったけれど、他愛もない話が続く。 痺れを切らした私は、結局別れ際に自分から訊く羽目になる。 「置いてあったやつ、見ましたか?」 其のひとは早口で答える。 「見た。超フライングだよな。言おうと思ってたけど。」 そう言って早足で行ってしまった。 フライングというのは、私が手紙に書いた言葉だった。 誕生日よりも前に渡すことになってしまっていたから。 言おうと思ってた、ってもう2日経ってたんですけど。 ていうか言う機会なんか話しかけてきた時に何度もあっただろうに。 そう思うと、可笑しくなった。 あれは照れている。間違いない。 別れたあと、メールをした。 ちゃんとプレゼントに気付いてくれていて良かったという旨の。 ほどなくして、返事が来ていた。 ライターは無くす場合が多いので普段は使わないこと。 小物入れはちゃんと誕生日が来てから使うということ。 其のひとは送られたものを見て、昔を思い出したという。 そして「ありがとう」の一言。 私はライターを好きなひとに選んで贈ることを思い出して 多分其のひとは誰かからライターを貰った時のことを思い出して。 共有できない過去が一瞬、交錯する。 私が書いた手紙の文面を拾ってメールをくれたことが嬉しかった。 そしてこういう、小さな秘密を共有している感じも。全て。 私に切々と言い聞かせる頼るべき上司としての其のひとも、 面と向かって「ありがとう」と言えない少年のような其のひとも、 全て一纏めにして好きだなと思える。 一緒にいられる時間はどんどん短くなるけれど。 一層、愛おしさは増していく。 - - 2012年01月22日(日) あなたに出会えて良かった、と本当に心から言えるのだ。 古い歌謡曲の歌詞そのままの言葉だけど。 あなたは私と自分を「似ている」と言うし 私の感覚を何故か自分と同じもの、として捉える。 私はそれが嬉しくて仕方が無いので 結局あなたに全力で尽くすのだろう。馬鹿な私。 同じ感覚なら感じて欲しい。私があなたに触れたくて仕方がないということを。 この気持ちも同じならいいのに。 けれど結局同じでは無いことを私が知っている。 もし同じ気持ちならば、きっと求め合うのに 結局求めるのは私だけなのだから。 同志、は多分男女にはなり得ない。 -
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