月の輪通信 日々の想い
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2006年05月29日(月) 豆をむく

昨日、ようやく、毎年恒例のお茶会が終わった。
今年のお客様は、80人近く。
心配していたお天気も奇跡的な晴天。お客様の足元を濡らすことなく、工房の新緑をお見せすることが出来て何より。
子どもたちもそれぞれにお役目を果たして、よく働いてくれた。

仕事が終わって、ゆるゆるとけだるさを残したまま後片付けをはじめる。
お茶室のお道具類の乾燥やゴミの始末、点心席で使ったタオルや布巾類の洗濯など、まだまだ仕事は山積み。
「なんだか気合が入らないわねぇ。」と笑いながら、一つ一つ片付けて仕事場やお茶室を少しづつ通常モードに戻していく。
楽しいお祭りのあとのちょっと寂しい脱力感。
宴のあとのけだるい朝をだらだらと味わいながら、仕事を終えた。

夕方、長らく即席ご飯やお急ぎランチで切り抜けた台所で、久々にゆっくりと夕餉の支度。頂き物のグリーンピースで豆ご飯を炊く。家庭菜園で丹精して実ったというその豆は、サヤを割るとぷくぷくとした実がみっちりと手をつないで仲良くつまっていて、青い畑の匂いが春の実りの嬉しさを伝えてくれる。台所のテーブルにざるを持ち出して、次から次へと豆を剥く。
子どもらを呼んで「むいてちょうだい」と頼んだら、にぎやかに楽しい皮むき作業が出来るだろう。
でも、台所に隅に座って一人で、じっくりと豆をむく。そんなゆっくりした時間もおんなじくらい私は好き。
だから今日は、あえて子どもらを呼ばずに一人で豆の皮をむく。

笊いっぱいをおおかた剥き終えた頃、ぱちんと割ったサヤの中から青い豆粒がはじけるように指の間を転がり落ちて、テーブルの下へ見えなくなった。
ちょうど外遊びから帰ってきたばかりのアプコが「うわぁ、お豆さんが走っていった!」と言ってテーブルの下へもぐりこみ、こぼれた豆を拾ってくれた。
「元気なお豆さんだねぇ。豆ご飯にするの?」
アプコはグリーンピースの豆ご飯が大好き。
たくさんお替りして食べてくれるだろう。
ちょっと目を離すと、ぱちんと弾けて駆け出していくグリーンピースの元気さは、ちょうど今のアプコとおんなじ。

「子どもを育てるのと同じで、手抜きはしているが、野菜は自分の力で何とか成長してくれる楽しい存在です。」
菓子箱いっぱいのグリーンピースを送ってくれた人の骨太な手紙の文字が、暖かく嬉しい豆ご飯だった。


2006年05月25日(木) 誕生日

五月晴れの朝。
私の誕生日。
祝ってもらって嬉しい年ではなくなったけれど、誕生日の朝がからりと晴れた青空だととても嬉しい。
5月生まれで良かったと思う。
私を5月に生んでくださった父上様、母上様。
ありがとう。

「で、いくつになったんだったけ?」
今日のランチは父さんのおごりで外食。向かい合って座って、父さんが聞いた。
「さぁ?42?・・・43?・・・44だっけ?父さんは今いくつ?」
「えっと、いくつだったっけなぁ。53?・・・52?うそ、54じゃないよね。」
私と父さんはちょうど九つ半違い。お互いの年齢を比べるときには9をひいたり10を足したりして計算する。それも時々ごっちゃになって、どっちが何歳だか訳が分からなくなってしまう。
とうとう父さんがかばんの中から電卓を取り出して、西暦の引き算をして私の実年齢を計算してくれた。
はぁ、自分の年ぐらい電卓無しで覚えておこう。
でも出来ることなら永遠の30歳あたりで・・・。


2006年05月22日(月) 本分

今日から一週間、オニイ、高校での初中間テスト。
先週はテスト一週間前で、入学後ずっと続いていた部活が全面お休み。怒涛のように始まったオニイの体育会系高校生活もほっと一息という感じか。母にとっても、息子が外が明るい時間に帰宅するのは久しぶりで、むしろ「部活骨休み週間」って感じだった。
今週は朝の弁当つくりもまるまるおやすみ。こちらもちょっとほっとする。

「かあさん、やっぱり高校生の本分は勉強やな。
剣道も大事やけど、僕、もっともっと勉強するわ。」
初日の試験を終えて帰ってきたオニイがしみじみと語る。
ほう、さすがに高校生になると、しっかりしたことをいうようになったなぁ。
・・・なんて感激していてはいけない。
勘の良い母は即座に切り返す。
「で、何の試験が悪かったの。」

「・・・・物理。」
そんなことだろうと思ったよ。
ま、明日も頑張れ。


2006年05月21日(日) 80メートル

秋田でまた小学一年生の男の子の受難。
連日の報道に胸が痛む。
なぜ、幼い命がこんなにあっけなく絶たれるのだろう。
聞けば、自宅のすぐそばの公園で友達の親子と別れてすぐに消息が分からなくなったのだという。
その距離、たったの80メートル。
バイバイと手を振れば見通せる距離。
そんなわずかな間隙にどんな悪魔が潜んでいたのだろう。

「ちょっとおばあちゃんちへいってくるね。」と斜め向かいの工房へいそいそとでかけていくアプコ。
下校途中「おしっこしたいから、先に走って帰るね!」と駆け出すアプコ。
公園で「先に帰るよ!」と呼んでいるのに「お願い!ブランコ、一回だけ!」と帰りを渋るアプコ。
そのとき、私とアプコの間の距離は何メートル?
我が子との距離を「不安」というメジャーで何度も何度も測ってしまう。
いやな習慣がここのところ染み付いてしまって抜け出すことが出来ない。

先日のアプコの遠足のときのこと。
朝、我が家の前のハイキングコースを皆と一緒に通過していったアプコ、しばらくして一人のお友達を連れて駆け戻ってきた。
すぐ先の集合場所で引率の先生から「トイレについて行ってあげて」と頼まれて、お友達を案内してきたのだという。たまたまその場所での引率の先生の手が足りず、仕方なく近所に住んでいて地理に明るいアプコが案内役に起用されたのだろう。
ちょうど私が外に居て、走って戻ってくる二人を見かけたので、「あそこのトイレは汚いし怖いから、うちのを使いなさい。」と自宅のトイレを使わせた。
この日の「トイレ拝借」は合計3回。3回とも先生の引率は無しで、アプコが同じく低学年の女の子と手をつないでやってきた。

先生が指示したトイレはひと気も無く、普段余り利用されていない薄暗い公衆トイレ。たまたま私がアプコの姿を見かけたから自宅のトイレを使わせたけれど、そうでなければアプコはお友達と二人であの公衆トイレに入っていたことだろう。普段から「あのトイレには近づいちゃ駄目よ」と言い聞かせている場所だけにぞっとする。

こんなことでいちいち口うるさく言うのはどうかなぁとためらいつつ、アプコの帰宅後学校に電話を入れた。電話口の教頭先生に状況を話し、トイレを貸したことに苦情ではなく、低学年の女の子だけでひと気の無い公衆トイレに行かせることへの不安を訴えたいのだと念を押した。その時点では教頭先生はこちらの意図する所をちゃんと汲み取ってくださったようだった。多分他の先生方にもちゃんと伝えて置いてくださったのだろう。
後日、学校に顔を出した折に何人かの先生方から「先日はどうも・・・」と声をかけていただいた。たいがいの先生にはこちらの意図は通じているようだったけれど、中にはやはり、自宅のトイレを貸したことへの苦情ととっている先生もあったようで、その辺の危機管理意識の溝はあるなぁと感じた。

ここ数年、幼い子どもが攫われたり、意味も無く突然殺されたり、わけの分からない事件が続く。親が安心して子どもの手を離して歩ける距離がどんどん短くなっていくような気がする。
同じ年齢のときのオニイやアユコには「一人で行ってごらん」と言えた距離が、「ちょっと待って、お母さんも一緒にいくから」と言わざるを得ない距離になる。
「一人で行けて偉かったね。」といえた場所が、「危ないから一人で行っちゃ駄目。」の場所になる。
今回の「トイレ拝借」の事だって、指示を出した先生にとっては「これくらいなら大丈夫」の距離、私にとっては「子どもだけでは行かせられない危険な場所」という微妙な危機意識のズレの問題だったということだろう。

集合場所から公衆トイレまではそれこそ80メートル余り。
この短い距離を「安全」と思えない私は、臆病な母なのかもしれない。


2006年05月19日(金) そ〜ぉ?

昨日に続いてアプコのお話。

父さんのコーヒー用のシュガーポットのグラニュー糖が残り少なくなったので、代わりに小粒の角砂糖をポットいっぱいに詰めてテーブルの上に置いておいた。
「あ、コーヒーの砂糖、角砂糖になったんやね。」
と帰ってきたアユコが目ざとく見つけた。
「うん、かわったんよ」
と答えるのを、傍らでアプコがフムフムと聞いている。その生真面目な様子がおかしかったので、ちょっとからかってやろうと思って
「昨日、新しいお砂糖を入れてね、蓋を閉めるのを忘れたら、一晩で固まって角砂糖になっちゃったのよ。」
といってみた。
アプコ、一瞬目をまん丸にして、ぐっと一息飲み込んでから、
「そ〜ぉ?」
と、のどかなお答え。
決して母のほら話を頭から信じたわけではない。
かといって「うそ!」と直ちに切り返すわけでもない。

近頃、「そ〜ぉ?」はアプコの口癖。
一昔前のおっとりした良家の奥さんのような、のんびりと間延びした響きがなんともかわいくて、母はひそかに気に入っている。

「今日は長袖の上着着ていったほうがいいよ」
「そ〜ぉ?」(アタシは半袖で行きたいんだけど・・・。)

「菓子パン食べる?おなかすいてるでしょ?」
「そ〜ぉ?」(別にそうでもないけど、一応もらっといてあげる)

「アプコの絵、上手ねぇ」
「そ〜ぉ?」(それほどでもないんだけどね、照れちゃうわ。)

言われたことに納得しての返事でもない。
だからといって、「いや!」とむげに拒絶するわけでもない。
「別にいいけどね。」とか「そういう手もあるわね。」とか、ゆるゆると擦り寄るような鷹揚な返事が、おっとりマイペースのアプコらしい。

「角砂糖って、ほんとにサラサラのお砂糖を置いといたら勝手に出来るの?」
しばらく間をおいてから、アプコがおずおずと尋ねてきた。
「まさか、そんなこと」とは思いながら、母のほら話に「もしかして、ほんとに?」というひとかけらの疑念がアプコのなかに残っていたらしい。
「さぁね、どうだかね。」
意地悪い母は、最後までほらの種明かしをしない。

間延びしたアプコの「そ〜ぉ?」をもう一回聞きたくて。


2006年05月18日(木) 一人でもいい

和太鼓の稽古に行く。
明日、小学校のPTA総会でデモンストレーション演奏をさせてもらうので、その最終練習。なかなか出演者が決まらなくて右往左往したものの、ようやく今日全員そろっての練習になった。
太鼓を叩くのはたのしい。
一人で叩いても楽しいけれど、大勢で叩くともっと楽しい。
こういう種類の楽しさを、私は若い時にはあまり充分には味わってこなかったように思う。おばさんの年齢になってから、子どもたちの学校や地域の人とのつながりの中で、こういう楽しみを経験できたということがうれしい。

で、その帰り道。
助手席のアプコが憂鬱そうに話し始めた。
「あのねぇ、おかあさん、このごろだ〜れも遊んでくれないの。休み時間はいっつも一人で遊んでるの。学校行くのちょっと嫌になっちゃう」
はぁ、今さっきまで同じクラスのMちゃんと一緒に仲良く遊んでいたじゃないの。学校の帰りは大勢のお友達とふざけっこしながら楽しそうに帰ってくるし、うちに帰ったら1年生のKちゃんとお互いの家を訪ねあってしょっちゅう遊んでる。
アプコがそんな事で悩んでいるなんて思っても見なかった。

「○ちゃんとはこのごろ一緒に遊んでないの?」
「うん、○ちゃんはいつも×ちゃんと遊んでる」
「△ちゃんとはどう?」
「△ちゃんはいつも一輪車ばっかりしてるから、一緒に遊べないの」
「じゃ、◇ちゃんは?」
「◇ちゃんは△ちゃんの友達だから一緒に遊べないの」
はぁ、なかなか複雑ですね。
特別ケンカしたというわけでもない。いじめられてるとか、仲間はずれにされているというわけでもない。
要するに、自分がやりたいと思う遊びに付き合ってくれる友達がいない。自分に調子を合わせて「遊ぼう」と誘ってくれる友達がいない。そういうことらしい。
末っ子姫のアプコはオニイ、オネエにちやほやされて、自分のペースにあわせて遊んでもらう経験が多かった。年下のKちゃんと遊ぶときにはお姉さんぶって遊びの主導権はアプコが握っていることが多い。
自分から「遊んで」と声をかけたり、自分の不得意な遊びに付き合ったりするのはアプコの苦手とするところ。
きっとアプコのいう「一人ぼっち」は、そういうことなんだろうと思う。

「どうしたらいいと思う?」
夕食前のあわただしい時間になっても、まだ悩ましげに擦り寄ってくるアプコ。
「自分から『いっしょにあそぼ』って声をかけたらどう?」
そんなありきたりの答えでは解決しそうにないので
「アユ姉ちゃんに聞いてごらん」と振ってみた。
そういえば、今は積極的なアユコだって、ちょうどアプコぐらいの時近所の仲良しさんが転校していってしまって「お友達がいない、学校へ行きたくない」とぐずぐずしていた時期があるはず。

「いいやん、一緒に遊ぶ友達がいなかったら、一人で本でも読んでたら・・・。一人で遊ぶのだって、別に悪いことじゃないしね。」
アユコの答えは単純明快で意外だった。友達を作る努力をしなさいとか、自分から声を書けるようにしなさいとか、お説教めいたことは何にも言わなかった。
「そ〜ぉ?」と納得の行かない顔で首をかしげるアプコ。
確かにね。
いつも元気にたくさんのお友達と一緒に遊べることも大事だけれど、無理してそうしなきゃならないって訳でもない。一人で遊ぶ時間を楽しめることだって決して悪いことじゃない。
そういう発想が、生真面目で社交的なアユコの中に育っていることの意外さが驚きだった。

「ねぇねぇ、おかあさん。明日はKちゃんちに遊びに行くんだよね。」
夕食を済ませて満腹になったアプコは上機嫌でおしゃべりをしている。どうやらアプコの「一人ぼっち」もまだそれほど深刻ではないらしい。
「みんな仲良し」もいい。
でも「一人ぼっち」も悪いことじゃない。
アユコが投げたなぞなぞを、アプコはすぐに忘れてしまうだろうか。
それならそれで、今はよし。


2006年05月17日(水) 眠り姫

中間試験初日のアユコ。
昨日も遅くまで勉強していたらしい。
朝、他の兄弟たちが起きてきて、朝食の食卓につく時間になってもアユコだけがなかなか降りてこない。何度呼んでも「う〜ん」とあいまいな返事が返ってくるだけ。
兄弟の中でもアユコはことさら朝に弱い。
そうでなくても思春期の女の子ってのは、何故だかとっても眠いものだ。
試験勉強で睡眠不足が続けば、朝の寝起きがこじれるのは当たり前のこと。

寝坊したアユコは、とっても機嫌が悪い。
誰に怒っているわけでもない。
ちゃんとやれない自分、「あと5分だけ・・・」とうじうじ布団にしがみついていた自分に腹を立てているだけ。そのことは自分でも良く分かっているくせに、なんだかツンケンしてふくれっつらでご飯を食べる。
のんびり味噌汁の椀をつついているアプコが気に障る。
朝から駄洒落を飛ばすゲンの無神経に腹が立つ。
「はよ、起きろよ」と意見するオニイにむかつく。
こんな日に限ってうまく結うことの出来ないヘアスタイルに苛立つ。
しまいには、どんより曇った空模様にイラつく。
自転車置き場に置かれた邪魔になる移植ゴテを蹴飛ばしたくなる。

そういえばアタシにもこんな時期ってあったよなぁ。
本を読んだり物書きをしたり、夜遅くまで起きて何かごそごそやっているくせに、朝がなかなか起きられなくて、イライラツンツンしていたことが・・・。
大人になってから実家の母に、
「この子はこんなにいぎたなく寝てばかりで、ちゃんと主婦業や母親業が務まるのかしらと心配していた。」とまでいわれたことがある。そんなにしょっちゅう寝坊していたのかなぁ。
「いぎたない」という言葉、「あさましい」とか「ひどい」とか言う意味だと思い込んでいたけれど、さっき調べてみると「寝穢い」という字をあてて、寝ること限定の形容詞だったのらしい。
そういう意味ではまさしく、ある時期私は「いぎたない青春」を生きていたのだろうなぁと思ったりもする。
でも大丈夫。
夜中の授乳もちゃんとできたし、朝の弁当つくりだってちゃんと起きられる大人になったよ。
安心してね、おかあさん。

「いってきます」も言わないで、玄関のドアにぶつかるように走って出て行ったアユコ。
今日は雨降りだから自転車に乗れない。
唇をへの字にまげて、ぽろぽろ零れ落ちる涙をぬぐいもせずに、鬼のような勢いで、バリバリ坂道を下っていったのだろう。
いってらっしゃい、アユコ。
お友達に会う前には、ハンカチで涙を拭いてね。
明日はあと五分、早く起きようね。


2006年05月16日(火) 古式ゆかしい弁当

ゲン遠足。
バスで奈良明日香の遺跡めぐり。
お天気はいまいち。レインコート持参。
おやつは例によって「うまい棒15本」
飽きないねぇ。
今回はなじみの駄菓子屋さんがお休みで15種類のうまい棒を買い集められなかったのが痛恨。
何軒かのコンビニを回ってようやく7,8種類買い集めてきた。やたらカサの高いおやつ包みをリュックに詰め込む。

で、お弁当。
前回の遠足では「ビックリするお弁当」とリクエストがあって、いろいろ考えた末、お弁当箱の底におかずを敷き詰め、上から白ご飯をべったり被せるように詰め込んで、ふりかけで大きなハートマークを描いた。
一見、「え?ふりかけご飯だけの弁当?」というビックリ弁当。
古典的な方法だけれど、面白好きのゲンにはかなりウケた。
「で、今度はどんなビックリ弁当?」
と次を期待されて四苦八苦。

結局「古代のロマンを求めていくのだから。」とこじつけて、今日のゲンの弁当は竹の皮弁当。
頂き物の洋菓子のラッピングに使われていた竹の皮をきれいに洗って、お弁当箱代わりに使う。
大き目の海苔おにぎり。
フライやウインナーなど汁気の少ない定番おかず。
少しだけ古風を意識していつもはあまり入れない筍とにんじんの煮物。
これを竹の皮に包み、細く切った竹の皮の紐できゅっと括る。細い竹の皮にはそれほどたくさんの食材は入らなくて、結局二包みに分けての2段弁当になってしまった。
いつものお弁当ナプキンに包んでも、がさがさと収まりの悪いお弁当包み。
「うまい棒15本」と負けず劣らずカサが高くて、結局ゲンは一回り大き目のリュックに荷物を詰め替えて出かけていく羽目になった。

思うに、むかしの竹の皮弁当には、ウインナーとかフライとかバラバラ散らかるおかずはいれなかったのだろう。
大きなおにぎりにお漬物、くるりと竹の皮に包んで風呂敷包みに入れる。
それが本来の竹の皮おにぎり。
欲張ってあれもこれも入れた「エセ昔弁当」は、ひざの上に広げて食べるには余りにも不安定。「おむすびころりん」にならなければいいけど・・・とちょっと不安。
どうせなら中身もシンプルに、おにぎりオンリー弁当にすればよかったかしらん。

「お母さん!お弁当、面白かったで。」
帰ってきたゲンの第一声。
・・・おもしろかった?おいしかったじゃなくて?
「おむすびころりんにならなかった?」
「うん、大丈夫。」
よかった。
果てさて、次はどんなビックリを仕掛けようか。
懲りない母・・・。


2006年05月12日(金) 耳打ち

連休明けからひどい風邪を引いて、エッフォエッフォと咳ばかりして過ごした一週間だった。
くたびれた。
どーんと滞っている日記の更新は、ぼちぼちに遡りながら・・・。

夜剣道。
早めに仕込んでおいたカレーライスで早めの晩御飯。
ゲンを送って道場へ。
金曜の晩のお決まりコースにオニイが加わらなくなってずいぶんたった。
「前の席、取った!」
小さいトッポの特等席、助手席の取り合いでにぎやかにじゃんけんする光景も見られなくなった。その代わり、助手席に陣取ったゲンが途中の車中でひっきりなしにおしゃべりをしてくれる。
欲しいと思っているクワガタムシのこと、学校であった面白い話、新しく習得した剣道の技の話・・・。
週に一度、母を独り占めしておしゃべりをするドライブの時間をゲンはとても楽しんでいるように見える。

オニイ、来月始めに剣道初段の審査を受けられることになった。
数年前、1級に受かった後、「まだまだ早い。」となかなか受けさせてもらえなかった初段の審査。学校の剣道部で一緒に受けに行かせてもらえるのだという。そのための「形」の稽古を監督のF先生が部活の時間外にじきじきに教えてくださることになった。学校の部活を終えて帰り道に、通いなれたK小学校の道場の大人稽古の場所を借りてF先生の指導を受ける。
部活の後に道場のはしごでは、さぞかしおなかがすくだろうと、今日はでっかいおにぎり持参。自転車でやってきたオニイと合流して、とりあえずのエネルギー補給。

ゲンのけいこをが終わって帰り際、大人稽古に残るオニイの様子をのぞいていたら、監督のF先生となにやらお話をしていた。
小柄でご高齢のF先生、道場の喧騒の中ではオニイの声がよく聞き取れないのか、オニイの肩に手を回し、オニイの口許に顔を近づけて話を聴いておられる。
ちょっと背中をかがめて先生の耳元で喋っているオニイの姿も何だか「おじいちゃんと孫」みたいでほほえましくて、なんだかほんわか嬉しい気持ちになった。へなちょこ新入部員のオニイも、部の道場ではきっと、かわいがってもらっているのだろう。
新しい環境でも、「よき師」「よき先輩」に出会うことができたらしい。ありがたい。

結局、この日大人稽古を終えたオニイが自転車で帰宅したのは10時前。
稽古前に軽く夕食分のおにぎりは食べたというのに、「腹へったぁ!」と大盛りのカレーをがつがつと平らげる。
高校生の食欲って本当にすさまじい。
そういえば最近、オニイは平日家にいる時間がぐんと短くなったので、何だか四六時中「モノを喰ってる」姿しか見ていないような気がする。


2006年05月11日(木) クラス平均

中学、高校ともに中間試験一週間前。
部活動も稽古事もいったんお休み。とりあえず形だけでも試験勉強に専念せよというわけで・・・・。お兄さんお姉さんたちは確かにいつもより遅くまで起きて部屋で何かごそごそやっている様子。
難問問題集に取り組んでいるのか、読みかけの小説本をめくっているのか、プラモの塗装の修正をしているのか、はたまたCD聴きながら涎垂らして居眠りしているのか、母は知らない。
知ろうとしないことにしている。

アユコの今年の担任の先生は、若い体育会系のK先生。
毎年K先生のクラスはテンションが高くて盛り上ると子どもたちにも保護者にも評判がいい。見ているとK先生はいつもパタパタ走り回っている感じでちょっと落ち着かない気もするけれど、その「大人子ども」のような楽しさと「締めるときは締める」厳しさが人気の秘密らしい。
アユコは去年、学年の中でももっとも盛り上がりに欠けるツマラナイM先生のクラスだったので、今年はK先生のクラスのハイテンションに戸惑いながらも楽しんで加わっているようだ。

「Kセンセったらね、パプリカ(赤ピーマン)を知らなかったンよ。
給食にパプリカが出たときね、『わ、これ、めっちゃうまいやん。初めて喰った!』って感激してはるねん。後で他の先生に『パプリカ』って言う名前、訊いてたらしいで。」
アユコが教えてくれるエピソードだけでも、K先生のヤンチャ坊主のようなはじけた先生振りがうかがわれる。

そのK先生が中間試験に向けて面白いことを言い出したという。
みんなが家で試験勉強した時間をきいて積算し、クラスの学習時間の平均を発表するのだという。一人一人の学習時間を公表するわけではない。発表するのは、あくまでもクラス全体の合計学習時間と一人当たりの平均学習時間のみ。
それをあらかじめ決めておいた目標時間と比較したりしながら、「皆でもっと勉強しようよ」と盛り上がっているのだという。
ははぁん、体育会系の先生らしい発想だなぁ。愉快、愉快。

試験勉強なんてあくまでも個人の問題だから、生徒たち一人一人に学習計画を立てさせたり、目標数値を設定したりするのはよくあることだけれど、クラス全員の学習時間を合計したり、平均学習時間を提示してハッパをかけたりする先生、珍しいんじゃないかしら。
「アタシ、昨日は1時間しか出来なかったわ」とホントは何時間も頑張ってたくせにやってないふりをしたり、「昨日は徹夜しちゃった!」とやってもいないのに見栄を張ってみたり・・・。中高生の頃の試験勉強って、どこか個人的に競い合ったり欺きあったりして頑張るものというようなイメージがあったのだけれど、「試験勉強もクラス皆でがんばっちゃお!」という発想が、なんだかあっけらかんとしとしていて、楽しい。
いい先生だなと思う。

「試験勉強なんて、時間さえかけりゃいいってモンでもないよ。いかに集中して要領よくやるかってことさ。」
なんて、分かりきったツッコミはなし。
取り合えず、子どもが部屋にこもって机に向かっていれば、「ああ、勉強してるんだな。」と都合よく解釈したい母ですから。


2006年05月09日(火) たんぽぽ

アプコ、遠足。
本当は先週だったのだけれど雨で流れて本日実施。こんどはいいお天気でよかった。
行き先は毎年恒例、うちの裏のハイキングコース。自宅の前を通って山に入り、アスレティック広場や池のソバのキャンプ場を目指す。今年は1,2,3年生がグループを組んで、スタンプラリー形式でハイキングを楽しむのだという。
うちの前をぞろぞろと歩く小学生の列に手を振る。
「あ、アプコちゃんのおばちゃんや。」と手を振り返してくれる子もいて楽しい。子どもたちの遠足の列を玄関先まで出て見送るのはオニイオネエが小さい頃からの我が家の習慣。
工房の方ではご丁寧にじいちゃんばあちゃんひいばあちゃんまで出てきて手を振って下さることもあるから、これ、まさしく「通過儀礼」ね。
「おかあさん、遠足のときな、お母さんが手を振ってくれるのはうれしいンやけどな、おじいちゃんとかおばあちゃんとか手ェ振ってたらちょっと恥ずかしいねん。」とアプコ。
そうだねぇ。ちょっと恥ずかしいかもね。でも、オニイもオネエもゲンもみんな通ってきた道だ。我慢せよ。

子どもたちの列を見送って「さあ、ごみ当番!」と表に出たら、今行ったばかりのアプコがお友達を連れて走って帰ってきた。
「おかあさん!トイレ、トイレ!」
すぐ上の集合場所で集まっていたら、急にトイレに行きたいお友達が出たという。「アプコちゃん、連れて行ってあげて」と頼まれて、一緒に付き添ってきたらしい。
「はいはい、どうぞ、どうぞ。」と自宅のトイレを貸して戻らせたと思ったら、すぐにまた今度は一年生の女の子を連れてアプコが走って帰ってきた。
「おかあさん、もう一回!」
再びトイレを貸す。
ハイキングコースに家があると、アプコもなかなか大変だ。
(この「トイレ拝借」問題、後でちょっとごちゃごちゃした話になったのだけれど、それはそれとして・・・)

今朝、アプコ、遠足のリュックサックと水筒のほかに大事に持っていったものがもう一つ。
家の傍で摘んだタンポポの綿毛。
連休中、アプコのクラスでは「背の高いタンポポを探す」という宿題が出ていて、昨日アプコは隣の空き地で摘んだ30センチ余りのずいぶん長いタンポポ(の綿毛)を学校へ持っていったのだけれど、残念ながらクラスで一番長かったのは担任の先生が摘んでこられたタンポポだったのだそうだ。
それでちょっと悔しい思いをしたアプコ、昨日は同じ空き地でもっと長いタンポポをみつけようとずいぶん遅くまで探していた。
今朝アプコが持って言ったのは50センチ強のダントツのっぽのタンポポ。
「今日こそは先生に勝てるかも」と喜び勇んで持っていった。
何でも国語の教科書に「たんぽぽのちえ」という単元があって、その中で草むらのタンポポは種を遠くに飛ばすために、周りの草に負けないよう花首がぐんと長くなるというお話を学ぶのだそうだ。
「のっぽのタンポポ探し」はその実地検証。実際タンポポなどいつも見慣れている私も草むらのタンポポがこんなに長い花首を持っていたということに初めて気づいてびっくり。長いものは60センチ以上もあっただろうか。
こういう自然の不思議を実地に経験して学ぶことの出来るアプコは幸せだ。ユニークな宿題を出してくださったM先生に感謝。


2006年05月06日(土) 夫婦の時間

毎年、恒例のバーベキュー大会。
近所のリクレーション施設のロッジを一棟借りて、子どもたちの友達やその家族が集まっての大宴会。
今年は高校生のオニイは剣道の試合があって戦線離脱したけれど、アユコの友達やゲン、アプコの友達家族が集まってくれて総勢26名。
にぎやかな夜を過ごした。

ここ数年、宝塚から家族総出で参加してくれているHさんは、私の養護学校勤務時代の同僚だった人。私と同い年で担当学年もずっと一緒。私が結婚退職した後も、子作りのペースまで似通っていて、我が家の上の3人とH家の子どもたちの学年もぴったり重なっていたりする。
毎年、子どもたちの塾やスポーツクラブの日程をやりくりして、遠路はるばるやってきてくれる。頼もしいお母さんだ。
ロッジにHさん家族が到着したら、毎年の恒例でHさんとともにトッポで近所のスーパーへ飲み物の買出し。その車中で一年ぶりのおしゃべりに興じて楽しかった。

実を言うと、Hさんの家族、旦那さんはもう十数年も単身赴任を続けておられる。Hさん自身は結婚出産後も教職を続けているので、フルタイムの仕事のほかに家事や子どもたちの世話や塾やスポーツクラブの送り迎えなどを一人でエネルギッシュにこなしている。
オニイと同い年の長女のMちゃんが小さい頃からお父さんはいつも仕事先。長期休暇の時くらいにしかお父さんに会えない生活が続いている。
「万年母子家庭みたいなもんよ。」とさらりと笑うHさん。すごいなぁといつも思う。

かたや限りなく職住一致に近い生活を続けている私。
朝から晩まで父さんとはしょっちゅう顔をあわせ、お昼ごはんはいつも一緒。仕事の話も子どもたちの話もご近所の愚痴も、昨夜見たドラマの話もスーパーの特売の話も美術や工芸のことも、一番話をするのは夫である父さん。
夫婦でありながら、茶飲み友達、仕事上の師弟、人生の先輩後輩すべてをかねる父さんの存在はまさにわが半身。数日どちらかが留守にすると、たちまち空回りしてしまったりする。

Hさんに言わせれば「毎日顔をあわせてて、よく飽きないわねぇ」
私に言わせれば「それだけ離れて暮らしてて、よく寂しくないわねぇ。」
お互いの両極端の夫婦生活のあり方に、ともに呆れ、ともに感嘆する。
「旦那が単身赴任してくれてるおかげで私も仕事も続けられているんだしね、ありがたいとも思ってんのよ」
いつも口の悪いHさんが、はにかみながら旦那様への感謝をもらす。
夫婦の絆って言うヤツは、一緒にいる時間の長さだけじゃないんだなぁとしみじみ感じた。

「ごめんなぁ、今年は宿泊無しや」
毎年バーベキューの後はロッジで宿泊していくHさん家族は、今年は夜中にHさん運転のワゴン車で帰っていった。次の朝早くの飛行機でご主人が赴任先に帰ることになっていると言う。
大事な長期休暇最後の夜に、よくぞ遊びに来てくださった。
ありがとうHさん。
また、来年ね。


2006年05月04日(木) 賢い彼女とおばかな彼女

連休の真ん中、今日はおうちモードの日。
オニイは剣道部の練習試合。一年生だけど上級生のメンバーに欠員が出たので出場させてもらえるかもしれないという。重たい防具袋を提げて意気揚々と出かけていった。
ゲンも剣道の朝稽古。連休中は稽古に来る人数も半減するのだけれど、こちらも数日後に試合を控えている。先月末の対外試合で惨敗して「このごろ何だか不調〜」と冴えないゲンだが、気合を入れなおして稽古にのぞむ。
頑張れ。

男の子たちが出て行って静かになったところでアユコが女の子部屋の衣替えを始めた。アユコとアプコ、二人分の冬服を片付け、夏服を引っ張り出して引き出しにしまう。実は私はこの作業が大の苦手。女の子たちの衣装は頂き物のお下がりも含めて数も多いし、作業をしているうちに埃のアレルギーが出てくしゃみの連発になるのは毎年の恒例。ここ数年、ようやくアユコが自分たちの部屋の分の衣替えは自分たちでやってくれるようになって本当に助かる。

ただ、困ったことが一つ。
アユコはたいがい、片付け物や大掃除を始めると、どんどんご機嫌が悪くなる。
「それ、そんな所へ入れたら駄目でしょ!」
「遊んでばかりいないでさっさと自分の分を片付けて!」
「そんなものいつまでもとっておくから片付かないのよ!」
と他の兄弟たちのやり方にダメだししたり、叱ったり。その口調は誰かさんそっくり。結構厳しいことも言っているが、理屈は通っているので誰も反論したり逆らったりすることも出来ない。「わ、ヤバイ。アユコがお片付けモードに入ったぞ。」とばかり首をすくめて、従うふりをしながら隙を見つけてこそこそと逃げ出してくる。
今日のターゲットは当然アプコ。久々に出てきた夏服をうれしそうに胸に当ててファッションショーを始めるアプコに、アユねぇの厳しい檄が飛ぶ。男の子たちのように要領よく抜け出すすべを知らないアプコはアユねぇの叱責を一心に受けて半泣きになる。

「アユコの言うことはいちいち理屈が通ってるから、逆らえんのだよなぁ。」
昼過ぎ、試合から帰ったオニイが女の子たちの攻防を遠巻きに眺めて苦笑する。触らぬ神にたたり無しというやつだ。
「ほんとにねぇ、アユコのお片づけモードはちょっと厳しすぎるね。誰に似たのか知らないけれど。」と他人事のように笑うグウタラ母。
「あはは、我が家の女たちはみんなね・・・」
お、オニイ、わかってるね。そうそう、アタシよアタシ。アユコのいらいらモードは母そっくり。

「ねぇ、オニイ、彼女にするならアユコみたいな理屈のたつ女の子じゃなくて、ちょっとボーっとしてるくらいの女の子を選びなさいね。」
といったら、オニイ、ふんふんと鼻で笑って、でもあんまり同意はしてない様子。
「あれれ、君はしっかり者の賢い系彼女とぼーっとついてきてくれるタイプの彼女、どっちが好き?」
と聞きなおすと
「賢い女」とオニイ、即答。
へぇーそうだったんだ。そういえば、オニイが小さい頃から「ちょっといいな」と思っていたらしい歴代の女の子たちはどの子もかなりしっかり者系。異性に対する好みって意外と幼い頃から作られているものなのかもしれないなぁ。

そこへ「なに、なに?」と首を突っ込んできたゲンに聞いてみる。
「ゲンは自分より賢い彼女とちょっとおばかなくらいの彼女、どっちが好み?」
「えーっ?そりゃ、おばかな彼女。」
これも即答。
何で?と聞いてみたら、
「だって、気楽でええやん、その方がくつろげるって言うか・・・。」
はぁ、そうですか。
ゲンらしいお答えです。

そこへ帰ってきた父さんに「賢い彼女とおばかな彼女、どっちが好き?」と聞くのはやめておこう。
女の子部屋の片付けもようやくひと段落。アユコのいらいら解消にちょっとティータイム。
「かあさん、プリンでもどう?」
タイミングよくブレイクを入れて甘いものを勧めるオニイの要領のよさは父さん譲り。いい男に育ってくれよ。


2006年05月03日(水) 共同作業

朝、オニイは剣道部の練習試合、ゲンはいつもの朝稽古へ。
二人分の防具を車に積み込んで出かけたは良かったが、どうやらゲンの稽古は休みだったらしい。前回用事でサボったので「稽古、休み」の連絡を受けられなかったようだ。たまたま月間予定表も遅れていたし。
途中、M先生も剣道着姿でやってこられて「あちゃぁ、休みだったか。」と頭を掻いておられた。こちらも連絡漏れらしい。
買い物をして帰ったら、今度はオニイからの電話。
こちらも相手校の連絡ミスで試合の日を明日と取り違えていたとかで、今日の試合はなくなったという。仕方が無いので先輩達と近所でやっていたお祭りを見物して帰ってきたらしい。それはそれで楽しかったようだけど。
兄弟そろって剣道でドタキャンを喰らう。
誠に仲のよろしいことで。

なんだかんだで人手がそろったので、懸案だった工房の2階の廊下の床材の張替え作業に取り掛かる。以前傷みの激しかったPタイルの床を業者に頼んでクッションフロアに敷き換えてもらったのだが、今回はそのクッションフロアも傷んできたので張替える。経費削減のため、今度はホームセンターで資材を買ってきてのDIY。
古い床材をはがし、糊跡をきれいに掃除して、新しい床材を敷いて周囲をカットする。工程ごとに子どもたちが代わる代わるやってきて、手伝ってくれた。
床材をはがすのはアユコとゲン。
はがした床材を掃除するのはアプコとゲン。
接着剤を塗るのはオニイとアユコ。
新しい床材を敷いてカットするのは父さんと私。
こういう分業が何となく自然に出来るようになったのはやはりこどもたちの成長のおかげ。ありがたい。
業者に頼めばン万円かかったという張替え作業。素人工事とはいえ、そこそこ見栄え良くしあがったので、満足満足。
何といっても自前の職人さんたちのおかげで、人件費がかからずにすんだものね。子どもが多くてよかったと思うのはこんなとき。
・・・もっとも、この臨時雇いの職人さんたち、養成のための費用はとってもかかってると思うけど。


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