ある大学院生の日記

2005年12月29日(木) インフルエンザの影響

忘年会のついでに研究会に行ってきました。医療とマクロ経済というタイトルに惹かれて、Richard D. Smith, Milton Yago, Michael Millar and Jo Coast, 2005, Assessing the macroeconomic impact of a healthcare problem: The application of computable general equilibrium analysis to antimicrobial resistance. Journal of Health Economics 24(6), 1055-1075. を読んでみましたが、MRSAの影響について静学的CGEを使ってシミュレーションする、という論文で、OLGタイプのものでなかったので、当面の問題意識とはちょと違ったものでした。しかし、アメリカ連邦予算局から「A Potential Influenza Pandemic: Possible Macroeconomic Effects and Policy Issues 」というレポートが出ているように、感染症のマクロ経済効果というのはなかなか興味深い話題のようです。このレポートではインフルエンザのひどい流行がGDPを5%近く下げるとかいう結果が出ていたりします。鳥インフルエンザで鶏肉需要が下がるとかいったレポートを出した生保系経済研究所があったような気がしましたが、その余力をこういうほうに回していただけたらなあ、と思います。

もう一本は、Byung Kwang Yoo, Kevin Frick. 2005. Determinants of influenza vaccination timing. Health Economics 14(8), 777-791. でした。計量手法がときどきよくわかんなかったですが、このYooさん、日本語もしゃべれるんですってさ。



2005年12月28日(水) 「合コンパック」

隣(?)の部屋の方たちと飲みに行きました。2次会の後半以降のうってかわった盛り上がりは非常に楽しかったです。ええ、飲み会ってのは上司の悪口を言ってなんぼのもんですなあ。いや、僕自身の上司のことじゃなくて。



2005年12月27日(火) 湯島の韓国料理

大学時代のクラブの同期と湯島に韓国料理を食べに行きました。入ったら、おじさんがひとりでカウンタで酒を飲んでいて他に誰もいなかったので一瞬ひいてしまいましたが、それはそれとしておいしかったんでいいんじゃないでしょうか。隠れ家っつうんですかね。おじさんの2次会っぽいとも思いましたが。



2005年12月26日(月) 銀座「やまと」

キレイな先輩とかわいい後輩と優秀な先輩といっしょに「やまと」で忘年会をしました。かわいい後輩に店を選んでもらったのですが、なかなか。いったいどうやって見つけたのか不審に思えますが、編集者Yの仕業だそうです。ホントかしら。後輩Tの同性同棲話のオチにはがっかりしましたが、なんつーか、みなさん各所でご活躍のわりに現状にはいたくご不満らしいというのがよくわかりました。ココロザシの高い人はゆうことが違うなあ。膨大に仕事を振られているらしい先輩Sにはほんとに同情(?)しますが。いやしかしなかなかよいところでございました。



2005年12月23日(金) 昴「クリスマスキャロル」

駒込の三百人劇場まで「クリスマスキャロル」を見に行きました。大学のころに一度見たような記憶があるようなないようなところですが、どうも今年でこの公演はおわりなんだそうです(三百人劇場が閉館らしい)。入ってみると聴覚障害者のための字幕があったり、そのための説明会が開かれたり、といったところで、なかなかクリスマスの精神にあった感じのつくりでした。そういえば去年は一人芝居のクリスマスキャロルを見たのでしたが。この物語は話の中身を知っていても、あらためて見ると「ええ話やなあ」となぜか関西弁で思ってしまうところがあるようです。ええはなしやったなあ。

そのあと、日暮里の「和味」で焼き鳥を食べて帰りました。注文してからかなり待たされるのには閉口しましたが、ちょと店が広くなっていたためでしょうか。焼き鳥はかなりおいしいんですが、あれだけ待たされるとちょっとなあ。



2005年12月18日(日) JEPA-COE 2日目

また三宮から1時間ほどバスに揺られて夢舞台へ移動しました。午後のセッションにタイトルが気になる発表がいくつかあったので、そのセッションのはじめから見てみたところ、最初の発表は「高齢化がどうのこうの」というタイトルのわりに高齢化と全く関係のない話で、しかも論旨が一貫しておらず、何が言いたいのかさっぱり分からない発表でした(都内のA学院大学のセンセイだったのに)。2番目の発表が気になっていたのですが、プログラム変更があったらしく、他のタイトルの人が出てきて堂々としゃべり始めたので、慌てて部屋を出て場所を確認し、正しい部屋にいってみたところが、その部屋でも発表が行われておらず、座長が所在無げな顔で座っておられました。とりあえず座って待っていたところ、どうも目当ての発表はキャンセルされ、しかもその部屋の3番目の発表もキャンセルということで、その部屋のセッションはもうおしまい、ということになりました。何がなんだかさっぱり分からないのですが、要するにキャンセル続出でひまちゃんになったので、よほど帰ってやろうと思いました。しかし最後のセッションの最後から2番目のK大学のO先生の発表だけは聞く価値があるだろう、とおもって時間をつぶしました。この最後のセッションの前半がまたよく分からず、「なんでこんな簡単なBarro回帰を自信を持ってとうとうとしゃべるのか?」という疑問を禁じえませんでした。O先生の発表はテーマと結論はかなり興味深かったのですが、問題意識に対する設定があれでいいのかしらん、と思ったので、珍しく質問なんかしちゃいました。日本人同士だったのに英語でしゃべったので伝わったのかどうか心配ですが。あはは。

予想通り帰りのバスは混み混みでした。予約を取っていた自分は偉かったと思います(え?)。三宮では、夏ごろに親会社に戻っていってしまった友人とサシで飲みつつ、近況について大いに語りました。先っちょ研の話とか。彼のツマを見るのも目的だったのですが、寝違えたかなんだかで来られなくってほんとうに残念でした。次回に期待。

しかし、学会に行くとたいがい「むむっ、みんながんばっているな。がんばらねば」と思って帰ってくるのが通例で、今回もそれを期待して行ってみたのですが、意外とその効果が薄かったのにはがっかりしました。なんだったんだ。ナゾ。



2005年12月17日(土) JEPA-COE 1日目

日本経済政策学会の国際学会があるので淡路夢舞台国際会議場に行きました。三宮からバスで1時間くらいなのですが、バスに乗ったら、隣の席の女の子がどうみても入試の面接対策をしていておりました。不審に思っていたのですが、会議場でとある大学の面接が行われておりました。そんなもんなんでしょうか。

午前に全体会合があったので聞きに行ったのですが、驚くほど知ってる人がいませんでした。日本ではかなり長い歴史を持つ学会らしいのですが、こうなるとはまったく予想外でした(全体会合でしゃべってる海外の先生の名前も知らなかったのはもっと予想外でしたが)。しばらくしてA先生がやってきて隣で内職を始めたのですが、他に知り合いが来たようにも思えず、不安が増すばかりでした(A先生が連れてきた院生さんと上司は発見しましたが)。ぼくの発表は午後1番で、とくに何事もなく終わりました。午後の2番目のセッションを聞いて帰ろうかとも思ったのですが、とりあえず懇親会に出てみました。これまた偉そうな先生ばかりで見知った顔もほとんどなく、寂しくもあったのでとっとと三宮に退散しました。うーむ。



2005年12月11日(日) 写真

ちょっと出かけていたのですよ。こんなかんじ。



2005年12月08日(木) 北京飯店で

眉毛が特徴的なおじいさんがうろうろしているなあ、と思っていたら、こういうことだったそうですね。ホンモノだったのですなあ。しかも党首まで来ていたなんて。

中間報告会で全総について行政学的な観点から話をしてみました。相手にウケルだろうとおもって選んだテーマなのに案に相違してほとんど質問もコメントもなく、ちょっとがっかりです。そんなもんなんでしょうか。しかし、財政の役割分担の明確化、とか言ってましたが、もちろん、そういうのがあまりにかけている状態なんでしょうから必要なんですけど、明確化っていってもできないことも多いので、各政府部門が連絡を取り合っていくってコトも大切なんじゃないかなあ、ということを言いたかったのにどうなんでしょうか。やっぱり計画経済の人たちって「契約の不完備性」なんて概念は知らないんだろうなあ…。

行政計画が「計画」ではなくて「合意の積み重ね」であるというのも、契約の不完備の観点から整理できるような気がするんですけどどうなんでしょうかね。簡単に実証に乗りそうにもないんですけど。



2005年12月07日(水) Ethical Economist

一部でうわさのJoseph E. StiglitzによるBenjamin Friedmanの「The Moral Consequences of Economic Growth」への書評ですが、Foreign Affairsのサイトに載ってますね。最初の段落の小見出し「Growth may be everything, but it's not the only thing」が気になるひとも多いようですが、それだけじゃなく大変示唆に富んだおもしろい書評だと思いました。英語が苦手なワタクシはもとの本を読む元気はいまのところないのですが。さて、この書評のなかでは、この部分がきになりましたね。

In a market economy with imperfect and asymmetric information and incomplete markets -- which is to say, every market economy -- the reason that Adam Smith's invisible hand is invisible is that it does not exist.

情報が不完全で非対称であり、不完備な市場のある市場経済−言ってみればすべての市場経済だが−では、アダムスミスの見えざる手が見えない理由は、それが存在しないからである。

もちろん、 Understanding these limitations of the market leads to an understanding of the necessary role of government in promoting growth and making sure that it is the right kind.(市場のこれらの限界を理解すれば、成長を促進するための政府の必要な役割を理解することができるし、それを確実に正しい種類のものとすることができる)なんですけどね。

2次統計に過ぎないGDP成長率で「改革の成果が」とか言ってるひとたちにはぜひ読んでもらいたいところです。


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