恋愛日記



 伝。







隣にいる子は、だぁれ?

あたしが恋に臆病で、
瞬きを繰り返し
目を瞑って顔を逸らしている間に
あなたは。

あの子に先を越されたなんて思わない。
嫉妬心は抑えられないけれど、
それ以上に

あ た し が。



ねえ、
はにかんでゆっくり歩くあなたに、




まだ、




追いつきますか、

あなたに。





走って走って、


電話越しに今日。








好きだと
言いました。








2003年10月27日(月)



 夢。





まだ笑える。

まだ嬉しいと思える。


まだ、生きていける。




君とした約束は
そっと、夜空を照らす星の光。

信じてるから。
きっと、果たしてくれると。


刈り揃えられた芝、
興奮する観客、
熱戦を繰り広げるピッチに、
連れて行って。




未だ其処は行った事の無い場所。




真っ青な空の下、
高高と腕を掲げる君が

綺羅りと

見えた気がした。








2003年10月25日(土)



 鍵。






目を瞑って、
両手でバランスをとりながら
欄干を渡る。

あたしにとって
生きるとはそういうこと。




そっと心に
鍵を掛けて 鍵を掛けて。


ホントウに
あたしを大切にしてくれる人にしか
開けられない。




其処に居るのか
居ないのか。
数字で形成された文字が
あたしの感情を支配する。








世界なんて。

世界なんて。








2003年10月09日(木)



 羊。




此れが生きているという事なら、

余りにも酷い。



涙で滲んだ朝焼けが
網膜に焼き付いて
あいつの顔なんて
見えなくなってしまえばいい。



天から降るのは
酸を含んだ雨水だけで、
あたしが欲しい言葉は
降って来ない。




そうやって、

今日もあたしを孤独に追いやる。


見放された

黒  い  羊  。





2003年10月06日(月)



 偽。





あの不安は何処へ行ったの?

あの情熱は何処へ?


きっと、
生きようとするための口実が必要だったのね。


其れに縋り付いて、
まだ大丈夫だと
言い聞かせていたのね。


種は明かされてしまったよ。



厭世観が募る中、
君の姿は闇に光る。



其のプレーが続く限り、
あたしは生きていけると思うけど



そんなの誰にも保障できない。

ばいばい。






2003年10月05日(日)



 願。




酸素が欲しい。
口の中はカラカラで。
砂漠の上で焼かれているよう。


震えが止まらないの。
其の着信が、
あたしの動きの一切を

止  め  る  。

電池パックを引き抜いて、
闇の中へ押し込めようか。


なのに、
なのに。

返事は





ただ一言。


「違う」


と、

言って?





2003年10月02日(木)
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