水野の図書室
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2020年12月08日(火) 井上荒野『好好軒の犬』

井上荒野さんといえば、父親は作家の故・井上光晴氏。
『好好軒(はおはおけん)の犬』は、ご両親をモデルにしたかのような夫婦のお話です。

夫は小説家で、名前は光一郎。
光一郎にとって小説は革命の手段だった。
けれども運動の矛盾点を批判する小説を書いたことで党から除名された。
せめて自分だけは彼のそばにいようと思う。それが妻でいる理由という私。

夫に知らない女の影が見え隠れしても、私はそんな状況を楽しんでいるかのように想像を膨らませます。
短いお話の中に夫婦だけにしかわからないニュアンスがあり、上手くまとめていると感心します。

   ── ハッ!なんだか上から目線ですみません。

「旨いものっていうのは、本気で作ってあるものだよ」

甘鯛の昆布締めが食べたくなりました。






水野はるか |MAIL
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