水野の図書室
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実りの秋になりました。皆さまも体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2018年07月30日(月) 荻原浩『胡瓜の馬』

胡瓜(きゅうり)の馬とは、お盆のときに仏壇にお供えする精霊馬(しょうりょううま)のこと。
胡瓜で作った馬と一緒に、茄子の牛も置きます。
馬と牛はご先祖様の乗り物。
足の速い馬で来てもらい、帰りは、ゆっくり戻ってもらうために牛なのだそうです。

荻原浩『胡瓜の馬』── お盆の帰省を象徴するようなタイトルですね。
お盆休みに妻子を家に残して、ひとり故郷に帰省する主人公。
40歳を越えて、人生を振り返りたくなる時期に、高3のクラスの同窓会の案内が届けば、思い出さずにはいられないことがあります。

故郷の駅。
懐かしい空と山。
幼なじみの女の子との思い出があふれてきます。
もし、あのとき、連絡が取れたならと考えても、あの日には戻れない。

人生は一度きり。
もしもは、ないのです。


2018年07月25日(水) 荻原浩『ゴミ屋敷モノクローム』

先日、名古屋の「ゴミ屋敷」に強制執行が行われ物品撤去というニュースがあった。
テレビニュースで見た、その家は悲惨な状態で、よくまぁこんなになるまで……と驚き、せつなくなった。
『ゴミ屋敷モノクローム』を読んだばかりだった。

荻原浩『ゴミ屋敷モノクローム』は、苦情を受けた市の生活環境課の職員が、ゴミに埋もれた家を訪れるところから始まる。
家の中の様子と老婆の受け答えが妙に生々しい。

撤去の日。
ゴミが取り除かれていく。
徐々にあきらかになっていく本来の家の姿。
そこには喜びに満ちていたはずの思い出があった。

家の中は、こころの中でもある。

スッキリ片付けられるのは、幸せなことなのです。







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