水野の図書室
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実りの秋になりました。皆さまも体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2016年09月15日(木) 桜庭一樹『じごくゆきっ』

女子高生と高校教師の駆け落ち──ですが、その先生が24歳の女性教師だと、話は違ってきます。

桜庭一樹『じごくゆきっ』は、うーん、よくわかりません。

ふと、自分の高校時代を振り返れば、先生とふたりだけの思い出など全くなく、小さな世界で3年間を過ごしたような気がします。
まして、先生をちゃん付けで呼ぶなんて……衝撃的……。

それでも、この小説を読んだおかげで、高校時代に思いを馳せたのですから、本を読むのは良いものです。


2016年09月14日(水) 奥田英朗『ここが青山(せいざん)』

「人間到る処青山在り」──「じんかんいたるところせいざんあり」
「人間(じんかん)」は世の中のことで、「青山(せいざん)」は墓場のこと。

「世の中、どこにでも骨を埋める場所がある」
つまり、どこへ行っても、やりがいのある事を見つけられるし、自分のいる場所が終の棲家になる──ということなのです。

奥田英朗『ここが青山』を読み終えて、ほっこり。
いい話です。

会社の倒産で失業した夫に代わり、専業主婦だった妻が働きに出ます。
主夫となり、幼稚園児の息子の世話に奮闘する夫は、家事と育児をする日常の中に、日々、新しい喜びを見つけていきます。

妻も夫も明るく前向き。
こういう両親なら、息子も明るくて優しい子に育ちますよ。
サッと夫婦の持ち場を逆転させたふたりに拍手!
切り替えは早い方が良い。どんなことも。



2016年09月10日(土) 道尾秀介『ゆがんだ子供』

短すぎます。
道尾秀介『ゆがんだ子供』は、短すぎて、どう受け止めたら良いのか…。

サラリーマンの私は地下鉄のホームで、不思議な子供と出会います。
最初の会話の「見えるの?」は、子供の姿が見えるのかどうか、ですよね。
そうとしか解釈できないので、次の展開が、ホラー風味たっぷり。

道尾秀介『暗がりの子供』(2016.04.18)を思い出します。
どことなく怖い。


2016年09月08日(木) 桜木紫乃『かみさまの娘』

「短編工場」(集英社文庫)を読み始めました。
2000年代、「小説すばる」に掲載された短編作品から、集英社文庫編集部が厳選した12編のアンソロジーだけあって、人気作家12人が勢揃いです。

最初の作品は、桜木紫乃『かみさまの娘』。
母の死で10年ぶりに実家に帰った奈津子。
霊能者のふりをする母を憎み、18歳で家を出た奈津子に、火葬場で声をかけてきたのは中学時代に母のところに連れてこられた、ひとつ年上の豊だった。


淡々と、ただ淡々と。

様々な感情を抑えているような空気が広がります。


2016年09月01日(木) 東川篤哉『藤枝邸の完全なる密室』

東川篤哉(ひがしがわ とくや)といえば、『謎解きはディナーのあとで』を思い出します。
息詰まる状況でも、ちょっとユーモアがある、この人の作品は気持ちを楽にして読めるのがいいですね。

『藤枝邸の完全なる密室』は、犯人がはじめからわかっている倒叙ミステリー。
叔父の遺産を狙って、唯一の遺産相続人の甥が殺人事件を企てます。
完全犯罪のはずだったのに──。
密室トリックの謎は、意外なことから見破られ、まあ、悪いことはできないのですよ。

「自薦THEどんでん返し」(双葉文庫)の最後が、『藤枝邸の完全なる密室』で良かった。
短編集の作品順は、とても重要。
満足感で本を閉じました。





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