水野の図書室
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実りの秋になりました。皆さまも体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2004年06月20日(日) 唯川恵『プラチナ・リング』

恋愛アンソロジー「LOVERS」(祥伝社文庫)、最後の恋人たちは、管理職とOL。
とくれば、不倫の仲。あー、最も嫌いな恋愛パターンです。不倫ものを読んで、
良かったと思ったことは一度もないですから。特に社内不倫なんて最悪ですよ。
読んでるこっちまで、疲れます。でも、唯川恵だから、何かあるのではないかと、
救いを求めながら読みました。が、結局、不倫愛の結末は哀れです。

不倫が知れて、男は花形部署から子会社に出向し、妻との離婚の条件として
子どもの養育費、慰謝料を背負い、女は会社を辞めて、男の妻に訴えられ、
就職してから貯めた預金を慰謝料としてすべて渡し……それで、幸せですか?
愛する人と一緒に生きていくことにくらべたら、失ったものは大したことないと、
本当に思えますか?
お金だけじゃないでしょ?お父さんがいなくなった子どもの気持ちは?
不倫の代償はあまりに大きいのです。

それにしても、押しかけ不倫の感が拭えず、男の方に同情します。
仕事をバリバリこなすデキル管理職なら、こんな自己中愛OLの誘惑なんて、
スパッと断わればいいのにぃ〜〜。なんとも、後味が悪くて・・。

「LOVERS」の9作品の中で、島村洋子の『七夕の春』が一番胸にしみました。
それと、気づいたのは、ああ、わたしって、つくづくA型人間なんだなってこと。
ふらりとやってくる恋人とか、ある日、突然、出ていく恋人みたいなのは、
受けつけられそうにありません。自己紹介から始まるタイプなんですね。(笑)


2004年06月17日(木) 横森理香『旅猫』

旅先で出会った謎のギター弾きが、突然、家にやって来て、そのまま暮らすことに
なって……というお話。旅猫とは、ギターを抱いた男の子のことなのです。

女の子ひとり暮らしの部屋に転がり込むなら、まだわかりますけど、、、
両親やおばあちゃんまで同居している家に、フツー、転がり込みます?
この家族の器の大きさ?に、まず脱帽です。車で寝泊りしている(家がないのです)
ことなんて、気にならないのでしょうか?それほど、この男の子は素晴らしいの?
無職は置いておいても、住所不定よ・・と、冷めた目でふたりを眺めていたら・・

そっかー、彼のキスは特別だと思う彼女に、改めて教えられました。
この人は特別だと線引きするとき、すでに恋に落ちているんです。
まわりがどう言おうと、彼は旅する猫ちゃんなのね。

予想どおりのラストに、がっかりしたり安心したり。。
ギター弾きの彼に、いろいろオリジナルソングを歌ってもらえたら、彼のことが
もっとわかって、世界観を理解できたような気がします。
まあ、理解はできても、恋人となると……。


2004年06月11日(金) 倉本由布『水の匣』

6月。ジューンブライド。GLAYのTAKURO、CHEMISTRYの堂珍、椎名桔平など、
有名人の結婚が続いていますが。。

人は、どうして結婚するんでしょう…。

なぜ、あなたは結婚したのですか?

なぜ、その人を選んだのですか?

結婚を決めたとき、不安だったことはありましたか?

もう一度結婚するとしたら、同じ相手を選びますか?

結婚して得たもの、失ったものは何ですか?

あなたは今、幸せですか?

── こんな質問に即答するのは難しい・・。
結婚するのに、確固とした理由があったら、かえって嫌かもしれないですね。

『水の匣(はこ)』は、結婚前の繊細な乙女心がテーマです。
結婚を意識するようになった主人公は、初恋の人に会いたくなって、彼が暮らしている
らしい街を訪れます。無性に会いたいのに、住所を調べるわけでなく、発作的とも
思える行動で。そんなんじゃ、会えるわけがないのに、主人公が愛しく思えるのは、
その揺れるこころがよくわかるから。

もし、結婚しなかったら、別の人生だったとしても、ふたつの道を同時には歩けない。
人生に、<もし>はないんです。
結婚してもしなくても、子どもがいてもいなくても、別れることになったとしても、
決断を他人にまかせてはいけませんよ〜。あなたらしく、笑顔でいきましょ♪
あぅぅ、、、自分でも何が言いたいのか、わからなくなってるみたいです。

これから結婚する人には、「お幸せに!」(←強引なまとめ方で、いやはや。。)


2004年06月03日(木) 下川香苗『聖セバスティアヌスの掌』

聖セバスティアヌスは、イタリア・ルネサンス期の宗教画にある青年の名前です。
ローマ帝国でキリスト教が迫害された頃、殉教した兵士だというのですが・・。

物語は、平凡な女教師が、聖セバスティアヌスに似た端正な顔立ちの若い男に
恋をしてしまったことで人生が狂い、復讐しようと新幹線に乗るところから始まります。

あの男(女)に出会わなかったら、こんなはずじゃなかったと思うのは、哀しいですね。
自分の人生ですから、他人のせいにしちゃダメダメ。と、頭ではわかっていても、
危険な男や魔性の女とあぶない恋を選んでしまう、それがヒトの弱さでしょうか。

女教師、寂しかったんですね。なんだか、じーーんときちゃいました。
綺麗な顔の男だからって、聖セバスティアヌスに似てるだなんて、非日常すぎ。
もっと、現実を見ましょうよ!先生!まじめな良い先生なんですから!
気持ちをつなぐために、そんなことしてたから(読んでね)、こうなったまでなのでは。
先生だって、先生だって、いけなかったんですー!

は!すっごく浸ってました。恋の背景がとても丁寧に描かれてるからですね。
こんな恋はしたくないと、誰もが思うでしょう。今は、ね。


水野はるか |MAIL
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