水野の図書室
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実りの秋になりました。皆さまも体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2003年01月31日(金) 小林泰三『十番星』

・・よくわかりません。。
小学生の男の子が、新しい惑星を見つけたと友人に話したことから始まるお話。
いくらSFの世界でも・・十番目の惑星を小学生が見つけるなんて、、あまりに
ムリがあるのでは、、と、少しずつ引いてしまいました。。

ぜんぜん怖くないし・・「十の恐怖」(角川ホラー文庫)の八番目に登場した
ので、この辺でゾゾゾーーとくるんじゃないかと期待しすぎてしまったのかも
しれません。一番怖いと感じたのが、作者名 <<<小林泰三>>> なのです。
去年の今頃、『兆(きざし)』(角川ホラー文庫「ゆがんだ闇」収録、2002.
1.20記)を読んだときの気持ち悪さがよみがえりました。

『十番星』に登場する子どもの名前は、“経津主事司”と“みかぼし(漢字難解)
物也”っていうんですが、なぜこんな難しい名前に?
みかぼし君の話を聞く事になる友人、経津主君の名前、読めますか?
この名前には何かメッセージが隠されているのでしょうか・・よくわかりません。


2003年01月28日(火) 斎藤肇『十年目の決断』

遊びに行った娘が帰って来なかったら、もちろん大変です。両親の心中は察するに
あまりあります。が、帰ってきた娘がふたりに増えていたら……どう理解したら
良いのでしょうか。こんな奇想天外なストーリーのきっかけは何だったのか、作者
に聞いてみたくなりました。

そして、文中に母親の存在感がないのは、なぜ?
せつせつと語る父親の苦悩が伝わってこないのは、なぜ?
ふたりに増えた娘に、まわりの人が気づかないのは、なぜ?

うーむ、なぜ?がいろいろありすぎて、お話を遠巻きに見てる感じです。
(あわわ!作者様、ごめんなさい)←今日も登場

没頭できなかったので、読後感はモワモワ。。
「托卵(たくらん)」─ この言葉だけが暗く残りました。






2003年01月27日(月) 飯野文彦『十年目のウェディングドレス』

ゲームのノベライズ作品を多数手がける作者らしいストーリー。
地獄の門が開いて、人間の生身を喰らうことしか頭にない餓鬼がこの世に押し寄せ
てきたとき、戦うことを決意したマリコ。餓鬼が現れてから10年間、マリコが生き
延びてきた支えとなったのは、10年前に餓鬼を絶滅させるためにこっちから地獄へ
行ったユウジとの約束、“マリコの25歳の誕生日に必ず帰ってくる”というものだ
った。そして、約束の日がきて──。

と、いう世界なんですが、・・んー、あまりワクワクもゾクゾクもありません。。
ゲームのあらすじを読んでる感じ(うひゃん!作者様、ごめんなさい)。

10年間、ある約束を胸に生きるというのには憧れるけど・・どーもねぇ〜、、
どーも、ドゥオモ・・!“あおいの30歳の誕生日にフィレンツェのドゥオモで
待ち合わせよう”・・順正とあおいはその後、仲良く暮らしているでしょうか?
あおい、あの毛皮はマーヴに返したでしょうか?「冷静と情熱のあいだ」(江國
香織&辻仁成・角川書店)に自動リンクしちゃいました。


10年後どこかで待ち合わせる…そんな約束を交わしたことありますか?


2003年01月25日(土) 篠田真由美『十人目の切り裂きジャック』

先週から、十にまつわる恐怖のアンソロジー「十の恐怖」(角川ホラー文庫)を
読んでいるんですが、あまり怖くないんです。。昨日の『十環子姫の首』には
うっとりしたくらいですし。。

今日読んだ『十人目の切り裂きジャック』も、ショッキングなタイトルのわりに
はじめは怖くなくて・・(現実にはもっと怖い事件が多いですよね)。その上、
説明口調な会話が長く続き、ラストは?ラストは?と先を急ぎたくなりました。
セリフが丁寧すぎると、会話じゃなくて解説になってしまって、読む方としては
疲れます。(あぅ!作者様、ごめんなさい。。)

で、ラストに来たら、これがドクンと怖かったですー!
最後のページで結果オーライってことでしょう。残虐なシーンの描写より、残酷な
ことをする人間の心の闇を覗いた時に恐怖を感じるのだと思います。

テーマは違うけど、ウィリアム・メルヴィン・ケリーの『雪掻き』(2002.11.18
記)と並べて、結果オーライ小説ランキング(今、考えた・笑)に入れたいです。




2003年01月24日(金) 五代ゆう『十環子姫の首』

も〜、、トロリトロトロとしたなめらかな文章にうっとりでございます。
五代ゆうと申せば、'91年に『はじまりの骨の物語』で富士見ファンタジア長編
小説大賞を受賞後、富士見ファンタジア文庫に居を構え、富士見ファンには
知らぬもののない作家のおひとりと高く噂は響いていたのを耳にしたことが
ございます。

それはそれは美しい姫の首(顔のことね)を愛する若君のお話。
考えようによりましては、重々しく苦しい状況なれど、妖しく儚く美しい情景へと
瞳の先が結ばれてゆくのでございます。身体のない姫の代わりに、若君が衣の袖に
手を通し、その黒髪を慈しみ撫でるさまなど、恐怖のような浮世の感慨をぬけ、
ただただ、姫と若君のこの世のものとは思えぬ御姿に何かが研ぎ澄まされてゆく
ようでございました。


角川ホラー文庫「十の恐怖」に収録。
では、また明日(みょうにち、って読んでネ☆)


2003年01月20日(月) 井上雅彦『十針の赤い糸』

うーむ、・・ついていけません。

怪物や邪宗の世界なんですが、身近にないせいか(あったら大変!)、
読み慣れないせいか、ど〜も、よくわからないのです。
やはり、恋愛小説体質なのでしょうか?恋愛ものはスラスラ・モグモグ咀嚼でき
ても、こういう独特な世界に踏み込むのは躊躇してしまいます。


決して面白くないわけじゃないので、誤解のないように・・。


2003年01月18日(土) 森真沙子『あと十分』

卒業生を送る会で、祖母から聞いた毬つき唄を歌うことになった演劇部員。
十番までしかないのに、軽い気持ちで十一番を歌ったとき、異界の扉が開き──。

この毬つき唄、意味不明な歌詞が不気味・・考えてみると、昔のわらべ唄って、
リズミカルなわりに何を言いたい歌なのか、よくわからなかったりします。
もし、夜道ですれ違った見知らぬ子どもが「とおりゃんせ」を口ずさんでたら
も〜震えあがりますぅー!

イギリスの伝承童謡であるマザーグースにも、その歌詞の世界をイメージすると、
とても笑顔では歌えないものがたくさんありますね。
例えば、“My mother has killed me, My father is eating me……”
・・な、なぜ、この歌詞で童謡なのよぉ〜マザーグースよ。(泣)

それに比べて、最近のこどもの歌の底抜けの明るさ、ホッとします。
“っさかなっ、さかなっ、さっかなぁ〜〜、、”
怖い毬つき唄を記憶のかなたに押しやるために、「おさかな天国」を頭の中で
再生しております。


2003年01月16日(木) 常盤朱美『十回目には』

唯川恵の次はホラーかミステリだと思っていたあなた、この図書室のことを
よくわかっていらっしゃいます。(笑)恋愛小説のあとは、ホラーやミステリが
読みたくなるんです。恋愛小説では揺さぶられない部分が刺激を待ってるようで。

こんなとき、本屋さんで自然と足が向かうのは、角川ホラー文庫のコーナー。
黒い背表紙がなんとも言えず、ウフッ。。← 傍から見たら、こっちが怖い。
ホラー映画は苦手ですが、読むのはなんとか大丈夫。いつもなら本選びに時間が
かかるんですが、今日はすぐに決まりました。「十の恐怖」(角川ホラー文庫)、
「十」にまつわる11の怖いお話です。
エッ、、なんでお話が十じゃないの?
何か意味があるのでしょうか・・こ、怖い・・。。と、すでにホラーモード。

初めのお話は『十回目には』。
自殺した少女に命を奪われそうになる女子高生のお話。
レレ?怖さを味わう前に読み終わりました。
短編ですから、グッと一気に連れて行ってほしかったんですが・・。
恋愛小説は読み返すたびにせつなさが増しますが、ホラーは一回勝負です。



2003年01月13日(月) 唯川恵『やっと言える、さよならが言える』

「さよならをするために」(集英社文庫)の最後のお話になりました。
女の子の扱い方に慣れている男、信二に出会ったときから恋におちた文恵。
信二の気まぐれにつきあった文恵は……。

なんだか、この短編集に登場する男はみな調子がいいんですよ〜。
いつも、「だって僕のことが好きなんだろう」と目で語っているような男ばかり。
こんなお調子者は、友人なら良くても、恋人には・・ど〜でしょうか?
とは言っても、冷静さを無くすのが恋愛状態なのかもしれません。恋に幼い文恵に
感じたもどかしさは、そのまま、遠い日をなつかしく呼び起します。



「さよなら」は新しい扉を開くためのカギ、そんな思いで本を閉じました。






2003年01月12日(日) 唯川恵『さよならの向こう側』

このところ、タイトルに「さよなら」が続いているのは、さよならをテーマにした
唯川恵の短編集「さよならをするために」(集英社文庫)を読んでいるからです。
それにしても、こう続くと、気が滅入るかと思ってたんですが、そーでもないです
ね〜。逆に、がんばらなくちゃと気合いが入ります。不思議×不思議。。

ひとりの作家が次々に見せるさよなら模様を追っていくと、執念みたいなものを
感じます。唯川恵って、ホントに作家になりたくて作家になったんだ・・なんて。
プロに必要なのは、文章力と並んで執念!と、思いつつ解説をチラリと覗いたら、
阿刀田高も面白いことおっしゃってました。唯川恵のデビューにたずさわった者と
しての喜びもストレートに気持ち良く伝わる素敵な解説。

そこで、今日読んだ『さよならの向こう側』─ さよならと別れの違いをさりげな
く教えられたような気分です。学生時代、付き合っていた弓彦から一方的な別れ
を宣告された梨江。卒業後、クラス会で再会したふたりは……。弓彦、調子がいい
ですよ、、そんなにうまくはいきません。。そして、クラス会の案内状を見てから
の梨江の女心、、わかりますねー。微妙な気持ちの移り変わりにドキドキ。。
楽しく読みました。

じゃ、また明日。


2003年01月10日(金) 唯川恵『背中でさよなら』

友人がカレと買い物しているところにバッタリ出会ったら・・うーん、ちょっと
困ります。なぜか、こっちが照れて、挨拶もそこそこに自分の買い物はやめて
足早に店を出てしまいます。そのカレが自分の元カレだった・・なんて、経験は
ありませんが、もし、そんなことがあったら、どうなのかなぁ〜?フクザツな気分
に違いないですよね。んー、場所にもよるかも。セレクトショップやデパートなら
平気でも、なぜか、スーパーだとココロは乱れそうです。ふたり仲良くカートに
くっついて、じゃがいも選んでたりしたら、もお、フツフツとくるかもです。

過ぎた日の恋心を大切にしている智子が、広志との思い出の雑貨やで偶然会った
後輩の恭子。恭子から聞いていた彼は、広志だった─ わお、、ドラマですよ。
唯川先輩!(先輩じゃないけど・笑)これ、できすぎです!広志、新しい彼女も
同じ店に連れてくのは、どうかと思います。智子と広志の出会いと別れに、胸の
奥がチクチクするお話。


さよならも告げずに何となく疎遠になってしまった人をふと思い出しました。
お元気ですか? わたしは今日も元気です。



2003年01月08日(水) 唯川恵『さよならを言わせて』

フー、、こう終わらなきゃ。なんだかすごく感情移入しちゃいました。

好きだという気持ちを隠して、その男性が彼女にあげるプレゼントを用意する
可奈子・・おひとよし(←最近使わないですよねー、死語?)です。
学生時代の友人が宝石店で働いてるからって、電話でプレゼント調達を頼む正樹、
嫌なタイプ・・。可奈子と対照的な同僚の由利、ハキハキしていて好きです。

仕事の人間関係を通じて、可奈子が自分の気持ちを整理していくところが丁寧に
描かれていて、いつの間にか可奈子の背中を押したくなっていきました。
そうそう、これでいいのよーー! 


プレゼントは、ちゃんと自分で選びましょう。
恋人の順番キャンセル待ちは、つまらない。でしょ?






2003年01月07日(火) 唯川恵『さよならの贈り物』

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

2003年がスタートしました。って、はや7日。出遅れた感がありますが、図書室
オープン〜! 今年もたくさんの本と素敵な出会いがあるといいなぁ〜〜。。
そこで、最初に選んだのは、唯川恵「さよならをするために」(集英社文庫)。
んん?新年そうそう、さよならがテーマですかって? YES ! 壊れていく恋を
五つ集めたラブ・ストーリーです。さよなら=涙だけじゃないと信じて読んで
みましょう。何か新しいものに会えそうな予感です。

ページを捲ると、─ まるで、さよならをするために恋をするよう─ と一行だけ。
ハッとしてドキッ。うーん、恋愛小説の匂いがします(恋愛小説だってば!笑)。

第一話は『さよならの贈り物』。ありそうなシチュエーションです。
待ち合わせの店で来ない恋人、修平を待っている麻由子の前に偶然現れた高校時代
の友人、祐司。祐司に誘われるまま別の店に行くと、そこには見知らぬ女の子と
楽しそうに話す修平が──。

きれいにまとまりすぎてるような気もしますが、うろたえる修平の様子が目に
浮かぶようで苦笑。。祐司、カッコ良すぎです。お正月疲れを癒してもらったよう
な、消化のいい軽やかさ。贈り物が何だったかは、ぜひ、読んでみて下さい。


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