水野の図書室
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実りの秋になりました。皆さまも体調に気を付けて今日も良い一日でありますように。


2002年11月30日(土) 綾辻行人『特別料理』

はふぅぅ・・た、短編で良かった・・クラクラ眩暈がします。
綾辻行人=ミステリかと思ったら、ホラーでした・・。

変わったものばかりを食べさせるというレストランに通うようになった夫婦が
究極の食を求めていくお話です。どんどんエスカレートしていくゲテモノ度に
ハラハラ×ソワソワ。あん、読まなきゃ良かった〜気持ち悪い・・と思いなが
らも、読み進むうちにワクワク追加。考えてみたら、普段、ヘンなものを食べ
てることに気づいたり・・タコとか鰻なんて、その全体像を思うと・・。ハイ。

ただのゲテモノ喰いの夫婦で終わらないところが面白いです。この夫、初めは
露骨に嫌な顔をした妻を同じ趣味にしちゃうんですから!すすめ上手ですねー。
そして、このレストランのメニューを小出しにするやり方、お見事です。
「ランクC」から出していけば、誰もが「ランクA」を見たくなりますもん。
知れば知るほど知りたくなります。←探究心が強いのです(欲深い、とも言う)

食についてのエッセイは巷にたくさんありますが、時には、こんな短編小説を
読んでみるのも悪くないかも。眩暈などの副作用がともないますので、食事前、
食事後すぐあとは、避けた方が良いでしょう。食事中は言うまでもありません。


2002年11月27日(水) 浅田次郎『角筈にて』

「角筈」は「つのはず」、新宿・歌舞伎町のあたりを昔は角筈と言ったそうです。
『角筈にて』は、大ベストセラーになった短編集「鉄道員(ぽっぽや)」に収録
されていたので以前読んだことがあったんですが、じっくり読んだら、またまた
涙・涙でした。

東大を出て商社マンとして華々しく活躍し、プロジェクトの失敗で左遷となった男
が、壮行会の帰り道で、幼い頃自分を捨てた父親の姿を見かけたことから半生を振
り返ります。叔父夫婦の家での生活、猛勉強しての東大入学、兄妹のように育った
女性との結婚……企業戦士としての役割から解き放たれたとき、いつも自分の傍ら
で支えてくれていた妻の大きな存在に気づくのです。

涙、涙のお話ですが、ラストの明るさは浅田次郎ならではですねー。
泣かせっぱなしじゃないところが好きです、浅田次郎作品。良かったです。

短編なのに、すっごく満足・・『鉄道員』『ラブレター』は、短編でも映画化されました。
映画にできる短編小説、が浅田次郎を語るキーワードかもしれません。1月に読んだ
『スターダスト・レヴュー』(「見知らぬ妻へ」収録、光文社文庫、2002.1.28記)も、
できたら映画化してほしいです。音楽映画を見たい今日この頃・・。


2002年11月24日(日) 赤川次郎『回想電車』

深夜の電車に揺られる男の前に現れた懐かしい人たち・・昔の恋人、かつての
同僚、ある出来事で出会った親子・・次々に現れて、今は幸せだと話し、微笑み
を残して降りていく人たちを見送る男の胸に去来するものは──。

「短編復活」(集英社文庫)の第一話は、しっとりと始まりました。
優しいリズムを刻みながら電車は走り、夜をくぐっていきます。
そして、その結末は・・哀しく。

ぜひぜひ読んでみてください。




  * * * * * *

今日はいいお天気でした。
TOEICの受験だったんですが、試験会場が暖かくて眠くなりました・・あぅ。。
結果の発送予定は12月24日、、って、クリスマスイブです・・あぅぅ。。


2002年11月23日(土) わたし的には復活とかじゃなくて・・短編集

「小説すばる」が創刊15周年をむかえるそうで、過去に掲載された短編小説群
から16編を集英社文庫編集部が精選した短編集が生まれました!

「短編復活」(集英社文庫)、って、短編小説はそんなに冷遇されてました!?
まぁ、確かに読みごたえがある重い本が売れてましたね〜。上・下2巻いっしょに
持ち運べないような・・。もちろん、長編には長編の、短編には短編の良さがある
ので簡単には比べられませんが、時間がなくて本が読めないとお嘆きの方には、ま
ず一冊、短編集をお買い求めになることをお勧めしたいです。自分の都合に合わせ
て、ちょっとした時間に読みすすめられます。
アンソロジーなら、いろんな作家の作品が読めて、一層面白いですよ。

「短編復活」、そのメンバーは、赤川次郎、浅田次郎、綾辻行人、伊集院静、北方
謙三、椎名誠、篠田節子、志水辰夫、清水義範、高橋克彦、板東眞砂子、東野圭吾
宮部みゆき、群ようこ、山本文緒、唯川恵・・! ワクワク〜です。

帯には「小説すばる15年・157冊から精選。思い出せ、短編の凄、小説の快!」
す、すごい意気込み。○○氏絶賛よりは、いい感じ。わたしにとっては、思い出すとか
復活とかじゃなくて・・。そう、短編小説も短編集も大好きです。その読後感は、
小さくても、厳選した材料を使い、時間と愛情を惜しまずに作った美味しいケーキ
を食べたあとの満足感に似ています。
だからでしょうか、、素敵な短編小説を読むと、胸がいっぱいになるんです。
じゃあ、「短編復活」、赤川次郎『回想電車』から読もうかな〜。


2002年11月20日(水) デイヴィッド・レーヴィット『テリトリー』

「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)の最後のお話です。第1集の
方の最後は、純愛ものかと思ったら兄弟愛がテーマでした。今度こそ純愛かと
期待したら・・ホモの息子とその母親のお話でした・・。山田詠美セレクション
ですから、次から次へ、山田詠美のお気に入りのカフェに連れて行ってもらった
ような感じです。そこで、今夜はホモの息子が登場!

息子と母親の関係論では、「息子の最大の理解者は母親だ」なんて、よく言われ
ますが、どんな息子でも母親ほど盲目的に愛してくれる人はいないんですね。
ゲイのパレードをする息子の後をその親たちがパレードする姿は印象的です。

タイトルのテリトリーには、ふたつの意味があります。自分が暮らす土地など
の見えるテリトリーと、自分だけの精神世界としてのテリトリー。
テリトリーによって罪の種類が違うから、テリトリーが存在するのかもしれま
せん。
訳は井上一馬(かずま)。
せつなさ:☆☆☆☆☆☆   ある意味、純愛・・。
大切なひとのテリトリーを優しく見守りたくなりました。



2002年11月19日(火) 一周年、ありがとうございます。

11月19日! わお!「水野の図書室」一周年です。ありがとうございます。
途中、休んでいた時もありましたが、、、んー、7月8月がポコンと抜けていて
一周年だなんて、ちょっと図々しいかなぁ〜とも思いますが(小心者ゆえ・笑)
ま、いっかーー、一周年ということで、今日は、近況など書いてみようかなと
考えたものの、大したこともなく、ごあいさつとなりました。←前置き長すぎ!

こんな、つらつらと感じるままに書いてる日記を読んでいただき、ホントに心
から感謝、感謝です。再開できたのも、ここまで続けられているのも、読んで
くださるあなたのおかげです。

そして、振り返ると、エッ!?こんなに本読んだ?と自分でも驚いております。
どの作品もタイトルを見ただけで書き出しがわかります。と、言いたいとこで
すが(うひゃ、ごめんなさい)、名シーンは浮かびます。名セリフも、ね。

なんとなく、いろんな人の身の上話につきあったような感じです〜。
これからも、よろしく!誤字は遠慮なく教えてくださいまし・・。
(「森瑤子」、さりげなく瑶子から直しました。謝謝)
じゃ、また明日。


2002年11月18日(月) ウィリアム・メルヴィン・ケリー『雪掻き』

最後の決めゼリフがスパンと決まりました!
シチュエーションは悲しいものなのに、明るさが見えて救われます。
洗練された諷刺を巧く使ったケリーならではの世界ですね。

雪掻きをさせてほしいと頼む黒人少年と、ひとり暮らしの白人女性。
黒人の少年にどう接したら良いか戸惑う女性と、父親から白人の悪口を聞かされ
ていた少年のあわてぶりが、微笑ましくもあり悲しくもあり・・。


「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第十三話は、そうそう・・。
少年の父親が言うことに、うんうん頷きました。笑
訳は浜本武雄。『マルコムX自伝』を訳した方です。

せつなさ:☆☆☆
最後の決めゼリフ:☆☆☆☆☆☆☆

読後感は、サッパリ、スッキリ。そして、追いかけてきたのは憂い・・
のようなもの。


2002年11月16日(土) マンディアルグ『ダイヤモンド』

宝石商の娘サラは、ひとりでダイヤモンドの鑑定をしようとした時、ふとした
はずみでダイヤモンドの中に!鑑定する時は、いつも裸になるサラ。ダイヤ
モンドに閉じ込められた時も裸のままで、そこには裸の男が立っていた──。

幻想的な世界は嫌いじゃありませんが、、、、あまり楽しめません。
ダイヤモンドのような硬い文体に、少し疲れました。修飾も多すぎ・・。
ひんやりした感覚が好きな人には面白いかもしれません。

「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第十二話は、・・疲労感。
訳は生田耕作。

せつなさ:☆
夢見心地になれるかと期待しましたが・・。
あ、フルネームは、アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ。三島由紀夫の
『サド侯爵夫人』を仏訳した方です。

宝石をモチーフにしたものなら、山田詠美の『雨の化石』が良かったです。
(「贅沢な恋愛」収録・角川文庫、2002.3.25記)


2002年11月14日(木) トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』

書き出しで知る悲しい結末・・わたしの好きなスタイルです。
「ぼく」が語る、ある少女のお話・・一年前、この町に来たミス・ボビットは
10歳。普通の子どもらしさはまるでなく、お化粧をしてレディのように振る舞
います。町中の子どもたちも大人たちも、彼女が気になり──。

ミス・ボビットが10歳にして自分の魅力を知っていることに、大人たちは眉を
ひそめたりするんですが、子どもは純粋無垢なものというのは、大人の勝手
な思い込みで、「悪口って一種のお世辞なのよ」と軽く流せるミス・ボビット、
十分魅力的ですー!そして、困惑する大人たち以上に、彼女は大人であり、
大人と子どもの違いって何だろうと、その境界線を探したくなりました。

子どものような大人、大人になれない大人、大人になりたくない大人サイズ
の子どもばかりの世の中のようで・・。

「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第十一話は、寂しい・・。
訳は川本三郎。
せつなさ:☆☆☆☆☆☆
カポーティといえば、『ティファニーで朝食を』。読んだことありますか?


2002年11月13日(水) 内田春菊『夜の足音』

ショックで、しばし呆然・・。
『ファザーファッカー』を思い出しました。ストーリーは全然違うけど、気軽に
人に話せない・・重くて、血生臭くて。。

・・・・・


「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第十話は、気が滅入って・・。


せつなさ:☆
よくここまで書いて下さいました:☆☆☆☆☆☆


体調のすぐれないときは、読まない方がいいかも。
「血」に弱い人、妊娠中の人には、おすすめできません。
恋人の弟に迫られている女性は、ぜひ読んで、危険回避してくださいまし・・。



2002年11月12日(火) 山田詠美『唇から蝶』

!わおぉ・・昨日に続いて、また非日常的恋愛小説でした。
目の前を通り過ぎた女の肉感的な唇に惹かれて、あとをつけた男。振り返った
彼女の「変質者なの?」という問いかけに、男はいきなり結婚を申し込み──
ここまでは、ありそうです。実際、似たような話を聞いたことがありますから。
ですが、結婚してわかったのは、妻の唇は青虫だった、って・・そ、そ、そんな!!
夫の唇が青虫、よりはマシだけど、、う〜ん、いやーん。。やっぱり、夫は昆虫に
詳しくて、子供時代はファーブルに憧れ、博物学者志望だった・・とかなら、
いいなぁー。笑

そこで、この青虫の唇をもつ妻と「ぼく」の奇妙な結婚生活が綴られていくんです
が、山田詠美の文章力の為せる技ですね・・なぜか、ぜんぜん気持ち悪くならな
いんです。そして、いろいろ考えさせられます。わたしが山田詠美のファンなのは、
こんなふうに、考えるきっかけをバーンと見せてくれるからかなと思います。

「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第九話は、せ・つ・な・い。


せつなさ:☆☆☆☆☆☆☆
サブタイトル、“Butterfly Was Born”の方が好き。


2002年11月11日(月) 森瑤子『マンション・ダ・モール』

非日常的な恋愛小説なら森瑤子ワールド、おすすめです(少々、濃厚ですが)。
運命的な男と女、なぜかゴージャスな暮らし、洒落た会話、風のような出会いと
別れ──「ヴァカンス」という、日本人には永遠に無縁なように思える言葉をこ
れほど自然に使えるなんて、本当に森瑤子は特別、稀な作家だったんですね。

そして、主人公の女は自信にあふれ、輝いています。
今年4月に読んだ『東京ステーションホテル』の明子、『わたしの大事な人だから』
の美也子には、その堂々としたやり方にこっちの心臓がバクバクしましたが、今日
読んだ『マンション・ダ・モール』のマリコには、もお!圧倒されました。

ヴァカンスで妻子が留守の間、仕事でパリに残ったジャンの家に雇われたマリコ。
メイドの仕事は、料理と掃除と……。ストレートにぶつかっていくマリコと、心に
傷をもつジャンのひと夏は、愛し合っても愛ではなく、恋しいともどこか違う、
互いに満たされない場所を見つけるための時間だったのかもしれません。

「せつない話第2集・山田詠美編」(光文社文庫)第八話は、ほろにがく・・。

せつなさ:☆☆☆☆☆

女の鎖骨のところのくぼみが性的魅力になるって、渡辺淳一も書いてましたね。
クラビクラ・・でした?


2002年11月09日(土) その後のパソコン

ようやく、家のパソコンが使えるようになりました。
ディスプレイの電源が入らなくなっていたのですが、CRT交換ということになり、
さきほど、新しいものと交換作業をしていただきました。

電源を入れたら、壁紙が・・大好きなアーティストで・・すごく恥ずかしかった
です。「あ、僕もファンですよ」って、素早いフォロー、、ますます、恥ずかし
くなりました〜。

読書日記のはずが、パソコン日記になっております。
とりあえず、その後のパソコン報告でした。
このパソコンが一番落ち着きます。

じゃ、読みかけの本に戻ります。



2002年11月04日(月) お知らせ、その後

パソコンが修理から戻ってきました!
意外に早くて、大喜び、、溜まっていたメールにお返事して、外出。
帰宅して、エンピツ日記を・・と、・・ん?いやーーーん、また電源がっ!?
ディスプレイの電源がまた入りません・・テクノセンター、、休日。。。

と、いう訳で、外のパソコンから書いております。
このパソコン、落ち着かないのです。HPをあちこち覗くのはいいんですが・・
時々、後ろを人が通るのです。。

んー、携帯電話から書き込むこともできるんですが、修正ができないのが難点。
あとから、まとめてupするか、時間を見計らってこのパソコンに来ようか・・

あ、パソコン故障で日記をお休みしていたのに、読みにきてくださっていた方、
ありがとうございます。感謝、感謝です。

では、では。。

寒くなってきましたね。風邪ひかないように・・


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