文ツヅリ
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2005年01月23日(日)
★[ 14.女 ]
※気持ち悪いです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−













どろどろどろどろどろどろ
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
ぬるぬるぬるぬるぬるぬる

入らない「土方さん」いやだ「土方さん」入れて「土方さん」開いて「土方さん」逃げないで
腰を掴んで捩込んだ「土方さん」喚いている「土方さん」悲鳴が逆流してる
(アツイ)
押し出そうとしてる「土方さん」吸い上げてる「土方さん」わからない
(アツイ)
邪魔なんだ「土方さん」体が「土方さん」つっかえてる「土方さん」これ以上
(アツイ)
入らない
それなら
向きを変えて「土方さん」もっと中に
(アツイ)
口にも手を突っ込んだ「土方さん」もっと中に「土方さん」中に中に中に中に中に中に中に中に中に中に中に中に

どろどろどろどろどろどろ
ア ア ア ア ア ア
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
ツ ツ ツ ツ ツ ツ
ぬるぬるぬるぬるぬるぬる
イ イ イ イ イ イ
ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ
ツ ツ ツ ツ ツ ツ
どろどろどろどろどろどろ
ア ア ア ア ア ア
ぬるぬるぬるぬるぬるぬる

おかしいな「土方さん」こんなに突いてる「土方さん」のに
入らないじゃないか
一番奥の「土方さん」心臓はどこだよ「土方さん」入れてよ

ひとつになろうよ「土方さん」ひとつになろう「土方さん」ひとつに「土方さん」ひとつにひとつにひとつにひとつにひとつにひとつにひとつにひとつにひとつにひとつにひとつに












ひとつに。














 ろ
   、





























 ろ
  、










   ど
    ろ
     、







   「土方さん。」










 ろ
  、







   ど
    ろ
     、




「……土方さん?」






       ど ろ  り






「あたしは土方じゃないわよ」















ゴトン。



<終>



2005年01月11日(火)
  【山獄】 malinteso


「頭ちっちゃいなー」

 なんの脈絡もなくそう言うと、背後からポン、と軽く頭に触れた。
 掌。
 それは易々と俺の頭を掴めそうな程。
 俺と同じ年の男なのに、俺より大きく筋張った手。
 それが余りに優しく触るものだから。

「さわんなッ」

 神経質にその手を振り払った。
 あっけなく解けていくのに、感触だけはしっかり置いていった。

「あーあーぐしゃぐしゃじゃねーか」
「――ッ!」

 せっかく払った手がまた、今度は髪の毛に纏わりつく。
 背筋にピリピリと何かが駆け登る。
 悪寒にも似たそれが全身を震わせた。

「やめろっつってんだよ!」

 バシッ、と強く払い落とした。はずだった。
 いきおいよくはなれたとおもったのに、それはゆらりと受け流され、宙に浮いたまま動きを止めた。
 そして、妙に不安げな顔が視界に入ってくる。

「獄寺?」
「うるせェ!」

 会話を断ち切っても、向けられる視線は真っ直ぐ刺さる。目を逸らしても離れない。判ってる。
 いつもそうだ。
 へらへらといつの間にか近付いてきて、気が付けば隣に居る。それも10代目に対してすら、酷く馴れ馴れしい態度で。
 そして俺を見下ろす目は、まるで宣戦布告。

『悪いね、ツナの隣』

 そんな声すら聞こえてきそうだった。
 俺がきつく睨んでやると、へらっ、と顔を崩して宥める様に笑う。
 全くの友達ヅラして、当たり前の様に隣にいる。
 10代目の隣に、いる。



 ヒュッ、と拳が風を切った。
 俺の目は、山本の顔を確実に捕らえている。
 しかし――、



   パシッ



 振り返り様に不意打ちで殴りかかった俺の手は、あっさりと、ヤツの手の中で止められていた。
 どうして、敵わない。

「……ッぶね〜。なんだよいきなり?」

 殴られかけたにも関わらず、拳の代わりに純粋な疑問の言葉を返す山本を。
 その顔を、心底殴りたいと思った。
 突き出した右手が再び強張る。
 それを敏感に感じ取ったのか、山本は受けとめた俺の拳をグッと握り締めて、先に動きを封じた。
 振り払おうともがいても、今度はがっちり掴まれていて腕を振ることすら出来ない。

 圧倒的な力の差。

 腹の奥の方がジンと疼くのを、どうにかして鎮めたくて、軋んだ音が鳴りそうな程、奥歯を噛み締めていた。
 更にギッと睨みつけて、身体の底から声が飛び出していきそうになるのを堪えた。
 だって今、口を開けばきっと、声が震えてしまうから。
 そうやって段々身体中を張り詰めさせていくと、呼吸が不規則な、浅く短いものになる。普通に息が出来ない。
 ふらつかない様にと、足に力を込めて精一杯の虚勢を張った。
 でも、見上げる目が潤んでいたんだと思う。
 そこだけ酷く熱を持っていたし、何より山本が憐れみを含んだ目で俺を見下ろしている。
 そんな目を向けられる筋合いはないのに。
 俺は、弱くなんかないのに。


「獄寺」


 だから、そんな声を出すな。




 もう限界だった。
 手から伝わる熱が、鼓膜に響く声が、俺の神経を逆なでて止まない。
 リズムの狂った呼吸が額に熱を溜める。
 握り締めた掌に爪が刺さる痛みはとっくに消えた。

 限界だ。


「お……ッ前は、何もわかって、ない!」


 喉がヒゥ、と引き攣った音を出した。
 惨めだ。
 こんな格好悪い醜態を、山本なんかの前で。
 目が痛い。鼻がグズグズいう。それでも、涙は流す訳にはいかない、意地でも。
 これ以上弱いところを晒す訳には――。



 ゴッ



「だッ!!」
 頭蓋に響く大袈裟な音と、額の衝撃がチカチカと断続的に視界を奪った。
(な、んだ……?)
 そして目の前いっぱいにチラつくのは、山本のニヤけた顔。

 あ。

「てめ……ッ!」
「痛かった?」

 状況を把握するのに時間がかかりすぎた。
 要するに頭突きされた訳だ、俺は。
 条件反射みたいなもんで、怒鳴り散らそうと口を開いた矢先、山本ににっと微笑まれ、労わるかの様に、痛む額を撫でられた。
 自分でぶつけておいて、何のつもりだ。訳がわからない。
 と、瞬きした拍子にすうっと涙が零れていった。
 しまった。
 我慢するの、忘れてた。

 一度流れてしまうと、堪えていた分、余計に溢れて止まらなかった。
 なんてことしやがんだバカ。

「泣くほど痛かったんだな」

 ごめんなー、なんて悪びれもせずに、でも優しく頭をなで、やっぱり髪を梳いて、しまいにゃ抱き寄せられた。
 よしよし、と柔く動く手は、完全に子供をあやす要領だ。
 もう、どうとでもしてくれ。
 脱力した両腕がぶらん、とだらしなく揺れる。
 突っぱねる力は多分、涙と一緒にどこかへ消えてしまっていた。
 それに、ヤツの肩口に丁度眼孔があたって、悔しいけど案外落ち着いた。涙が頬を伝わない。
 泣いてるという確かな自覚を持たないで、目を固く瞑ると、自分からも顔をそこに押し付けた。
 暗闇の中、頭に、顔に、背中に感じる温かさだけが確か。


 気持ちよかった。




*   *   *




 俺と山本は何事もなかったかのように帰り道を歩いた。
 山本は何も聞かなかった。
 数々に口走った言葉の意味も、泣いた理由も。
 本当に俺が頭突き程度の痛みで泣いたと思ってるのか、それはそれでムカつく、けど、まァ仕方ない。
 謎の台詞もわからないままにしておこう。俺の名誉の為に。
 何事もなかったんだ。



 ――少しだけ、隣を許せるようになった以外は。


「でも10代目の隣は許さねェからな」
「……お互い様だろ〜?」

 一瞬間を置いて、でもすぐに豪快に笑い出すと、背中をバシッと叩かれた。
 そうだ、取られないようにしなきゃ。
 まだ完全に認めた訳じゃないんだからな。
 熱が残ったままの重たい目を動かした先で、山本が静かに微笑んでいた。
 なんだよ、と眉を寄せると、人差し指で俺の口許、何かを掬い上げるように撫でた。髪の毛食ってる、って。先に言えっての。
 くすぐったくて、口許を小さく引っ掻いた。
 まったく、油断ならねー。
 こんなにさりげなく痕跡を残していく。
 俺が情にほだされて席を譲る羽目になってしまわないか、それが一番心配だ。




<終>





×‐‐‐‐‐×‐‐‐‐‐×

てゆうのを書いてました。
でもごっきゅん全然弱くないし、こんな簡単に泣きもしなさそうだなあ。ハハッ
ただ私は山→獄より獄→山が好き、マイナスを多量に含んだ気持ちの上で。
しかし山獄ってすごいBLって言葉が似合う気が。笑


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