私的正論。

2006年03月23日(木) 一冊の本のように。

生まれ、ただここにあり、死ぬまで生きる。

本当の、ということを知りたいのならそれは、いつだって多分。
それぞれの心の中にしか、存在しないんだよ。

人は自分が他人に「どう読まれるか」もわからず、ただ。
そこにあり続けるしかない一冊の本。

表紙を引き裂いて重なり合うことは、誰にもできない。
どんなに愛しても。

ただ自分だけはそいつがくたばり天に行ってしまうまで。
いいや、行っても。

消えても。自分の魂が死に、消えてなくなるまで。

その本に書かれてたことを、死ぬまで。



この道行きの支えとする。



生きていけるんだよ。
孤独な日々を。

そういう本がこの世にあった。
こういう奇跡のひとくさりが。

絶望の淵から自分を救い。
この人生に価値をくれたと。

死ぬまで忘れずいられる一冊の本。



誰もが一冊の本。





消えてなくなる?

そうさ。死は唯一の開放で。

しかし死の向こうにはなんにもないから。
すぐに退屈してしまうんだよ。



どんなに狂おしい思いも全ては余興。




これ以上にもこれ以下にもならない今日の。自分の。
このひとくさりを。


このかまびすしい世界にそっと置いて行く。

日々苦しみ。
日々笑いながら唯一無二の存在となっていく。


人は一冊の本。



本当に愛され理解された者だけが。

永遠の命を手に入れる。




そのための、これは、旅。


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桜木



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