私的正論。

2002年02月28日(木) 言葉の話。

憂鬱な知らせが多い。
共感して、少し沈む。

元気の無い御仁には、安らかで満ち足りた休息を願う。
失われたものへは無事の再開を願う。



ここは言葉の世界だから。
書いたことが全てホントウになればいいのに、と思う。

好きな人には幸せになってもらいたい。
イヤなヤツには悔い改めてもらいたい。

卑怯モノの汚れた手は、慌てて後ろに隠したってお見通し。


晴れてる雲の下に居るなら空を見なよ。
大きな月がヨ。



赤ん坊の頃のオマエの瞳はそんなじゃなかった、てヨ。
胸をえぐるよなコトを言う。

けど、その真摯な光に。

おとなしくこうべ垂れて。
桜木は、家に帰ったヨ。





さて、今日は言葉についてな。自習してく。
この、救いにもなればトゲにもなる、厄介なモンについて考えてく。

月の魔法が、消えないうちにナ。




ある所に、一人の女が居た。
そいつは平気でウソをつく女だった。

そしてある所に、もう一人の女が居た。
そいつは簡単に人を信じてしまう女だった。


二人は出会ってすぐに親友になり。
そう。その最強タッグで大勢の人らを傷つけた。



平気でつかれたウソを本気で信じる女。
本気で信用されると知ってて平気でウソをつく女。

そう。それは最悪のタッグ。


善良な乙女心なんざ、そんなクズ女のタッグにかかれば屁でもねェ。

泣きながら駆けてく美しい嬢ちゃんがたの向こう側には。
必ずナ。

そんなヤツらが、居たもんさ。



清純そうな仮面。
純情そうな仮面。

優しげな言葉。
嬉しげな笑顔。

そんなんは、ヤツらが最も得意とするトコのもん。



正直、とか。
誠実、とか。
美徳、とかいう言葉は、どこいっちまった?

他人を平気で蹴落として。
元の主人のケツの温もりが残ってるよな。

晴れがましい金ぴかの椅子にヨ。取り澄まして座ってんのは誰だ?

どこのどいつだ? けったくそ悪ィ。虫酸が走らァ。











で。ナ。
それとは別のある所に、また、一人の女が居た。

その女は。

桜木の言葉の一つ一つを。その全てを。
損なうことなく理解し。
言葉を扱うことに関しては常に誠実をもって、その旨とした。

その女の言葉は、だからこそ最強だった。

その半生においては多く傷つきもしたろうが…。
その女の言葉が他人を無闇に傷つけることだけは、無かったと思う。

なに。傷つくヤツが居たんなら、そいつは。
それが余りにも美しい真実だったせいで。なに。

決してその女のせいじゃ、なかったさ。





言葉。
言葉なんてもん。

桜木の小僧でも扱う。
手足のように。

表情のように。



けど。

平気な顔で嘘をつき。
容易に他人を信じ込み。

あるいはテメエの私利私欲のみ目的に、振り回し。
言ったことの半分も実行しねェで、ヨ。

ホントウは鼻紙より軽ィくせにテトラポットより鈍重な。
意味のねェ自尊心、振り回し。

テメエを慕わねェ人間は人間じゃねェとでも言いたげな。

大きなお月サンの下にさらされた、その醜い顔。





二度と、こっちに向けるな。





言葉ってのは空しい。
言葉ってのは軽い。

けど。

言葉ってのは果てしなく美しい。
言葉ってのは。

命みてェなもん。




だからこそ、だ。

軽々しく扱うヤツが居ると辛い。
軽々しくテメエを飾るのが居ると辛い。

けど。それでもいい。


全てを。テメエの心ン中で。
結果も何もかもさ。引き受けよう、てつもりが、あるんならさ。


そんで、それはさ。
ケージバンをつけました、とかヨ。
メールアドレスを公開します、とかヨ。

そんな簡単なもんと、違うだろ?





意地でも客に水を出さねェカレー屋があって。

そこの主人が言うことにゃ。

「そんなくだらねェカレーは、ウチでは出してない」とヨ。

ま。そんなようなコト。





アタシけなげでしょ。
カワイイでしょ。とヨ。どんなに言いたげでもヨ。

言葉を疎かに使ってるようなんは。

アァ。屁にも劣る。








桜木な。
ちっとしばらく、更新を休むつもり。


言葉をええかげんに。テキトウに。
意味なく他人を攻撃するためにしか使えねェ。
意味なく他人に傷つけられムカつかされるようにしか読み解けねェ。
あるいは意味なく「テメエをいいもんに見せようと腐心する」ことにしか使えねェ。

そんなくだらん事態に心底呆れたもんでヨ。


しばらく休む。

まー。
仕事の方が忙しくなって来た、てのもあるんだが。






ホントウに真摯に言葉を使ってる人らなら。
桜木の言いてェコト。
伝わってる、て信じてる。



そんで。

今日の自習の最後に登場した、誠実な言葉使いな。

その女は。

今は、桜木のヨメになってるよ。



有史以来。
言葉ってモンがどれほど珍重され神聖視され。
今に至ったかを考えれば…。

徒や疎かに扱えるわけがないんだと。家人は言っていた。
その意見に諸手を挙げて賛成の桜木。





言霊に、気持ちこめて。

今日の自習が伝わった人らのために。
その人らのためだけに。

祈るよ。

幸有れと。

祈る。



正しさは必ず誰かの心に届き。
誰かの心打つ。

だから。



心配すんな。

俺はココに居る。

ココに居るから。




だから心配すんな。



2002年02月25日(月) 値打ちのない男に妹はやれない。

ちゅうか。

何だかんだ言ってテメエも日記作家を食いてェんだろう、とか。
言われそうな桜木。

そんなことはないです。

しかしマジメに照れるんで、ほんま頼ンます。
て、エエ年こいてドーテイみてェなこと言うてスンマセン。



サテ。

イロイロと複雑な事情がありやんして。
桜木には、ホントのトコ何人くらいキョウダイが居るのかわからないんだが。

でソノ、何人居るかわからねー、ちゅうても、まー。
いわゆる「腹違いのキョウダイ」、てヤツなんだけどヨ。


中でも、たまッたまの偶然で知り合った弟は、まだ専門学校の学生で。
その、末(多分)の弟が言うには、大昔に腹違いの妹ってのに会ったことがあるんだと。



腹違いの妹、か。



どんなだった、と聞いた桜木に、末の弟は。
まだちっこくて顔もわかんねかった、と言った。

たく、笑いますよ。オヤジ、頼むよォ、て。

そう言いつつも、末の弟は複雑な表情をしていた。
そらそうさ。

どこかで偶然ヨ。可愛い女の子と知り合って。
互いに母かたの名字を名乗ってる。ンなもん、キョウダイだなんて、わかりっこねェ。

血のつながりが親密さに。別次元の親密さにつながって。
恋に落ちて。


抜き差しならねェ関係になっちまってからヨ。

実はアンタたちキョウダイでした、て言われたらドウナル?




ちゅうか。そんなんは、もう桜木には関係ねェ話なんだけどもヨ。

そんなんより。



この広い空の下に、もしかしたら、桜木の妹が居て。

その妹がどんな風に成長したのか、てのも、わからねェままで。



もしかしたら、その妹がヨ。
とてつもねぇバカ野郎にだまされてたりヨ。

とてつもねぇバカ野郎に惚れちまってたりして…。



万が一不幸にでもなってたら、て思うと。
なんちゅうか。

果てしなく、酒がまずくなっちまうんだ。






出所のハッキリした愛らしい嬢ちゃんがた。

黙ってても幸せになれるだろう、嬢ちゃんがた。

あるいはいろんな悲しみ秘めた、たくましくもケナゲな嬢ちゃんがた。

奥さんがた。


 … 『エンピツ』の中の娘ッコ、て言うてもイロイロ。

たまに新着コーナーか何かで、ブラブラ日記読みに耽ってると。




この子がもし桜木の妹だったら、どうしような? て。

そんな風に思ってしまうことが、良くあるんだよ。





全ての女の子らが幸せになれたらいい。
そうすればきっと顔も知らない桜木の妹だって

幸せに、なってくれるはずなんだから。




オヤジの好き勝手に翻弄された、桜木のキョウダイたち。そして、その母親たち。
恨んじゃいねェさ。
オヤジにもイロイロあったろうさ。

けど。



顔も知らねェ、名前もわからねェ、まだ見ぬ妹を案じるこの気持ちは。
オヤジにはわからねーことだろう。

少なくともオヤジは。
男として為すべき義務を、確かに一つ、怠っていた。





末の弟に、その腹違いの妹が、まだ、ちっこかった、て言われて。
桜木は、ギュウ、て胸を絞られた。

どんなだった。
桜木の妹は。

幸せだったんか。

ヌイグルミのひとつも抱かせてもらってたか。




母さんは優しい人か。
お前を殴るような。

そして。
お前を辱めるような。

くだらねェヨソモンの男を引き込むような。
そんな母さんじゃなかったよナ。

そうじゃなかったと。



けど。

声は届かない。





時折空を見て。

全ての人らの幸せを祈るのは。




大切な人とそうでない人との線引きが。
桜木には。

不可能だからだ。



そういう人間も居る。
そういう運命もある、というコトが。

いくばくかの人に伝われば、それだけで、ちっと嬉しい。






一人でも多くの人間を。
まともな幸せに近づけてくためには、どうすりゃいい?

桜木は無力で。
せいぜいの、ネットの片隅の自習時間で。

むなしく吠えるだけだ。

それでも何かの助けになればとヨ。
吠えるだけで。それでも。



何もしてやれねかった妹が。
せめてくだらねェ男にだまされることがないようにヨ。
せめてテメエの力で幸せに近づいていけるように。

やれることをやってくしか。
ねェじゃねーか。ナ?





どの女の子もみんな。

桜木にゃ妹。





だからみんな幸せになれヨ。
くだらねェ男に、ひっつかまるんじゃねェヨ。


値打ちのない男に、大事な妹はやれねんだ。
オマエは値打ちのある男なんか。

幸せに出来る男なんか。



テメエの値打ちなんぞ棚に上げて桜木は言うてやるよ。

値打ちのない男に。




この空の下に居るどんな嬢ちゃんも。アバズレさえも。

桜木は。

渡したくねェんだ、てことを。



2002年02月21日(木) 言いたいことの言い方も知らないで。

フーゥ。

今日は一日、暖かかった。さもありなん。二月も、もうじき逃げていかァ。


ま。てな感じで申告やら何やら用事を済ましてヨ。
夕刻家に戻ったら、家人がプリプリしてる。

何でも今日、買い物の途中。
同じ病院で子供を産んだカーサンと、バッタリ出会ったらしい。

いつも仲良さそうで、うらやましいわー。
いいわねえ。あら、今日は、ご主人は? て言われたの。

と、まー。家人。怒り顔さめやらぬ様子で言うもんで。

ンーで? と、桜木は聞いた。

そんだけじゃ、腹立ててる理由が、わかんねーんだけど、とヨ。




家人は桜木を見上げると。
ちっと躊躇して、こう言った。

ようするに。

ようするにね。いつも昼の日中から家族そろって出歩いて。
あなたがたって一体なにもの? て、向こうはさ、思ってるのよ。
そういう雰囲気がね。ぷんぷんしてきたのよ。
コッチが僻んでてそう聞こえたとかそんなんじゃないのよ。
別にそう言われてもかまわないけど。

腹たつのよ。




フム。

と、まー。

ちっとの間、黙り込んでたら。

ただならぬ気配をかぎとったのか、小僧がこっち見る。
子供っちゅうのは敏感。
慌てて家人の所にやって来て、じっとこっち見る。


で。

そう言われたわけじゃ、ねーんだろ?

と桜木が聞くと。

言われたわけ、ないじゃない。
言われたんなら、言い返すでしょ?


とヨ。

キッパリ。お言いなさった。山の神。


そりゃそう。
大変ごもっとも。

確かにこいつ、アホくせェ質問だった。

悪ィかった。


そう。

「言われたわけじゃないんだろう」なんちゅうの。

どっかで聞き覚えのある、ヤなセリフ。

そいつは、そう。

「いじめっこか、いじめっこの親だの」が、良く言うセリフだ。

「別にィ、はっきり、そう言ったことなんてないでしょう?」
「そうよ。アナタをいじめろ、だなんて、あの子はお友達にひとことも言ってはいないのよ」

なんてナ。

け。書いてるだけでヘドが出る。
ゲスなセリフだ。





けど、ま。
なんちゅうか、よーするに。

あれなのナ。

日本人てのは「言いたいことの言い方」ちゅうもんを。

キチッと教わってねーような気がするんだよナ。



例えば下世話な例えで申し訳ねーんだけど。
ミンナでシーンと仕事してるオフィスの午後三時。

突然「プワーン」と漂って来るニオイがある。

ゲ。オレじゃねぇ。アタシじゃないわ。

沈黙の中にて巻き起こる微妙な混乱だ。こいつは困る。
でまー、ニヤケ顔を収めようと試みてシッパイ。

親しい同僚との間には、

「テメエだろ」
「違ェヨ、ダァホ」

いう空気が流れて、ちっと安心できる。

けど。
次にヨ。とうとう。音付きの「やべぇニオイ」が漂って来たとする。


ンー。そのまま黙りこくるか。誰かがその気まずい沈黙を破るか、なんだが。

わりとヨ。

そのまんま、親しい同僚同士だけでクスクス笑い合ってオシマイ、てのが。
ありがちなパターンと、違うんけ?

「今の誰なんだよオイ。二度目こいたらゴメンナサイぐらい言うたらどうなんじゃ」て。

その言い方で、ええもんか。

本人も、止むに止まれずこいたのかもしれねーし。
出物腫れ物所かまわずっちゅう言葉もあるしナ。


ウン。考える。ちっと考え込む。
考え込んで家人にも尋ねたが。

そんなの黙ってるわよ。何か言う方がおかしいわよ。と言う。
まだちっと怒ってる。

で。

そんなん八つ当たりされてもヨ。
何も桜木が悪ィんじゃねーんだが…、と思いかけて、いや、悪ィのかも、と。

ちっと思い直してみたりした。

あのまま気取ったオフィスで固い仕事、続けてりゃナ。
まー。

一緒に居る時間が減るかわり。
よそのカーサンにイヤミたらしいご挨拶を頂くこともなかったのかもしれねーし。



けど家人。
メシ食いながら。

気にすること無いんだから。言う。


もういいの。腹立ててたらバカみたい。
良く考えたら言うとおり。

「言われたわけじゃないんだろ」て。

そのとおり。


けど、4割かた納得いかねぇ風情の家人。
それもそう。

しゃあねェ。
こう言った。


「あのナ、誰もがナ。言いたいことの言い方ってのを、知らねーだけなんだヨ」とナ。


感じたことそのまんま言うたらどうなる。
考えたことそのまんま言うたら。

そら、たいそうアホなことになるってわけ。


いじめにせよ。
人間関係のトラブルにせよ、だ。


「言いたいことの言い方がわかんねかった」ばっかりに。



ちっとばかしのつまんねートラブルが。
じわじわと、まー、くだらねー気遣いと気まずさの波に乗って。

大の大人すら苦しめるんだ。

チビどもなんぞ。どうなるんだろナ。



ちっとばかしのつまんねートラブル、なんてもん。

ほんの少し「言い方」てもんを教えてやれたら。
ほんの少し「言われ方」てもんを教えてやれたら。



大したことにもならねーで。
収拾しちまうかもわからねーのに。


親がこれだもの。
子供もね。

家人がつぶやいた。テレビは「いじめ」を語ってた。






アァ。だから。子供らよ。負けるなヨ。

アホ親どもに、桜木含むこの国のアホ親どもに、何も教えてもらえなくとも。

負けるなヨ。



ホントにヨ。

負けるんじゃねェ。







目に見えねェ暗いもんが覆ってるこの国で。
けど。

桜木は、ここに居て。


明日のための精一杯。
しょうもねぇ自習を続けてっから。

子供らも。負けるんじゃねェ。

袋小路なんざ、アッちゅう間。
けどヨ、じき、大人になっちまうんだ。



ホントにそいつは、ちっと情けない話ではあるんだが。


成長する間もねェほどに…。

アッちゅう間、なんだからヨ。



2002年02月16日(土) 絶望するなら全てを見てからにしな。

全てを見てからにしな。


百年前に書かれた本を読みな。

オマエと同じ理由で首を吊りかけた男の戯れ言が。
そこに書いてあるかもしれねェから。

悔しくねェか?

テメエの力で得たわけでもねぇ命。
しかもオマエは、まだ、何事も成し遂げたわけでもねぇのにヨ。

そうだ。

だからせめて死んでく理由くらいはヨ。

オリジナルで逝けよ。
オリジナルを確かめてから逝け。


世界中の「戯れ言」に。
目ェ通して。それから逝け。



全ての書きモノに。
くだらねェと心の底から唾棄をしてそれから、絶望しな。


死にたくなる気持ちなんて誰にもわからねぇて。
そう考えてしまえば楽になるだろう。

そう。理解されないことはサミシイことだ。
けど。理解されないことは痛快だ。



大丈夫。

オマエの心の中が見えるヤツはいねェから。

大丈夫。

思う存分罵倒していいから。目を開いて何もかも見な。自由だから。



全てその目で見てから。

全てのもんに、くだらねェと叫んでもいいよ。



でヨ。「くだらなくないものを、自分が作ってやる」てヨ。

そういう「起き方」をこそ、してもらいてェもん。




絶望すんのは簡単。
けど。


そういう遊戯は。

メシももらえずに痩せながら。
寒さと空腹に理由もわからずに震えながら。


死んでった赤ん坊の気持ちになってからにしろ。



絶望する前に。

空想の中でいい。


「アウシュヴィッツ」に行ってみろ。
「バンザイクリフ」に、行ってみろ。






アァ。

桜木の小僧が。

「絶望した」

なんてヌカしてたら。






こう言うつもり。

これはその。



覚え書きだよ。



2002年02月13日(水) 日記作家の友人に「アナタならどうするんすか」言われた。

うす。今日はイイ天気なんで散歩に行って来た桜木。

梅が見事だったナ。梅は偉ェ。毎年キチンと咲いて人や虫を喜ばす。


けどナ。

毎月毎日。テメエを喜ばすことも他人を喜ばすことも出来ねェばかりか。
他人にイヤな思いまでさせて平気のツラさらしてるヤツらもおるらしい。



まー、『エンピツ』じゃねぇが。

桜木にも日記書いてる友人が居る。Aとしておく。
ある日Aの受信箱にメールが来た。日記の読者からだ。
丁寧に返事を書いた。

同じ読者から、またメールが来た。
丁寧に返事を書いた。

また来た。
返事。

かれこれ何回かそれを繰り返した。

するとメールでも、個人的な事情について触れるようになり。
Aは正直、困惑もしていたらしい。
聞いてもいないことまで、その読者は話す話す。ちゅうか書く書く。

Aは元々が優しいお人好しなんで、他人を疑うことも知らなかった。
ちゅうかネット初心者だったんで。
ネットやってる人間はみんな、「ヘルプ掲示板の親切な人たち」みてェな。
そういうステレオタイプでとらえてた。

さて。

Aは、その日もノンキな構えで日記を書いてupした。
するとくだんの読者からメールが届いた。

いつもの感想か雑談かと思ってメールを開いた。
Aはアングリと驚いた。

その読者がそれまでの態度から一気に転じ。謎の誹謗人間に変身したからだ。

Aの書いた日記も読ませてもらったが。
ンーな、攻撃されるような内容とも取れねかったヨ。

桜木はこれでなかなかに苦労人なんでヨ。
人並み以上のコンプレックスも抱えとるンで。

「普通の人なら普通に読み流す所で無駄に傷つく、へこむ」いう。
そういうメンタリティも理解できる方だと思ってる。

しかし。

友人の話すメールの内容は、明らかに「言いがかり」と取れるようなもんだった。



でだ。

「アナタならどうするんすか」

て聞かれたんで。



ま。

この『エンピツ』内にもおかしなメールもらってる人らはあるだろうし。

イロイロ考えた。ウン。そういうおかしなメールへの報復手段ナ。




1) 薄ぼんやりと、さらす。

もちろん名前や、当人が持ってるサイト、日記名、アドレスは秘す。
がぁ、メールの内容や、それまでのいきさつについては。
プライバシーに抵触しねー程度に配慮しつつ、全バラシ。

わかる人にはわかる、てヤツだ。けど。それくらいされてもしゃーねーだろ?
メールなら何書いてもイイ、いうのは甘えだろ? 違うか?

一般に、横のつながりが通常以上に多いのが日記界の特徴だ、とAは言ってたが。

そんなら、テメエの親しい日記作家にだけでも、その読者の本性さらしたらいいんじゃねーか?

ま。サーッとヨ。その読者の周りからはお人が引いてくだろうナ?

2) ガーンと、さらす。

いわゆる「ネットバトル」開始。テメエに体力と時間がありゃ、ま、こっちだナ。
そもそも桜木は、この時間と手間がもったいねぇんで、メアドも掲示板も持たねぇくち。
ま。

「スゴイですね。ガンバッテください」

て言われもしなきゃ、

「アホちゃうか。一昨日来やがれやへたれダコ」

とも言われもしねぇ。気楽極楽。音信不通バンザイのスタンス。

ちゅうか。

「中傷じみたメールもらいました」
「こんなん書いてました」

つってよ、けっこう見かけるんだが。

ミナサン温厚ちゅうか、わりにオトナシク相手の話に耳傾けてんのナ。



この不肖桜木。フォントはデカくしねぇ主義だが。

ココは「デカいフォント」のつもりで、まー。読んでくだせェやし。


あのな。




「公開されてる日記への意見」をメールで送る、ちゅうんは、まだイイ。

がな。それとな、

「日記を公開してる日記作家への個人的感情(恨み嫉み)」をメールで送る、ちゅうんは。



全然な。別もんゾ?

なんかヨ。

そのへんを勘違いしてやがるウスラバカどもが、多すぎるんとちゃうんか? ア?




まーアレ。

「おかしなメールもろた」て人。

「理不尽で感情的な意見もろた」て人。

いっぺん、胸に手ェ当てて考えて。




テメエの名誉を。

テメエの力と責任において、守り抜こう、ちゅう意欲があるんならヨ。



誰もが見てる公開の場に。

「正しくお互いの誤解を解きましょう。意見の交換をしましょう」とヨ。

その卑怯モン引っぱり出して、とことん戦え。





「アナタならどうするんすか」て言われて。

桜木は、こう答えた。

「事と次第によっちゃ許さねェ」とナ。

「事と次第によっちゃとことん話し合ってやる」とナ。




但し。

メールではやらねェ。

そもそも、そいつとの関わりが「日記」で生じたんなら。

「日記」あるいは「掲示板」でカタつけるナ。桜木なら。




そもそも不特定多数に向けて書かれたもんを読んでヨ。
テメエの土俵に作者引っ張り込んで、あーもこーもねぇちゅうの。

何様と思ってんだ? 血ヘドが出らァ。ウザったらしくてヨ。




メールも掲示板も。

「不特定多数に向けて書いたことを不特定多数に向けてのみ公開する」

ために。

桜木は置いてねー。




くだらねぇ電波メール。
卑怯モンの脅しメール。

そんなん欲しい、コレクションしたい、てェなら。ともかく。



テメエの名誉。
テメエの実力で勝ち取りてーて思う。

くだらねぇバカどもを。
地の果てまで追い込んで泥ン中でうつぶせにしてブッ殺してェ、て思うんなら。



腹決めてヤレと。

その友人には、伝えておいたよ。






ま。

そこまではやらねーだろうけど。



2002年02月11日(月) ネット社会セキュリティ。

完徹のボンヤリまなこで、更新されたミナサンの日記を読んでいた。

と。
ナントこの桜木の日記に文中リンク貼ってくださってる御仁有。

自サイト防御のための情報収集を呼びかける、その内容。
サスガ目の付け所が違いますナ。そう思った。

また、かの氏の文中リンクから。
このしょうもない日記に辿り着いたお方もあるやもしれない。
初めまして桜木いいます。
思い出したようにエディタを開いては。

「日々の無駄な思考を少しでも価値有る自分なりの正論に近づけたい」

などと寝言を言いつつ自習の日記を書き殴っとる人間です。よろしく。




さて。

かの氏のご意見には諸手を挙げて賛同の桜木だが。

果たしてこのネット社会において。
テメエの愛サイトを完全に守り抜くためにはどうすりゃいいのかと。
ちっと冷静になった頭で考えてみた。

泣いているだけでは何も解決しないぞ、セーラームーン。

タキシード仮面もそう言っていた、ような気がする(再放送の影響甚大)。



ちゅうわけで。

ネット社会において愛サイトを守るための方策。

その1は、やはり「敵を知る」だろう。

匿名掲示板の有名どころぐらいにゃ、一度や二度と言わず出かけてみてもらいてーもん。
少なくともテメエのサイトとカテゴリーがぶつかる辺り、覗いてみても損はないだろう。
意外に辛辣な意見、意外に役立つ意見もあって驚くこと請け合い。
テメエにとっちゃ当たり前の文章表現や顔文字、ちょっとした趣味、人間関係。
しかしそういう些細なもんを、必要以上なまでに敵視嫌悪してる人間、てのが居るもんだ。
でまた、ナ。匿名をカサに来て必要以上なまでに他人を攻撃したがるヤツら、てのは。

「ナンにも悪いことしてないのに」

ていう開き直りをこそ、最も嫌悪するもんらしい。勝手な言いぐさだがナ。


で。その2だが。「プライベートな画像はパスワード制で公開せよ」かな。

ちゅうか、意図の読めねー他人にプライベートな写真が晒される、なんての。
良く考えてみりゃヨ、そんなんはネット社会に限ったことじゃねーんだよナ。

新聞の「うちの子自慢」なんつーコーナー見たことある人? で、それ見つつ、

「バッカみたい。ウチの子の方が可愛いのに。出たがり。低能な親」

なんて罵詈雑言吐いたことある人?

な。ネットも新聞も大した変わらねーのにヨ。
ネットだと「さらした方がバカ」みたいに言われるのもヘンな話。
何を見ても何を読んでもケチしかつけねー了見の狭い人間、いうのはどこにも居るもんだ。

でまた、それがネットだとヨ。

「そら、親バカサイト、見てやれ」

とばかりアドレス貼りまくり、イージーに憂さ晴らしまで出来るって寸法。

「荒らしが怖くて子どもの写真貼るの止められるかー」

いう剛胆な方々もおるやもしれんが。
ンー。

桜木なら、まー。
レンタルフォトアルバムサイトで、パスワード制で登録して。
メールを送れるくらい親しい関係の方々にだけ公開、いうのをオススメする。

くだんの友人も「子どもの写真はパスワード制にすればよかった」と悔やんでたそうだ。

「ただの荒らしなら過ぎるのを待てるが、一度バカの所に流れ出た画像は戻らないから」

とな。

カウンターが1万も回ってない内輪サイトの管理人なら、大抵はそんなレベルだが。

結局のトコ、どこをどう巡って悪意のシャワーが降りかかってくるもんか。
そんなもな、誰にもわからねーんだし。

備えるに越したことはねーってわけ。


さて。ではその3な。「サイトを介して、いい友人を作る」。

ウン。端的に言や、「ミソもクソも常識も遠慮もねーアホな知人こそ最大のガン」てこと。

ネット荒らしについてイロイロ情報収集していたら。

「でもアドレス貼る人って、宣伝でやってる人も多いよね」

と言う人有り。
け? あんなオッカネーとこに自分でかえ? ま。耳を疑ったが珍しい話じゃねーとのコト。

で、その人曰く。

「そのお友達も、誰かが良かれと思って貼ったのかもしれないですヨー」

だと。それもごく最近、そういうケースを耳にしたばかりだ、と言う。


なんちゅうか。

「あのヒトのサイトのアクセスを増やしてくれよう」なんちゅうお優しい。

しかしそれと同時に果てしなく「オッチョコチョイ」な人間をヨ。


友人に持たないためには、どーすりゃいいわけか?





桜木にゃ難し過ぎてわかんねーんだけど。

結局のトコ。


「果てしなく世界に向けて公開したい情報」だけを公開し。

「出来る限り信頼できる身内や友人とだけ共有していたい情報」はとことん閉鎖的に。


ていう、ヨ。

この二点を厳重なまでに守り抜くしかねーのかもしれねーよナ。



ただ、じきに「ネット社会オンリーのセキュリティ会社」なんつうもんが設立されて。

気の利いたプロバイダに入会すりゃ。

「荒らし保険」
「アドレス貼付不能機能」

なんてのまで、パッケージになって付いてくる世の中になるのかもナ。





黎明期よりネットに関わってた桜木にすりゃ。

そこまで過保護にされたら、ひたすら「バカ」になってくだけなんでねーか? とも思いはするが。



少なくとも単なるお節介や単なるオッチョコチョイが。
それぞれのプライバシーや交流の場を破壊する、て類の初期トラブルは避けられるのかもしれん。




それにつけてもナ。

アナタの日記は大丈夫なのよね。

なんて言われても。


大丈夫。とも言い切れねーのが、今のネット社会。



ただな。

「誰も見てねーと思って言いてェこと言ってやがるから」とか。
「こんな画像晒してやがるほうが悪いから」とか。

け。悪いヤツほど良く喋る。

「ビートたけしの発言にムカついたから」とか。
「優香があんまり可愛いんで妬ましい」とかヨ。

そんな理由で匿名で中傷みてーなもん書き散らすのと。
どこが違うって言うんだかナ。

ンなもん。結局のとこ、根ッコは同じだろ。




セキュリティとは、また別の話だが。

ネットでイロイロなサイトを閲覧する時は。自分自身にこう問いかけてたい桜木。


「コイツはこの文章で何が言いてェんだ?」
「コイツはこの画像で何を訴えてェんだ?」



少なくとも、だ。

「ソレハ桜木サンに罵倒してほしいからです。キックミー」

てヨ。

んな風に感じられるんでも、ねー限り。

アドレス晒して名指しで中傷してやろう、なんつー気には、なれねェヨ。





ブスのネトア。いいじゃねぇか。
目に余る親ばか。結構じゃねぇか。

他人のアドレス晒して喜んでるヤツらの方がナ。

「このテキストもこの画像も全て自分たちを喜ばすためにupされてる」

と思いこんでる…。


ま。


「救い難ェほどの自意識過剰ども」ちゅうことに、なるんでねーかナ。



2002年02月08日(金) 「馬鹿どもに車を与えるな」と叫んだのは海原雄山だが。

この「車」てのを「ネット」て言い換えても通用するかもしれん。

てェわけで。

すでに「週イチのヒト」となってる感のある桜木だが。
久々にアクセス解析見てオドロイタ。

おいおい。何やらまたもやリンクしてくださった御仁がいらしたか?


すっかりサボリッ放しのこの自習。

エーかげん進級出来ねーのとちゃう? などとまー、自ら危ぶみつつ。




今日の自習は、まー、ネット、てもん。

それってのも、残念な話なんだが。

先日、桜木の知り合いがサイトを閉鎖した。


原因は、まー、アレ。

「匿名掲示板」系のヨ。ツマンネー荒しみてェなもん。



大事なサイト持ってる人らは、気を付けてほしい。

ヒマな人間がウヨウヨブラブラしてるドデカイ掲示板なんかは特にヨ。


一発バシッとアドレス貼られたらアウト。
ああ、削除なんざ間に合わねー。

なんもかんも見せモンにされて。ジ・エンドだ。






インターネットけ。
この桜木も、まー便利に使わせてもらってる。

インターネット様々。
ついさっきも「車を与えるな」て検索したんだが。

まー、ズラーッと出て来る出て来る。海原雄山への言及テキスト!
ドイツもコイツも言いてェこと言ってやがんのは、この桜木と一緒。

一億総ナンチャラ言う言い方はもう古ィ?

けど言わせてもらいてーもん。

今のネット社会ちゅうのはアレな。「一億総コラムニスト」みてーなもん。


てめえのシマさえありゃもう、言いてェ放題。

けど。そんなのは、まだまだ、可愛いもんだ。


「匿名掲示板」に他人のサイトの。

しかも、ごくごく一部の人間に向けたマニアックなサイトのアドレスを、バシリと貼ッつける。




ウン。

そーすっとどーなる?



そこに集まるのは無責任な野次馬の団体だ。

でヨ。

思い入れも知識もねー状態で見る他人の世界ってのは、そりゃー楽しい見せ物だナ?



悪貨は良貨を駆逐する。

そ。

アーて言ってる間に味噌もクソもねー。

リンク先にメイワクがかかったらイヤだと一言告げて。知り合いはサイトを閉鎖した。

思い出も、つながりも。一瞬でパーになった。





「想像力」いうの。

それは優れた人間になら当たり前に備わってる、特別なチカラの名前だ。

なあ。

パソコンいじって、電話回線に金払って、ニホンゴも理解してる連中がヨ。


そんな当たり前のチカラすら持ってねーて。

どーいうコトなんだろうナ?





いくら考えても、ちーとも、わからねーんだけど?






桜木より、その知り合いと懇意だった家人は。

ブラウザがカラッポのページに辿り着いた時。

口に手を当てて泣き出した。




二度と会えねーてワケじゃねぇさ。

けど。

気持ちはわかったよ。





農家のばあさんが儲けナシでやってるような、無人販売のスタンドで。

野菜を投げて、お金を盗って、看板を割って行ったようなものだと家人は叫ぶ。


おばあさんがどんな気持ちでスタンドを片づけたか。

もうやめますとどんな気持ちで紙に書いて貼りだすか。


家人は許せないと泣いていた。




それはデキゴコロでも、あっちゃならんこと。

シロートのアサハカさでも、あっちゃならんこと。







インターネット。

インターネットか。


そいつを操る人間どもは。

CPUほどもキレナイ連中ばかりか。


この回線がつないでんのは情報と情報じゃねー。

人間と人間だ。



くだんの荒しがやったことは。

そのつながりをブッタ切るようなコト。


ほとばしる鮮血がテメエに見えたか?

大切な人たちの涙が見えたか?





「馬鹿」ってもんが。

どんなもんかすら、お前らにはわからんのだろ。


「馬鹿」ってもん。




「馬鹿」ってのはナ。「ウマ」と「シカ」の区別がつかねー連中を言うんだヨ。








インターネットがつないでんのは。

情報じゃねェんだ。




デジタルじゃねェんだ。





こんなしょうもねェ桜木を。

どこぞの御仁達とつないでくれてるもの。



それは何だ?

それは?





情報か?

金の成る木か?


イヤラシイ打算か?



そうじゃねぇよ。チカラ一杯そうじゃねぇと言えるよ。





それは。


人間と人間だろ。

人間と人間を結ぶ、心、だろ?







「匿名掲示板」にも、人間は居るようだ。

けど。

「馬鹿」もまた、大量に居るようだ。






海原雄山じゃねーが。

今日ばっかしは、パクりのセリフ。言わせておくんなせェヨ。






ああ。

「馬鹿どもにインターネットを与えるな」、とよ!


バカヤロウ。ケタくそ悪ィ。


この、大馬鹿野郎が!!



2002年02月01日(金) 「できないこと」を認められないオラが世代、か。

平身低頭、すまんです。

体たらくの自習にマイ登録及びご投票。恐れいりやす。

年明けから妙に忙しくなったのと、まー、いろんな事情てヤツで。
けどそれなりに更新してまいりますんで。
あんじょうよろしく頼んます。


さて物事にゃ。かけ離れた事象の間にも探せば共通点ちゅうもんがございやすナ。

例えば「この頃の若いヤツぁ仕事が出来ねー」てのと。

「この頃の若い親は育児が出来ねー」てのの間にも共通点。


そのことについてちっと考えを述べてみたら家人が納得。
またそれで育児についての悩みが少しラクんなった、とまで言うんで。

そんならと。ココに書き留めとくってわけ。



なんちゅうか。
桜木の世代に限ったことかは知らねーんだけど。

「わからない」「できない」ちゅうのを、認めたくない気分てのがあるのナ。


桜木なんざー、別にヨ。ンーな優等生でもなかったわけだしヨ。
点数どーのこーので他人と比較されて云々で死ぬほど苦しんだでもなくてヨ。

でま、家人にしたって似たようなセーシュンを振り返るわけ。

きわめて気楽な、学生ライフ。
大昔に比べりゃ遊ぶ金もあったろうし。
大昔に比べりゃイイもん着てイイもん食ってたに違いない。


けど。

例えばな。「あの。これがわかりません」て。

オフィス勤めの頃の記憶を紐解いても。そーいう率直なアプローチての?
試みてくれた後輩てのは、あまり居なかった。
たいていな、なんか知らんが、黙ーッてモジモジしてる。
パソコンの前で、黙ーッて、考え事してる。

でヨ。見かねて「お前何してんのよ。早やれよ」言うと。

「あの、これ」て。

「あの、これ。さっきココをこう押したらこうなりました」て。


あのヨ。

ワレ、初めから「スミマセン。おかしくしちゃいました。わからないんで教えてください」てヨ。

言えんのけ?



けど。何もオフィスに限ったことでなく。
ソレと似たよなことが、育児の現場でも起こっているのだと家人が言う。

例えば、赤ん坊のメシの話。乳の話。シモの話。言葉の話。遊びの話。

みんなそれぞれ本なんぞ読んで勉強したり。
雑誌なんぞ読んで研究したり。してるわけ。

しかしまー、そんなもんは机上の空論だったりするもんで。
誰もがみんな、テメエの育児に自信がない。

周りの奥さんらと話しても「ああウチもそうよう」「あらみんなそうなのねえ」ばっかしで。
解決しねーらしい。
結局「みんなそうなのよねえ」てホッとはするものの、つかの間で。
また不安になる。
けど。

「わからないんです。教えてください」

とは言いたくない。言いたくないのらしい。

で、そりゃ誰に? ちゅうと。

なんつーか。保健所だのナ? なんかそーいうのか?
定期健診やら行くと育児相談だの言うて、話聞いてくれるやつナ?

聞けばいいじゃねーの、て言うと、だってなんかヤダ、と言う。

でも、なんでイヤだったのかわからなかった、と家人は言った。
でね、そんなことを「なんかヤだ」で終えてる自分に自己嫌悪してた、と家人は言った。

でも、なんとなくわかったような気がするわ、と家人は言った。

「つまりね、わからないから教えてください、ていうの。言い慣れてないのね?」と。

「あんまりそういうのを素直に言ったことがないんで、言いづらいのかもね?」と。

そういうことなのらしい。



でだ。

桜木自身、ソイツを振り返ってみたらば簡単に思い当たるわけ。
なんかヨ。ただ「さー教えますヨ」ていう顔してる人間を見ただけでヨ。

クルッと背中向けてスタスタと逃げ出したくなっちまうわけ。



でよ。アンタも、心当たりねー?
アンタ、どんなことでもヨ。
わかんねーことあったら素直に「スミマセンわかりませんが」て言える?

て、もし言えるんだったらワリかった。アンタにゃかなわん。アンタが大将。



けど、こう、ヨ。

わりと「あ、オレも言えねーわ」て人。「アタシもよう言わんわ」て人。
多いんとちゃうんかナて。思った次第でありやんす。



なんだろね。

受験戦争とやらの影響かね。
それとも「ココロない殺伐としたガッコウセイカツによる後遺症」てやつかね。

でまた、コレっての。
受験と何ら関わりのなかった、ある意味「落ちこぼれ層」に行けば行くほど。

顕著な傾向なんじゃねーのかな…。て思った次第。




虐待やらヨ。
「すみません、わかりません、教えてください。助けてください」て。

素直に助けを求めなきゃどーもこーもねぇ連中に限って他人の話を聞かねーて。
児童相談所が何回尋ねても居留守だの。
逆ギレして追い返したの、言うよナ?

けどあれ。


よーするに劣等生のコンプレックス無視した優等生のヨ。

なんちゅうか。

傲慢なヨ。

「教えてやるからおとなしく人の言う通りにしろ」ちゅう。そういう。

イヤーな感じが初手から漂ってるが故のことじゃねーのかナ、て思ったら。




虐待する親は擁護しきれねーまでも。
なんか。ちっと。

納得いかねーちゅうか。
そんな気分になっちまった桜木。



オフィスだの。ガッコだの。
いわゆる上下関係。
つまり与える授けられる関係がキッパリ決まってる世界ならともかく。

ひとたぴ子ども作って親になったからには体裁もあるしヨ。
テメエ自身のプライドを守る、ちゅうのも必要なことだしヨ。

それら全て虐待の言い訳にゃならん、ちゅうのはわっかりきったこととしても。

なんだ。ソノ。

「もうちっと上手にやれねーのかな。な、頭のいい人」て。

そんな風に考えちまう桜木。




なんかさ。

どんなにもっともなアドバイスでも。

たいして子どもの年も変わらんヨソのママに。
ちょっと多めに堂々と言われたらムカッ腹のモトよと。家人は言う。


それなのによ。それをね。

子ども産んだことも育てたことも無さそうな。
保健所のお若い職員さんに言われたらねえと。
今更ながら怒りがよみがえって来たようで、家人はちっと興奮気味だった。



「できないこと」を。

認められないオラが世代、と。

「相手のプライドを傷つけないように、できないことを教えるやり方」を。

創造できない、ある層の人々け。




このままいっちゃ、世の中壊れるよナ。ちゅうか。

あー。だから、壊れてるんか?


当時桜木の同級生に。
「わからないのが何処だかわかりません」
て言われてメゲてた、昔の先生がた。

ハテ。
今頃今の子どもらに、どんなこと言われてメゲてるんだろ?


時代は変わったが。

教育か変わったか。
オエライの思想は変わったか。



ここ数日の様子を見てりゃ、政治も変わっちゃいねーよう。
どこから変えられるかは知らねーけども。少なくとも桜木は。


とりあえず「できないこと」「わからないこと」を。

「テメエのプライド傷つけずに教えてもらう方法」から。

家人と二人で、考えてかなきゃならねーみたい。



こんなバカでも少なくとも親だしナ。

子どもにゃ、罪は無いんだから。


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桜木



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