こしおれ文々(吉田ぶんしょう)

◇洞ケ峠を決め込む(一覧へ)
◇とこしえ(前回へ)
◇倒れるなら前のめり(次回へ)

2009年02月17日(火) 吉田サス劇【夏美】(第2部)第17話『2年の月日、似た生き物、開けた扉』


吉田サス劇【夏美】(第2部)

第17話『2年の月日、似た生き物、開けた扉』



俺の最大の短所は
かっこ良くないというより
かっこ悪すぎないことだろう


黙っていて女の子にもてるほど恵まれず
女の子のいない青春を諦めるほど
かっこわるいわけでもない。



良い意味でも悪い意味でも一番になれない



だから
高校生の頃から思い描く華やかな青春、
キャンパスライフの謳歌を
捨てきれないでいるのだろう



そんな俺がたどりついた
手っ取り早く女の子と仲良くなる方法は
ご飯をおごり、
誕生日でもないのにプレゼントをすることだった。



そうすれば二人っきりになるきっかけは生まれ
10回に1回は【その後】に結びつく


金はかかるし確率も低いが
そうでもしなきゃ楽しい大学生活は成り立たない



不思議なもので、
こういう俺と友達になるのは
やはり似たような人間で
男の俺が見たって女の子にもてそうに見えない。


見た目どころか性格までドングリの背比べ


多少明るいか、多少暗いかのどちらかである。


彼女が欲しい・・・というか
定期的に性欲を満たしたい
満たしたいけどなかなか満たせない


悩みまで似てるため
自分もこんな風に見えるのかと思うと
本当にガッカリすることがある


それでもほかに友達がいないため、
俺は自分に似た生き物と同じ時間を過ごす


気がつけば2年の月日は流れていた


都会に目新しい【モノ】がなくなってきた頃
俺自身には何も残っていなかった


身近にあるのは
【友人】という自分に似た生き物と
消費者金融から借りた金


その金も昨日まではもう少し多かったのだが
時間つぶしに入ったスロットに半分くらい吸い取られた


大学にもしばらく顔を出していない


自分自身が腐りかけていることに気づいていても
それをなんとかしようという気持ちがない



そして今日もいつもと変わらない一日のはじまった



昨晩の酒の臭いを感じつつ、
空腹を満たすために牛丼屋に入る


牛丼を待っている間
何気なくいじったケータイが俺の運命を大きく変えることになる。



軽い気持ちで開けた扉は俺を【ある世界】へと導いた



全ての始まりはここだったのか
それとも【夏美】と出会うまで何も始まっていなかったのか


どちらにしろ
俺が俺のままであれば
金属バットで殴られずに済んだのかもしれない。


死なずに済んだのかもしれない。



2009年02月16日(月) 吉田サス劇【夏美】(第2部)第16話『野球部のマネージャー』

吉田サス劇【夏美】(第2部)第16話『野球部のマネージャー』

分かり切っていたことだが
改めて直面するとテンションが下がる


客観的どころか
主観的に自分の才能を評価したって
プロ野球選手になれないことぐらい分かり切っている


県予選のベスト8をうろついているチームで
レギュラーがとれない自分に
野球の才能があるわけがない。

野球どころか
他人と比べて秀でた部分が有るかどうかさえ疑ってしまう。


そんな向上心もない人間だからこそ
野球をやめて空いた時間を
勉強に費やすようなことをするわけもなく
成績は相変わらず中途半端なラインを
浮き沈みしていた。



それでも大きな都市なら
それぞれの成績に見合った大学があるわけで
国立・私立と贅沢言わなきゃ
誰でも進学できるもの。


都会で一人暮らしがしたい・・・・
たったそれだけの理由で俺は今の大学を選んだ


罪悪感なんてない。


どんな大学を出ようが
高卒に比べたら大卒の方が良い会社に就職出来る。

親がそれを望んでいて
そのとおりにしてあげているわけだから
俺は黙って4年間親の仕送りを食い潰していればいいのだ



大学で野球部入ったのは
野球自体に未練があるわけではない。

入学式で勧誘してきた野球部のマネージャーが可愛かったから
思わずそこで名前を書いてしまっただけ。

手っ取り早く友達作るためには
なにかしらサークル入った方が良い。

女の子の部員が多いバトミントンサークルの方が
よっぱど【出席率】が高い


とりあえずの4年間。
とりあえず俺は4年間大学生をしていよう



そして卒業前に就職活動して
どこか1つに引っ掛かればいい

それまで女の子と遊んでいればいい
黙っていたって毎月親から金が入る。



とりあえずの4年間。





2009年02月10日(火) 【記憶】についての識見(横浜・京都訪問記念ぶんしょう)


【記憶】とは非常に曖昧なもので
ある出来事に際して
その場に居合わせた複数の人間が
同様に記憶するわけではない


時間がたつほどそのズレは顕著であり
つい先日私自身が実際に経験した例では
【学生時代のケンカ】という記憶も
見ていた第3者が憶えているのに
ケンカをした当人同士が
原因どころかケンカしたことさえ忘れてしまっていた



つまり記憶とは各個人がその出来事に対して
どのような印象・衝撃・サイズ(大小)で受け入れるかによって
今後の【保存状態】に影響を及ぼす


くどいようだが
記憶というのが【発生時に個人がどのように受け入れるか】によって
【保存状態】に影響を及ぼすのなら
【今後どのように保存したいか】をその都度判断し
適切に振り分けれるかがポイントになってくる



いつまでも鮮明に記憶しておきたい重要な事項は
いつまでも鮮明に記憶するための処置が必要であり
その処置についても個人によって千差万別である


とはいうものの
情報は24時間365日
常に五感を刺激し
意識せずとも記憶の振り分けは本能的に繰り返されている


仮に重要な事項を
個人がいつまでも鮮明に記憶していたいと願っても
その振り分けが希望どおり叶わないことも多々ある


だからこそ
記憶だけに頼るのではなく
手帳にメモを残すなどの方法で定期的に確認し
記憶の更新を図ることが大事なのである




というわけで・・・




月末の妊婦検診に付き合う約束をしていたにも関わらず
すっかり忘れて
その日に自分の健康診断の予約を入れてしまったことに関しては
十分反省していますので勘弁していただきたいものである

(健康診断の予約だって変更できたわけですし)




管理人:吉田むらさき

ご意見はこちら

ホームページはもうない


My追加
号で照会のあった件については【ロック】と認定いたします