裏返した肉片...意澄

 

 

メモリー - 2001年11月29日(木)

眠りは小さくとっかかって
煩い声を遠巻きにして
珍しさを強調する
小さく小さく。
腫れ上がった傷痕は疼く
止め処なく溢れる血と赤い涙は腐る
大嫌いなメモリー
大嫌いなメモリー
削除してしまえばいいのに。
大好きなメモリー。
保護しなくちゃならない。

嘘を重ねる毎に後悔するメンタル系
あたしは最期だ。


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瓶 - 2001年11月17日(土)

転がった瓶に訊いてみる。
空っぽの瓶。
割れる事がこわくないのか、と。
瓶がこたえるはずはないけど、訊いてみる。

夜中じゅうに 響く 喘鳴

震えたじぶんを見られるのが怖くて
傷口は増える一方で
1年経った傷痕も色は残っていて
自分に甘えて切り刻んだ馬鹿の子の証は、
ずっと消える事はなくて。

人に見せるべきではないものが増えすぎて
いっぱい ありすぎて。

わたしはすぐに消えてしまえばいいのにとばかり願う。
電車に飛び込みそうになったり。
大きなトラックに飛び込みそうになったり。
ああ、でも真っ赤な外車に轢かれる方がかっこいいと思ったっけ

外では鳥が囀り 爽やかな筈の朝。
私はこれから 真っ暗闇の睡眠に陥る。


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嘘の言葉 - 2001年11月12日(月)

大好きなのに。
死にそうなのに。
何も言えない。

会いたいのに。
壊れそうなのに。
何処にも居ない。

一番愛した言葉を
吐き捨てて

飛び降りる 遠くへ。


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空気 - 2001年11月11日(日)

空気が澱んでいる。

愛おしい空気を感じたい。

ゆびがむらさきいろだよ。

早く寝ろよ。

かおがあおじろいよ。

誰にも返しはしないこの空気。


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血 - 2001年11月10日(土)

足下まで溢れてきた
血液が。

幸福とは言えない過去と
幸福とは言えない現在を折り重ねる。

全てに於いて稀薄な観念。

足下から立ち上ってくる
血の匂い。


抱きしめて、終わればいい。


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