五行日記
ガム



 事実の油。

昨日からの不安が躰の節々を錆び付かせ、

ブリキの玩具みたいにぎこちない挙動。

イヤな予感に限って当たる気がするのは何故だ?

事実の油を持っているなら早く僕に差してくれ。

「心」を手に入れた木こりもこんな思いをしたんだろうか?

2004年09月30日(木)



 妄想電流。

ひとつ、ふたつ、みっつ…。

繋がらないはずのいくつかの出来事が無意識で繋がる。

途端不安の糸を伝って妄想電流が流れだす。

躰の芯が痺れ、頭蓋の中で何度も繰り返される同じ言葉。

「もしかして…。」「いや、まさか…。」

2004年09月29日(水)



 過去軽油未来。

どこからともなく漂ってくる、あの懐かしい臭い。

決して好きになれなかった、あの煤くさい臭い。

朝一で嗅いだ炭化水素油の臭いが、一日中僕に付き纏う。

後半年。後半年したらその臭いのする現場に戻れるかな。

少なくとも今よりは、やる気を持ってできるだろう。

2004年09月28日(火)



 迷信高速脳。

なんだかすっかり頭が固くなってしまった。

発想が凝り固まってるというか融通が利かないというか。

もっと柔軟な考えができたはずなのに。

酢でも飲もうかな?

いや、そんなんじゃダメか…。

2004年09月27日(月)



 「数字<素材」至上主義で行こう。

オリンピックではあれほど感動を「与え」たがっていた民放が

面白いことにパラリンピックには見向きもしない。

ただ意味もなく派手な演出で感動を薄れさせ

結局は選手の人気と成績におんぶにだっこ。

もっと素材の味を引き出す感じで頼むよ。

2004年09月26日(日)



 流れ弾ける太陽の粒。

夕日を背にして彼女が走ってくる。

なびく髪がオレンジ色を吸い込んで

彼女はまるでもう一つの太陽のように輝く。

すれ違う彼女からは太陽の粒。

思わず見ず知らずの彼女を振り返った。

2004年09月25日(土)



 センチメンタル段ボール。

荷物を段ボールに詰め、新しい部屋に運び出す。

2年半生活してきた部屋は次第に生活感を失っていく。

新しい部屋にもまだ、その匂いはない。

段ボールの積まれた部屋の真ん中でこれからを想うと

なんだかセンチメンタルになったりするのです。

2004年09月24日(金)



 1/4の純情な感情。

もうそんな扱いには慣れっこだけど

それを知ったとたんに白い目で見るのはどうかと思うよ。

あれもこれもと理由を後付けされて「やっぱりね」って。

それを知る前まで普通だったじゃない。何なんだよ全く。

B型だって切ないんだよ。たまにはね。

2004年09月23日(木)



 カフェオレの底。

昨日からの大雨で河川の増水が著しい。

カフェオレ色の濁流がまた僕を不安にさせる。

覗き込んでも見えない川底はまるで

鬱ぎ込んでる人の心みたいで

訳も分からず無力感を感じたりするのです。

2004年09月22日(水)



 右腕への負荷、気持ちを軽く。

久しぶりの成分献血。

血になるものを、と有志で焼き肉を食べに。

当然ながら食べるだけで済むはずもなく

飲んだあげくにボウリング。

こんな僕の血で良ければいつでもどうぞ。

2004年09月21日(火)



 秋を迎えて何かが落ちた。

新しい土地に住み始めてまだ1年未満。

そこでの夏から秋への変わり目は初めての体験。

そのせいもあってか彼女は風邪をひいてしまったようだ。

頑張りすぎて長引かせたりしないかが心配だけど

実はまだ彼女のことはよく分かってない。

2004年09月20日(月)



 やぶへび注意報。

稲刈りシーズンが始まった。

例年ならとっくに来ているはずの

実家からの応援要請が今年はまだない。

多分兄貴がやる気を出したんだろう。

とりあえずこっちからは連絡しないでおくか。

2004年09月19日(日)



 現役続行宣言。

快音を響かせて白球が飛んでいく。

今季最終戦にして今季一会心の当たり。

打球を目で追いながら走る、走る、走る。

送球に追いつかれないよう走る、走る。

今季1号ランニングホームラン。

2004年09月18日(土)



 答えはくれずに日が暮れる。

悩みがあるなら秋の空に相談するといい。

気が晴れないときには模範となる晴れ空を見せてくれるし

午後の太陽は目線まで降りてきて話を聞いてくれる。

冷たい雨は頭を冷やしてくれるし

うろこ雲は気持ちの落ち着け方を示してる。

2004年09月17日(金)



 負け犬相乗効果。

劣等感が人一倍強いため

劣等感の強さについてはそれを感じたことが無く

今日も誰かと自分を比べては

自虐的な皮肉をひとつつぶやいてみたり。

そのつぶやきに共感されてみたり。

2004年09月16日(木)



 胸一杯です。ごちそうさま。

朝飯は食べない。

一日の初め、僕の空っぽの胃袋に飛び込んでくるのは、

バイキング形式、色とりどりのストレス。

食べたくもないそいつらを、朝から無理矢理詰め込まれ、

胃もムカムカ。気持ちもムカムカ。

2004年09月15日(水)



 掃き溜めのツル。

まるで掃き溜めのような場所だ。

いるだけで気分が悪くなるし具合が悪くなる。

こんな場所で鶴を探すなんて無茶な話。

探し回れば探し回るほど僕を邪魔する奴らの蔓が

しつこく絡まって身動きがとれなくなるだけ。

2004年09月14日(火)



 黒黒黒黒黒青赤赤と目で追って。

のどの渇きで目が覚めた。二日酔いでもないのに。

まだ歯磨き粉の残る口にスポーツドリンクを流し込むと

『不味さ』を感じて脳も目を覚ます。

しわの寄った眉間の先には今月のカレンダー。

この週を乗り切れば3連休。

2004年09月13日(月)



 机上の提言。

スト反対。合併はやむなし。ただし球団の削減反対。

むしろ球団を増やし、東北、四国等にも球団を置くべし。

ドラフト制度を見直し、自由獲得枠と栄養費を撤廃すべし。

プレーオフは継続し、消化試合を少なくすべし。

選手は五輪で見せた全力プレーを毎試合見せるべし。

2004年09月12日(日)



 ふたつの塔。

黙祷

映画より迫力も臨場感もなく

ただテレビ画面に映し出されるふたつの塔。

青空に立ち上る黒い煙が僕の鼻にも届いたような錯覚。

あのとき嗅いだ嫌な匂いが今もまだ鼻の奥に残ってる。

2004年09月11日(土)



 苛立ちの種。

通路いっぱいに広がって歩くホワイトカラー。

ちんたらちんたら旗振ってるブルーカラー。

障害者用の駐車スペースに停める体だけの健常者。

全く話の通じない顔は蛙、耳は馬の上司。

あんた等が蒔いた種でストレスは豊作。収穫に大忙し。

2004年09月10日(金)



 ランダム50。

パソコンからMDや携帯に音楽を落とす。

偏りがちな選曲を防止するためにランダムに50曲。

約4500曲の中から選ばれるそれらの曲はタイトルや

アーティストを確認しなきゃわからないものがほとんどで。

改めて偏っていた選曲と、気付けなかった名曲を思い知る。

2004年09月09日(木)



 9月のサービス。

台風が通り過ぎた今朝もいつもどおり新聞が届いてた。

いつもと違うのはビニールの袋にくるまれていること。

雨に濡れないようにというサービスだろう。

でもそれ以上のサービスは購読していない新聞が届くこと。

試読紙の配達が多いアパートだよ、ホントに。

2004年09月08日(水)



 9月の戯言。

「言葉を選ばないで言わせてもらえば」なんて言うときは、

大抵の場合、あえて「ひどい言葉」を選んで話してる。

揉め事を起こす気はないけど、なにしろ性分なもんで。

いつも生意気言ってすいません。僕なりの照れ隠しです。

なーんてね。

2004年09月07日(火)



 9月の灯。

この時期になると頻繁に耳にするマジックと言う言葉。

点灯したり消滅したり段々と減っていったり。

贔屓のチームのマジックが減っていくのは嬉しいけど、

まやかしのマジックでプロ野球が消されてしまいそうだ。

頭を冷やせ。灯を消すな。

2004年09月06日(月)



 9月の天災。

空から海から地底から、奴らは来る。

風や雨や波や揺れを引き連れて、

何度も何度もやってくる。

何もそれは画面の向こうだけの出来事じゃない。

その光景を心に刻め。

2004年09月05日(日)



 9月の雪の夢。

アパートを出ると、粉雪が降ってた。

まだ半袖の僕は、早すぎる初雪にほんの少し驚いた。

露出した腕に、舞い降りては消えていく粉雪。

驚きが少しで済んだのは、直ぐに夢だと気付いたから。

夢じゃなきゃあり得ない、冷たくない雪と微笑まない君。

2004年09月04日(土)



 9月の後継者。

枝豆とビールと塩ラーメン。

最近この店で締める僕でも彼には追いつけない。

彼ほど飲めないし、彼ほどユーモアはない。

彼ほど自信はないし、彼ほど真っ直ぐじゃない。

代行を呼ぶ声を尻目に僕は歩いて帰る。

2004年09月03日(金)



 9月の空と月。

すすきの花が咲いている。吹く風はすっかり秋の匂い。

近く感じる月は語る。

何もかもがうまくいかない僕に追い打ちをかけるように。

『今夜の僕は僕じゃないから、本音は隠したままだよ。』

それでも月は微笑む。僕に隠し事をしたまま。

2004年09月02日(木)



 9月の下り坂。

新しく買った携帯が不良品だった。

本体交換でダウンロードした着メロ等が台無しに。

アパートも雨漏りしてる。

まぁどうせあと1ヶ月。

なんかこう、ついてないな。

2004年09月01日(水)
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