愛より淡く
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2005年06月30日(木) 罪な男

昨夜はなんとも蒸し暑くなかなか寝付けなかった。


寝付かれないままに


以前観ていた大河ドラマ「武蔵」に出てくる佐々木次郎の恋人、お篠さんが、

佐々木小次郎のもううひとりの恋人、お琴さんに向かって放つセリフを思い出してしまう。


こんなのだ。


「わたくしは自分を哀れんでなんかおりませんわ。自分を哀れむということは女の人がいちばん陥りやすい過ちですわよ。お琴さん」



そのあとお琴さんは、自害して、お篠さんに佐々木小次郎を譲る。


この静かなる女の戦いは、お琴さんの勝ちだったと、私は思っている。


お篠さんは、お琴さんが自害した時点で、自分も佐々木小次郎から身をひくべきだったのだ。そしたらこの勝負は互角となったはず。

でも結局いっしょになってしまう。


それでも恋は、勝ち負けではないので、武蔵に破れるまでのほんの束の間だけでも小次郎といっしょにいられて、お篠さんも、しあわせだったのかもしれない。


小次郎は、最初の恋人に目の前で自害されてしまって

それからお篠さんと運命的な出会いをして、互いに惹かれあいながらも、別れ別れになってしまい、

そんな時に出会った、最初の恋人にそっくりな人妻お琴さんを亭主からかっさらうようにして連れ出して、いっしょに旅を続けているうちに、

お篠さんと再会してしまう。


お琴さんも、お篠の存在も知ってしまい、お琴さんは、小次郎の気持ちがすでに自分にないことを知って、自害してしまう。


絶望して死んだのではなく、清々しい気分で死んだのだと私は思う。

このまま生きていたって、嫉妬に苦しみ嫉妬に歪んだ醜い自分をさらすだけだと、お琴さんは考えたのかもしれない。

彼女は愛に殉じたのだ。あああなんて潔い選択。

感動した。


それにしても、小次郎さん、罪な男だなあ。


まあドラマだけど。


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テキスト庵さん